この部屋から東京タワーは永遠に見えない

この部屋から東京タワーは永遠に見えない

638円 (税込)

3pt

「みんな、高校卒業おめでとう。最後に先生から話をします。この街を捨てて東京に出て、早稲田大学の教育学部からメーカーに入って、僻地の工場勤務でうつになって、かつて唾を吐きかけたこの街に逃げるように戻ってきた先生の、あまりに惨めな人生の話を――」(「3年4組のみんなへ」)など、Twitterで大反響を呼んだ虚無と諦念のショートストーリー集。話題の覆面作家、衝撃のデビュー作!

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この部屋から東京タワーは永遠に見えない のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ

    人はいつ、「自分はもう何者にもなれない」と気づくのだろう。この本の主人公たちは、まるでかつての自分のようで、読んでいて少し恥ずかしかった。

    「朝活」「成功者の思考」「年収1億」──そんな自己啓発本を読み漁り、マーカーを引いて満足していた自分。
    YouTubeの履歴は「成功者の習慣」「日本はオワコン

    0
    2025年08月09日

    Posted by ブクログ

    昔から気になっていた本の文庫本があったので買ってみた。解説にもあるように、固有名詞を形容詞的に使うことでリアリティのある文章が描けることに驚いた。「慶應」「商社」と聞けばどことなく華やかな、エリートな、といった属性を持つし、「JRの終着駅」「コンビナートが立ち並ぶ沿岸部」と聞けば田舎なのかなといった

    0
    2025年07月29日

    Posted by ブクログ

    東京の暮らしのドロドロした部分を感じられて、とても面白かった。
    東京という街はキラキラして見えるが、必ずしも成功者だけがいるわけではなくて、たくさんの失敗者たちの屍の上にあるのだと感じさせられた。

    人にマウンティングを取ることでしか自尊心を保ちつづけることができない人たちが住んでいるのが東京であり

    0
    2025年07月30日

    Posted by ブクログ

    各編、1人の人間の人生に焦点を当てたショートショートだった。

    その人物にリアリティを持たせるのは固有名詞なんだと気付かされた。
    麻布競馬場の物語はレトリック云々よりまず圧倒的固有名詞だと思った。
    その人を形容するのにありふれた形容詞を用いるよりも、どこの学校を出てどんなものを与えられ、どんな服をき

    0
    2025年06月19日

    Posted by ブクログ

    Z世代かそのひとつ上くらいの若者が、ずーっと自己紹介をしている。Twitterは基本的に自分のことを書くミニブログサービスだから、その形式が合うのだろう。

    良いもの、高級なもの、分不相応なものに対する欲望や執着がある。イギリスの高級靴とか、バルミューダの加湿器とか、高いナイキのシューズとか。そして

    0
    2025年04月07日

    Posted by ブクログ

    誰のことでもない誰のことでもある自分のことに見えてよっぽど情けなくなり、同情か同調かそれ以下か。とても良い作品。

    0
    2025年03月23日

    Posted by ブクログ

    初めてのタワマン文学購読。幸せの定義とは、年収や家賃、交際費など定量的な指標を高めることにあるのでしょうか。いい大学に入って、いい会社に入る、平成型のサクセスストーリーとその裏にある無数の失敗、挫折、侮蔑。人生の分岐点を振り返り、選択の積み重ね次第では、自分もこうなっていたのかも、という共感と恐怖心

    0
    2025年11月09日

    Posted by ブクログ

    人との比較。なりたい自分。憧れた自分。少しでも人より上にいることで気持ちを落ち着かせたい。そんな人たちの物語。具体的なブランド名や商品名がリアリティーを与えている。成功をつかみたい若者たちを代弁。どうなれば成功者と言えるのか。人間の価値って何だろう?

    0
    2025年10月12日

    Posted by ブクログ

    最初は、なんだなんだ~東京に住まう見栄っ張りのこと小馬鹿にした感じの内容か~?(笑)ぐらいのテンションで手に取ったのだけど、一遍読み進めてくうちに胸の内にホントやや黒い染みが広がってく感じだった。

    何かを得てるはずなのに、本当に欲しいものは手に入れてないというか。今回の私は虚しい、って気持ちになっ

    0
    2025年09月24日

    Posted by ブクログ

    実家の太さ、学歴、年収、容姿を比較し、卑屈になっている東京に住む人たちの短編集。
    非常に読みやすく、固有名詞のオンパレードなので具体的なイメージがしやすかった。
    これほど注目され、読まれているのはこの小説が現実に近しいからなのだろう。

    0
    2025年08月25日

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