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希和は、小4の息子・晴基が書いた「こんなところにいたくない」というメッセージを見つける。本人に確かめたくても動き出せない希和は、民間学童で働き始めるが――息苦しい日常を生き抜くあなたに贈る物語
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Posted by ブクログ
私にもそういうところがある!そう思いながら一気に読んでしまいました。あちら側とこちら側、私はどちら側でもなく、私が信じたことを胸を張って、時にはちゃんと声をだして向き合っていきたい。
成長するにつれ何を考えているか分からなくなる息子、家庭に無関心に思える夫、カースト制に支配されるママ友たち。そんな環境でモヤモヤを抱えながら言いたい事も言えずに過ごしてきた主婦が、民間学童で働く事により自分の声を取り戻していく大人の成長物語。終始じとっと重い雰囲気の話だったが、希望が感じられるラスト...続きを読むで読後感は悪くない。とても良い本だった。 自分もずっと、声の在りかを探してきた。自分の中にあるよいものを探してきた。希和が理枝ちゃんと毎日一緒に帰ったように、岡野さんが「勉強はチケット」だと伝えたように、この自分の中にあるはずだから。子どもたちに応えられるきれいなものがあるはずだから。
ただそこにいるということに意味がある。 ほんとにその通りだと思うが、それが一番難しい。だからこそ、ただそこにいて意味があると思うことが大事なんだと思った。
゛よくあろうとしている゛物語。 前半は、鬱々という感じで話が進む。読むのを止めなくて良かった(笑) 言葉を発しない、発せない、発しても自分の考えではない言葉、受け売りの言葉とか、いろんなパターンがある。お互いに何となく思い込んだまま何十年もすれ違ってるなんてことが、、私にもありそう。親が用意した自由...続きを読むはホンモノではない、子どもが自身で獲得しなくてはという話も、子どもに限らないし自由に限らないと、考えさせられたお話でした。
日々のモヤモヤを的確な言葉で言語化してくれるのに、暗い気持ちにはならない、むしろ希望を持てる、そんな物語だった。ああ、よかった。今年1好きかも。声にしてみる、たったそれだけのことで、自分の周りの世界を変えることができる。希和さんの生き方を見て、自らの生き方を変えて行きたいと思った。
子どもができたら読み返したい本No. 1です! 私は保育士ですが、保育関係に携わる者としても、胸に刻みたい言葉が沢山ありました。
希和のように変わることはできていないけど、私は希和そのもの。希和の堅さ、狭さ、意固地さ、不器用さ。それが希和の、自分の首を絞めている。共感できるから苦しかった。残念ながら私の生活には要さんのような人はいないので、要さんの言葉を胸に置いて生きていこう。きっと再読するだろうと思える1冊。
寺地はるなさんの本は15冊目。 久しぶりに自分の中ではヒットしました。 自分が思う寺地さんの好きな部分が今作でも見られました。 ・人と人との些細なズレを的確に描写するけれど大げさに取り扱わない ・劇的に解決するフィクション的終わりにしない それに加えて、本作の主人公希和の願望というのか。 自分の...続きを読む声に耳をすます姿勢は、ずっと自分が課題として取り組んでいることだったので希和に共感できました。 最近はSNSで手っ取り早く他人の感想をコピーできます。 一昔前、大学のレポートをコピーする人がいて驚きましたが、それとは違う恐ろしさがあると思っています。大学のレポートも自分の意見を発表する場ではありますが、それは対外的なもので、まだ自分への浸食が少ないかな、と。 それに対して今は、本来自分から湧き上がる自分だけの感情であるべきものを、他人が形つくったものを尺度にしてしまい、それに当てはめるような事態になっていたり、自分の感情に見合う言葉を探す行為を放棄して他人が作ったものに乗っかるとか。 ちょっと理解が難しい映画や本の感想を解説動画で補完する行為も、それに近いと思っています。 自分の頭で考える訓練を怠っていると。 この微妙なニュアンスを、フィクション小説で真摯に書いているところがとても好感もてました。 希和は優しいなと思います。突き放さず見捨てず見下さず。 自分の声を大事にする姿勢は似ていると思ったけれど自分が傲慢になっていたように思えたので希和のフラットな姿勢を見習いたいと思えました。 多くの人がこの本を手に取り、ひとりひとり自分の心の声に耳を澄ます人が増えていくと良いなと思います。 正解とか、世間が出す答えがとかではなく、貴方はどう思うの?と。
日常で感じる小さなモヤモヤを言語化してくれた小説。私は子どもがいないので親の立場はわからないけれど、それでも「あ〜これ、会話を終えたあとで言いたいことが言語化される時あるよな」と共感する場面がたくさんあった。自分の感情を抑えてしまうと言葉を放出させることが難しくなってしまう。自分の声を発すること、そ...続きを読むして声に気付くことが大事であると教えてくれた。
主人公・希和のような気持ちになることあるな、と思いながら読んでいた。 日々の中で感じる様々なことを、自分の言葉で存分に語ることはとても難しくて、自分の思いを言えなかったり、言っても何かが違うように感じたり、そしてそれによって人とすれ違ってしまったり…希和が作中で抱く思いには、多々共感させられる。 で...続きを読むも、自分の声を探して、少しずつ変わっていく希和の姿に、私も励まされるような気がした。 激しさはないけれど、静かに心に伝わってくるよい読後感でした。
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