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初めて見る皆既日食に小学五年の弦太たちは沸き立った。しかし、その日から、クラスメイトの家や学校の兎小屋などで放火事件が相次ぐ。消防士として殉職した父に似て強い正義感をもつ弦太は、友達と共に犯人捜しに動き出す。だが、危険を冒しながら辿り着いたのは、せつないほど歪(いびつ)な光と影だった。父が遺した言葉を守る少年が、大人になるための嘘と痛みを知っていく鮮烈な青春ミステリー。(解説・中江有里)
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Posted by ブクログ
弦太の言い分が真っ当でやられる。 裏山での涙も。 板倉の作品だと言うことを忘れてのめり込める。 芸人の才能、果てしない。
初読から3回読み直す程に面白かったです。 ストーリーは、少年たちが連続放火事件の犯人探しをするというが中盤までの軸で、後半は解決に向けて思わぬ方向に展開します。 少年たちの日常風景が、ホントに小学生の男の子の感じで、あるある、あったなぁ!と微笑ましいし、主人公の弦太と親友の涼介の相棒感も羨ましい...続きを読むなと感じます。そして、同級生の友達、大学生の友達、家族や教師との関わりを、思慮深い弦太の視点から優しく細やかに描いていて、胸を打たれます。 特に序盤で同級生の茜ちゃんにあるプレゼントをする場面、終盤で母親と対峙する場面は読む度に泣いてしまいました。 ほとんど潔癖ともいえる強い信念を持った弦太の生き方は凄い!こりゃ周りが苦労するぞと思うほど…2人の友達、明るい涼介と、大人しく良識ある隼、温かい母親と教師がいてくれて良かったねと言いたいです。 この子たちが成長した時にどんな風になっているか、とても興味深いので、数年経った頃の続編を読んでみたいなぁと思いました。 また、映像化されれば楽しそうな場面もいくつもあります。 心情描写が細かく美しい為、そちらに気をとられそうになりますが、この作品はミステリー小説であり、序盤から様々な伏線が張られ、最終的にきっちり回収してくれます。このタイトルまでも。 その緻密さは、全ての行動に根拠があるという弦太の徹底された性格が、まるで著者である板倉さんの一部分のように感じる程です。 星4つなのは全く個人的な好みとして、語らせすぎず余白の部分もある小説が好きだからで、 この作品が完成された素晴らしい作品だという事に違いありません。 ミステリー小説好きの人に是非オススメします。
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