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「みんな、高校卒業おめでとう。最後に先生から話をします。この街を捨てて東京に出て、早稲田大学の教育学部からメーカーに入って、僻地の工場勤務でうつになって、かつて唾を吐きかけたこの街に逃げるように戻ってきた先生の、あまりに惨めな人生の話を――」(「3年4組のみんなへ」)など、Twitterで大反響を呼んだ虚無と諦念のショートストーリー集。話題の覆面作家、衝撃のデビュー作!
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Posted by ブクログ
人はいつ、「自分はもう何者にもなれない」と気づくのだろう。この本の主人公たちは、まるでかつての自分のようで、読んでいて少し恥ずかしかった。 「朝活」「成功者の思考」「年収1億」──そんな自己啓発本を読み漁り、マーカーを引いて満足していた自分。 YouTubeの履歴は「成功者の習慣」「日本はオワコン...続きを読む、海外へ」。でも、本当の成功者は、きっとそんな動画すら見ていない。 35歳になった今、私は気づく。 私もまた、何者にもなれなかった。 私の部屋からも東京タワーは、永遠に見えない。 でも、見えなくてもいい。そんな人生も、悪くない。 この部屋から見える景色を、大切にしていこう。
昔から気になっていた本の文庫本があったので買ってみた。解説にもあるように、固有名詞を形容詞的に使うことでリアリティのある文章が描けることに驚いた。「慶應」「商社」と聞けばどことなく華やかな、エリートな、といった属性を持つし、「JRの終着駅」「コンビナートが立ち並ぶ沿岸部」と聞けば田舎なのかなといった...続きを読む印象を受ける。 こういった固有名詞が持つ固有の属性を最大限に引き出した書き方で臨場感もあり面白かった。 東京で生まれ育ちながらも、SNSの浸透によって本来面前で見ることの無いエリートの姿が見えるようになり、その比較で押しつぶされそうになる自分の脆い感情がズキズキと蝕まれる小説でもあった。 小説としては非常に面白いが、読むタイミングは考えておきたいと同時に思った。
東京の暮らしのドロドロした部分を感じられて、とても面白かった。 東京という街はキラキラして見えるが、必ずしも成功者だけがいるわけではなくて、たくさんの失敗者たちの屍の上にあるのだと感じさせられた。 人にマウンティングを取ることでしか自尊心を保ちつづけることができない人たちが住んでいるのが東京であり...続きを読む、これがタワマン文学たる所以なのだと思った。 各短編の主人公たちのように地方の人間ほど都会に夢を見て、夢破れて去っていくのだと思った。 『大阪へ』『大阪から』という短編が好きだった。
各編、1人の人間の人生に焦点を当てたショートショートだった。 その人物にリアリティを持たせるのは固有名詞なんだと気付かされた。 麻布競馬場の物語はレトリック云々よりまず圧倒的固有名詞だと思った。 その人を形容するのにありふれた形容詞を用いるよりも、どこの学校を出てどんなものを与えられ、どんな服をき...続きを読むてどんなものを食べてきたか、それらの固有名詞を列挙することで人物像を鮮明に形作ることが出来る。 これ、関東住みの自分は面白く読めたけど、地方住みの人はどんな感想を持つんだろう?
Z世代かそのひとつ上くらいの若者が、ずーっと自己紹介をしている。Twitterは基本的に自分のことを書くミニブログサービスだから、その形式が合うのだろう。 良いもの、高級なもの、分不相応なものに対する欲望や執着がある。イギリスの高級靴とか、バルミューダの加湿器とか、高いナイキのシューズとか。そして...続きを読むそれを冷笑するような文体。不満を慰め合うような物語。想定された読者は東京に少しでも住んだことのある人で、それは結構なマス層だろう。自分はそうではないけど、確かに20代のときは東京に憧れがあった。 人の本心、欲を描くというのは微妙に露悪的だと感じる。女性主人公だと特にそう思う。別の書籍で、『鍵のない夢を見る』とか『いい子のあくび』とかでも同じことを思った。 一方、「吾輩はココちゃんである」とか、「希望」とか、客観的な評価が出てくる話だと違って見える。あなたの地獄はあなただけのものであって、傍から見ればよくやっている。 「僕の才能」とかも、求めるものは手に入れられていないが、そこまで恥じる人生ではないように見える。「期待はずれ」に対する評価が厳しいが、少なくとも自分には主人公たちは主体的に努力をする素晴らしい人物だと思える。
誰のことでもない誰のことでもある自分のことに見えてよっぽど情けなくなり、同情か同調かそれ以下か。とても良い作品。
初めてのタワマン文学購読。幸せの定義とは、年収や家賃、交際費など定量的な指標を高めることにあるのでしょうか。いい大学に入って、いい会社に入る、平成型のサクセスストーリーとその裏にある無数の失敗、挫折、侮蔑。人生の分岐点を振り返り、選択の積み重ね次第では、自分もこうなっていたのかも、という共感と恐怖心...続きを読むがこの新たなジャンルに惹き付けられる一因なのかもしれません。
人との比較。なりたい自分。憧れた自分。少しでも人より上にいることで気持ちを落ち着かせたい。そんな人たちの物語。具体的なブランド名や商品名がリアリティーを与えている。成功をつかみたい若者たちを代弁。どうなれば成功者と言えるのか。人間の価値って何だろう?
最初は、なんだなんだ~東京に住まう見栄っ張りのこと小馬鹿にした感じの内容か~?(笑)ぐらいのテンションで手に取ったのだけど、一遍読み進めてくうちに胸の内にホントやや黒い染みが広がってく感じだった。 何かを得てるはずなのに、本当に欲しいものは手に入れてないというか。今回の私は虚しい、って気持ちになっ...続きを読むた。 それと同時にみんな一生懸命自分で在りたくて必死に生きてるんだよな、って愛しくも思った。 これは作品ではあるけれど、この感じで自分のことを吐露できるのであればそれは羨ましくもあるなと思った。
実家の太さ、学歴、年収、容姿を比較し、卑屈になっている東京に住む人たちの短編集。 非常に読みやすく、固有名詞のオンパレードなので具体的なイメージがしやすかった。 これほど注目され、読まれているのはこの小説が現実に近しいからなのだろう。
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