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希和は、小4の息子・晴基が書いた「こんなところにいたくない」というメッセージを見つける。本人に確かめたくても動き出せない希和は、民間学童で働き始めるが――息苦しい日常を生き抜くあなたに贈る物語
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Posted by ブクログ
希和のように変わることはできていないけど、私は希和そのもの。希和の堅さ、狭さ、意固地さ、不器用さ。それが希和の、自分の首を絞めている。共感できるから苦しかった。残念ながら私の生活には要さんのような人はいないので、要さんの言葉を胸に置いて生きていこう。きっと再読するだろうと思える1冊。
寺地はるなさんの本は15冊目。 久しぶりに自分の中ではヒットしました。 自分が思う寺地さんの好きな部分が今作でも見られました。 ・人と人との些細なズレを的確に描写するけれど大げさに取り扱わない ・劇的に解決するフィクション的終わりにしない それに加えて、本作の主人公希和の願望というのか。 自分の...続きを読む声に耳をすます姿勢は、ずっと自分が課題として取り組んでいることだったので希和に共感できました。 最近はSNSで手っ取り早く他人の感想をコピーできます。 一昔前、大学のレポートをコピーする人がいて驚きましたが、それとは違う恐ろしさがあると思っています。大学のレポートも自分の意見を発表する場ではありますが、それは対外的なもので、まだ自分への浸食が少ないかな、と。 それに対して今は、本来自分から湧き上がる自分だけの感情であるべきものを、他人が形つくったものを尺度にしてしまい、それに当てはめるような事態になっていたり、自分の感情に見合う言葉を探す行為を放棄して他人が作ったものに乗っかるとか。 ちょっと理解が難しい映画や本の感想を解説動画で補完する行為も、それに近いと思っています。 自分の頭で考える訓練を怠っていると。 この微妙なニュアンスを、フィクション小説で真摯に書いているところがとても好感もてました。 希和は優しいなと思います。突き放さず見捨てず見下さず。 自分の声を大事にする姿勢は似ていると思ったけれど自分が傲慢になっていたように思えたので希和のフラットな姿勢を見習いたいと思えました。 多くの人がこの本を手に取り、ひとりひとり自分の心の声に耳を澄ます人が増えていくと良いなと思います。 正解とか、世間が出す答えがとかではなく、貴方はどう思うの?と。
自分が違和感を抱いたことや、考えたことに対して、あいまいに流さず、自分と向き合った上で言葉を紡ぐこと。 波風を立てないことを優先して、いつの間にか自分の言葉を口にできないと気付く希和。 彼女が働き始めた民間の学童保育で働く要とその姉の、自分の考えに真摯に向き合い、自然に言葉を紡いでいく姿に、少しず...続きを読むつ声をあげていけるようになる。 自分の思いをしがらみなく言葉にして、相手に伝えることで、お互いの誤解が溶けることもある。 人間同士である以上、100%お互いを理解することは難しいが、実直に言葉を重ねていきたい。それが、自分自身で腹落ちして生きていくことにもつながると思う。
小学四年生の息子、晴基の母親の希和はPTAや保護者で作るLINEグループ、働き始めた学童でのこと、夫への不満をうまく言葉にできず悶々としている。その瞬間には言えず後になって言いたかったことを見つける。そうすると言えない自分がどんどん出来上がっていく。自分の中にも他人の中にも。なかなかうまくいかない毎...続きを読む日に寄り添ってくれるように本書がある。これでいいんだとか、こうじゃなくていいんだという気づきがたくさんある。何かが解決したわけではないけれど少しずつ声を思い出し、見つけていく希和の心情がラストの晴基とのシーンに表れている。
最近は、言葉を発する前に考えることがおおいですよね。こんなこと言ったらどうなるかなって、想像してみたりしないとね。一方で、めんどくせーって思ってる自分もいる。そのひとつひとつを、言い当てられたようなお話でした。はぁーって、ため息でます。
自分が育った小さな町で小学四年の息子を育てる主人公希和。 息子の学校の保護者達とはあまり上手く付き合えない。 夫にも不満はあるのに声に出せない。 自分の言いたい事が言えない。 そんな中で民間の託児所で働くことになり、少し浮世離れした感じのオーナーの要と出会う。 希和の真面目で正直な感じに好感が持...続きを読むてた。 生きづらいだろうな、とも、 潔くてカッコいいな、とも、思った。 長いものに巻かれがちな保護者同士の関係に、巻かれることなく1人でいることは容易なことではないと思うから。 思えば、子供達が小学生の時が1番大変だったような気がする。 物理的な時間は全然ないし、子供達の変化も激しい、子供同士のいざこざや、保護者同士の軋轢。。 そんな時期に「要」のような存在の人がいてくれるのは、ありがたいだろうなぁ。 その時期にこの本を読んでたら、心が軽くなったに違いない。 子育てのヒントにもなっただろうな。 もっと子供達といられる時間を噛み締めて過ごしたかもしれない。 自分の気持ちを言語化して話す、この私の苦手な分野を意識していこうと思った話でした。
普通の、ありきたりな、よくありそうな主婦が、交流の中で自分の声の出しかたを再認識する描写が、自分の事のように感じた。主人公をとりまく人間模様が妙にリアリティがあったのも共感しやすくもあり、生々しかった。読み終えて私は少し呼吸が苦しくなった。
主人公、希和への共感と好感が高かったです。 何よりも不甲斐なさと諦観に翻弄される有り様が、 自分を見ているようで居た堪れなかった‥笑 希和の主観による日常の葛藤が描かれている中で、 垣間見える社会的構造の不条理と、格差。 それが当書では、家庭内に留まらず、職場や保護者会、 その他日頃のちょっとし...続きを読むた出来事として、 素朴に、かつチクリと刺さる言葉で表現されています。 言いたくても言い出せないもどかしさは 経験してきたなあ‥。 共感できる方は多いと思います!
感想 どうすれば届くのかな。そんなことを考える。自分にできることはないのかも。でも声にならない声は届いている。きっとあの人も見てくれている。
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