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4.0天保五年の正月、むさし屋喜兵衛の寮から火の手が上がり、焼跡から三人の焼死体が見つかった。三人は、長く結核を患っていた当主喜兵衛と、妻おその、娘おしのと認められる。一方その年の晩秋、江戸の町では殺人事件が相次ぎ、骸の傍らには必ず椿の花弁が残されていた。被害者はいずれも殺されて当然と思われるような悪名高い男たちばかり。この一連の事件に、与力青木千之助が捜査に当たる。聞き込みの末に若い娘の影を掴むが、果たしてその娘とは・・・・・・。法で罰することのできない、けれど到底許しがたい罪をどう裁くべきか――昭和の文豪・山本周五郎渾身の傑作長篇。(エッセイ/澤田瞳子、編・解説/竹添敦子)
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3.9できないことを、数えないで。 どうやって生きていいのか分からない。 自分を責め続ける、小説家志望の私。 夢を抱いた仕事に躓く、会社員の夫。 そして、インコのピピ。 心理サスペンス『誰かが見ている』でメフィスト賞を受賞した著者が挑む新境地。 小さな家族の幸せをめぐる物語。 ――美景はうまいことやったよなー。 旦那に稼ぎがあるから、なんの心配もないだろ? パートでお小遣い稼いでたらいいんだし。(略) 傍から見れば、なんの悩みもなく、苦労もなく、ぼんやりと生きているように映るのだろう。(略) うまくいかない自分を責める妻の気持ちを、想像することもできないのだろう。――本文より 美景と雄大は結婚して十年。 ある日、妻の書斎に入った夫は何か様子が違っていることに気づく。 ままならない毎日をどのように生きてきたかを語り出す二人。 小説家になる夢を叶えたかった美景。 夢を抱いた仕事に躓く雄大。 二人をつなぐインコのピピ。 メフィスト賞作家の新境地となる、小さな家族の幸せを探す物語。
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3.4累計25万部『珈琲屋の人々』シリーズ著者が描く、 酒場“人情”小説。 串揚げか味噌おでん、漬物、酒。 千円「いちまいセット」と、人々の物語に。 あなたの心が温まる。 ひとときの安らぎを求めて、酒場『いっぱい』に、 今宵も客がふらりとやってくる。 西武新宿駅に近い裏通り。酒場『いっぱい』には、店主室井諒三自慢の「いちまいセット」――千円でビールか焼酎、串揚げ四本か味噌おでん、漬物の小鉢がつく――と、ひとときの安らぎを求めて今夜もふらりと客がやってくる。 しみじみ心温まる人間ドラマに定評のある著者が描く酒場人情小説。 〈文庫オリジナル〉
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5.06月7日映画公開! 2014年本屋大賞「翻訳小説部門」第2位! 2012年ナショナル・ブック・アワード新人賞受賞! 65歳の男が、20年前に同僚だった女性のお見舞いをしたくて、1000キロの道を歩き始める。世界36ヵ国が涙したロードノベル! 『ハロルド・フライの思いもよらない巡礼の旅』改題
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3.8奇人にして天才――カテゴライズ不能の「知の巨人」、その数奇な運命とは 「知る」ことこそが「生きる」こと 研究対象は動植物、昆虫、キノコ、藻、粘菌から星座、男色、夢に至る、この世界の全て。 博物学者か、生物学者か、民俗学者か、はたまた……。 慶応3年、南方熊楠は和歌山に生まれた。 人並外れた好奇心で少年は山野を駆け巡り、動植物や昆虫を採集。百科事典を抜き書きしては、その内容を諳んじる。洋の東西を問わずあらゆる学問に手を伸ばし、広大無辺の自然と万巻の書物を教師とした。 希みは学問で身をたてること、そしてこの世の全てを知り尽くすこと。しかし、商人の父にその想いはなかなか届かない。父の反対をおしきってアメリカ、イギリスなど、海を渡り学問を続けるも、在野を貫く熊楠の研究はなかなか陽の目を見ることがないのだった。 世に認められぬ苦悩と困窮、家族との軋轢、学者としての栄光と最愛の息子との別離……。 野放図な好奇心で森羅万象を収集、記録することに生涯を賭した「知の巨人」の型破りな生き様が鮮やかに甦る!
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4.4少女たちの知られざる戦争体験 日露戦争30周年に日本が沸いた春、その女の子たちは小学校に上がった。 できたばかりの東京宝塚劇場の、華やかな少女歌劇団の公演に、彼女たちは夢中になった。 彼女たちはウールのフリル付きの大きすぎるワンピースを着る、市電の走る大通りをスキップでわたる、家族でクリスマスのお祝いをする。 しかし、少しずつでも確実に聞こえ始めたのは戦争の足音。 冬のある日、軍服に軍刀と銃を持った兵隊が学校にやってきて、反乱軍が街を占拠したことを告げる。 やがて、戦争が始まり、彼女たちの生活は少しずつ変わっていく。 来るはずのオリンピックは来ず、憧れていた制服は国民服に取ってかわられ、夏休みには勤労奉仕をすることになった。 それでも毎年、春は来て、彼女たちはひとつ大人になる。 ある時、彼女たちは東京宝塚劇場に集められる。 いや、ここはもはや劇場ではない、中外火工品株式会社日比谷第一工場だ。 彼女たちは今日からここで風船爆弾を作るのだ……。 膨大な記録や取材から掬い上げた無数の「彼女たちの声」を、ポエティックな長篇に織り上げた意欲作。
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3.7自分はなぜ生きているのか、自分はなぜ死なないのか、逡巡の中にいるすべての人へ。私がずっとデビューを待ち望んでいた新人の、ユーモアと青臭さと残酷さと優しさが詰め込まれた快作です。ーー金原ひとみ 夏休みが終わる直前、山田が死んだ。飲酒運転の車に轢かれたらしい。山田は勉強が出来て、面白くて、誰にでも優しい、二年E組の人気者だった。二学期初日の教室。悲しみに沈むクラスを元気づけようと担任の花浦が席替えを提案したタイミングで教室のスピーカーから山田の声が聞こえてきたーー。教室は騒然となった。山田の魂はどうやらスピーカーに憑依してしまったらしい。〈俺、二年E組が大好きなんで〉。声だけになった山田と、二Eの仲間たちの不思議な日々がはじまったーー。 歴代メフィスト賞受賞者推薦コメント 死んでも終わらない山田の青春に、ぼくらは笑い、驚き、泣く。 (第21回受賞)佐藤友哉 くだらないのに楽しい。けれど、ほろ苦くて切ない。青春とは、山田である!! (第49回受賞)風森章羽 最強を最強と言い切れる山田こそが最強で最高。 (第53回受賞)柾木政宗 こんな角度の切り口があったのかと驚かされ、こんな結末まであるのかと震えた! (第59回受賞)砥上裕將 自分には経験がないはずの男子校での日々が、妙な生々しさで蘇ってきました。 (第61回受賞)真下みこと ダサくて、眩しくて、切なくて。青春の全てと感動のラストに、大満足の一作。 (第62回受賞)五十嵐律人 校舎に忘れてきた繊細な感情を拾い上げてくれるような物語でした。 (第63回受賞)潮谷 験
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3.5人気お笑い芸人、初の中編小説集 柚木麻子さん絶賛! 「勇気を出して誰かの心にふれてみた時の手触り。心にさわられた時のかすかなざらつきと温度。どうしてこんなに思い出させてくれるんだろう。この本がどうしようもなく好きだ。」 人気お笑い芸人にして注目の著者の初の中編小説集。 「黄色いか黄色くないか」 高校生の頃からお笑いに魅せられて、お笑いライブハウスに就職した主人公・唯(ゆい)。ある年末年始、賞レースが集中して芸人の悲喜こもごもが色濃くあらわれる、その季節に繰り広げられる、華やかな「笑い」の舞台裏の人間ドラマに迫る。 「かわいないで」 高校の日本史の授業中、千尋は必死に耳を研ぎ澄ます。隣席の香奈美がひそひそ声で後ろの席のふたりに語る、昨日のデートの一部始終に。千尋がどうしても聞きたいのは、聞き手の透子から香奈美に放たれる「かわいないで(笑)」という絶妙な相槌の一語なのだ。誰もが覚えのある、教室内で織りなされる関係の機微を見事に浮かび上がらせる。
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3.8どうしてなんだろう―― それでも人はつながろうとする 高梨家の一人娘・真奈が婚約者の渡辺優吾を連れて実家に来た。優吾は快活でさわやか、とても好青年であることは間違いないが、両親の健一と智子とはどこか会話が噛み合わない。 真奈は優吾君とうまくやっていけるのか? 両親の胸にきざす一抹の不安。 そして健一と智子もそれぞれ心の中にモヤモヤを抱えている。健一は長年勤めた会社で役職定年が近づき、最近会社での居心地が良くない。週末は介護施設の母を見舞っている。将来の見通しは決して明るくない。 智子は着付け教室の講師をして忙しくしているが、家で不機嫌な健一に辟易している。もっと仲のいい夫婦のはずだったのに……。 娘の婚約をきっかけに一家は荒波に揺さぶられ始める。 父母そして娘。三人それぞれの心の旅路は、ときに隔たり、ときに結びつき…… つむがれていく家族の物語。
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3.8慶応元年、倒幕を志す坂本龍馬の仲介により薩摩藩と長州藩は協約を結ばんとしていたが、一件の凶事が締結を阻む。上洛していた薩摩藩士が稲荷神社の境内で長州藩士を斬りつけ、行方を晦ませたというのだ。このままでは協約の協議の決裂は必定、倒幕の志も水泡に帰す。事態を憂慮した龍馬の依頼で、若き尾張藩の公用人・鹿野師光が捜査に乗り出す。果たして下手人は、どのようにして目撃者の眼前で逃げ場のない鳥居道から姿を消したのか。後世に語り継がれる歴史の転換点の裏で起きた不可能犯罪に、名もなき藩士が挑む。破格の評価を受けた『刀と傘』の前日を描いた長編時代本格推理。/解説=縄田一男
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3.8『活版印刷三日月堂』著者が心を込めて描く、 共感の声が届き続ける感動の人気シリーズ、第5弾! 『活版印刷三日月堂』などのヒットシリーズを手掛ける著者が、出会い、言葉、繋がること、喪失と再生、成熟をテーマに描く、「言葉の園のお菓子番」シリーズ5巻。 書店員の職を失ったあと、亡き祖母が所属していた連句会「ひとつばたご」に通うようになった一葉は、連句をはじめて三回目の春を迎え、新しい仕事にも積極的に取り組むようになっていた。そんななか、自分と同世代が集う「きりん座」のメンバーとの交流をきっかけに、大学時代に抱いていた想いが再び浮かびあがり……。 封印していた気持ちに向き合い、一葉は自分の心を見つめ直していく。あのとき踏み出せなかった一歩を、自分の力で踏み出すために──。 人と人が深くつながることも、ゆっくりと自分自身を見つめ直すことも難しくなりつつある昨今、深いつながりをもたらす「連句」の場と、出会った人との「言葉」を通してのやり取りのなかで、20代後半の一葉が自分の心を見つめ、人との縁に助けられながら前を向いていく、切実で、やさしい物語6話で構成された連作集。 「変化しながら前へ進み、後ろには戻らない」という連句のルールとシンクロするように、迷いながら進む道の先は新しい出来事や出会いに繋がり、過去の痛みはいつしか豊かな可能性へと変わっていきます。 過去と向き合い未来へと進む勇気がしずかに胸に満ちてくる感動の人気シリーズ、待望の最新巻! <目次> あたらしい風 未来への手紙 自分史上最高の夕焼け 光の痕跡 「いま」と「いつか」と 連句の神さま
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-1800年代後半、のちに『吸血鬼ドラキュラ』を生み出すことになる若きブラム・ストーカーは、人気俳優であり劇場経営者でもあったヘンリー・アーヴィングに雇われ、ライシアム劇場の支配人となっていた。仕事に忙殺される慌ただしい毎日だったが、ストーカーの無意識の中で『吸血鬼ドラキュラ』の小説が形をなしていくにつれ、ドラキュラの存在が影絵の芝居(シャドウプレイ)のように現実に影を落とし始める。劇場では、ジョナサン・ハーカーという名前の男が働き、屋根裏にはミナという名の幽霊が出る……。アイリッシュ・ブックアワード受賞。ストーカー、アーヴィング、そして一座に加わった名優エレン・テリー。個性的な三人の人生を、虚実織り交ぜたドラマティックな筆致で描く『吸血鬼ドラキュラ』誕生秘話。
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4.1「我慢しなくていいんですよ」 天才的揉み師のお梅が、 あなたの身体と心の闇まで ほぐします。 申し込めば半年待ち。 評判のお梅の揉み治療だが、 一刻の猶予もない患者が現れた! 揉んだ人々の身体は、 全てこの指が覚えている。 身体に触れさえすれば、 いつどこで揉んだあの人だと 言い当てられる。 人に揉み治療を施すのが、お梅の生業。 ■あらすじ■ 頭風に苦しむお清を訪ねたお梅は ギリギリのところまできていると 感じ取る。 揉みはじめると、 お清の身体に潜む「淀み」を感じ――。 彼女を悩ませるその原因とは? ■主な登場人物■ ・お梅 五歳の時に光を失い、 人に揉みを施すことを 生業としている十七歳。 ・お筆 豆大福が評判の 紅葉屋を出している。 依頼を受け、お梅に取り次ぐ。 ・お昌 祖母のお筆と暮らし、 お梅の仕事の段取りを担う。 ・十丸 お梅の用心棒。 人には白い大きな犬にみえる。
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4.22022年、柴田錬三郎賞と、中央公論文芸賞をW受賞! 伊集院静氏は「この作品の価値は冒頭の数行にある。五両と小作農という仕事は江戸期の経済に通じる作家の視点がある。…事件、物語があり、さらに色気がある。これほどの作品を柴田錬三郎賞に迎えられたのは、選考委員として喜びである」とまで評価。 大沢在昌氏は「一読、参りましたといいたくなった」、村山由佳氏「文章は、その人の歌う旋律でありリズムであり呼吸である」、林真理子氏「もはや完成形といおうか名人芸といおうか、『うまい』ととうなるしかない」と高評価。 浅田次郎、桐野夏生、篠田節子、逢坂剛ほか、各選考委員も大絶賛した時代小説の傑作! 村に染まれず、江戸に欠け落ちた男たち。当時の江戸は一季奉公の彼らに支えられていた。主人公は四十過ぎのそんな男のひとり。根岸にある小藩の屋敷で奉公中、訳ありのお手つき女中の道連れを命ぜられ…男の運命が変わる。純愛とビジネス成功譚! 一作ごとに進化し続ける青山文平の語り口に酔いしれる! 女への思いをつのらせながら、はぐれ者だった男が、一途に自分を刺した女の行方を求める。女を捜す方便として、四六見世という最底辺の女郎屋を営みながら、女が現れるのを待つ。その仕儀を薦めてくれたのは、路地番の頭・銀次だった。ビジネス成功譚の側面と、女への思いを貫く純愛を縦線として、物語はうねり、意外な展開をみせ、感動の結末へ。魅力的な時代長篇。 蜂谷涼 (北海道新聞2021年1月30日付) 「『底惚れ』なんとすごみのある言葉だろう。恋い焦がれて、惚れぬいて、首っ丈になっても、まだ及ばない。魂をひりひりさせる言の葉だ。」 細谷正充 (東京新聞2021 12月11日) 「ラスト一行にたどり着いたとき、いい話を読んだという満足感を得られるのだ。タイトルそのまま“底惚れ”してしまう作品である」 大矢博子 (小説すばる 2022年2月号) 「痺れた。 何に痺れたって、主人公だ。自分を刺した女を探す男だ。その思いに、生き方に、そして何よりその語りに、痺れた」 縄田一男 (日本経済新聞 1月27日) 「ラストで「俺」を襲う虚脱感がジワジワと比類無き感動へ変貌していくさまに接し、主人公の幸せを願わずにはいられないだろう」 「この場末のどこがいい?」 「ここはどこでもねえからね。なにしろ岡場所だ。あるはずのねえ場処さ…」
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-◆ふらんす堂電子書籍1000円シリーズ ◆第二句集 濤音のどすんとありし雛かな 『家族』は私の第二句集である。 本句集には、『郊外』以後、ほぼ平成末年までの作品を収めた。 ◆自選十七句 敲いてはのし歩いては畳替 外套の中なる者は佇ちにけり 青空の端に出されし福寿草 幼子の遊びくらせる二月かな ひとつこと済みたるものの芽なりけり みづうみにみづあつまれる紫雲英かな 菜の花を挿す亡き者に近々と 櫻貝夜深き風は聞くばかり 濤音のどすんとありし雛かな 明易き森の中なる灯がともり 遠国の石を配せる牡丹かな 萍のうごかぬ水の減りにけり いづこへか下る石段夜の秋 白波に乗る何もなしきりぎりす はなびらの間のひろき野菊かな コスモスを大人数の去りしなり 青空の光つてゐたる秋の暮
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3.4「衝撃」に次ぐ「衝撃」。驚異の新人登場! 4月の朝、突然失踪した16歳の少女。 サラに何が起こったのか? 26人の事件関係者の「証言」から浮かびあがる 10年前に全米を揺るがした事件の「真実」とは? アメリカ東部の田舎町フレデリックで、16 歳の女子高生サラ・パーセルが失踪した。 手がかりゼロ、目撃者ゼロ。家族の同意の もと、大手テレビ・ネットワークによって その事件をリアルタイムで報道する連続リ アリティ番組が制作され、全米は不安と熱 狂の渦に叩きこまれる。いくつもの悲劇と スキャンダルを引き起こした番組の放送か ら10年。26人の事件関係者の証言から浮 かびあがる謎に包まれた事件の真相とは? 特異な叙述形式と意想外の展開。才気煥発 の「実録犯罪」ミステリーをご堪能あれ! 大量の伏線が緊張感と疾走感を支え、独特の声とユニークな視点を持つ鋭く描写されたキャラクターたちが物語に立体感と真実味を加味する。アメリカのトゥルー・クライムに対する執着についての痛烈な社会批評を包含した、魅力的なフィクション。 ――カーカス・レビュー
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-家業の理髪店で理髪師として出発し、石田波郷門下で句作の道へ。その後、横光利一に師事して小説を書き始め、55年に本書が直木賞候補作となる。選考会では小島政二郎から「ホンモノのリズムが打っている」と絶賛されるが、他の選考委員から「エッセイではないか」「自然すぎる」と批判され、落選。しかしその文章が放つ独特なユーモアと哀感が多くの読者を魅了しつづけ、「名文家」として根強いファンを持つ。「氏の筆の巧妙な幻術に引っかかって(中略)一々事実であると鵜呑みにしないよう」(山本健吉「跋」)ご用心のうえ、この「不世出の作家」が編み出す小説の醍醐味をご堪能あれ。
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4.0アダルトチルドレンを提唱した、依存症治療の第一人者で50年以上の長きにわたって家族病理の問題に向き合い続けた孤高の精神科医・斎藤学。 1年半にわたる患者・施設取材を通してその不可解な人物像と魔術的な治療の核心に迫る渾身の医療ルポルタージュ! 「私がやっている仕事は、フロイトがやった仕事以降のことを引き受けている。その人がどうやって今後の生活をしていくかまでを考えることが、私の仕事と思っているわけです。言ってみれば一生。その人が嫌になるまで、お付き合いするのが私です。お付き合いであって、治療はしていません。治しているのは患者さんが自分で治しているんです」(本文より) 「賛否も毀誉褒貶も呑み込んで、「斎藤学の時代」は確かにあった。 本書はその爪痕をリアルに刻んだ、希有なる「時代の記録」である。」(精神科医・斎藤環) スーツ姿で煙草を吸い、机の引き出しに常備させた甘い菓子類をポリポリと食べながら、性倒錯患者に「変態だったらすぐ来て」と興味を示し、万引きをした患者には「初めて主体的な行動を見せたね」と褒める。 そんなおよそ医者とは思えないエキセントリックな態度に衝撃を受けながら、斎藤のもとには痴漢、摂食障害、性倒錯、窃盗症、買い物依存症、引きこもりなど多様なアディクション患者が集まる。そして、斎藤の言葉を使った治療により、彼らは眠っていた能力を発揮していく。その中には、心理職として独立、指揮者や画家として活動、フルマラソンを完走するなど、傍から見ても治っているのではないかと思うほどエネルギッシュな人が多い。 彼ら、彼女らはなぜ斎藤学を必要とし、求め続けるのか。斎藤の謎めいた発言や行動、イリュージョンのような治療を患者・施設取材を通して浮かび上がらせる渾身の医療ルポルタージュ!
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4.0考古学者殺害事件の犯人として逮捕された若者。裁判で死刑判決を下されながらも沈黙を守り続ける真意とは……。評論家・井上良夫に「探偵小説の面白味をまさに満喫させてくれる」と高く評価された、折目正しい英国風探偵小説が103年の時を経て初邦訳!
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4.0「別の生き物になりたい」――筋トレに励む会社員・U野は、Gジムで自己流のトレーニングをしていたところ、O島からボディ・ビル大会への出場を勧められ、本格的な筋トレと食事管理を始める。しかし、大会で結果を残すためには筋肉のみならず「女らしさ」も鍛えなければならなかった…。鍛錬の甲斐あって身体は仕上がっていくが、職場では彼氏ができてダイエットをしていると思われ、母からは「ムキムキにならないでよ」と心無い言葉をかけられる。モヤモヤした思いを解消できないまま迎えた大会当日。彼女が決勝の舞台で取った行動とは? 世の常識に疑問を投げかける圧巻のデビュー作!
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-小説と伝記を融合させた珠玉の3作品。 「自分はむろんのこと、読者にもすこしは楽しんでもらえるような伝記文学の方法はないものかと考えた末にたどり着いたのが、想像や空想も挿入できる小説と伝記のドッキングというスタイルであった。」(あとがきに代えてより) 「日本近代文学史上に巨大な足跡を印した永井荷風の文学的開眼に決定的な影響をあたえた」井上唖々の足跡をたどり墨田川界隈を訪ねる「夜の烏」、悪妻といわれたラフカディオ ハーン夫人・小泉節子の真実に迫る「残りの雪」、パロディ精神にあふれる批評や小説で名を成したものの貧しさから抜けられず、「本日を以て目出度死去仕候」という新聞広告を出して生涯を閉じた斎藤緑雨を描いた「散るを別れと」――。 いずれも事実を丹念に追いつつ、小説仕立てにして想像の羽を大胆に広げる構成で、読む者を魅了する。
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-里山の日常を繊細に描いた私小説。 ――もし、名前を知らなかったら、それらは単なる草花であり、木であるだけで、風景の中に埋もれてしまっていることだろう。目の前にあったとしても、特別気に留めないでいることだろう。だが、一度注意して名前を覚え知ったものは、風景から浮かび上がって、こちらに飛び込んでくる。―― 東北のとある里山に暮らす、小説家と草木染作家の夫婦。すぐそばで新しい鉄塔の建設が進むなか、夫婦を取り巻く人たちの日常が、季節の植物や鳥のさえずりとともに、丁寧に綴られていく。 第31回大佛次郎賞に輝いた、佐伯一麦の等身大の物語。
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3.3ある日の放課後。寄宿学校に通う15歳のオスカルは、荒廃した城館に迷い込み、そこに住む少女マリーナと親しくなった。彼女に導かれ人知れぬ墓地を訪れると、黒い蝶が彫られた墓碑に赤いバラを添える貴婦人の姿が。好奇心で後を追うオスカルとマリーナ。しかしその先には霧の都バルセロナの覗いてはならない秘密が隠されていた――。物語の魔術師とも呼ばれるスペインの巨匠、カルロス・ルイス・サフォンが描く幻想と怪奇に満ちた幻の初期作。後に続く「忘れられた本の墓場」シリーズ四部作の原点!
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3.9北海道での介護職を辞し憧れの東京で病院事務の仕事に就くも、非正規雇用ゆえに困窮を極める29歳・独身女性のリキ。「いい副収入になる」と同僚のテルに卵子提供を勧められ、ためらいながらもアメリカの生殖医療専門クリニックの日本支部に赴くと、国内では認められていない〈代理母出産〉を持ち掛けられる。バレエ界の「サラブレッド」としてキャリアを積み、自らの遺伝子を受け継ぐ子の誕生を熱望する43歳男性・基。その妻で、不育症と卵子の老化により妊娠を諦めざるを得ず、「代理母出産」という選択をやむなく受け入れる44歳女性・悠子。それぞれのままならぬ現実と欲望が錯綜する、ノンストップ・ディストピア小説!
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3.019世紀ロンドンで大人気の雑誌のお悩み相談コーナーには、恋愛、美容、育児など読者のあらゆる困りごとの手紙が届く。それらに率直な助言をしている謎の人物レディ・アガニの正体は、実は、若き伯爵未亡人のアミリアだった。あるとき、いかにも急いで書いたように見える手紙がアミリアのもとに届いた。そこには、大変なものを目撃してしまったので助けてほしい、とある。自分の正体がばれると伯爵家の名前に傷がついてしまう、けれど大切な読者を放っておくなんてできない……夜に屋敷をこっそり抜け出して、手紙にあった待ち合わせ場所へ行くと、差出人らしき女性の遺体が。警察にすべての事情を話すことができないアミリアは、その場に居合わせたベインブリッジ侯爵とともに、犯人を捜すことに!
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3.0鳴り響くアメリカ国歌、銃声。逃げ惑う住民が辿りついたのは元大統領邸宅(モンティチェロ)だった……。近未来アメリカを舞台に、トマス・ジェファーソンと奴隷の間に生まれた女性を先祖に持つ女子学生が、暴徒化した白人至上主義者から逃れ、因縁の場所で運命と対峙する表題作をはじめ、全6編を収録したデビュー作品集。 バージニア州シャーロッツビル周辺を主な舞台に、人種差別や経済格差の問題等、さまざまなテーマを内包する中編(表題作)1本と短編5本を収録。 本書は、全米批評家協会賞ジョン・レナード賞最終候補、ニューヨーク・タイムズ紙2021年ベストフィクション10冊に挙げられた。2022年リリアン・スミス図書賞受賞。 (原題 My Monticello)
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4.3高校二年生の青野悠人は、姉を虫喰い病――新型アルツハイマー病とも言われる、睡眠中に脳内にある言葉が破壊され、それに関する記憶を失うという不治の病――で亡くして以来、希死念慮を抱いていた。 毎晩、死ぬ方法を考えつつ彷徨していると、公園で何度か同じクラスの古河桜良を見かけることがあった。他人に興味を持たず、いつも教室でイヤホンをしている桜良だが、ある夜、悠人は彼女の涙を見てしまう。その後、悠人は自殺を決行するも生き残ってしまい、退院の前日、病院で桜良に出会って……。桜良のある重大な秘密を知った悠人は――? 眠るたびに記憶を失ってしまうという桜良と死を願う悠人。期限あるふたりが、切ないけれど愛しい日々を紡ぐ「よめぼく」シリーズ最新作!
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4.0横浜の神々のバトルロワイアル!? 第4回神奈川本大賞受賞の超絶エンターテインメント長篇登場。 ランドマークタワーの68階で、横浜の大神が「横浜大戦争」の幕開けを宣言。 横浜の“中心”を決めるべく、それぞれの区を司る“土地神”たちが、くんずほぐれつの戦いを繰りひろげる。 大洋ホエールズのユニフォームを着ている保土ケ谷の神を主人公に、戸塚・泉・栄の三姉妹。 それぞれ身勝手な鶴見や金沢や港南、港北・緑・青葉・都筑の擬似家族。 横浜中心部を司る中・西の姉弟などななど。 舞台は旧ドリームランド、山下埠頭、こどもの国などに展開し、驚くべき結末が待っている……。 巻末にはイラストによる「神々名鑑」も。 前代未聞にして空前絶後のエンタテイメント長編。 ※この電子書籍は2017年6月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。
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3.9邦訳版もミステリー文学賞をダブル受賞! 劇作家で大学教授でもある呉誠(ウ―チェン)は若い頃からパニック障害と鬱に悩まされてきた。ある日、日頃の鬱憤が爆発して酒席で出席者全員を辛辣に罵倒してしまう。恥じ入った呉誠は芝居も教職もなげうって台北の裏路地・臥龍街に隠棲し、私立探偵の看板を掲げることに。 にわか仕立ての素人探偵は、やがて台北中を震撼させる六張犂(リョウチャンリ)連続殺人事件に巻き込まれる。呉誠は己の冤罪をはらすため、自分の力で真犯人を見つけ出すことを誓う。 監視カメラが路地の隅々まで設置された台北で次々と殺人を行う謎のシリアルキラー〈六張犂の殺人鬼〉の正体は? 探偵VS犯人のスリリングなストーリー展開と、ハードボイルド小説から受け継いだシニカルなモノローグ、台湾らしい丁々発止の会話。 台湾を代表する劇作家が満を持して放った初めての小説は台湾で話題を呼び、台北国際ブックフェア大賞などを受賞。フランス、イタリア、トルコ、韓国、タイ、中国語簡体字版が刊行された。 2021年に邦訳が刊行されると日本でも話題を呼び、2022年には第13回翻訳ミステリー大賞とファルコン賞(マルタの鷹協会日本支部主催)のダブル受賞を果たした。 ※この電子書籍は2021年5月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。
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-月刊「潮」2024年6月号 主な内容 【特別企画】 日本の「長い夜」はいつ明けるのか 公明党が提案した「第三者機関」設置で政治とカネを監視せよ。 牧原 出 人手不足の今こそ、成長産業に「労働力」の移動を。 飯田泰之 ≪連載≫ ニッポンの問題点 「昭和モデル」からの脱却が持続可能な日本をつくる。 広井良典 VS 田原総一朗 【対談】 気候変動に対する若者の危機感を政治はどう受け止めるのか。 小池宏隆 VS 中野洋昌 【特集】 世界の最前線から ≪特別インタビュー≫ 国際刑事裁判所所長が若者と女性に伝えたいこと。 赤根智子 米国大統領選と日本の安全保障の行方。 塩原俊彦 巨大地震から「命を守る準備」を始めよう。 鎌田浩毅 【人間探訪】 町田 康 己を曲げて生きる人の魂に矛盾を隠さない山頭火の句が響く。 【対談】 社会学者が見た創価学会の“強さの源”とは。 開沼 博 VS 佐藤 優 【連載ドキュメンタリー企画】 「民衆こそ王者」 〈職者の声〉篇 映画「人間革命」「続人間革命」に学ぶ仏教の本質。 名越康文 「苦悩の人こそ使命の人」池田会長が示した希望の哲学。 藤田孝典 【特集】 新潮流 2024 すぐ辞める若者は先輩の“どこ”を見ているのか。 坂井風太 ≪ルポ≫「性別変更の手術要件は違憲」―― 最高裁判決の今後。 谷合規子 ≪ルポ≫ 益子直美さんと考える“怒らない”スポーツ指導。 黒島暁生 【シリーズ】 シニアのための「生き生き」講座 わが家には危険がいっぱい!?転ばぬ先の部屋づくり。 満元貴治 人生のエンディングを学び、決めて、託す ―― それが大人のたしなみ。 黒澤史津乃 【好評連載】 シルクロード ウズベキスタン紀行 安部龍太郎/他 その他
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3.8シリーズ累計100万部突破 『このミステリーがすごい!』大賞受賞作&連続ドラマ化 『元彼の遺言状』のヒロイン再び 法律相談から殺人事件まで――弁護士・剣持麗子は 今夜も徹夜で街の事件の謎を解く! (あらすじ) 亡くなった町弁のクライアントを引き継ぐことになってしまった剣持麗子。都内の大手法律事務所で忙しく働くかたわら、業務の合間に一般民事の相談にも乗る羽目になり……。本名も住所も明かさず「武田信玄」と名乗る男に犯罪現場に呼び出されたり、認知症を患っているらしいおばあさんを家まで送ったら首つり死体を発見したり、深夜に次々と舞い込む難題を麗子は朝までに解決できるのか!? (著者プロフィール) 新川帆立 1991年生まれ。アメリカ合衆国テキサス州ダラス出身、宮崎県宮崎市育ち。東京大学法学部卒業後、弁護士として勤務。第19回『このミステリーがすごい!』大賞を受賞し、2021年に『元彼の遺言状』でデビュー。他の著書に『倒産続きの彼女』(以上、宝島社)、『競争の番人』(講談社)、『先祖探偵』(角川春樹事務所)、『令和その他のレイワにおける健全な反逆に関する架空六法』(集英社)など。
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4.0―――――――――――――――――――――― 日米の諜報機関に狙われた男―― 正体不明な勢力、連鎖する謎と危機。 ジャズ×格闘×スパイ×SF! 圧巻の国際謀略活劇、復刊!! ―――――――――――――――――――――― 気鋭のミュージシャン・橘章次郎のもとに舞い込んだ 米国のジャズフェスティバルへの出演依頼。 この突然の大抜擢により、 彼は日米政府をも巻き込む暗闘へと 否応なく巻き込まれていく……。 伝奇×格闘×音楽がセッションする 壮大な国際謀略活劇。初期名作が復刊! 《解説・関口苑生》 ※本書は、2011年刊の朝日文庫『獅子神(バール)の密命』を改題した新装版です。 復刊にあたり、初刊刊行時のタイトルに戻しました。
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-※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 この作品の原題はA Midsummer Night’s Dream である。「真夏」、即ち、夏至の日。一年中で一番昼が長い6月24日の前夜である。6月は真夏ではないし、クライマックスの結婚式と余興の日は、夏至の日なのか五月祭なのか曖昧であるが、この婚礼の日は、妖精たちに守られて、男女は結ばれ、新しい生命を生み出し、植物も大きく育つ季節である。真夏の「真」を取るべきだという訳者も現れ、『夏の夜の夢』という題になっているものもある。私の作品は折衷案として『(真)夏の夜の夢』としてある。この作品に登場するのは善良な妖精の王と女王であり、悪戯好きの妖精である。筋立ての中心になるのは、妖精の悪戯による2カップルの青年貴族の恋愛沙汰と、職人たちの劇中劇とそのリハーサル中の喜劇的な人物のロバへの変身である。場面の多くは、「魔法の森」で繰り広げられ、とても面白く作劇されていて楽しめる作品である。
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-身に覚えのない事件に巻きこまれ 〈梨の花〉梨の花は一つの蕾から十個ほどの真っ白な花が飛び出す。それをスプレー咲きともいう。 中国・明王朝は日本人・倭寇の横行掠奪に大いに苦しんだ。そこで明軍が倭寇に用いて格別の効果を発揮した武具。それが「梨花槍」である。槍の先端に結びつけられた筒に噴射火薬をこめ、火をつけて発射、敵は眩惑して地に倒れ、火薬が尽きれば次は、槍として敵を倒すという。 大学の文化史研究所所員の浅野富太郎を婚約者で恩師の娘・坂谷芙美子が見舞った。論文執筆のため研究所に泊まり込んだ真夜中、何者かに襲われたのだ。ふいに痛みを覚えてはね起きたが、あまりにまぶしい光で眼がくらみ、短刀を振りまわす犯人から、傷つきながらやっと逃れたのだ。 他人に恨まれる覚えのない浅野。自分を取り巻く対人関係に何も心当りはなかった。 同じ恩師の門下生で芙美子に秘かに心寄せる川端義一。大学食堂の主人で「倭寇史」に詳しい中田祐作とその娘初子、など他には誰も。 誤解による怨恨としか考えられない事件に、ふいに一つの異様な想定がうかんだのだ。 ■おすすめ尚文社版 電子書籍 配信中! 陳舜臣 歴史推理『獣心図』『アルバムより』『大南営』ほか。
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-読者に感動と熟思を 〈九雷渓〉はふしぎな河である。山にあたれば両岸がせまって急流となる。平地に出れば川はばがひろがり、しずかな流れになってしまう。急流のところで河は雷のような音をたてる。「九雷渓」という名は、そんな激流が九個所もあるという意味だろう。抒情詩人で激烈な革命家・史鉄峯を九雷渓の流れから連想できた。 満州事変(一九三一年九月)の翌年、日本は満州国の独立を宣言した。そして、一九三四年の春、蒋介石が率いる南京の国民政府は江西、福建の共産党軍に対して総攻撃をしかけた。このとき反政府組織の巨頭・史鉄峯は仲間の裏切りでつかまったといわれる。 裏切り者の末路は? そして史鉄峯の最後の身の処し方は? 「政治は思想であり従ってまた人間の取る行動である。それゆえに人間の健全な情熱の対象であって、小説の材料にもなることが、明らかにされている。だからこの小説を読んで感動するのである」(吉田健一「大衆文学時評」より)と評された名作。 ■好評! 尚文社版 電子書籍 陳舜臣 歴史推理『方壺園』『獣心図』ほか。
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-胸中の殺意を付(はか)る 〈方壺園〉中国大唐の元和十二年(八一八)早春。晩唐期の都・長安に貧家の出身ながら無から出発し五十をすぎて、長安屈指の富翁と称された塩商・崔朝宏(さいちようこう)の屋敷があり、その邸内に「方壺園」はあった。「方壺」とは方形の壺という意味だが、中国の古典「列子」では、神仏の住む海中の島のことであるという。 邸内の小屋では、鬼才詩人・李賀の従弟・李標が竹かご造りに励み、李賀の親友で同じく詩人の高佐庭が、父親の縁で、居候としていまでは方壺園を占領していた。 呉炎はもう一人の居候だが、ただの居候ではない。洛陽豪門の子弟で、呉炎の父は崔朝宏と親交があり、受験のために長安に滞在していた。洛陽の実家からは多額の仕送りがあった。 ある日、呉炎は長安の美妓・翠環を垣間見て、おかしくなった。だが、翠環の楼では詩がつくれなければ、相手にされなかったのだ。 その「方壺園」で殺人事件は起きた。 ■おすすめ尚文社版 電子書籍 配信中! 陳舜臣 歴史推理『九雷渓』『獣心図』ほか。
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-現代人にも潜むある殺意 〈大南営〉中国清朝、甲午光緒二十年(明治二十七年)九月半ば。中国遼東の沙原の真中に島のように浮かんで見える台地に、清朝の兵営「大南営」はあった。かつてここに二万の軍兵がいたころは、さぞ騒々しかったことだろう。しかし、豊申亜将軍が師を率いて、日本軍と戦うために朝鮮へ出征したのち、大南営は空になってしまった。かつて兵隊で満ちた営舎は二百五十棟も並んでいるが、まるで草木のように声もなかった。 元長官司の王界は、後輩の顔基の要望で、砂塵と汗にまみれながら、かなりの強行軍で「大南営」を訪れたのだ。そこには顔基の同期生・劉応東も駐在していた。王界が大南営を訪れたその夜、劉応東は死体で発見されたのだ。 壁に貼られた中国詩人・王維の「空山不見人(空山人ヲ見ズ) 但聞人語響(但聞ク人語ノ響キ)」は何を語るのか。 どんなことがあっても立身出世をしてやろうと、一途に精励した男の前に立ちはだかったものは何か? ■好評配信! 尚文社版「電子書籍」 陳舜臣 歴史推理『方壺園』『アルバムより』『梨の花』ほか。
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-秘められた慈愛の綻(ほころ)び 〈アルバムより〉鄭清群が死んだ。鄭清群は父親に劣らぬ人物として、戦争終結工作にかつぎ出されたのだ。鄭が誰の要請でうごこうとしたのか、私は知らない。私は家に帰って、二十数年前、はじめて鄭清群に会ったときのことを思い出していた。私は政治的通訳ではなく、神戸で三日間、休息する鄭清群の身辺雑事の通訳であった。 私は古いアルバムをとり出した。「一九三八年初夏」と書かれたページに、三枚の写真が貼ってあった。むかって左端に私。隣りに上海からついてきた李姓の専門護衛。中央に鄭清群。その右隣は鄭清群をかつぎ出した現役少佐・牛田。すこし離れて不安そうな面もちの鄭家の女中阿鳳が写っている。鄭清群の父親は暗殺され、母親も早くに失くしていた。彼を育てたのは阿鳳であった。 神戸で新たに坂井という日本人が護衛に加わった。頰に傷のある、ガニ股の男だ。 アルバムの中段の写真には新聞記者の古河と坂井が加わって七人が写っていた。 さらにアルバムの下段には、古河の撮った鄭清群と私の二人だけの写真があった。写真の鄭清群の目は光りを失っていた。 事件が起きた。神戸から参加した護衛・坂井が殺されたのだ。六甲の旧家の堅牢な邸宅は完全に密室状態だった。事件は公にはされなかった。いったい誰が? 何故の殺人だったのか? ■手軽に読む尚文社「電子書籍」 陳舜臣 歴史推理『九雷渓』『大南営』『梨の花』ほか。
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3.55分で読めて、あっと驚き、わっと泣ける。 「生まれはここ湘南なのですが、父の仕事の都合で三歳からおとぎ話の世界に住んでいました」おとぎ話の世界からやってきたと語る転校生、その正体とは?(「湘南生まれ、おとぎ話育ち」) 「彼氏の高校時代の初恋を摘出して欲しいんですが、保険ってききます?」結婚を前にし、初恋の思い出を忘れるため病院にやってきたカップルに待ち受ける、まさかの結末とは?(「初恋摘出手術」) 大人気ショートショート集『余命3000文字』の著者が贈る、涙と笑いと、あっと驚くどんでん返し。通勤・朝読・就寝前、すきま読書を彩る作品集。待望のシリーズ第4弾。書き下ろしを含む全24編を収録!
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4.0ハリウッドの寵児が放つ今年最驚のスリラー。 CIAと巨大IT企業〈ワールド・シェア〉社は、共同事業として最先端技術を駆使した犯罪者追跡システム〈フュージョン・イニシアティブ〉の実用化に向けて準備を進めていた。1か月間見つからずに逃げ切れば300万ドルが手に入るという条件で10名の参加者を集め、実証実験〈ゴーイング・ゼロ〉βテストを開始する。だが、ある女性の存在が大きな誤算となり、事態は思いもよらない方向へ……。 国家の威信を賭けたゲーム、からの反転。 超監視社会、超デジタル化社会に生きる我々に突きつけられた問い。 『博士と彼女のセオリー』『ウィンストン・チャーチル ヒトラーから世界を救った男』『ボヘミアン・ラプソディ』『2人のローマ教皇』4作でアカデミー賞ノミネートを果たしたハリウッド随一の脚本家による、2024年最驚のスリラー上陸! 2024年バリー賞ベスト・スリラー候補作。 解説は作家・ジャーナリストの手嶋龍一氏。 (底本 2024年5月発売作品)
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4.5『ペンギン・ハイウェイ』『泣きたい私は猫をかぶる』のスタジオコロリド映画ノベライズ! まだ言えないけど、たぶん、ぼくは君が好き――。 誰かに必要とされたいけれど、どこかでいいように使われてしまう繊細な少年・柊。季節はずれの雪が降った夏――夏祭りの帰り道に、柊はバス停で困っている少女・ツムギに出会う。いつものお人よしから行く場所のないツムギを家に招き入れた柊だったが、その夜突然、「鬼」に襲われてしまう。実はツムギ自身も鬼の世界からやってきた少女で、彼女は幼い頃に生き別れた母親に会うために、東北にある神社を目指してやってきたらしい。誰かに必要とされたいと願う柊は、ツムギの旅に同行し……。
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4.5コンビニ家族奮闘記!? 社会人の長男 思春期の妹 部活命の次男 保育園児の三男 きょうだいで最高のデリ美味コンビニ目指します! 両親が事故死し、料理人を目指す蒼太は、受験生で思春期の妹、部活命の弟、保育園児の 弟を抱え、家業のコンビニを切り盛りすることに!! 妹弟を引き取ると言いだす親族、土 地を狙う不動産屋、幼い弟の世話、妹との間に入った小さな亀裂…次々と難事が降りかか る社家に、縫いぐるみに宿った神様が味方についた!? おかしな神様の力も借りつつ蒼太 は妹弟とともに、得意の料理でコンビニデリを盛り上げようとして…!? 鈴木次郎・装画
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3.6奈緒は、夫の仇を討つため、義父の文二郎と信州から江戸へやってきた。 ふたりは暮らしを立てようと、深川で薬屋を営むが、医者である文二郎の元には、貧しく医者代の払えない病人やけが人が次々と駆け込んでくるようになっていた。 そんなある日、深川の芸者・捨て丸が、惚れ薬を作ってほしいといってくる。 捨て丸の相手は、なんと有名な本草学者であった……。 奈緒たちは、藩の秘め事に巻き込まれながらも、市井の人々のたくましさと優しさに触れ 日々の暮らしを愛するようになるが――。 『貸本屋おせん』で、時代小説界に鮮やかにデビューした、期待の新鋭による飛翔の傑作長篇。
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3.0令和版遠野物語! 民俗学の金字塔『遠野物語』に記された怪異は、現代の遠野でも日々起きている!? 民俗の故郷・岩手県遠野市に伝わる怖くて不思議な体験談を現地在住の気鋭が綴る 欠ノ上稲荷のご利益と恐ろしい神罰 神が棲まう聖なる早池峰山 遠野市立博物館に出没する人ならぬ子ども 訪問者にとり憑く鍋倉城跡の赤い女 仙人峠道路を彷徨う事故車の霊 伝承園オシラ堂に潜む黒い影 異界へ通ず! 土淵町柏崎に出現する光る山道 市役所、早池峰山、商店街… 市内各所で耳にする招待不明の鈴のような怪音 又一の滝で耳にした、生者を求める山の神の危険な呼び声 悪霊が蠢き訪れる者にとり憑く花巻の某ダム 柳田国男の『遠野物語』の舞台・岩手県遠野市――この地に暮らす著者が聞き集めた現代の怪奇譚集。 ・観光地・伝承園内のオシラ堂で目撃された真っ黒い影の正体「伝承園」 ・早地峰山付近で聞こえる謎の声。耳を貸してはならない理由とは…「雪山トレッキング」 ・多くの人で賑わう市立博物館に現れる謎の子ども「博物館奇譚」 ・霊験あらたかな神社が仇なす者に牙を?くとき戦慄の神罰が下る「欠ノ上稲荷のご利益」 ・人ならざる霊の仕業か…日常に差し込まれた怪異を綴る八話「モンコ」 ∸―など収録。この地には今も不可思議な怪異が息づいている…
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3.0新潟県を徹底調査! 南魚沼の山伏らが語る、越後国・佐渡の怪異譚 【新潟市中央区】 新潟駅近隣のビルの女子トイレに置かれた呪いの化粧ポーチ 【新潟市西蒲区】 スマホに保存された謎の写真と間瀬銅山跡の山道に出る女の霊 【新潟市東区】 じゅんさい池公園の池に浮かぶ女の顔を見てしまったあとに起こる怪 【新潟市秋葉区】 肝試しの廃墟ホテルから憑いてきた自殺霊 【上越市】 雪のほくほく街道を歩く老母。車に乗せると墓地に連れて行かれ… 【長岡市】 中学校の廊下の大鏡の前を男女で歩いてはならない。その理由は… 川の水面から上半身を出して立ち尽くす空襲の犠牲者たちの霊 【燕市】 寺の賽銭箱の裏で見つけた藁人形の入った木箱。なぜか無性に欲しくなり… 【胎内市】 死者の言葉をつたえる巫女どん、はっけおきの風習 【柏崎市】 海水浴場の駐車場に現れる溺死した男性の車と死んだ時刻になるクラクション 【南魚沼市】 上の原公園のお松の池で何者かに憑依された女性に纏わる怪異… 坂戸城跡の銭淵公園で撮られた不気味な結婚写真 【五泉市】 阿賀野川から聞こえる声と川に引きずり込もうとする白い手首 【佐渡島】 狸に化かされ、視界が上下さかさまになってしまった男の話 【東蒲原群阿賀町】 通称黒い森と呼ばれる廃鉱山に棲みつく子ども霊 【十日町】 真夜中の駐車場で遊ぶ白く輝く座敷童子 他、40話収録!
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3.0「病院」に纏わる傑作怪談集! 「あっ、これは死に顔なんだ。どの表情で絶命するか、最期の☺を見せているんだ」 絶叫、号泣、憤怒、困惑、苦悶… 入院患者の百面相ルーレット 収録作「ルーレット」黒木あるじより 病院には怖い話が多い。生と死が隣接する場所ならではの、人智 を超えた何かが潜んでいるからか―― ・危篤状態から持ち直した患者の奇妙な変化「今際の際にて」(渡井 亘) ・あの人そろそろだね、ベテラン看護師が言うと…「スリーアウト!」(Dr.マキダシ) ・患者の白目を視診したときに覚えた違和感「百パーセント」(神 薫) ・脳梗塞を発症し入院している高齢女性の奇妙な行動と驚愕の真相「左側のミチル」(雨宮淳司) ・学生時代に世話になったと新人看護師から言われたが…「チョイ借り」(小田イ輔) ・父の跡を継いだ病院で起きた患者のクレーム、その原因は…「人柄と腕前」(黒木あるじ) ――など、書き下ろし24編を含む選りすぐりの最恐作の数々
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4.0私立探偵マーロウはある弁護士から駅に着くひとりの女を尾行し、その宿泊先を報告せよと依頼される。目的は知らされぬまま……。彼は列車から降りたった女を尾行するが、彼女は男につきまとわれ、どうやら脅されているらしい。ホテルにチェックインした女は、そこでも男につきまとわれていた。マーロウは依頼主の意思とは無関係に女の秘密をさぐろうと接触する。すると彼女は夜中に、バルコニーに男の死体があると助けを求めてきたが、マーロウが行くと死体は消えていた。何が起きたのか? この女は何者なのか? チャンドラーの実質的遺作!/解説=堂場瞬一
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4.01巻998円 (税込)それは希望か?絶望か? 予知・予言・予兆・予感… 気鋭の14人が紡ぐ、未来が見えた人の怪異譚52話! 2025年の大災難説に震える現代人に贈る異色の怪談集。 ●夜馬裕 ある女性の血筋に眠る特別な力と、過去と未来の死を見せる曰くつきの雛人形…「匂い雛」 ●響洋平 2013年当時に2020年の東京オリンピックが見えないと予言した能力者…「本物」 ●雨宮淳司 曰くつきの呪物、正八面体の易サイコロが告げる中国・ロシアの今後の行く末…「骰子」 ●郷内心瞳 始まりは予知夢? 祖母が視た夢、母が聞いた怪談が孫世代に具現化する…「アサクラ」ほか ●田辺青蛙 実をつけると必ずその翌年に戦争が起きる〈ならずの柿〉。2023年は…「戦争を予言する柿」 ●吉田悠軌 四国のある一族が行っていた籠占い。籠を頭に被って回ると編み目から未来が視えて…「籠目」 ●西浦和也 東北、九州、北海道と大地震を幾度となく予見し家族を救ってきた妻。その不思議な能力とは…「虫の知らせ」 ●朱雀門出 深夜、水槽の前に立ちぶつぶつと単語の呟きを繰り返す夫。やがてそれは事象としてやってきて…「水と空気のお告げ」 ●住倉カオス 人の死に様が見えると言っていた祖母が大事にしていた形見の鏡。鏡で自分の死に様を見てしまうと言うのだが…「最期の顔」 ●田中俊行 故人が遺した大量の写真。釣りクラブの仲間の顔につけられた青い×印の意味は…「鳥居さんの話」 ●幽木武彦 霊のみならず神と話ができる能力者の女性。神社の隣のの会社が危ないと言うが…「神勢調査員」 ●松岡真事 入居者の死期が分かってしまう老人ホームの職員。お迎えが近い人の後ろに立つのは…「ひだりうしろ」 ●夕暮怪雨 祭壇の遺影と目が合ってしまう夢。遺影に写るのは生きている親族だが、その後死が…「祭壇の写真」 ●ホームタウン 9.11の同時多発テロ事件。発生の数時間前にニュースで見たという体験者が複数いて…「さざ波」 ほか、収録。
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