小説作品一覧

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  • 賞金犬
    -
    1巻693円 (税込)
    元刑事が殺された。傍にいるはずの愛犬クロベエがなぜか、消えてしまった――。 その後、獰猛な黒犬が次々と暴力団員を咬み殺す事件が発生。クロベエが復讐しているのか? 切羽詰まった暴力団は黒犬に懸賞金を賭け、クロベエ抹殺に突き進む(表題作)。ほか、「冬に棲む魔性」「炎の河」「石の花」「海の角」「庭師」の5篇を収録。
  • 悪い人だったら、よかったのに。
    -
    1巻693円 (税込)
    「私さぁ、幸せになっていいのかな? 許されない罪を犯したのに」かつて同級生をいじめるという罪を犯し家に籠もりつづける女と、彼女をそばで見守る男。そして二人の出会いも普通なものではなかった。二人はどうして同居にいたったのか。そして、男の決めたこととは? 罪とは? 幸せになっていいかどうかなんて、いったい誰が決めるのだろう…?
  • 弱むし
    -
    1巻693円 (税込)
    萬里子は生まれてすぐに母と生き別れたが、祖母に愛を注がれ育つ。実父と暮らすようになるが継母にきつく当たられる。やがて子のない叔父夫婦に引きとられ、萬里子は家で役に立つ子になろうと、健気に振る舞うのだった。表題作の長編「弱むし」と、心優しい恐竜と、足ることを知らない人間の愚かしさを描く「ブラッキオ氏」など短編5篇を収録。
  • 殺意の海図
    -
    1巻693円 (税込)
    千葉県の外房に位置するリゾートホテルを経営する浦辺智弘は、20歳も下の美穂と再婚を果たした。心身ともに、美貌の若き妻との結婚生活に満足していたが、ある日、妻の内股にキスマークのような痕を見つけた。打ち身などによる青アザなのか、本当にキスマークなのか。妻への信頼がぐらつきながらも、信じたいと思い、ついに真実を見極めるべく、探偵まがいのことをはじめるのだった。男は何歳になっても無垢な想いに突き動かされる!
  • 老害の人
    値引きあり
    3.8
    迷惑なの! と言われても。 昔話に説教、趣味の講釈、病気自慢に孫自慢。 そうかと思えば、無気力、そしてクレーマー。 双六やカルタの製作販売会社・雀躍堂の前社長・戸山福太郎は、娘婿に社長を譲ってからも現役に固執して出勤し、誰彼かまわず捕まえては同じ手柄話をくり返す。 彼の仲間も老害の人ばかり。素人俳句に下手な絵をそえた句集を配る吉田夫妻に、「死にたい死にたい」と言い続ける春子など、老害五重奏(クインテット)は絶好調。 「もうやめてよッ」福太郎の娘・明代はある日、たまりかねて腹の中をぶちまけた。 『終わった人』『すぐ死ぬんだから』『今度生まれたら』に続く著者「高齢者小説」第4弾! 定年、終活、人生のあとしまつ……。 自分のこと、親のこと、いずれは誰もが直面する「老後」。 「最近の若い人は……」というぼやきが今や「これだから『老害』は」となってしまった時代。 内館節でさらなる深部に切り込む!
  • 日曜日と九つの短篇
    -
    故郷に帰って後妻になると決めたホステスの仲子は、東京で既婚者の浦上とデートしたのだが……(「日曜日」)、 やくざと交際をはじめたらしい店のホステスを見守る萩江は、20年前の自分を重ね合わせていた(「裏町」)…。 代表作『恋文』の直後に書かれ、さまざまな男女の機微をあざやかに描いた10篇を収めた短篇集。男と女が交錯する人生とは、なんと滋味深く、愛しいものか――。
  • ヨコハマ エスケープ ボーイ
    -
    1巻693円 (税込)
    「行きつけのカフェは居心地良いけど、突然何かが起こる。それは想像しえない現実でも想定の範囲の出来事でもなく、まったく未体験の現実が展開していく」そう筆者に語った十六歳の千尋。彼が暮らすこの街で消印のない1枚の古いラジオリクエストハガキが見つかった……そこからこの物語は始まった。港町ヨコハマを舞台に、“逃亡者たち”が繰り広げるジュブナイル・ストーリー。
  • 京都柚子の里殺人事件
    -
    1巻693円 (税込)
    宮之原警部に好意を抱く女性を狙い撃ちしたように、美女たちに京都の隠れ里への招待状が届く。 宮之原への恋心を胸に秘める椎名紗智、後に結婚することになる平瀬玻奈子、人形作家の瑠璃川凌の3人が初めて出会ったのも、この招待状によってだった。 何が目的なのか? 3人が疑念を抱くうちに、殺人事件が起きてしまった。 宮之原警部は、自分に思いを寄せる美女3人と、どのように接するのか。事件解決のために連れて行く美女は、誰にするのか。 いつも以上に見られる宮之原警部の素顔と、事件解決に絡む美女の内面に触れられる快作!
  • ノベル みなと商事コインランドリー うたかたのキス
    4.6
    10万部突破の大人気ゆるキュンBLコミック『みなと商事コインランドリー』 お待ちかね!! 原作者・椿ゆずによる完全新作ノベルが登場!! 商店街の芋煮会に参加した湊とシン。そこで偶然手に入れたミサンガをして眠りについたところ、目が覚めたら違う世界で…!? 湊とシンが高校の同級生になる第1話と シンが湊の高校の後輩になる第2話を収録!! 【年の差】というリミッターをはずしたふたりの恋愛の進展は!? 缶爪さわによる漫画も収録♪
  • 若旦那さんの「をかし」な甘味手帖 北鎌倉ことりや茶話
    3.8
    家事代行サービスの会社で働く秋月都。ある日、北鎌倉に派遣された。辿りついたのは、住み込みの家政婦がいてもおかしくなさそうな大きなお屋敷。出迎えた和装の青年は羽鳥一成という名の若き和菓子職人で、この屋敷は彼の工房兼住居だった。一成の作る和菓子は見事な出来映えで、常連客も多い。人知れず、和菓子に苦い思い出のあった都だが、彼の作る和菓子に触れるうち、心の変化を自覚するようになり…。日々鍛えた料理の腕で、羽鳥家の“定期契約プラン”を勝ち取った都は、いっとき閉店してしまっていた甘味処「ことりや茶房」の再開にも関わることになるが…。
  • 犬棒日記
    3.5
    1~2巻693~737円 (税込)
    犬も歩けば棒にあたる――。その故事のごとく、一歩外に出てみれば、そこにあるのは幸運か災難か!? 巧みな人物造形と心理描写で多くの読者から支持される著者が、街で見た人物や光景を日記形式で描く人間観察記。あなたの身近の風景も、著者の手にかかれば、一瞬にして物語になる!
  • 一夜の櫛
    -
    これは大人の清廉な恋なのだろうか。打算ずくめの関係なのか。 密かに自慢だった髪の艶とやわからさに気づいているかのように、津加子の髪に触れてきた辻沢。ふたりは同窓会での再会がきっかけとなり、月に数回会うようになった。互いに強く自制していたことで、体の関係には至っていなかった。だが、それで十分であるはずもなく、ふたりは旅に出ることで、関係を深めようとしていた。既婚者同士が小出しにする欲望と理性が絡み合うと、どうなるのか……。14篇を収めた珠玉の短篇集。
  • 心の趣くままに
    -
    1巻693円 (税込)
    ふと心に浮かんだ感情や光景、自分を見つめ直す言葉、懐かしい記憶──さまざまな思いをあるがままに綴る詩集。/桜が咲き誇る校門の傍で/セーラー服が並んでいた/花束を手に人待ち顔で/現れたのは詰め襟の学生服左胸には青いリボン/(中略)そこにあるのは時が流れても変わることのない/懐かしくて微笑ましい光景/揺れるその髪にその肩に/桜の花びら舞っていた……/「桜」より。
  • 竜の惑星この地球
    -
    1巻693円 (税込)
    心の中の神々はみんな、ここにいるちっぽけな自分なんかより、ずっと本当の自分自身なんだ──。封印を解いて不思議な力を得た小学生、世の中を呪う反社会的人間(サイコパス)、地球の裏側を見たことのある若い女性の3人が織りなす夢と現実と幻と真理の世界。次々登場する竜たち、ドラゴンたちとともにあなたも真の自己に出逢ってゆく、不思議な哲学に満ちた物語。
  • 射なっ!
    -
    1巻693円 (税込)
    伝統ある名門私立校、八坂実高校の弓道部に「道場破り」が現れた! 勝負に敗れた弓道部は、保有していた価値のある高価な弓を奪われてしまうという大失態である。部のエースである1年生のヨイチは、それらを取り戻すために「道場破り」について調査を始めるが……。対照的な性格の2人の高校生と、個性ある弓道部の仲間たちが繰り広げる青春エンタテインメント小説。
  • ヴェネツィア便り(新潮文庫)
    3.8
    1巻693円 (税込)
    「もし、あなたがこれを読む時、ヴェネツィアがもうないなら、これは、水の底から届いた手紙ということになります」「ヴェネツィアは、今、輝く波に囲まれ、わたしの目の前にあります。沈んではいません」――三十年の時を越えて交わされる〈わたし〉と若い〈あなた〉の「ヴェネツィア便り」。なぜ手紙は書かれたのか、それはどんな意味を持つのか。〈時と人〉を描く懐かしくも色鮮やかな15の短篇。(解説・荻野アンナ)
  • 男坂
    -
    1巻693円 (税込)
    経営していた会社を乗っ取られ、老母の介護のために故郷に帰ったものの、男は惑いと悔恨と憎悪に翻弄される「岬」。刑務所帰りの旧友にしつこくつきまとわれた男は、家族を守るために、旧友のいうなりに金を払ったのだが……「再会」。人生の黄昏時にさしかかった男たちの日常と非日常を緻密に描いた7篇からなる作品集――。
  • 弱虎
    -
    1巻693円 (税込)
    朝夕「アレ」と唱えていると、勝運が開け、「アレ」が龍の背に乗ってやってくるぞ。そんな雲をつかむような、藁をもつかむような、つかみごたえのない言い伝えが、この村に残されている……。仲間たちと力を合わせて、憎き牛鬼を倒すために周到な作戦を展開した後で、彼らがとった行動とは? ……「トラマニア」にはたまらない、摂津の国・弱虎村の民話、豪華三篇収録!
  • ノウテンの街
    -
    1~4巻693~792円 (税込)
    この作品は、映画化実現を目指し、著者が1992年から1994年にかけて発表したシナリオを小説にしたものである。街の大規模開発のため、大がかりな地上げに乗り出した中川興産の部長、高倉健一郎とその部下31名が、住人の立ち退き完了のために大奮闘する「街1つ地上げの巻」と、地上げに成功した高倉等が新しい環境で活躍する「会社を取り返すの巻」を収録。
  • 神の微笑(新潮文庫)
    5.0
    無信仰な僕が、一生の間に経験した宗教的現象を次々に想い起すと、これらが単なる偶然な経験ではなくて、偉大な神のはからいによって経験させられたのであろうかと、自然に考えるようになった――人生九十年、心に求めて得られなかった神が、不思議な声となって、いま私に語りかける……。芹沢文学の集大成、九十歳から年ごとに書下ろした生命の物語〈神〉シリーズ。(解説・大岡信)
  • 憑神
    -
    1巻693円 (税込)
    ネズミの異常繁殖によって、北海道大岳町の住人は恐怖の中で生活していた。そんな事態を解決するために、金融業の青江が鼬(イタチ)が町に放った。思惑どおりにネズミの被害は減ったが、錦鯉が喰われたり、鶏舎が襲われたり、乳児が噛まれるという、新たな緊急事態が起こった。鼬の増えすぎたせいだろうと思われたが、警視庁から警察庁に配転された徳田左近は、別の見方を持って、北海道に向かった(「憑神」)。ほかに「幻獣」「禁呪」。 人間の深淵を描く著者の力作全3篇!
  • きみ去りしのち
    -
    1巻693円 (税込)
    小学生時代の感覚、中学生の頃の大人ぶりたい想い、高校時代に芽生えた女性への熱くたぎる衝動、そしてバイクでの一人旅……。 子どもの時から大学生に至る、男子の年代ごとに湧き上がる感性を、見事に描いた作品集は、「きみ去りしのち」「TOO YOUNG」「センチメンタル・ジャーニー」「煙が眼にしみる」の4篇から成る。 かつての自分も経験したと錯覚に陥りそうな既視感が、あなたの心を抉る。「シミタツ節」の真骨頂がここにある!
  • [蔵出し]クレオパトラ殺人ルート
    -
    1巻693円 (税込)
    売れない演歌歌手・浜路鈴音は、名古屋に戻って心機一転しようとしていた。そんな折、地元の大企業の2代目社長就任祝賀パーティーの仕事が舞い込む。その社長は、高校の同級生、美貌と高貴な雰囲気からクレオパトラと呼ばれていた久理子だった。彼女の周囲には跡目争いのきな臭い噂があり……。華麗な一族を描いた『[蔵出し]クレオパトラ殺人ルート』、他2編を含めた作品集。
  • フォト短歌集 ならやま
    -
    1巻693円 (税込)
    「ひと去りて秋の夜長を談山に鬼の出で来て談ふ如し」「そよ風に枝垂桜はたをやめの花簪の如く揺れをり」……鋭いカメラアイで捉えた写真と、五感を解放した伸びやかな抒情歌。日本の原風景や伝統的美意識をふんだんに盛り込んだ、90作品の「旅物語」。誰もが心の中に大事にしまっている、忘れられない美しき思い出を、やさしく再生してくれる一冊です。
  • 女神の罪
    -
    病理医の杏里は、浪人中の妹、万里江の世話を母親から頼まれる。妹を預かったものの、うまく意思の疎通がはかれない。彼女に疲弊し始めた頃、CJ病患者の脳の試料が削り取られていたことに気づく。犯人は万里江か!? 感染の危険がある試料を何のために? 医学的因果関係を証明しえない悪は罪に問えるのか? 社会通念上の正義に一石を投ずる医学サスペンス。
  • 桃色の乳頭
    -
    1巻693円 (税込)
    東京で夢破れ、実家の牧場に戻った青年・スオウユウキは、陰険な上司&気ままな牝牛に翻弄されつつ、一人前の酪農家になるため&憧れのモエコのハートを掴むため、今日も酪農にいそしむ。引きこもりの親友シュンジや、陽気なネパール人・ダン、それにモエコらと青春を謳歌するユウキだが、牧場経営に関する諸問題が、徐々に前途に影を落とし始め……。
  • 地面師たち アノニマス
    3.5
    100億円という前代未聞の不動産詐欺を成し遂げた彼らが地面師になるまでを描く、それぞれの前日譚――。司法書士歴20年の後藤は、一人娘の塾代に困るほど、薄給に喘いでいた。そんな中、山中と名乗る実業家から300万円で不正への加担を依頼される。喉から手が出るほど欲しい金額だが、事務所の所長を裏切れないと拒否。だが、事態は一変し!?(「ランチビール」)など、スピンオフ短編、全7編収録。
  • 豚に食わせろ
    -
    1巻693円 (税込)
    大坂で、東京で、世界で成り上がるぞ――。 何が何でも成り上がってやると決意した男の、ホンモノの成り上がり物語だ。 手を出したのは先物取引にはじまり、メリヤス販売、魚介加工、そしてたどり着いたのがインスタントラーメンだった。 人々の求めを読み解く力と、先見性に富んだアイデアは、日本人の支持を受け、時代の寵児となっていく。その裏には、男のアイデアと熱意を支える女たがいた――。インスタントラーメンとともに人生を走り抜けた男の、女たちと歩んだサクセスストーリー!
  • 生きいそぎ
    -
    1巻693円 (税込)
    老いを意識しはじめた時、滋味溢れる本書を薦めたい。 友人を亡くしたり、定年を迎えたり、薄毛がさらに細くなったことに気づいたりした時、自分がいきいきと生きていた時のことを懐かしく想うだろう。それは自分が築いた活躍の場所であり、居ていいと認められた場所だった。老い衰える中、活躍の場を失った者は、どう生きるか――。人生の抒情を豊かにを描く比類無き作家「シミタツ」渾身の短篇集!
  • 世にも不幸な男の物語
    -
    1巻693円 (税込)
    関越自動車道の高坂SAであった。根室のみる男の相場は三十代後半で流浪者。ただし、根からの流浪者ではない。心の荒廃で窶(やつ)れはてている――。 「世にも不幸な男の物語」はこうしてはじまる。トラック運転手の根室は、バンパーに凭(よ)りかかっていたヒッチハイクの男を、鋭く観察し、乗せてもいいと判断したところから不幸な男の話ははじまる。男の不幸がどうしてもたらされたのか、驚きの理由が! ほかに「始祖鶏物語」「幽犬」。読み応え十分の中篇が全3篇!
  • 血腐れ(新潮文庫)
    3.7
    1巻693円 (税込)
    亡き夫に唇を触れられたと語り出した義妹(「魂疫」)。縁切り神社で行われる“儀式”(表題作)。忌まわしき伝承を持つ鐘が鳴るとき(「声失せ」)。原因不明の熱に苦しむ息子に付き添う私に近づいてきた女(「影祓え」)。身近な者の災難や死が切り裂いた日常。煉獄の扉を開くのは、無念を抱く冷たい死者か、あなたの傍らで熱を放つ家族か。禁忌を踏みこえた先に見える真相。戦慄のホラー・ミステリー短編集。(解説・杉江松恋)
  • サナトリウム
    -
    1巻693円 (税込)
    僕はもう絶望の扉を開いたのかもしれない。知覚してる、していないに関わらず、未来と過去は訪れる。その錯誤によって絶望が訪れる。「過去も未来も現在も駄目なんだろう?」絶望的であっても、好きという感情があれば、生きていける。「だから今しかないんだ。これが僕の出来る事の全てだ」。絶望という過去性にしがみついて、生きていく事しか出来ない僕のダイアローグ。
  • ロウケン
    -
    1巻693円 (税込)
    「ロウケン」とは介護老人保健施設の略で、分かりやすく言えば老人ホームのことである。本作は、そのロウケンで起きた殺人事件の犯人や経緯を明らかにする物語。ある夜、ロウケンに勤める介護士の里子が、入所者である福井の死に遭遇してしまう。部屋の窓が開いており、福井は他殺と判断される。警察による捜査が進むにつれて、過去と未来、リアルとバーチャル、その間に穿たれた歪みが見えてくる。
  • 消えたい人へ
    -
    1巻693円 (税込)
    あなたを愛する周りの人は/あなたのいない悲しみに/あなたが苦しんだ時間より/もっともっと 長い時間/一生 という時間/悲しみ続けるのだということを/どうか 気付いて下さい/ひっそり死んでいかないで/あなたの為に泣く人は/必ず いるのですから(本文より)──かつて苦しんでいた著者が、今苦しんでいる人たちに向けて力になりたいと一心に願うことでできた詩集。
  • 闇の法廷
    -
    1巻693円 (税込)
    魅惑の女性・鷲見玲子を信奉する警察官、現役判事、弁護士によって開かれる私的な法廷がある。被告人は、現在の法律では正当な罰を与えられない悪事を行った者たちである。 法とは何か、社会正義、必要悪、市民感情とは何か――。日本社会に横たわるいくつもの矛盾を真正面から問いかけ、惑乱の解を突きつける、著者渾身の力作!
  • 君の正体を言い当てようか
    -
    1巻693円 (税込)
    27歳の滝川慎司は、婚活アプリでミナという女性と知り合う。趣味も話も合い、笑顔の可愛いミナに好印象を持った慎司は、次のデートの約束を取りつける。ところが、彼女自身のことを尋ねるとなぜか頑なに口を閉ざすミナ。そして、アプリに書いたプロフィールは全部デタラメだと告白する。慎司は、ミナの職業、年齢、出身地、全てを見破ってみせると宣言。二人の謎解きゲームが始まった。
  • ポリテクスクール京都 電気設備技術科
    -
    1巻693円 (税込)
    「この歳で、こんなところで、本当に友達て呼べる人ができようとは…」。年令・性別・学歴・職歴に関係なく電気技術を学ぶ職業訓練校。「第二種電気工事士」の免許を取得するために実に様々な背景を持つ人々が集まってくる。青春時代のごとく、本音でぶつかり合いながら真剣に学び考え、泣き笑う、その半年間の奇跡の時間。司法試験受験生が放った一冊の檄文。
  • 今宵も喫茶ドードーのキッチンで。
    3.9
    1~3巻693円 (税込)
    住宅地の奥でひっそりと営業している、おひとりさま専用カフェ「喫茶ドードー」。この喫茶店には、がんばっている毎日からちょっとばかり逃げ出したくなったお客さんが、ふらりと訪れる。SNSで発信される〈ていねいな暮らし〉に振り回されたり、仕事をひとりで抱え込み体調を崩したり……。目まぐるしく変わる世の中で疲れた体と強ばった心を、店主そろりの美味しい料理が優しくほぐします。今宵も「あなたの悩みに効くメニュー」をご用意してお待ちしております。心がくつろぐ連作短編集、開店。
  • 采女の怨霊―小余綾俊輔の不在講義―(新潮文庫)
    4.0
    奈良・猿沢池の畔に鎮座する「采女神社」は池に背を向け、平素は固く門を閉ざしている。昔、入水した采女の霊を慰める祭では、門が開かれるというのだが……。そもそも、なぜ下級女官の鎮魂が連綿と続いているのか。春日大社から壬申の乱、皇位継承の闇、平城京の怨霊封じに続く謎。民俗学者、小余綾俊輔の推理が、隠された古代史を解き明かす。鍵を握る采女とは何者か。歴史真相ミステリー。(解説・北夏輝)
  • Dark in the White ─医療界の闇─
    -
    1巻693円 (税込)
    ここに書いたお話は、「実際に存在する病院や人物とは関わりはありません」ということであり、あってはならないことと考えます。しかし、世の中には似たようなことがあり、こうして書き残しておかねばならないというのが「現実」のようです。ひょっとしたら今この時にも、日本のどこかで同じような闇が見つかるかもしれません。白い巨塔に蠢く影を暴く。今、あなたがその証言者に。
  • 秘花〈上〉
    -
    1~2巻693円 (税込)
    中学生の娘・水絵から思わせぶりな物言いで、電機メーカーに勤めている父・小橋行広が浮気していると、母・知子に伝えたのだった。 はたして本当に浮気しているのか、中学生の娘に何か思惑があって嘘をついているのか。 懊悩する母をさらに混乱させるかのように、娘は思わせぶりな言動をつづける。それを裏打ちするかのように、夫が不審な行動をする。 母・知子は真実を突きとめようとするが、事態は、思わぬところに向かっていく――。
  • 双頭の蛇
    -
    1巻693円 (税込)
    夫婦にとって長年念願だったマンションを手に入れた。しかし、幸せは長くは続かなかった。隣室の男の目に見えない嫌がらせは日を追うごとに狡猾で大胆になっていく。 可愛がっていたカナリアがベランダで死んだのは、隣家が猫にそう仕向けたせいに違いなかった。さらに、愛する妻に向ける変質的な視線は許しがたいものとなった……。 人の心に潜む悪鬼を炙り出す、西村寿行渾身の短篇の数々――。
  • 舞い散る桜に、あなたを想う
    -
    1巻693円 (税込)
    高校の入学式の日に、桜の木の下で出会った浬(かいり)と和奏(わかな)。二人は別のクラスだが、思慮深く控えめな浬は、天真爛漫で積極的な和奏に翻弄される日々を送る。やがて二学期になり、浬のもとに毎日差出人不明のラブレターが。浬は和奏からと確信するが、和奏が連日欠席していると知り……。「命」とひたむきに向き合う二人の切なく儚い恋の行く末を描いた青春恋愛小説。
  • 響け! ユーフォニアム 北宇治高校吹奏楽部へようこそ
    4.4
    1~13巻693~779円 (税込)
    北宇治高校吹奏楽部は、過去には全国大会に出場したこともある強豪校だったが、顧問が変わってからは関西大会にも進めていない。しかし、新しく赴任した滝昇の厳しい指導のもと、生徒たちは着実に力をつけていった。実際はソロを巡っての争いや、勉強を優先し部活を辞める生徒も出てくるなど、波瀾万丈の毎日。そんななか、いよいよコンクールの日がやってくる――。少女たちの心の成長を描いた青春エンタメ小説。 ※この物語はフィクションです。もし同一の名称があった場合も、実在する人物、団体等とは一切関係ありません。
  • おとこぐせ
    -
    1巻693円 (税込)
    「昔から好きだった。初めて会った時から」 義理の姉を抱きしめながら、未希雄が囁いたのは禁断の告白だった。 39歳で急死した兄が遺したのは、美貌の妻と、男を知らない19歳の娘。弟の未希雄は、ふたりのか弱い遺族ふたりを扶けようと思いながらも、未亡人となった義姉の熟し切った女の魅力に、気持も性欲も向かってしまった。 義理の弟という立場、倫理観を棄て、未希雄はどこまで義姉を貪るのか――。心優しい男の揺れる心、惑う欲望を、女性作家ならではの視点で描ききった!
  • 詩集 るるる・充ちる・満ちる・見知る ~心の充実を求めて~
    -
    1巻693円 (税込)
    「こんな時間を作った自分をほめよう/やればできる やれるんだ」こんな無我夢中の時間に没頭できる幸せ。百聞は一見にしかず、見て知っていきたい。そして一つでも前向きに、ポジティブにできたら、うれしいものなのです。生きていく中で自然に生まれてくる言葉たちを詩にして、人の心に、琴線に触れるような感動を伝えられたら……。豊かな感性と楽しい語感で綴られた第六詩集。
  • お衣装係の推し事浪漫
    3.0
    1~2巻693円 (税込)
    「お前は俺のーー贔屓筋【ファン】なんだろ?」 推し愛溢れる衣装係と天才舞台役者が繰り広げる、契約結婚ラブストーリー開幕! 【あらすじ】 文化が艶やかに花開く帝都の新帝國劇場。仕事に燃える小野寺紬【おのでらつむぎ】は憧れの大スタア様の衣装見習いとして奮闘していた。だが、舞台では神々しい月城蓮治【つきしろれんじ】は超傍若無人の俺様野郎。耐え難い日々に加え、借金を抱えた両親のため、『良家のご子息』との縁談へ臨むとーー相手はまさかの蓮治!? 眠れない彼の「膝枕係」として婚姻することに。「お前は俺のーー贔屓筋【ファン】なんだろ?」さらに封じた本心まで見透かされて……この結婚どうなる!? 推し愛溢れる衣装係と天才舞台役者の契約結婚ラブストーリー開幕! 著者について ●沙川りさ 東京都杉並区生まれ。2019年、第5回角川文庫キャラクター小説大賞《優秀賞》を受賞し、同作を加筆・改題した『鬼恋綺譚 流浪の鬼と宿命の姫』(KADOKAWA)でデビュー。著書に『贄の花嫁』(KADOKAWA)シリーズがある。脚本家としても活動している。
  • カフカ断片集―海辺の貝殻のようにうつろで、ひと足でふみつぶされそうだ―(新潮文庫)
    3.8
    カフカは完成した作品の他に、手記やノート等に多くの断片を残した。その短く、未完成な小説のかけらは人々を魅了し、断片こそがカフカだという評価もあるほど。そこに記されたなぜか笑える絶望的な感情、卓越した語彙力で発せられるネガティブな嘆き、不条理で不可解な物語、そして息をのむほど美しい言葉。誰よりも悲観的で人間らしく生きたカフカが贈る極上の言葉たち。完全新訳で登場。(解説・頭木弘樹)
  • 祈願成就(新潮文庫)
    3.2
    凄惨な事故死を遂げた郁美。その葬儀を機に、大人になった幼なじみ四人が再会した。小学生の頃の郁美は、仲間たちそれぞれの願いを叶えるため、雑木林でおまじないの儀式を行なっていた。彼女の死を境に、儀式に参加した四人は不気味な影に悩まされ、おぞましい事故や原因不明の災厄に見舞われる。無邪気な遊びに潜む恐ろしい罠とは――平穏な日常が暗転する、絶望に満ちたオカルトホラー。
  • 潮風の行方
    -
    1巻693円 (税込)
    介護実習生の青春ドラマ! なんてこった、彼女にふられた……。モチベーション最低で迎えた現場実習のため湘南の施設に入った俺が出会ったのは、真摯な姿勢で入居者の命と向き合う健気な女性職員と、頑固そうな無口の老人。介護の仕事に対する疑念を持ったまま、悩み葛藤しながらも現場での実習を重ねるうちに、戦争中の祖母の隠された一面が明らかになっていった……。
  • シェイクスピアの記憶
    3.5
    分身,夢,不死,記憶などのテーマが,先行諸作品とは異なるかたちで変奏される,端正で緊密な文体によるボルヘス最後の短篇集.本邦初訳の表題作のほか,「一九八三年八月二十五日」「青い虎」「パラケルススの薔薇」を収録.二十世紀文学の巨匠が後世にのこしてくれた,躊躇なく《ボルヘスの遺言》とよぶべき四つの珠玉.

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  • 中井ビートル
    -
    幼馴染の佐藤と鈴木は、中井という街にある「ビートル」という名前の店で再会した。その小洒落た店で、彼らは久しぶりに酒を酌み交わしながら、思い出話に花を咲かせていた。しかし、そんな和やかな雰囲気の中にも、佐藤の心には鈴木の思惑に対する疑問が漂っていた。彼は何かを知っているようだった。そして、過去の出来事が彼らの間に不協和音をもたらしていた。中井の街とビートルが彼らの記憶の中に響き渡り、幼い頃の絆が今、試されるときが来たのかもしれない。ビートルの扉が再び彼らを導く場所へ。過去の秘密が解き明かされるとき、友情と裏切りが交錯する物語が、新たな展開を迎える――。
  • マロン・グラッセみたいな恋
    -
    1巻693円 (税込)
    和菓子屋を営む小倉家は三姉妹の娘がいた。結婚に踏み切れずにいる長女あずき24歳、不倫の恋に悩む次女アン20歳、そして初恋に躍らせる三女しるこ16歳。三人三様、様々な思いをかかえている多感な時期だ。ただ、そこにはいつも娘たちを見守る父膳哉と母マロンがいた。ある日三姉妹は母マロンから両親の反対を押し切って結婚した事実を聞き、仲の良い夫婦に色々な悩みがあったこと知る。そんな幸せ家族小倉家のそれぞれの恋愛模様を描いたハートウォーミングな小説。
  • 花の和歌
    -
    1巻693円 (税込)
    「さきみだれ 心ゆかしき 花ごころ」「なごりゆく ちりゆく花に おしむかな おしむ心は きよけり思い」「身をかがめ 寄り添う肩は 花囲み 期待の先に 未来見つむも」……人生という「花」とは、生まれる思いだけ、いろいろな色を咲かせては、磨く数だけ輝き、引き立てはなたれるもの。そうした思いを、やさしい目線で切り取った珠玉の俳句、短歌集。
  • 我の日々 あれやこれやのつぶやき短歌
    -
    1巻693円 (税込)
    我が思い以心伝心古女房 娘にゃ出来ぬ妻の気配り/食卓に息子のカツが大きくも 女房の思い察して無口/大吟醸たがわず届く父の日に 一味違う思いを飲みて/茶ぶ台に捕まり立ちて歩む孫 得意顔して手出し手出しを/初恋は甘く酸っぱくやるせなや 実る事なしされど忘れず──妻子や孫への想いや、世の中の出来事に対して、つい口に出たつぶやき、正直な思いを載せた短歌集。
  • ガラスの壁
    -
    1巻693円 (税込)
    都内でも一等地といわれる渋谷区松濤。 商社に勤める夫の和智高広と二人暮らしの絢子は、行きつけのブティックを出て拾った現金入りの封筒を持ち帰ったことから、見知らぬ男に拉致され複数の男から陵辱される。その最中、なぜか男は高広についての情報を事細かく訊いてきた。不感症だった絢子が急に淫乱になったことに不審を抱いた高広だったが、これは大きな陰謀の発端にすぎなかった。 新興宗教から北海道をめぐる国際問題へと、波乱の渦が大きくなっていく――。
  • あたり屋 ~Crash for cash!~
    -
    1巻693円 (税込)
    会社をリストラされた主人公が、ひょんなことからあたり屋となり、生計を立てていく。ある日、主人公の車にぶつかる様子が映画関係者の目に留まり、スタントマンへとスカウトされる。その誘いを受け入れ、恋人もでき、新たな人生を歩み始めた矢先、主人公に忍び寄るのは警察の捜査の網だった…。主人公の運命やいかに? ほか「一発逆転男」も収録。
  • あのセミはきっと夏が知りたい
    -
    1巻693円 (税込)
    「扉を開け、中をのぞき込むと、僕と同い年ぐらいの女の子が一人ベッドに座り本を読んでいた。(中略)しばらく彼女から目を離せずにいると、本から顔を上げた彼女がこちらを見た。突然目が合ったものだから、慌てふためいた僕は何も言わずに扉を閉めようとした」(本文より)。外に出て夏を知ってみたかった少女とともに、つかの間、煌めく大切な時間を過ごした少年の暑い日々を描く。
  • 咄嗟の契約/とり
    -
    1巻693円 (税込)
    一途な性格の青年が直面した出来事を発端に、その隣り合わせの関係性をさり気なく綴り「生」と「死」とは何か、を改めて考えさせられる短編小説集。アパートに住む男が、偶然目にした事件を取り上げた『咄嗟の契約』、食肉処理場に勤める男の日常から、突然現れたカメラマンとの出会いに心打たれ新たな旅立ちを決意するまで描いた『とり』の掌編2作と詩3編を収録。
  • ノベル 君には届かない。 ぼくらの文化祭
    3.7
    【泣きたくなるほど心がかき乱される青春ボーイズストーリー、待望のノベル化!】 ある日、クラスの文化祭実行委員になってしまったカケルは もうひとりの文化祭実行委員である黒沢菜央と一緒に、ヤマトやクラスメイトたちの協力を得ながら文化祭成功に向けて奔走するが…!? コミックス本編開始前にカケルとヤマトの身に起きた文化祭での出来事と、みか自ら描いた描き下ろし漫画を収録!
  • 短歌集 蝸牛は歩む。
    -
    1巻693円 (税込)
    「見上げると銀の涙が頬つたう/冴え冴え輝く白銀の月」豊かな感性は時に精神を傷つける。うつ病と闘った筆者は、父とも最後まで分かり合うことができなかった。「移ろう四季」「痛く甘い恋愛」「過ぎゆく日常」「父の死」の四章からなる短歌は繊細に揺れながら、確かな言葉として息づいている。「青空が弧を描いて消えていく/神が創った天球儀の様に」──
  • 京大相撲部 まったなし! たんぽぽの咲く土俵
    -
    赴任先の京都でうまくいかない日々を送る佐藤は、鬱々としたまま神社に立ち寄った。その時に見た相撲大会で清々しく負けていたのは、京都大学相撲部の面々。そしてなぜか相撲部へ入部することになった彼は、部員たちと接することで徐々に気持ちが変化していく。個性派集団の京大相撲部は、インカレで勝利できるのか!? 打倒東大を目標に一歩ずつ前に踏み出す青春群像劇。
  • 新・恋愛小説館
    -
    大好評を博した「恋愛小説館」の続編。というより、新たな極上「恋愛小説館」である。 10の短編は「冬の宴」「白い香り」「緋い石」「陽ざかり」「落葉樹」「枯菊」「即興曲」「ララバイ」「彩雲」「青空」からなり、それぞれが特異な状況に置かれた男女の心理の移ろいを見事に描ききった。 連城三紀彦という、類い希な作家の豊かさや才能が本書に残されている――。
  • JAKE THE STARDUST
    -
    1巻693円 (税込)
    報酬は5000ドル。これがジェイク・ザ・スターダストの通り名で知られる西部一のガンマンの首にかけられた賞金だ。伝説たる男を追い、カンザスの交易都市キャマロに降り立った俺たちピンカートン探偵社の手練れの四人。そしてクソのような幕が上がる。煙立つ六連発。戯れ言は要らねえ。ページをめくるたびにお前の腐れ脳は、撃ち抜かれることだろう。さあ、男の世界の扉を開け!
  • 放浪・雪の夜―織田作之助傑作集―(新潮文庫)
    4.0
    『夫婦善哉』の作者であり、太宰治、坂口安吾の盟友としても知られる織田作之助。その作品の魅力は豊かな物語性にある。料理人順平の流浪の旅を描く「放浪」。別府へと逃れ落ちた男と女――「雪の夜」。商才に優れた男が家を再興する芥川賞候補作「俗臭」。龍馬に慕われた寺田屋お登勢の半生「蛍」。織田文学の研究者が厳選した11編を収録。波瀾万丈そして人情。大阪が生んだ唯一無二の作家がここにいる。(解説・斎藤理生)
  • 幻獣の森
    3.0
    1巻693円 (税込)
    ふたりの男が延髄を刺され、トリカブトを注入されて死亡した。つづけて、女性も亡くなった。一見すると、何のつながりもないと思われたが、3人とも茸狩りでペンションに泊まった折、土石流に巻き込まれていた。生き延びた男は、そのことに気づき、思いもよらぬ手段を講じ、殺人鬼に抗していく――。〈表題作「幻獣の森」〉。ほかに「蟹と狼」「変化(へんげ)」「巨猪の山岳」。全4篇とも、脳の奥底を揺さぶる刺激に充ちた作品集。 西村寿行って、こんにもヤバい小説を書いていたのか――。
  • 恋愛小説館
    -
    著者はあとがきで、この十の物語を書くことになった動機について書いている。 「愛という言葉を解説するのに、僕にはこの十の物語と本一冊分の字数が必要だったのです。四十近い年齢で漠然と考える恋愛には、恋の甘美さはなく、愛のほうも純粋にそれだけというわけにはいかず、生活の雑事の埃と煤にまみれています。(中略)その埃と煤のほうを書きたかったのだとも思います」(後略)」 愛という言葉に、誠実に向き合った著者が出した誠実な答えが、この短篇集にある――。
  • 友達・棒になった男(新潮文庫)
    3.8
    平凡な男の部屋に闖入して来た9人の家族。善意に満ちた笑顔で隣人愛を唱え続ける彼らの真意とは? どす黒い笑いの中から他者との関係を暴き出す傑作「友達」〈改訂版〉(谷崎潤一郎賞受賞)。日常に潜む底知れぬ裂け目を三つの奇妙なエピソードで構成した「棒になった男」。激動の幕末を生きた人物の歴史的評価に新たな光を当てた「榎本武揚」。斬新な感性で“現代”を鋭く照射する、著者の代表的戯曲3編を収録。(解説・中野孝次)
  • 希望のゆくえ(新潮文庫)
    3.5
    誰からも愛された弟には、誰も知らない秘密があった。突然姿を消した弟、希望(のぞむ)。行方を追う兄の誠実(まさみ)は、関係者の語る姿を通し弟の持つ複数の顔を知る。本当の希望(のぞむ)はどこにいるのか。記憶を辿るうち、誠実もまた目をそらしてきた感情と向き合うこととなる――。痛みを抱えたまま大人になった兄弟が、それぞれの「希望(きぼう)」を探す優しいエールに満ちた物語。文庫化にあたり、書下ろし短篇を収録。(解説・山中真理)
  • 十津川警部 あの日、東海道で(十津川警部シリーズ)
    3.0
    日下刑事は大学時代に「青春18きっぷ」を使い、東海道本線を西へ向かう旅に出た。その出発当日に2件の鉄道人身事故が起こり足止めされた。それから5年後、日下がかつて旅の途中に寄った静岡県吉原駅の喫茶店店主が轢き逃げで死亡し、東京で音楽事務所社長が刺殺される。事件を結ぶ糸を感じた日下は、十津川警部に相談。あることを伝えるが……。東海道本線、岳南鉄道、大井川鐡道の三路線を舞台にした奇跡のアリバイトリックに、十津川警部の名推理が冴えわたる長編旅情ミステリー!
  • 母親病(新潮文庫)
    3.3
    1巻693円 (税込)
    女は、旦那様に一生愛されるのがしあわせなのよ――。珠美子にそう語っていた母・園枝が急死した。有毒植物が体内から検出されたという。事故か自殺か、それとも。困惑のなか遺品整理に出向いた珠美子だったが、そこに端正な顔立ちの若い男性・雪仁が訪ねてくる。園枝の死を知った彼は震えて嗚咽した。良妻賢母の見本のような園枝と雪仁の関係は……。すれ違いながら衝突する母娘を描く連作集。(解説・三宅香帆)
  • ダンスール・ノーブル
    -
    1巻693円 (税込)
    たまたま飲み友達になった不思議な老紳士は、日本クラシックバレエ界の重鎮だった──。世田谷の経堂を舞台に、ある居酒屋で知り合い、親子の様な友達のような不思議な関係が続いた「そんなんじゃダメ、コロスわよ」が決まり文句の〈先生〉との思い出を、日本のクラシックバレエ界の黎明期にダンサーとして活躍した先生の人生と、自分の人生を重ね合わせながら主人公が語る物語。
  • 文学青年は死刑になった
    -
    1巻693円 (税込)
    「小樽の気持ちは嬉しいよ。だけど、無期懲役にしてもらうために控訴をして裁判をすることになったら、事件の関係者である織江ちゃんをその場に呼ばないといけないだろ? そんなこと僕はさせたくない。彼女に辛い記憶を思い出させたくないんだ」(本文より)。どのような尊い犠牲を生む状況であっても、若者は未来と希望を見出し前に進んでいく。
  • ひまわりの笑顔
    -
    1巻693円 (税込)
    アメリカの大学に入学したあかりは、そこで出会った留学生仲間の翔太にひかれていく。互いの気持ちを確認できないまま、友達以上恋人未満の付き合いを続けていた2人だったが、コロンビア人留学生ニッキ─が現れたことで、その関係は崩れ始める……。青春の痛みを心の財産に変えて、強く優しく生きようとするあかりの姿を通し、命の尊さ、前を向いて生きることの大切さを描く。
  • 覩壯日札 出現記
    -
    1巻693円 (税込)
    ある縁で、水海道の庄屋(旗本の家臣)が残した「覩壯日札」という世に知られていない古文書の解読依頼が著者の下に舞い込む。それは世の中が慌ただしくなった幕末、幕府から朝廷へ献上する日本刀を届ける任を負った主君に従い、京へ上った往還記録であった。「この記録の目的のひとつは、主君の役目完遂を後世に残すことであった」と考えた著者が、新たな歴史を紐解くドキュメント。
  • 背中合わせ
    -
    ふと垣間見せる、日常の中での男の思惑や女の想いが、ふたりの関係を終わらせたり、はじめさせたりする――。 男は浅はかで女の真の考えをすくい取れないのか? 女はどこまでいっても思慮に富んでいるというのか? 男と女、夫と妻の関係の剛さや脆さを描く21の短篇集。 ここまで見事に鋭く日常を切り取れるものか?
  • アルマジロの手―宇能鴻一郎傑作短編集―(新潮文庫)
    3.7
    彼は「手が……アルマジロの手が」というばかりだったのです――。不気味な緊張感を孕む怪奇な作品「アルマジロの手」、美しい姫君に恋をした狸の哀切「心中狸」、むさぼり喰らう快楽にとり憑かれた男の無上の幸福「月と鮟鱇男」の他、「海亀祭の夜」「蓮根ボーイ」「鰻池のナルシス」、そして甘美な爛熟世界に堕ちた男を描く傑作「魔楽」を収録。官能の深みと生の哀しみを短編に昇華させた七編。(解説・鵜飼哲夫)
  • 婚活1000本ノック(新潮文庫)
    4.0
    1巻693円 (税込)
    これは実話であり、登場するすべての人物・団体は実在する――。南綾子31歳、独身、売れない小説家。冬の夜、かつて「クソ男・オブ・ザ・イヤー」を授与した山田が現れ、わたしに婚活を命じる。遊び相手に殺されて幽霊となった山田は、わたしの婚活成功を頼みに成仏を狙うらしい。お料理合コン、お見合いパーティ、漁師の嫁募集。奮起しては絶望する綾子だったが。熾烈で切実な婚活小説!(解説・豊島ミホ)
  • たそがれ色の微笑
    -
    竹内は担任教師の小林から、同じクラスの野川靖子との交際は控えるべきとの指導を受けた。そんな事実はないたので戸惑っているところへ、今度は当の野川靖子からは、教師にちょっかいをだされて辟易しているから、交際しているフリをしてくれないか、と頼まれた。仲睦まじいところを小林に見せつけるうちに、なにかがおかしくなっていく……(「落ち葉遊び」)。ほかに「たそがれ色の微笑」「白蘭」「水色の鳥」「風の矢」。全5篇、連城三紀彦の企みに感嘆――。
  • わたし、定時で帰ります。(新潮文庫)
    4.2
    1~3巻693~880円 (税込)
    絶対に定時で帰ると心に決めている会社員の東山結衣。非難されることもあるが、彼女にはどうしても残業したくない理由があった。仕事中毒の元婚約者、風邪をひいても休まない同僚、すぐに辞めると言い出す新人……。様々な社員と格闘しながら自分を貫く彼女だが、無茶な仕事を振って部下を潰すと噂のブラック上司が現れて!? 働き方に悩むすべての会社員必読必涙の、全く新しいお仕事小説!
  • 夜のない窓
    -
    愛することが出来なくなってしまうと、真実だった愛は憎悪へと変わる。それが妻だった時、夫は離婚という方法ではなく、憎悪を妻に打ち込むことを選んだらどうなるのか。妻を最悪の状況に向かわせるために実行した夫の驚愕の方法とその結果とは……。表題作となっている「夜のない窓」。ほかに、親友と結婚することになったかつての恋人が、一晩だけつきあってといってきた「今夜だけ」、「午後だけの島」「山雀」など。男と女、それぞれが秘めた憎しみは、こんなにも見事にケリをつけられるのか。嘆息――。
  • ふたり姉妹
    3.4
    東京の製菓メーカーで企画職として働いていた29歳の聡美が久しぶりに故郷に帰ってきた。 実家を出たことがなくずっと田舎暮らしの三つ下の妹・愛美は、この機会に姉の家で都会の暮らしを楽しんでみたいと思い立つ。 部屋を貸すことを嫌がる姉や困惑する婚約者を説き伏せて、愛美は東京に発つが、聡美の家で姉の恋人と遭遇。 プライドが高く向上心の強い姉の突然の帰省を訝しんでいた愛美は彼に探りをいれてみることに。 聡美が実家に帰ってきた本当の理由とは――? 正反対な姉妹が見つけた新たな自分とは?
  • ちよぼ―加賀百万石を照らす月―(新潮文庫)
    3.0
    女子(おなご)とて、闘わねばならなかった。信長と前田家に敗した朝倉家臣の娘・幾世は長じて正室まつの侍女として前田家に入り、千代保と改名。初代加賀藩主・利家に見初められて側室になり男児を産む。猿千代と名付けられた子はのちに名君・利常となるが、母千代保は人質として江戸へ向かった――。加賀百万石の礎を築き、寿福院の名で親しまれた、慈愛と情熱に満ちた女傑の生涯を描く歴史時代小説。(解説・本郷和人)
  • 飛騨高山祭り殺人事件
    -
    1巻693円 (税込)
    飛騨高山の老舗料亭の息子は、東京でプロカメラマンとして成功を掴もうとしていた。そんな折り、実家の依頼という弁護士が訪ねてきて、今後一切、実家の料亭に関する権利を放棄してほしいと言って、五千万円の小切手を提示した。その後で、父親が事故に遭って亡くなったと告げた。 伝える順序が違うのではないか? 高山に住む妹夫婦は何をてしいるのか? 父の死をなぜ伝えてこなかった? 実家で何が起きているのかを確かめるため、息子は急遽、高山に向かった――。そこでは、思いもかけない重大事が連続して起きていた!
  • 幽霊とペリドット
    -
    1巻693円 (税込)
    夏休みに祖母のいる秋田を訪れた大学生の桃は、駅で陽気な幽霊に声をかけられる。「気づいたら幽霊になっていて、記憶がない」と言う幽霊を「ユズ」と名付け、ユズが持っていた地図をもとに一緒に宝さがしをすることになった桃は、少しずつユズの正体に気づいていく。懐かしい風景とともに、かつてのことを思い出していく二人。しかし、また別れのときが近づいてきて──。
  • 家族じまい
    3.7
    「ママがね、ボケちゃったみたいなんだよ」妹からの電話で実家の状況を知った智代。かつて横暴だった父が、母の面倒をみているという。関わり薄くいられたのも、お互いの健康あればこそだった。長男長女、墓守、責任という言葉に距離を置いてきた日々。妹は二世帯同居を考えているようだ。親孝行に名を借りた無意識の打算はないか。──「認知症になった母が私の名前を忘れたのが書くきっかけとなりました」(著者)。家族という単位と役割を、北海道を舞台に五人の女性の視点から問いかける連作長編。第15回中央公論文芸賞受賞作。
  • とわの庭(新潮文庫)
    4.1
    1巻693円 (税込)
    盲目の女の子とわは、大好きな母と二人暮らし。母が言葉を、庭の植物が四季を、鳥の合唱団が朝の訪れを教えてくれた。でもある日、母がいなくなり……それから何年経っただろう。壮絶な孤独の闇を抜け、とわは自分の人生を歩き出す。おいしいご飯、沢山の本、大切な友人、一夏の恋、そしてあの家の庭。盲導犬ジョイと切り拓いた世界は眩い光と愛に満ちていた。涙と生きる力が溢れ出す感動長編。(解説・平松洋子)
  • いらっしゃいませ 下町和菓子 栗丸堂 「和」菓子をもって貴しとなす
    完結
    3.7
     東京、浅草。下町の一角に明治時代から四代続く老舗『甘味処栗丸堂』はある。  端整な顔立ちをした若店主の栗田は、無愛想だが腕は確か。普段は客が持ち込む騒動でにぎやかなこの店も、訳あって今は一時休業中らしい。  そんな秋口、何やら気をもむ栗田。いつもは天然なお嬢様の葵もどこか心配げ。聞けば、近所にできた和菓子屋がたいそう評判なのだという。  あらたな季節を迎える栗丸堂。葉色とともに、和菓子がつなぐ縁も深みを増していくようで。さて今回の騒動は?
  • 小説 水は海に向かって流れる
    4.3
    俺がいなければ、この人の肩が濡れることはなかったのに―― 家族のもとを離れて始まる、家族の物語。 田島列島による人気コミックの小説版。 ☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆ 映画「水は海に向かって流れる」 2023年6月9日全国ロードショー 出演:広瀬すず 大西利空 ☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆ 【あらすじ】 高校への進学を機に、おじさんの家に居候することになった直達。 だが最寄の駅に迎えにきたのは見知らぬ大人の女性の榊さん。 案内された家の住人は26歳OLの榊さんと なぜかマンガ家になっていたおじさんの他にも 女装の占い師、メガネの大学教授と いずれも曲者揃いの様子。 ここに高校1年生の直達を加えた男女5人での 一つ屋根の下、奇妙な共同生活が始まったのだが、 直達と榊さんとの間には思いもよらぬ因縁が……。 映画化決定の人気コミックの小説版!
  • Cocoon 修羅の目覚め
    3.6
    1~11巻693~814円 (税込)
    誰もが振り返る美貌の花魁、瑠璃。 だが、その裏の顔は江戸に現れる鬼を退治する組織「黒雲(こくうん)」の頭領。 髪結いでありながら錫杖で戦う錠吉や、料理番でありながら金剛杵を操る権三、結界をはることのできる幼い双子、豊二郎・栄二郎とともに、江戸に現れる鬼を退治する。 ある時、千住に出没する鬼を退治してほしいとの依頼が舞い込む。 どうやら、殺された男たちは皆、同じ手ぬぐいを持っていたというが……。 瑠璃は、千住の鬼を退治することができるのか? そして明かされる、瑠璃の悲しき宿命とは――。 この夏大注目のシリーズ第一弾!
  • 近鉄特急殺人事件(新潮文庫)
    4.0
    京都発賢島行近鉄特急ビスタEX(エックス)の車内で大学准教授が殺された。彼はテレビ番組の過激な司会者として知られ、番組で伊勢神宮を貶める自説を主張する予定だった。一方、東京では歴史雑誌編集者が殺され、同棲していた同僚の女が姿を消した。二つの殺人に関連を感じ伊勢神宮に向かった十津川警部が内宮門前町〈おかげ横丁〉で発見したのは、容疑者の意外な姿だった。長編トラベルミステリー。
  • 死神の助手はじめました。
    完結
    4.0
     交通事故で意識が戻らないままの彼氏、リュウスケを毎日、見舞いに訪れているシオリの前に、ある日死神が現れる。彼を連れ去ろうとする死神を、シオリは何とかして阻止しようとする。 「この世に留まり怨霊になろうとしている魂を救う手助けをすれば、リュウスケの魂を修復してやる」  死神からの交換条件を受け入れ、シオリはさまざまな事情を抱えた魂と向き合い、成仏させていく。しかしそこにはシオリと彼らを繋げるある真実が隠されていて――。
  • 土に贖う
    4.4
    明治時代の札幌で蚕が桑を食べる音を子守唄に育った少女が見つめる父の姿。「未来なんて全て鉈で刻んでしまえればいいのに」(「蛹の家」)。昭和26年、最年少の頭目である吉正が担当している組員のひとり、渡が急死した。「人の旦那、殺してといてこれか」(「土に贖う」)。ミンク養殖、ハッカ栽培、羽毛採取、蹄鉄屋など、可能性だけに賭けて消えていった男たち。道内に興り衰退した産業を悼みながら、生きる意味を冷徹に問う全7編。圧巻の第39回新田次郎文学賞受賞作。
  • あなたと式神、お育てします。 ~京都西陣かんざし六花~
    完結
    4.3
     かの安倍晴明に連なる陰陽師「桔梗家」の跡取りとして生まれた青年・晴人は、京都は哲学の道で不思議な和装美女・茜と出逢う。  彼女が西陣で営む「かんざし六花」には式神を「育てる」裏の仕事があった……故郷の神様との約束、西陣に迷うこけしの思い、会津で「祇園祭」を守る女性の決意。  珊瑚玉から生まれた式神・さんごを連れて、晴人は京都と一族にまつわる不思議に触れる――  古都・京都が式神と陰陽師を育む、優しいあやかしファンタジー。
  • 犬も食わない(新潮文庫)
    3.9
    派遣秘書の福は雇い主と出かけた先のビルで、廃棄物処理業者の大輔とぶつかった。ろくな謝罪もない舐めた態度に激高した福は罵詈雑言の限りを尽くし、大輔は一言でやり返す……そんな最悪な出会いから始まった。ベッドの半分を占める体は邪魔だし、同じシャンプーが香る頭は寝癖だらけ。他人の「いいね」からは程遠い、喧嘩ばかりで格好つかない恋愛の本音を、男女の視点別に描く共作小説。
  • 破局
    3.7
    1巻693円 (税込)
    充実したキャンパスライフ、堅実な将来設計、そして新たな恋――。肉体も人生も、潔癖なまでに鍛え上げた私に、やがて訪れた破局とは。現代の実存を問う芥川賞受賞作がついに文庫化。
  • Missing 神隠しの物語
    完結
    3.7
    神隠し――それは突如として人を消し去る恐るべき怪異。  学園には関わった者を消し去る少女の噂が広がっていた。  魔王陛下と呼ばれる高校生、空目恭一は自らこの少女に関わり、姿を消してしまう。  空目に対して恋心、憧れ、殺意――様々な思いを抱えた者達が彼を取り戻すため動き出す。  複雑に絡み合う彼らに待ち受けるおぞましき結末とは?  そして、自ら神隠しに巻き込まれた空目の真の目的とは?  鬼才、甲田学人が放つ伝奇ホラーの超傑作が装いを新たに登場。
  • 狙われた羊
    値引きあり
    4.2
    カルト宗教は、心を奪い、カネを奪い、家族を壊す! カルト教団によるマインドコントロールの恐怖と、悪辣な集金システムを描いた名作フィクション、緊急文庫化! 最近は浮気調査ばかりしている探偵の牛島のもとに、奇妙な依頼が舞い込んできた。 「人さらいはやってもらえるんでしょうか?」 依頼人の息子は、突如連絡を絶ったのだという。どうやら、あやしげな団体に深入りしているらしい。 「厄介な仕事」と踏んだ牛島は当初依頼を断ったが、秘書の坂巻に説得されて調査を開始。すると、依頼人の息子は、近年様々な問題を起こしているカルト教団に入信していることが判明した――。 世間を騒がすカルト教団、そして家族を取り返すために戦う人々を描く!
  • 大江戸あにまる
    4.1
    石樽藩の江戸留守居役の下で働く小暮幸之進は、お人好しで失敗ばかり。おまけに剣術も苦手だ。ある日、草花や獣に目がない乾福助という変わり者が国許からやってくる。同じ頃、異国の「あにまる」――駱駝に豆鹿に羊、山鮫(ワニ)、猩々(オランウータン)が江戸を賑わす事件が勃発! 侍らしからぬ凸凹コンビが舶来の動物たちと出会い奔走する。さらに男勝りの藩主の妻・小桜まで登場してますます大騒ぎに! 笑って泣いてやっぱり笑っちゃう。涙と笑いと動物がいっぱい。著者初挑戦の傑作時代小説!!
  • 丘の家のジェーン(新潮文庫)
    4.1
    うららか街の古い大邸宅で、12歳のジェーンは重苦しい生活を送っていた。彼女には父がなかった。頑なな祖母と美しい母は、なぜかそのことに触れたがらない。しかし突然、父からの手紙が届いた。プリンス・エドワード島で一緒に夏を過そうという。こわごわ出かけた彼女は、美しい自然と素朴な人情、そして何より父の深い愛情に包まれ、丘の上の小さな家で目ざましく成長してゆく。

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