作品一覧

  • サラゴサ手稿 上
    5.0
    1~3巻1,300円 (税込)
    サラゴサ包囲戦中、無人の館でエスパーニャ語の手稿を発見したフランス軍士官がその後捕虜となる。彼の持つ手稿が自分の先祖の物語だと知った敵の隊長は喜び、その物語を彼にフランス語に訳し聞かせた。それを書き取ったものが本書だという。真正完全版で削除された逸話を多く収録し、物語の配列も異なる、異本の工藤幸雄訳。
  • 完全な真空
    4.3
    1巻1,375円 (税込)
    「新しい宇宙創造説」「ロビンソン物語」「誤謬としての文化」など、名作『ソラリス』の巨人が文学、SF、文化論、宇宙論を換骨奪胎。パロディやパスティーシュも満載の、知的刺激に満ちた<書評集>。
  • ハザール事典[女性版]――夢の狩人たちの物語
    5.0
    1巻1,527円 (税込)
    歴史上から姿を消した謎の民族ハザールに関する事典の形をとった前代未聞の物語集。キリスト教、イスラーム教、ユダヤ教の交錯する45項目は、通して読むもよし、関連項目の拾い読みもよし、たまたま開いた項目を一つ読むもよし、読者の意のまま。男女両版の違いはわずか10行。どちらの版を選ばれますか? 旧ユーゴスラヴィアNIN賞受賞。/解説=沼野充義※解説も男女両版に違いがあります。
  • ハザール事典[男性版]――夢の狩人たちの物語
    4.2
    1巻1,527円 (税込)
    歴史上から姿を消した謎の民族ハザールに関する事典の形をとった前代未聞の物語集。キリスト教、イスラーム教、ユダヤ教の交錯する45項目は、通して読むもよし、関連項目の拾い読みもよし、たまたま開いた項目を一つ読むもよし、読者の意のまま。男女両版の違いはわずか10行。どちらの版を選ばれますか? 旧ユーゴスラヴィアNIN賞受賞。/解説=沼野充義※解説も男女両版に違いがあります。

ユーザーレビュー

  • 完全な真空

    Posted by ブクログ

    ポーランドのSF作家スタニスワフ・レムによる『架空の書籍』の書評集。

    本の内容を個別のパーツにばらして、ひとつひとつを解説・批評することが書評のおもしろさだとすれば、架空の本の書評はそもそも「全体」がないのに「一部」だけを切り取って摂取することになってまずその経験自体が奇妙で楽しかった。

    それを前提に、この本は架空の書評をするというアイデアを超えてすごい。ひとつひとつの「架空の書籍」につぎ込まれている想像・思考が尋常ではない。
    『新しい宇宙創造説』『とどのつまりは何も無し』『生の不可能性について/予知の不可能性について』など、いくつの分野でどれだけの教養を蓄えたら書けるのかちょっと想像もつ

    0
    2025年07月04日
  • 完全な真空

    Posted by ブクログ

    異常に面白い

    短編しかないが、同じ哲学がいくつかに一貫して通っている。どの話も理知的で断固としている。

    0
    2024年11月23日
  • サラゴサ手稿 上

    Posted by ブクログ

    前年、岩波文庫から出ているのを読んだ。
    その解説において、「サラゴサ手稿」には複数の異なるヴァージョンが存在している、とされていた。
    この工藤幸雄による邦訳は、その「異なるヴァージョン」のひとつ、ということになる。

    岩波文庫版の方の記憶はそれほど鮮明ではなく、また細かく比較して読むような手間を(今のところ)かけられていないが、違っているな、という点はいくつかあった。たとえば、この創元ライブラリ版で少し登場した「さまよえるユダヤ人」やそれにまつわる部分はまるっきり覚えがなく、同じ箇所を見比べてみるとたしかに、岩波文庫版からは、その部分がまるっと抜け落ちていた。
    あるいは、数学者ってこんな早

    0
    2024年06月25日
  • ハザール事典[男性版]――夢の狩人たちの物語

    Posted by ブクログ

    読むのに1ヶ月近くかかってしまいましたが,なんか,すごいものを読んでしまった.
    「事典」のタイトルの通り,五十音順で見出しが並べられているのだが,それぞれは幻想短編で,全部読むと全容がわかるという構成.しかも事典なので,各国版で並びが違うはずなのだが,それでも全体が一冊の書として成り立つ,という不思議な構成.ああ,この不可思議さは1/100も伝えられていないんだろうなあ.
    自分も混乱しているので,巻末の索引を使いながら再読する必要がありそうだ.
    てっきりハザールは著者の創造の産物かと思っていたら,訳者あとがきの冒頭が「ハザールの首都発見」で,「?????」となる.実はハザールはかつて実在し,ユ

    0
    2024年01月25日
  • ハザール事典[女性版]――夢の狩人たちの物語

    Posted by ブクログ

    再読。一気読みするとミステリーとしての構造がはっきりと見え、初読時よりエンタメ小説らしく思えた。読み終えてからも各項目の読み直すのがまた楽しい。
    前回はあまりに東欧について無知だったが、マイリンクの『ゴーレム』やストーカー『ドラキュラ』の想像力が生まれてくる風土を頭に入れて読み返せば、惜しげも無く詰め込まれた奇譚の豊かさにクラクラする。アテーと鏡の話、人生の一日を閉じ込めた卵の話、天使と契約して聖画を描く悪魔の話、亀の甲羅に文字を彫ってやりとりする秘密の恋人たちの話など。特に妖婦エフロシニアに捧げたドラキュラオマージュの長詩は美しい。
    また一気読みしてキリスト教(ギリシャ正教)、イスラーム、ユ

    0
    2021年12月09日

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