バルス

バルス

小説・文芸
990円 (税込)

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トップレベルの私立大学に通う百瀬陽二の就職戦線は冴えなかった。名の知れた大企業への就職に囚われていた陽二は、再チェレンジする為に就職留年を決める。留年のあいだ派遣会社を通じて世界最大のネット通販会社《スロット》の物流センターでアルバイトをすることに。そこで見たのは、派遣労働の過酷な職場環境、さらに膨大な商品の運送業務に忙殺される大手総合物流企業の厳しい現場だった。
東京から各地方に向かう東北・東名・中央・常磐など主要高速道路で、ほぼ同時に宅配便を配送するトラックが走行中に荷台から出火し交通麻痺となる。格差社会への不満を抱えた集団「バルス」により犯行声明がマスコミに届き、次なる犯行予告が伝えられた。宅配会社は荷物の受け付けを中止、それに伴いネット通販会社の出荷も停止、あらゆる産業で事業が滞りはじめた。追い打ちをかけるように、バルスは予想を超えた要求をつきつけてきた!

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  • カテゴリ
    :
    小説・文芸
  • ジャンル
    :
    小説 / 国内小説
  • 出版社
    :
    講談社
  • 掲載誌・レーベル
    :
    講談社文庫
  • タイトル
    :
    バルス
  • タイトルID
    :
    934430
  • ページ数
    :
    496ページ
  • 電子版発売日
    :
    2021年04月15日
  • コンテンツ形式
    :
    EPUB
  • サイズ(目安)
    :
    1MB

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バルス のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ

    小泉内閣時代に製造現場への派遣が解禁された時から、現在に至るのはある意味「必然」だったと思う。そして一度その領域に足を踏み入れたら二度と抜け出せないだろうなぁ、とも思う。本作のような「革命」でも起きない限りは。

    企業が非正規労働者を雇用の調整弁としていること、そして消費者が「送料無料」の恩恵を受けるために、その水面下で大勢のワーキングプアが苦しんでいる、と似たような構図は他にも存在していると思う。

    例えば原発問題。みんな東北の大震災で原発は危険という認識は持ったはず。そもそも何万年単位での高レベル放射性廃棄物の管理なんて、人智を超えていて人類の手に負えない、って薄々気付いているはずなのに、じゃあ原発を全部無くす代わりに電気料金が跳ね上がります、となったらみんな反対に回る。

    「総論賛成、各論反対」。本作で言えば「非正規労働者を正社員に、その代わりにすでに正社員の者の給料は下がる、送料も負担する、物価も上がる」となったらみんな反対するに決まっている。これは「構造的な問題」であり、もはや後戻り出来ないだろうなぁ、と思う。

    本作の「革命」はある意味「夢物語」。だからこの話を一言で言うなら「大人のお伽話」かな?

    0
    2026年03月15日

    Posted by ブクログ

    トップレベルの私立大学に通う百瀬陽一の就職戦線は冴えなかった。名の知れた大企業への就職に囚われていた陽一は、再チャレンジする為に就職留年を決める。留年のあいだ派遣会社を通じて世界最大のネット通販会社《スロット》の物流センターで非正規労働者としてアルバイトをすることに。
    そこで見たのは、派遣労働の過酷な職場環境、さらに膨大な商品の運送業務に忙殺される大手総合物流企業の厳しい現場だった。

    社会で派遣やアルバイト、パートが重用されるようになったのは何時からだっただろう。
    多くの主婦たちや学生にとっては短時間のパートは働きやすかった。
    けれど、そのシステムは働きたい人々、働かなければならない人々にまで広がっていく。
    それは格差が大きくなることでもあった。

    労働のシステムを考えさせられた作品であった。

    0
    2025年03月10日

    Posted by ブクログ

    すごく細かく書かれていて、現実に起こりそうで起こらないフィクションとノンフィクションのギリギリを攻めてるような作品でした。
    最後に少しフィクションに寄っていたが小説である事を考えればいい終わり方をしたと思う。

    内容は非正規雇用と正規雇用の問題が出てきて今まで興味を持たなかったことに興味を持てるきっかけとなる、私にとってこの本は正しくバルスの存在と同じ様な存在になりました。

    楡さんの本は今の自分にとって世捨て人みたいな生き方をしてきた自分に別の視点を優しく教えてくれる。そんな作品が多いため、これからも読んでいきたいと改めて思いました。

    0
    2024年04月03日

    Posted by ブクログ

    2024.03.05〜03.10
    この人の作品って、緻密に書かれていて、毎回、感心する。今回も、凄いな、と感心。
    非正規労働者の苦悩はわかる。が、共感はしない。

    0
    2024年03月10日

    Posted by ブクログ

    『バルス』楡 周平著
    働く世界の厳しさ ☆☆☆☆☆
    将来の不安との闘い☆☆☆☆☆
    資本主義とは?  ☆☆☆☆☆
     
    主人公/大学生が派遣アルバイトを始めます。理由は、就職浪人をしたため、学費を稼ぐためです。派遣先は、グローバル通販企業の物流センターです。
    彼の派遣アルバイトという世界を通じて、読者は下記のテーマを考察する機会に出会います。
    ・厳しい就職活動。
    ・正社員と派遣社員の環境の違いと格差。
    ・資本主義とはなにか?

    【厳しい労働環境。その背景は?】
    派遣先のグローバル通販の物流センターでは、徹底したコスト管理が実行されていました。たとえば、作業員1名あたりのピッキングする点数は、1分あたりのノルマが定められています。それが常時計測され、下回ればワーニングが出る仕組みです。
    なぜ、そこまでコスト管理をするのか? それは、部流センターに発注をする個人客からの請負単価自体が安いからです。たとえば「配送料無料」というサービスを実行しても利益を出すには、徹底したコスト管理が必要となるからです。
     
    【同窓との再会。つかのまの安らぎ】
    厳しい労働で体力ならびに精神ともに消耗する毎日。そんな中で、彼は高校の同窓と会います。ミュージシャン志望だった同窓は、結局その道を断念し、彼と同様に派遣で働く生活でした。
     
    彼と同窓は、同じ派遣の現場を体験した仲間として食事をともにすることになります。
    その席で、彼は同窓にある考えを伝えたのでした。
    「もしも、グローバル通販に一矢を報いたいならば、いい考えがある。」
     
    【事件?事故?爆発が・・・。】
    その食事会からしばらくの期間が過ぎたあと、事件が起こったのでした。
    その事件がグローバル物流センターから出荷された荷物の「爆発」です。
     
    爆破した犯人の名前は「バルス」。
    アニメ「天空の城ラピュタ」で描かれた破壊の呪文の名前です。
     
    「バルス」の犯行声明に記載された要求事項はお金¥ではありません。
    派遣労働に関する法律の是正と、派遣労働者に対する権利の是正です。

    【読み終えて】
    読者側で、爆破事件/テロの動機、そしてその犯人を推察することは容易です。したがって、ミステリー小説としては、多少の消化不良を起こすかもしれません。
    この小説は、ミステリーというよりも、資本主義、正社員・派遣社員の構造、そして就職氷河期世代の迫りくる未来を考えては・・・?という示唆を与える小説となっています。

    0
    2023年12月08日

    Posted by ブクログ

    ・ビジネスの描写が綿密
    ・思考実験としても色々考えさせられる
    ・1年経ったら正社員、というのは打開策になり得ないのでは?世界の富の総量そのままに弁当箱の仕切りを動かすに過ぎない策かと
    ・ところで、株主配当VS内部留保VS労働者報酬 ってどんな力学で決まるの?

    0
    2023年08月17日

    Posted by ブクログ

    非正規労働者の酷い状況を打破しようと模索する若者たちの物語だが、現代の重要な問題を洗い出している啓発的な小説だ.百瀬陽一が就職浪人として働くスロットでの経験を前向きに捉えて、週刊近代の内海健太郎とのやりとりが始まる.宅配便のトラックが一斉に発火事故を起こし大混乱が発生し、犯人バルスから派遣労働者の待遇改善要求が出る.最終的に百瀬がバルスの正体を察知し健太郎の筆力で前向きな方向に転換できた結末はやや楽観的な面もあるが、現実の日本での問題点を指摘した先進的な物語とも言えよう.

    0
    2022年03月22日

    Posted by ブクログ

    202104/今作も楡周平らしさ満載のスピード感と面白さ!拡げた展開の畳み方や結末に甘い部分はあるんだけど、喜怒哀楽を揺さぶりながら一気に読ませる筆腕はやっぱり見事。

    0
    2021年06月08日

    Posted by ブクログ

    2018年『バルス』は、現代の流通業に関わる問題点を提示する。巨大ウエブショッピングで発注される激安商品が、顧客の手元に届くには倉庫の非正規雇用労働者が搾取され、配送業者の利益は極限まで削られる。これではいずれ激安商品すら買えなくなる時代がくると著者は訴える。

    バルスと称する人物が外資系巨大ウエブモール会社に貧者のテロを仕掛ける。それはこの会社に恨みを持つ者の仕業だった。犯行声明文に共感した労働者は立ち上がるが、国まで動かす展開になるのだろうか、希望をつなげて話は終わる。

    0
    2026年02月12日

    Posted by ブクログ

    必要悪。
    あったらダメなんだよな本当は。
    目を背けてはいけない問題こそ、
    気づいていない事が多いので、
    大変です。

    0
    2025年05月27日

バルス の詳細情報

  • カテゴリ
    :
    小説・文芸
  • ジャンル
    :
    小説 / 国内小説
  • 出版社
    :
    講談社
  • 掲載誌・レーベル
    :
    講談社文庫
  • タイトル
    :
    バルス
  • タイトルID
    :
    934430
  • ページ数
    :
    496ページ
  • 電子版発売日
    :
    2021年04月15日
  • コンテンツ形式
    :
    EPUB
  • サイズ(目安)
    :
    1MB

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