ビジネス・実用 - 筑摩書房作品一覧

  • 資本主義のパラドックス ――楕円幻想
    5.0
    近代社会存立の仕組みには、自己否定へ導くダイナミズムが潜んでいる。本書では自身の中に他者を孕むその様を、二つ焦点(=中心点)をもつ楕円になぞらえ、近代の本性に迫る。他者という存在に投資することで初めて成り立つ資本制の構図を明らかにし、その起源を錬金術に求めた。近代の萌芽から帰結まで様々な題材を議論することで、我々の社会の有様を示す。現代社会の問題に真摯に向き合いつつその行く末を論じる、著者の多層的見識が十全に発揮された意欲的論考。
  • 中華料理の文化史
    5.0
    フカヒレの歴史はせいぜい三百年、北京ダックはたかだか百年あまり。それ以前の中華料理とはどのようなものだったのか? 異民族との交流により中華料理は大きく変貌してきた。見知らぬ素材やレシピという異文化を中国人は貪欲に取り込んだ。中華思想も蛮夷の料理は拒まなかった。中華料理のなかにはハイブリッドな中国文化のエキスが濃縮されているといるのだ。孔子の食卓から開放経済下の新香港料理まで、中国の風土、異文化交流という大きな視野から描きだす、芳醇な中国文化史。
  • ヴェーユの哲学講義
    5.0
    本書は、若き日のヴェーユがロアンヌ女子高等中学(リセ)の最高学年哲学級でおこなった講義の記録である。「心理学」から始まり、「精神の発見」「社会学」「倫理学」などを通して、意識・感情・国家・身体などを考察するこの講義は独創的かつ自由奔放、そして何よりも生徒の人格を発展させようとする姿勢に貫かれている。
  • センス・オブ・ワンダー
    4.8
    先駆的に化学物質による環境汚染を訴え、今に続く環境学の嚆矢ともなった『沈黙の春』の著者であり科学者であるレイチェル・カーソン。そのカーソンの最後に遺した未完の作品が『センス・オブ・ワンダー』だ。本書は独立研究者・森田真生による新訳と、「その続き」として森田が描く「僕たちの『センス・オブ・ワンダー』」で構成する。カーソンが残した問いかけに応答しつつ、70年後の今を生きる森田の問題意識に基づいた、新しい読み解き、新しい人間像の模索を行う。
  • 虐殺のスイッチ ――一人すら殺せない人が、なぜ多くの人を殺せるのか?
    4.8
    ナチスのホロコースト、クメール・ルージュの大量殺戮、関東大震災の朝鮮人虐殺、インドネシア政権による虐殺、ルワンダ・フツ族のツチ族虐殺……、歴史を、世界を見渡すと、虐殺事件は繰り返し起き、あふれている。なぜごく普通の善良な市民が、同じように普通の人をいとも簡単に殺すのか、しかも大量に。キーになるのは、集団と同調圧力。集団が熱狂し変異して起きる虐殺のメカニズムを考える。
  • 女王陛下の影法師 ──秘書官からみた英国政治史
    4.8
    ヴィクトリア女王、エリザベス2世、そしてチャールズ3世まで、イギリスの歴代君主に仕えた君主秘書官たち。多くは君主の青年時代からの側近であった彼らは、国内外の様々な問題を君主に報告し、時に助言も行い、有事に際しては公正中立な立場から君主と政権をつなぐ重要な架け橋でもあった。本書では、彼らが登場した歴史的経緯を踏まえつつ、手紙や日記などの史料を交えて秘書官と君主との物語を描く。貴族政治から大衆民主政治への転換、二度の大戦、王室のスキャンダル……。激動の時代を経てなぜ今も君主制が存続するか。その謎に迫るユニークなイギリス近現代政治史。
  • ルポ 女性用風俗
    4.8
    女性の社会進出が進む中、男女ともに未婚率が上がり、性交未経験の割合も増加している。そして女性たちの性のありようも多様化している。「30歳になって処女は重かった」と語る女性会社員、DVに悩みセックスレスの既婚女性、SMに魅了される女性、ストリップに号泣する若い女性たち。利用する女性たちだけでなく、サービスを提供する店や人々への取材を通して、性に対する多種多様な欲望や風俗に通う動機を探り、女性たちが求めているもの、そして手にしたものは何だったのかを探る。
  • 政策起業家 ――「普通のあなた」が社会のルールを変える方法
    4.8
    「政策起業家」とは、民の立場で社会のルールや制度を変え、時には新たな法律まで作ることができる人だ。人口減少の日本社会は既存のルールを変える必要があるが、官僚や政治家にはできていない。著者は「フローレンスの病児保育」「おうち保育園」「障害児保育園ヘレン」などを次々に立ち上げ社会を変えてきた。その悪戦苦闘ぶりをオープンにし、これまで政官に閉じていたルールメイキングを、「普通の人」ができるようになる社会にしていきたい。
  • 東京五輪の大罪 ──政府・電通・メディア・IOC
    4.8
    世界的パンデミックのなか、東京五輪・パラリンピックが強行された。1年延期されたものの新型コロナの猛威は止まる所をしらず医療体制は逼迫。再延期や中止を求める声も高まるなかでの開催だった。しかし、政府が望む支持率のアップにはつながらず、国民軽視、あからさまな既得権益層の利益優先の姿勢が明らかになった。さらにこの華やかな祭典を動かしてきた巨大広告会社「電通」による、世論誘導やメディア支配も浮き彫りになった。本書はこの問題を長年追ってきた第一人者による東京オリンピック総括である。
  • SDGs時代の食べ方 ──世界が飢えるのはなぜ?
    4.8
    日本では今この瞬間にも大量の食べものが捨てられている。その量は国連が行う食料支援のなんと1.4倍。このおかしな状況を変えるにはどうしたらいいのか!?
  • いま、子どもの本が売れる理由
    4.8
    本が売れず、子どもの数も減る一方の現代日本。にもかかわらず子どもの本の売れ行きは好調だ。90年代まで深刻化していた「子どもの本離れ」が驚くほど解消された背景には一体何があったのか? 戦後の児童書・児童誌・児童マンガ市場と読書推進活動・政策の通史を描きながら、この謎を解き明かす。と同時に、圧倒的に売れているのにその理由が考察されてこなかった『かいけつゾロリ』『ぼくら』『銭天堂』『12歳。』『図鑑NEO』などのベストセラーの分析、関係者取材から、いま子どもが求める本の姿を考える。
  • メディア論の名著30
    4.8
    「歴史学」は現在から過去を解明しようとするのに対し、「メディア論」は現在から未来を展望しようとする――。メディア史研究の第一人者である著者が、社会心理から政治学まで、文明論的な視座をもつメディア論の「名著」30冊を精選。「大衆宣伝=マス・コミュニケーションの研究」「情報統制とシンボル操作」「情報社会とデジタル文化」など六章にわたって解説を加えてゆく。ウェブ時代にあってメディア論を深く知りたい人にとり最良のブックガイドである。
  • ラカン入門
    4.8
    ラカンを理解する最短ルートは、その理論を歴史的に辿ることだ──。鏡像段階、対象α、想像界・象徴界・現実界など多種多様な概念を駆使し、壮大な理論を構築したラカン。その理論は、精神分析のあり方を劇的に刷新し、人文・社会科学全般に大きな影響を与えた。本書では、その難解な思想を前期・中期・後期に腑分けし、関心の移り変わりや認識の深化に注目しながら、各時期の理論を丹念に比較・検討していく。なぜラカンはこれほどに多彩な概念を創造し、理論的変遷を繰り返したのか。彼が一貫して問い続けてきたこととは何だったのか。その謎に挑んだ好著、『ラカン対ラカン』増補改訂版。
  • 核戦争、どうする日本? ──「ポスト国連の時代」が始まった
    4.7
    1巻1,540円 (税込)
    核兵器をもつ権威主義的国家による、国際秩序への危険な挑戦。地獄のフタを開けたプーチン、相次ぐ北朝鮮のミサイル発射、間近に迫る台湾侵攻。平和と安全を守る唯一の道とは?
  • 悟りと葬式 ──弔いはなぜ仏教になったか
    4.7
    出家者の悟りのための宗教として機能していた仏教が在家者の葬式のための宗教としても機能するようになったのはなぜか。布施、葬式、戒名、慰霊、追善、起塔それぞれの始まりを求め、アジア各地の仏教を探っていく。悟りを開いた出家者の霊力に対し、在家者が抱懐する聖者崇拝。布施をくれる在家者の要望に応え、出家者が受容する土着習俗。仏教学、民族学、文化人類学の成果をもとに、アジア各地に共通の背景を解明し、弔いが仏教となっていく過程を俯瞰する。
  • SDGsは地理で学べ
    4.7
    グローバル化が進んでいる今日、他の国が抱える問題は日本の私たちにとっても対岸の火事ではない。身近な将来の出来事として捉え、ひとりひとりが社会問題の解決や持続可能な開発に主体的に貢献するために、知ることから始めよう。
  • 臨床心理学小史
    4.7
    近代心理学が成立した19世紀末、ウィトマーは臨床心理学雑誌を創刊し、医学と異なる専門領域である臨床心理学の必要性を宣言する。精神分析は臨床心理学にどのような影響を与えたのか、自閉症という概念はどのように変化してきたのか、そして日本の臨床心理学はどのような道をたどってきたのか。臨床心理学の歴史と展開の百数十年を概観し、現代の心理実践を考えるための一冊。
  • 「ひきこもり」から考える ──〈聴く〉から始める支援論
    4.7
    「ひきこもり」支援とは〈生〉を支えることです。その根本には〈聴く〉ことが深く結びついています。〈聴く〉こと、それ自体がその人の存在を肯定し、意味づけるからです。一方の〈生〉が他方のそれを圧倒することなく、できるだけ対等につきあっていくには、どうすればよいのでしょうか。自分とは異なる人生を歩み、異なる価値観を培ってきた相手と、どのように向き合っていけばよいのでしょうか。本書では、「ひきこもり」を通して〈聴く〉ことを考えていきます。
  • 魚にも自分がわかる ──動物認知研究の最先端
    4.7
    「魚が鏡を見て、自分の体についた寄生虫を取り除こうとする」。そんな研究が世界を驚かせた。それまで、鏡に映る像が自分であると理解する能力は、ヒトを含む類人猿、イルカ、ゾウ、カササギでしか確認されていなかった。それが、脊椎動物のなかでもっとも「アホ」だと思われてきた魚類にも可能だというのだ。実は、脳研究の分野でも、魚の脳はヒトの脳と同じ構造をしていることが明らかになってきている。「魚の自己意識」に取り組む世界で唯一の研究室が、動物の賢さをめぐる常識をひっくり返す!
  • すべてはタモリ、たけし、さんまから始まった ──笑いと日本社会の現在地
    4.7
    1980年代初頭、多くの人が「漫才ブーム」に熱狂した。その影響のもと、私たちは何かあればボケようとし、それにツッコミを入れるようになった。笑いが、重要なコミュニケーション・ツールとなったのである。そこにおいてシンボル的な存在となったのが、タモリ、たけし、さんまの「お笑いビッグ3」だった。先鋭的な笑いを追求して90年代に台頭したダウンタウン、M―1グランプリから生まれた新潮流、そして2010年代に入って頭角を現した「お笑い第7世代」……。今なお中心的存在であり続ける「ビッグ3」を軸に、日本社会の「笑い」の変容と現在地を鋭く描き出す!
  • ヨーロッパ現代史
    4.7
    第二次大戦後、ヨーロッパ諸国は「和解」に向け歩んできた。だが、現在は自国中心主義勢力が各国で拡大し、英独仏ロによる「大国の時代」が復活しつつある。この危機の本質を理解するには、これまでの七十数年の歴史を繙かねばならない。福祉国家の成立とその行き詰まり、新自由主義時代の到来と東欧革命、エスニシティの噴出、グローバル化の進展、財政危機や難民問題、反EUなど現在の危機に至るまで、国際関係のみならず各国の内政との関わりからも描き出す決定版ヨーロッパ史。
  • 現代の初等幾何学
    4.7
    数学の理論の公理系にあらわれる基本的な用語は無定義なものであるべきだという公理主義の思想。この思想は、初等幾何学すなわちユークリッドの平面幾何学をめぐる考察のなかから生まれた。その意味で初等幾何学は現代数学の母であり、いまなお「生きた」数学の理論である。本書はヘルマン・ワイルの提唱した公理系にもとづいて、ユークリッドが展開した初等幾何学の再構成を試みる。平面を2次元の内積空間と捉えることで、数学の種々様々な理論と自然につながり合う「現代的な」幾何学が得られるのだ。幾何学が本来もつ証明の面白さを損なわないよう初学者への配慮も溢れる一冊。
  • うちのご飯の60年 ──祖母・母・娘の食卓
    4.7
    家族の歴史をたどることで、昭和初期の山村の自給自足生活から現在の都市の「一人一人が楽しむ」個食まで、日本の食と社会が通ってきた変化の道筋を描き出す。
  • あなただけの人生をどう生きるか ──若い人たちに遺した言葉
    4.7
    大学学長時代に、学生たちに向けて語った講演の数々。そこには、決して生きやすいとは言えない現代、どんな境遇でも、若者一人ひとりが自分らしく輝けるように、と切に願う、愛に満ちた言葉が溢れていた。人生を深く考えるための珠玉のメッセージ集。
  • 救いとは何か
    4.7
    いま、この時代にあって「救い」とは何か、果たしてそれは可能なのか? この世に生をうけ、やがては死にゆくことを、どう受け止めればいいのか? 信仰をもつ宗教学者と、宗教をもたない哲学者が、こうした根本問題をめぐり、鋭く言葉を交わす。「世界全体の幸福」と「個人の幸福」、親鸞の「一人」の思想、宮澤賢治の『銀河鉄道の夜』など話題は多岐にわたり、問いが深められていく。この時代の「生と死」について、透徹した視座を提供する対話の記録である。
  • 日本思想史の名著30
    4.7
    千数百年におよぶ日本思想史上には、画期となる名著が多数生まれてきた。あるときは神話や物語、説話の形をとり、またあるときは歴史書・史論、社会・政治評論、そして近現代にはアカデミズムの産物として現れてきた研究書や「日本国憲法」などの法文││それらの名著群を博捜するなかから三十点を選りすぐり読み解くことで、「人間とは何か」「人間社会とは何か」という普遍的な問いに応える各時代の思考様式を明らかにする。遠い過去の思考に、現代を考えるヒントをさぐる。
  • 中世賤民の宇宙 ──ヨーロッパ原点への旅
    4.7
    差別はどこから生まれてくるのだろうか? ヨーロッパにも職業差別・身分差別は存在したのだろうか? 本書は、『ハーメルンの笛吹き男』で西洋中世の被差別民の存在に初めて光をあてた著者が、賎視と身分差別の問題に正面から取り組んだ、阿部史学の代表的著作である。西洋中世において、キリスト教の浸透による時空観念の一元化と死生観の転換によって、畏怖の対象であった職業を賎視するようになる過程を考察する。「ヨーロッパ中世賎民成立論」のほか「ヨーロッパ・原点への旅」「死者の社会史」等も収め、“小宇宙”と“大宇宙”をキーワードに西洋中世の人々の心的構造の核に迫る。
  • アメリカ政治講義
    4.7
    アメリカの時事問題の情報はますます増えているが、政治や社会の基本的な特徴や事実を踏まえていない論評も多く見られる。そこで、アメリカ政治を初学者にもわかりやすい形で、特定の視角や事例のみに依拠することなく、歴史、制度、文化、国際比較などの多様な視点から多角的に考察。長期的なアメリカの民主政治の考え方を重点的に解説する。さらに、単に政治過程について説明するだけではなく、デモクラシー論における規範的評価をも交えた、アメリカ政治入門書の決定版。
  • ヒトと文明 ──狩猟採集民から現代を見る
    4.7
    二〇世紀後半から、生物学としての人類学「ヒト学」は大きく変貌した。著者の専門である分子人類学は、タンパクの遺伝マーカーの研究で始まったが、現在ではゲノム全体の情報を用い、アジアの古層民族集団の起源および系統進化を明らかにしつつある。さらに、日本で長い歴史をもつ人類学は、文理合同の学際研究を通じて、ヒトの特異性と多様性および起源の総合的な解明をめざす。本書は筆者の研究史を追いながら、「DNAから人権まで」をモットーに「文明とは何か」「先住民族の人権」「人類学者の社会的責任」などの問題を解き明かしてゆく。
  • 阿含経典1
    4.7
    ブッダはなにを語り、どのように説いたのか。その教えを最も純粋なかたちで伝える最古層の重要な仏教経典の集成。阿含=アーガマとは伝承されてきた聖典を意味する。これらの経典群のなかには、あらゆる宗派を超えた仏教の原初のすがたがあり、その根本がある。本書は厖大な阿含経典群のなかから、よく古形を保ち、原初的な経と判定される諸経をとりあげ、パーリ語原典からの現代語訳と注解で構成。第1巻は、ブッダの悟りの内容を示す「存在の法則(縁起)に関する経典群」と、その法則に即して人間をかたちづくる要素を吟味した「人間の分析(五蘊)に関する経典群」を収録する。
  • クレオール主義
    4.7
    「クレオール主義」とは、なによりもまず、言語・民族・国家にたいする自明の帰属関係を解除し、それによって、自分という主体のなかに四つの方位、一日のあらゆる時間、四季、砂漠と密林と海とをひとしくよびこむこと――。混血の理念を実践し、複数の言葉を選択し、意志的な移民となることによってたちあらわれる冒険的ヴィジョンが、ここに精緻に描写される。「わたし」を世界に住まわせる新たな流儀を探りながら、思考の可能性を限りなく押し広げた、しなやかなる文化の混血主義宣言。一大センセーションを巻きおこした本編に、その後の思考の軌跡たる補遺を付した大幅増補版。
  • 昆虫の世界へようこそ
    4.7
    ヒトと昆虫は全く異なる進化の道を歩んできた。ヒトを含めた脊椎動物は背骨で体を支える構造を発達させてきたのに対し、昆虫は外骨格で体を支える構造を進化させてきた。これにより昆虫たちは、小さな空間で生息することが可能になり、種分化を繰り返すことで地球を生命で満ち溢れた世界にできた…。昆虫の視点で撮影した大迫力のカラー写真で、小さな昆虫たちにまつわるドラマを再現する。めくるめく昆虫ワールドをご堪能あれ。
  • ザ・ディベート ――自己責任時代の思考・表現技術
    4.7
    ディベートと言えば、「ああ言えばこう言う」という詭弁術とか、言葉で相手をとっちめる技術と思いがち。和を乱す「非日本的」なものとして排除されてきたのも事実だ。だが「朝まで生テレビ」はディベートではない。実は誰でも既に、会議や交渉というビジネスの場で、「テーマを設定し、データを集め、問題枠を作り、複数の議論パターンを考え、自説を主張し、相手に反駁する」という経験をしている。これをより方法的に相互の信頼のなかで実現していく技術こそがディベートなのだ。よいコミュニケーターはよいディベーター。自分の頭で考え、自分の言葉で述べ、相手の言葉を聞くための方法。
  • メルロ=ポンティ入門
    4.7
    われわれはこの世界に生きており、現代の歴史に属している。それにしては、そのことがぴんとこない。世界や歴史と無関係に、ささやかな人生がここにある。だからといってとるに足らないことなど何一つなく、ものごとを考えて決断する時には、歴史の論理の中を、同じ世界の他者たちとともに生きる。現実的とはどういうことで、真実を語るとはどのような意味か。メルロ=ポンティ哲学をひもときながら、われわれのもとに到来する出来事を真剣に取扱う姿勢について考える入門書。
  • 資本主義から市民主義へ
    4.6
    貨幣は貨幣だから貨幣なのだ。貨幣を根拠づけるものはただ貨幣だけ。言語・法・貨幣の、社会と人間を貫く自己循環論法こそが、恐慌も生めば、自由をももたらす。それを踏まえて、われわれはどのような市民社会を構想すべきか。資本主義を超えて、来たるべき市民主義とはいかなるものか。貨幣論に始まり、資本主義論、法人論、信任論、市民社会論、人間論、そして倫理論まで、経済学や社会哲学を縦横に論じつつわかりやすく解説。次代の社会像を示す!
  • 忘却の整理学
    4.6
    知識は「盾」である。仕事や試験において時間を削り取ろうとする敵から自分を守ってくれる。知識によってタスクは効率化され、浪費は防がれる。では「矛」は? ……それは「忘却」である。なぜなら、常識やルールといった自分の内なる暗黙知、さらには時間すら忘れて物事に打ち込んだとき、そこから得られる成果物は、きっとあなたにとって代えがたい武器となるからだ。
  • 富士山はいつ噴火するのか? ──火山のしくみとその不思議
    4.6
    富士山はこの三百年ほど噴火していないが、それは仮の姿。実ははとても活発な火山だ。次に噴火するとしたらいつだろう? 噴火に至るマグマの動きを解説し、将来の噴火時期を予測する方法、降灰や溶岩流シミュレーションの受け止め方を考える。
  • 辺野古入門
    4.6
    普天間基地移設問題の最前線としての名護市辺野古――。しかし、そこには地域の歴史があり暮らしがある。キャンプ・シュワブとどのような関係にあるのか、普天間基地移設の候補地としてなぜ辺野古が浮上したのか、「条件つき受け入れ容認」とはいったい何を意味するのか。二〇年にわたり現地でフィールドワークを続ける社会学者が、親愛の情を込めて描く、辺野古を知ってもらうための初めの一冊。
  • ニュースの数字をどう読むか ――統計にだまされないための22章
    4.6
    ニュースにはたくさんの数字が出てくる。新型コロナウイルス感染症のパンデミックが世界を席巻してからは、なおさらだ。感染者数、陽性者数、再生産数、陽性率……。しかしその数字は、ニュースに出てくる時点で選択されており、記事のストーリーに沿うかたちで提示されている。因果関係は本当にあるのか。その数字は本当に「大きい」のか。増えた、減ったの判断の基準は本当に正しいのか。じつは数字によるミスリードにはパターンがあり、それを知っていれば大きな間違いは避けられる。具体的な例を使い、ユーモラスな語り口でその方法を伝授する。
  • 「ゆっくり」でいいんだよ
    4.6
    知ってる? ナマケモノが笑顔のワケ。食べ物を本当においしく食べる方法。デコボコ地面が子どもを元気にするヒミツ。「楽しい」のヒント満載のスローライフ入門。
  • レイシズムとは何か
    4.6
    「日本に人種差別は本当にあるのか」。そのように疑問に思う人も多くいるだろう。だが日本にも人種差別撤廃条約で禁止されている差別が現実に起きている。間違えていけないのだが、現在の人種差別は人種を表に出せないかわり、文化の差異などを理由に差別を扇動しているのだ。なぜそのような差別は起きるのか? 日本ではそれが見えにくい理由は? レイシズムの力学を解き明かす。
  • 10代と語る英語教育
    4.6
    大学入学共通テストへの英語民間試験導入が突然、延期となった。政治には無関心と言われる10代の若者はなぜ立ち上がったのか? SNSや国会前でのデモなど、大きな役割を担った三人に取材し、大学入試改革とは何か、英語教育はどうあるべきなのかを解き明かす。
  • イネという不思議な植物
    4.6
    植物の常識に照らすと、生態が少し奇妙なイネ。だがそれゆえに、人に深くかかわりその生活や歴史までも動かしてきた。イネとは何か、なぜ人を魅了してやまないのだろう。その秘密にせまる。
  • 精講 漢文
    4.6
    初版刊行以来、長年にわたり受験生から支持されてきた参考書を復刊。最大の特徴は、無味乾燥になりがちな文法事項をあえてまとめて解説せず、すべて例文の説明のなかにちりばめている点にある。例文は「論語」や李白・杜甫といった受験の定番から、歴史書、小説、そして日本の漢文学までを幅広くカバー。それらを読むことによって、文法の知識だけでなく中国の歴史や思想・文化をも体系的に学べるようになっている。おとなの学び直しに最適の一冊。
  • 植物はなぜ動かないのか ──弱くて強い植物のはなし
    4.6
    自然界は弱肉強食の厳しい社会だが、弱そうに見えるたくさんの動植物たちが、優れた戦略を駆使して自然を謳歌している。植物たちの豊かな生き方に楽しく学ぼう。
  • 食のリスクを問いなおす ――BSEパニックの真実
    4.6
    「食」が今、さまざまな危険にさらされている。しかし、食の絶対安全とはなにか?盲目的にゼロリスクを求めていいのだろうか?リスクをリスクとして、冷静に受け止めるにはどうしたらいいのだろう?BSEが猖獗を極めた時期にスコットランドに暮らした内科医が、科学的な視座から国内外BSE騒動の深層を分析、背後に潜む社会病理を精察するとともに、現代人が直面する食のリスクとその対処法をさぐる。
  • 君主制とはなんだろうか
    4.5
    ファラオ、女王、天皇らが統治する「君主制」。この世界最古の政治制度がわかると、世界史がもっとおもしろくなる!君主の誕生から革命を経て、現代までを一望する、かつてない君主たちの5000年史。 【目次】はじめに 「王様は何でえらいの?」/第1章 王の誕生――太古から古代へ/第2章 理想の王とは――古代から中世へ/第3章 絶対君主制への道――中世から近世へ/第4章 市民革命の時代――一七世紀から二〇世紀へ/第5章 二一世紀の君主制
  • 社会思想史講義
    4.5
    社会思想は、その時代の社会がかかえる問題を解決しようと、思想家が格闘しつつ生みだすものである。本書はルネサンス以降の歴史を、3つの流れで捉える。すなわち、民主主義・資本主義社会はいかなる思想的過程で形成されたか、近代社会に顕在化した問題を解決するためどのような社会思想が生み出されたか、そして20世紀以降どのような問題が発生したか。著者が指摘する「現代社会の問題」とは、個人の自立性を押しつぶす官僚制化・大衆社会化・管理社会化であり、さらに資本主義社会の矛盾・弊害の克服を目指したはずの社会主義諸国の行き詰まりまでを含む。長らく読み継がれてきた簡潔で定評ある入門書。
  • 東京漫才全史
    4.5
    現在も人気のある日本の伝統的芸能「漫才」には「お笑い論」の書籍は数多く存在するが、「漫才」の、特に東京を地盤とした漫才の歴史に関する書籍は数少ない。この「東京漫才」に焦点を当て、漫才の源流にまで遡り、「東京漫才の元祖は誰か?」、「しゃべくり漫才の流入と定着」、「戦後東京漫才の御三家」、「東京漫才専門寄席」、「MANZAIブームの功罪」、「爆笑問題、ナイツの活躍」等をテーマに、その発生と栄枯盛衰を、通説の誤解を正しつつ記した、画期的な「東京漫才」通史。 【目次】序章 「漫才」以前/第一章 東京に漫才がやってきた/第二章 生まれる東京漫才/第三章 戦前の黄金時代/第四章 戦争と東京漫才/第五章 焼け跡から立ち上がる/第六章 東京漫才の隆盛/第七章 MANZAIブームと東京漫才/終章 新しい東京漫才の形
  • 台湾の半世紀 ――民主化と台湾化の現場
    4.5
    1972年日中国交樹立によって、日本は中華民国(=台湾)と断交した。その同じ年に大学院に進学、研究をスタートさせた著者の研究人生は奇しくも台湾が民主化し、中国とは明らかに異なるアイデンティティ(=台湾化)へと進んだ道程と重なる。政府要人や台湾人研究者、歴史的事件の関係者との交流……。いまや中国は経済的にも軍事的にも大国となって、アメリカのライバルへと躍り出た。黎明期から台湾を見つめ続けた著者が、米中両大国に翻弄されつつも主体性を模索する台湾のこれまでを振り返り、現状と今後のゆくえを分析する。 【目次】プロローグ 台湾現代史における一九四九年と一九七二年/第I部 民主化の現場を歩く──オポジションから入る/第一章 日台断交の頃──台湾研究事始めと初めての台湾訪問/第二章 民主化の胎動に触れる/第三章 「自由の隙間」に立ちあがる台湾ナショナリズム/第四章 国民党一党支配の揺らぎ/第五章 民主化と「バランサー」李登輝の闘争──「憲政改革」の政治過程を見つめる/第六章 日本台湾学会の設立──台湾理解の知的インフラ/第II部 台湾化の脈動を見出す──アイデンティティの政治の背景に眼をやる/第七章 船出する新興民主体制──総統選挙が刻む政治のリズム/第八章 大国の狭間で──「中国要因」の政治の登場と米中の対立/第九章 中華民国台湾化論を提起する──台湾政治研究の曲がり角で/第十章 中華民国台湾化の不均衡な展開──新興民主体制下の国家再編と国民再編/エピローグ パフォーマンスする主権──「台湾の定義はまだできていない?」
  • 日本人なら知っておきたい日本の伝統文化
    4.5
    現代の私たちは日本の伝統文化をあまりにも知らない。それは明治時代に西洋の知識や技術を取り入れるためにつくられた学校教育や近代の学問が、日本の文学や歴史を私たちの心から切り離して論じてきたからだ。伝統的な日本人の心のあり方や死生観はどのようなものだったのか。いま私たちが伝統的と思っているものの多くが、いかにして明治に入ってからつくりだされてきたのか。民俗学や宗教学、倫理学等の観点から近代以降に日本人が見誤り、見失ってきたものを掘り起こす。
  • ふらり珍地名の旅
    4.5
    「浮気」「見物」「瓦葺」「駅部田」「昼飯」「未明」……難読だったり、およそ地名とは思えない地名の数々。味あるそれら珍地名をたずねる旅に出る。地形図片手に、場所を眺め、地名を声に出して読み、土地の人と語り継がれる歴史や生活について話をする。珍地名と過去・現在・未来を生きる人の物語を辿る旅の記録。
  • 映像のポエジア ──刻印された時間
    4.5
    「それ独自の事実のフォルムと表示のなかに刻み込まれた時間――ここにこそ、私にとって芸術としての映画の第一の理念がある」。その理念が有機的統一をもって結晶する“イメージ”。『惑星ソラリス』『鏡』『サクリファイス』など、生み出された作品は、タルコフスキーの生きた世界の複雑で矛盾に満ちた感情を呼び起こす。俳優や脚本のあり方をはじめとする映画の方法は、現代において涸渇した人間存在の源泉を甦らさんとする意図とともに追求された。戦争と革命の時代である20世紀に、精神的義務への自覚を持ち続けた映画作家の思考の軌跡。
  • 法の概念〔第3版〕
    4.5
    法とは何か。それは単なる命令とどう異なり、道徳や慣行といかに関わるのか。なにゆえ法は、私たちを従わせる規範としての力をもつのだろうか。こうした難問をめぐって有力に唱えられてきた主権者命令説や自然法論はいずれも十分でない。法の特質は、人々の行動を方向づける一次ルールと、何がルールかについて定める二次ルールとの組み合わせとして理解されねばならないのだ。1961年に初版が刊行された本書は、このような革新的な視点を打ち出すことで法哲学のあらたな地平を切り拓き、分野を越えて巨大な影響を及ぼした。初版への批判に応えた「後記」をも含む改訂版を、平明な新訳でおくる。
  • エネルギー危機の深層 ――ロシア・ウクライナ戦争と石油ガス資源の未来
    4.5
    ロシア・ウクライナ戦争の背後で繰り広げられる、エネルギーをめぐるもう一つの戦い。企業活動や私たちの生活に深刻な打撃を与え、国際エネルギー機関が「史上初のエネルギー危機」とまで呼ぶ今日の危機的状況はなぜ引き起こされたのか。本書では、ウクライナ侵攻とそれを契機とする制裁の応酬について、エネルギーの視点から徹底的に読み解くことで、石油・天然ガスをめぐる最新地図と、その深層にある流れを明らかにしていく。近年の脱炭素潮流も踏まえつつ、エネルギー資源をめぐる世界情勢とその未来に光を当てる現代の必読書。
  • パワハラ上司を科学する
    4.5
    「パワハラとは何か? どうしたら防げるのか?」―― 実は、多くの人がわかっていない。著者は、パワハラ測定の尺度を開発し、誰が行為者になり、どのような性格特性の上司がパワハラしやすいかを10年以上にわたり研究。科学的データを基に、対策を実施してきた。「仲がよければいい」「関わらなければいい」など、多くの人がやってしまっている誤った対応を明らかにし、本当に防ぐにはどうすればいいのかに迫る。
  • 東方キリスト教の世界
    4.5
    東方キリスト教は、ロシア正教など東ヨーロッパを中心に広がる東方正教会や、主に中東で広まった東方諸教会などを包括するものである。使用言語も多岐にわたりその歴史も複雑なため、日本語での情報は限定されてきた。本書はそうしたなかで、長らく基本情報を提供してきた名著だ。西洋古典学・ビザンツ学・スラヴ文献学の横断的研究で傑出した業績を残した研究者が、東方キリスト教全体を扱いつつも、教義や歴史にとどまらず、巡礼・神秘思想・教会建築・イコン・天国/地獄表象など幅広く信仰文化にまで踏み込む。
  • 「気の持ちよう」の脳科学
    4.5
    調子が悪いとき、「気持ちの問題」などと言われることがある。だけど心のはたらきは、実は脳が生み出す生理現象に過ぎない。あいまいで実体のなさそうな心を「脳科学」から捉えなおして、悩みにとらわれすぎない自分になろう。
  • シンプルで伝わる英語表現
    4.5
    日本人に特有の「言えそうで言えない」英語表現があるようだが、なぜだろうか? ビジネスを中心に日常的な場面やSNSで使われそうな会話の中で、より適切な英語表現はどれになるかを、クイズ形式で学んでいく。文法的な誤りや単語の使い方、さらに文化的背景や物事の捉え方の違いを解説で読みながら、日本語と英語の発想の違いに気付くことで、よりシンプルで伝わる英語表現を身につけていきたい。
  • 絶望に寄りそう聖書の言葉
    4.5
    約2000年前に書かれたユダヤ・キリスト教の聖書には、現代に生きる私たちと同じように人生の絶望と苦闘した人々の物語が詰まっている。働くことの空しさを嘆くコヘレト、不条理な災難に次々と遭うヨブ、夢を叶えられないモーセ、運命から逃げるヨナ、師を裏切ってしまうペトロ、自らの死を予感するイエス……、旧約聖書を専門とし、牧師としても聖書の魅力を伝える著者が、登場人物たちの七転八倒から、現代の読者に生きる力を与えるメッセージを読み解き紹介する。
  • 人間関係を半分降りる ――気楽なつながりの作り方
    4.5
    1巻1,320円 (税込)
    人間は醜い。だから少し離れてつながろう! 友人、家族、恋人。大ベストセラー『完全自殺マニュアル』の著者が、悲痛な体験から生きづらさの最終的な解決法=優しい人間関係の作り方を伝授する。鶴見済が生きづらさの問題について20年ぶりに書き下ろした解決法。
  • 〈権利〉の選択
    4.5
    “right”に「権利」という訳語があてられたとき、そこには特殊日本的な背景が作用し、それ自体が一つの独自な解釈を表すものとなった。「力と利益」の意味を含む日本の“権利”の思想は、「正しいこと」を意味する西洋の“ライト”の思想とどの程度異なり、また、どの点で共通しているのか。この問いを考察の糸口として、我々が「権利」と呼ぶ思考装置の問題点と限界を明かし、その核心に迫る。福沢諭吉、西周、加藤弘之ら日本の思想家をはじめ、ロック、ドゥオーキン、ロールズ、セン、ニーチェらを導き手とし、理念と力の錯綜した関係を解きほぐした著。
  • 科学と仮説
    4.5
    数学はなぜ科学といえるのか、連続体や幾何学空間の概念はどこから生まれたか、仮説にはどういう役割と種類があるか、科学は自然に対してどういうスタンスをとるべきか――。「ポアンカレ予想」の提唱者としても名高い科学者が、数学・物理学を題材に、関連しあう多様な哲学的問題を論じる。「幾何学の公理や物理学の原理は、人間が自由に決めた定義、あるいは人間の精神が創った規約である」という「規約主義」の立場を打ち出した。科学の要件に迫り、刊行時大反響を呼び、アインシュタインら若き科学者たちを「何週間か呪文をかけられたように」高揚させたという科学哲学の古典。オリジナル新訳。
  • なぜ地球は人間が住める星になったのか?
    4.5
    宇宙の進化の中で地球はどのようにして生まれたのか。地球が生命に適した環境になり、多くの生命が栄え、その生命が地球の環境を変えてもきた共進化の歴史を地球科学のアプローチで探る入門書。
  • 北朝鮮外交回顧録
    4.5
    歴史的な小泉訪朝から二〇年が経つ。拉致被害者の存在を金正日が認めて謝罪し、一部の被害者の帰国が実現し日本国内に大きな衝撃を与えた。なぜそれは可能だったのか。一九九〇年の金丸訪朝、朝鮮労働党との日朝国交正常化に向けた三党共同宣言署名から、小泉首相による二〇〇二年と〇四年の二度の訪朝、拉致被害者帰国までの間の北朝鮮外交に従事していた外交官によるメモワール。当時の外交を振り返り、対北朝鮮政策の教訓や今後の外交上の留意点を考察する第一級の史料。
  • はじめて学ぶ環境倫理 ──未来のために「しくみ」を問う
    4.5
    エコ生活で環境はよくなるか? つくられた自然は偽物か? なぜ生物多様性が大切なのか? 身近な環境の改変から地球の未来に関わる問題まで、考えるヒントを示します。
  • 重力と力学的世界 上 ――古典としての古典力学
    4.5
    1~2巻1,155~1,265円 (税込)
    私たちが自明としている力学的世界観の成立には、古典力学と古典重力論にもとづく天体力学、とりわけ“重力”概念の確立が大きな影響を与えている。本書は、“重力”理論完成までの思想的格闘の足跡を原典に則して丹念に辿りつつ、誤りや迷いといった紆余曲折までも含めて詳らかにする。先人の思考の核心に「同時代的」に肉薄する壮大でドラマチックな力学史。上巻は、ケプラーにはじまり、ガリレイ、デカルトをへてニュートンにいたる力学方程式確立の歴史、オイラーの重力理論までを収録。
  • 産業革命史 ──イノベーションに見る国際秩序の変遷
    4.5
    イノベーションこそが世界秩序を形成してきた。技術革新が起きる現象を広く産業革命と捉え、第一次産業革命(1760~1830年代、軽工業)、第二次産業革命(19世紀後半~20世紀初頭、重工業)、第三次産業革命(20世紀後半、IT・情報)、第四次産業革命(2010年代以降、IoT・AI)の四段階に分け、世界経済の変遷をたどり直す。経済体系の変遷や社会経済発展・分業との関係など多様な論点を交え、持続的な世界経済の運動として産業革命を大局的に描き出す。
  • 増補 女性解放という思想
    4.5
    「女性解放」を論じることはなぜ難しいのか。あるべき解放論を示すのではなく、かつて女性解放の運動と理論が直面した対立や批判、矛盾やその破綻を描くことで、今なお残る困難の数々を深く鋭く明かす論考集。1部には、イデオロギーに根ざす80年代女性解放論への批判と、「性差があるから差別ではない」とする言説の本質的な不当性を喝破した論考を収録。2部では、ウーマンリブ運動の思想史的位置付けと再評価を行い、3部では、フェミニズム運動への「からかい」が、非難や攻撃にもまさる抑圧的効果をもったことを明かした「からかいの政治学」など、メディアにおける女性表象の問題を追求した。今日までの状況を俯瞰する1章を加えた増補版。
  • みんな自分らしくいるためのはじめてのLGBT
    4.5
    恋愛における変なルール、個性は尊重するわりには、厳しい校則、どこからどこまでが友達なの? 性の多様性について考えることで、私たちを取り巻く「当たり前」から自由になれる。
  • 日本の包茎 ――男の体の200年史
    4.5
    仮性包茎は医学上、病気ではなく、手術も不要である。日本人男性の半数以上が仮性包茎とされている。多数派であるのに多くの男性がこれを恥じ、秘密にしようとするのはなぜか。そのままでは女性に嫌われると一部の美容外科医は言い募り、男性による嘲弄の対象ともなってきた。仮性包茎を恥じる感覚は、どのようにして形成されたのか。江戸後期から現代まで、医学書から性の指南書、週刊誌まで、膨大な文献を読み解き、仮性包茎をめぐる感覚の200年史を描き出す。歴史社会学者による本邦初の書!
  • ヨーロッパ冷戦史
    4.5
    ヨーロッパはいかに二つの陣営に分断され、ベルリンの壁はどう築かれたか。ベルリンの壁崩壊から、なぜ分断が一挙に統合へと向かったのか。ドイツ問題を軸に、東西間の対立と緊張緩和の過程を描き、冷戦の国際政治力学を浮き彫りにする。さらには、軍事的・経済的な対立と緊張緩和が交錯するドラマが活写される。ブレグジットで欧州統合が大きな曲がり角を迎え、世界が再び地域主義の様相を呈しているいまこそ参照すべき、最新研究に基づく現代ヨーロッパ国際政治史入門。
  • ヴェーバー入門 ――理解社会学の射程
    4.5
    社会的行為の動機を理解し、その内面から人間と社会のあり方を考える。これが、近代社会学の祖とされ、社会科学全般に決定的影響を与えたマックス・ヴェーバーの学問の核心にあった。だが、奇妙なことに従来の議論では、彼自身のこの問題意識が見落とされている。本書では、ヴェーバー思想の根幹に「理解」を位置づけ、その業績全体を、理解社会学の確立に向かう壮大なプロジェクトとしてとらえなおす。主要著作を丹念に読み込み、それらを貫く論理を解き明かす画期的入門書。
  • 医学全史 ――西洋から東洋・日本まで
    4.5
    現代医学はどのようにしてできあがったのか? 古代より、伝統医学は経験から治療法を、推論から理論を創り出すと同時に、西洋では解剖学という人体の科学的探究を続けてきた。それが19世紀に、病理解剖学や実験生理学の発展に伴い実践的な治療と結びつき、劇的な変貌を遂げることになる。医史学研究の第一人者が古今東西の書物を繙き、萌芽期から現代までの歴史を丁寧に辿りつつ、その飛躍的発展の背景に迫る決定版通史。
  • 教養の書
    4.5
    全国のごく少数の幸福な読者のみなさん、ついに書いてしまいました。教養とは何か。なぜ大切か。教養への道をどう歩めばいいのか。おまけにお勉強の実践スキルまで。すべて詰まった「知の教典」誕生です。
  • 四国遍路の世界
    4.5
    近年ブームとなっている四国遍路。四国八十八ヶ所の成立、遍路日記などの記録、古代から現在に至る歴史的変遷、古典文学での描かれ方、外国人遍路を含めた現在の人気、世界各地の巡礼との比較など、さまざまな視点から読みとく15講。四国遍路はなぜ時を超えて人々を魅了してきたのか? 最新の研究をまとめた入門書。
  • 科学の最前線を切りひらく!
    4.5
    恐竜など魅力的な太古の動物たちはいかに生まれ、今の生き物たちとつながっているのか? 脳は日々どのような精密な働きを営んでいるのか? 悠久の昔から、現代の最先端科学まで。そして超マクロの視点から人体のミクロの領域まで。幅広い分野をリードする科学者たちが、その知的探究の全貌を明かす!
  • 漢語の謎 ──日本語と中国語のあいだ
    4.5
    漢字による熟語である「漢語」。その中には、中国でできたものと、日本でできたものがあり、実は来歴が謎に包まれたものが多くある。銀行の「行」、電池の「池」、盆地の「盆」……それらの字はそもそもどんな意味だったのか? 「文明」「文化」が日本から中国に渡った漢語というのは本当か? 中国では「手紙」がトイレットペーパーを意味する? ひとつのことばの背景には、それをつくった人がおり、海を越えて運んだ人がおり、使う人がいる。本書は、さまざまな漢語の来し方を、情熱をもって探求し、普段使っている言葉の本来の意味、そしてそこに秘められたドラマに迫る一冊である。
  • 精神科医が教える聴く技術
    4.5
    人の話を聴くことは難しいが、本当に聴けた時には相手の人生を変えるほどの効果がある。「聴く技術」を〈黙って聴く〉〈賛成して聴く〉〈感情を聴く〉〈葛藤を聴く〉の四つのステップに分けて、事例と共にわかりやすく解説する。最後に「自分の心を聴く」ことで、自分を受け入れる技術を解き明かす。精神科医として、またカウンセラーのスーパーバイザーとして、長年にわたり人の話を聴き続けてきた著者が教える「聴く技術」。「聴く」ことの驚くべき深い世界を知ってほしい。
  • ヒトの発達の謎を解く ──胎児期から人類の未来まで
    4.5
    胎児に心はあるのか? イヤイヤ期はなぜ起こるのか? 思春期に感情が爆発しがちなのはなぜか? 個性はいつ、どのように生まれるのか? デジタル化社会は子どもの脳と心にどのような影響をもたらすのか? 生物としてのヒトは、直線的に成長していくわけではない。複雑な曲線を描きながら「連続性」と「多様性」をもって変化していく。その複雑な軌跡を科学的に説明することができれば、ヒトが発達する過程で起こる不思議な現象を正しく理解することができる。ヒトの脳と心が生まれ、発達していくという生命現象を真に理解するための一冊。
  • 痴漢外来 ──性犯罪と闘う科学
    4.5
    痴漢は犯罪であり、同時にその一部は「性的依存症」という病気でもある。東京都心のとある精神科クリニックで開かれる、通称「痴漢外来」。ここでは性的依存症の「治療」プログラムによって、通常30%台と言われる痴漢の再犯率を3%にまで抑えている。痴漢行為を行うのは、どんな人なのか。彼らに共通する「認知のゆがみ」とはなにか。どうすれば痴漢をやめさせることができるのか。最新の研究成果に基づき、痴漢をはじめとする性犯罪・性的問題行動の実態に迫る。
  • 日本が外資に喰われる
    4.5
    1980年代後半、世界を席巻したジャパンマネーは、バブル崩壊によって一挙に奈落の底に突き落とされた。その結果、途方もない規模の不良債権が浮上し、名門(大)企業が破綻、次々に姿を消していった。そして気づいてみると、多くの日本企業の大口株主は海外投資家によって占められ、株式市場は、現物も先物も、圧倒的に海外投資家の独擅場になっている。時代が暗転する転換点となった不良債権処理ビジネスの力学を丁寧に追いながら、「失われた三十年」に秘められた謎を読みとく。
  • 生きものとは何か ──世界と自分を知るための生物学
    4.5
    自分を知るには、まず生きもののことを理解しておく必要がある。生きものの形や時間にはどのような特徴があるのだろう? 何のために生きているのだろう? 生きものの本質を明らかにする冒険的な試み。
  • 身体の時間 ──〈今〉を生きるための精神病理学
    4.5
    現代社会では速さが求められる。効率は、すべてにまさる免罪符だ。そこでは“今”は、未だ結果を得ない不全の時間にすぎず、そのことが、身体を疎外し、心の耐性に負荷をかける。本書では、新型うつ病や解離性障害など、様々な精神病理を臨床例から検証、時代の加速化が視野を狭め、不意打ち的外傷が蔓延する現代に、私たちが生命性を回復し、“今”を豊かに生きるためになにが必要か、その叡智を探りだす。
  • 傍らにあること ──老いと介護の倫理学
    4.5
    老いは死へ近づいてゆく生の下降である。老いを生きるとは、衰退と喪失、不安と理不尽を体験することである。長い歳月をかけてつくり上げた自己像の変更を余儀なくされ、私たちは自問する。老いの価値はどこにあるのか、と。それは、ひとの傍らにあり、ひとと共にあって、移ろう時のなかで互いの存在を肯定し合う関係を紡いでゆくことにほかならない。いのちへの思いに立ち返り、老いのあり方を考える思索の書。
  • 生きているとはどういうことか
    4.5
    あるものが生物か無生物か、私たちは直感的にわかる。ところが「生物とは何か」を定義しようとすると、きわめて難しいことに気づく。生物には、物理化学法則とは別の「生きもののルール」があるからだ。それはどういうものか。本書は、生物の起源、発生、進化、免疫、性、老化と死といった生命現象から、「生物とは何か」を解く試みである。生きものとは、ものすごくしたたかで案外いい加減である。それがわかるとき、きっと世界が違って見える(はずだ)。
  • 国際法
    4.5
    国際法とは何かと聞かれても、すぐにイメージしにくいかもしれない。でも、憲法や安全保障のような国民全体の大問題だけでなく、コンビニでパンを買うといった私的な問題にまで国際法は関わっている。そのように広く国際社会に通用している国際法をどう理解すればよいのか。弱肉強食の「国際社会」という不条理の世界で、法はどう働くのか。そうした「生きた国際法」を誰にでもわかる形で、国際法の第一人者が解説。グローバル時代を生きるすべての現代人にとって必読必携の書。
  • 量子論の発展史
    4.5
    連続量と考えられていたエネルギーにも最小単位があった! プランクは空洞輻射で量子の概念に至り、アインシュタインは光量子、ボーアは水素原子の量子論、ド・ブロイは物質波、ハイゼンベルクは行列力学を創出した。先の見えない道を、創造者たちはどのように探りつつ歩いたのだろう。彼らの多くと直接に交流し、その物理的核心を洞察しえた著者ならではの本格的な量子論史。理論形成の過程を唱導した物理的イメージや、他の研究者の成果との意外な関係にも論が及ぶ。学習者には量子論の全体イメージを、研究者には理論探求の醍醐味を生き生きと伝える定評ある名著。
  • 薬物依存症 【シリーズ】ケアを考える
    4.5
    「意志が弱い」「怖い」「快楽主義者」「反社会的組織の人」……薬物依存症は、そういったステレオタイプな先入観とともに報道され、語られてきた。しかし、そのイメージは事実なのだろうか? 本書は、薬物依存症にまつわる様々な誤解をとき、その真実に迫る。薬物問題は「ダメ。ゼッタイ。」や自己責任論では解決にならない。痛みを抱え孤立した「人」に向き合い、つながる機会を提供する治療・支援こそが必要なのだ。医療、そして社会はどのようにあるべきか? 薬物依存症を通して探求し、提示する。
  • 遺伝人類学入門 ──チンギス・ハンのDNAは何を語るか
    4.5
    近年、世界中の人類集団の遺伝子のバリエーションについて大規模な研究が数多くなされている。そうした中、中央アジアから東アジアにかけてチンギス・ハンの持っていたY染色体のタイプが爆発的に拡散しているという仮説が提起された。本書ではこの仮説を追うことを糸口として、遺伝子の研究方法から、人類の祖先の辿り方、進化と遺伝の捉え方まで、ゲノム時代にわれわれのルーツを追究する意義について、縦横無尽に解説する。
  • 神道・儒教・仏教 ──江戸思想史のなかの三教
    4.5
    現代日本人の意識の深層は江戸時代と地続きであることが明らかにされつつある。したがって江戸の思想を支配していた三教――神道・儒教・仏教――にこそ、我々の内面の問題を解く鍵がある。幕藩体制に組み込まれた仏教。近世の思想界において主導的立場に立った儒教。国学の勃興と明治維新のイデオロギーとして機能した復古神道。これらはいかに交錯し、豊かな思想の世界をかたちづくっていたか。我々の基盤になっている思想の原風景を探訪し、その再構成を試みる野心作。
  • アベノミクスが変えた日本経済
    4.5
    「経済最優先」そして「デフレ脱却」をスローガンに掲げた第二次安倍晋三政権発足から約五年。「三本の矢」からなるアベノミクスは、1990年代以来の長期デフレによって縮小均衡に陥っていた日本経済を、本来あるべき成長軌道に引き戻すことに成功しつつある。世論調査等ではいまだ評価の低いアベノミクスだが、経済学的に検証を行えば、十分「日本経済を変えた」と言って差し支えない。本書は、その真実を論理とデータによって示しつつ、さらに、デフレ脱却が完遂されたあかつきには必要となるアベノミクスからの「出口戦略」をどう考えるべきかを提示する。
  • 平成デモクラシー史
    4.5
    「平成デモクラシー」は、政治の風景をがらりと変えた。九〇年代に進められた一連の改革により、政権交代を懸けた与野党の競争が始まり、首相への権力の集中が進んだ。今世紀に入ると、「小泉劇場」から民主党政権を経て「安倍一強」へ。その果てに――。「平成」という時代には、どんな意味があったのか? 激動の三十年を構造的に読み解き、「平成デモクラシー」という一筋の航跡をくっきりと描きだす圧倒的な政治ドキュメント。
  • ユダヤ古代誌1
    4.5
    ヨーロッパのキリスト教徒や知識人たちにもっとも広く読まれてきた『ユダヤ古代誌』。天地創造から説き起こし、紀元後66年のユダヤ戦争直前までの記述で終わる全20巻は、ヨセフスが敗軍の指揮官のひとりとしてローマに降ったのち、皇帝の厚遇のもとに書かれた。政治的には親ローマ派であり、思想的にはユダヤ教、ユダヤ文化の弁護者であったヨセフスの大著は、ユダヤ史を知るうえできわめて貴重な史料であるばかりでなく、イエスと同時代の散逸した記述を数多く含む文献として、キリスト教徒たちの関心をひきつけてきた。原著1~4巻までを収める文庫版第1巻は、天地創造からアブラハム、イサク、ヤコブ、ヨセフをへてモーセの事蹟に言及する。
  • 食品サンプルの誕生
    4.5
    どんな田舎にも、どんなにさびれた商店街にも、必ず存在する食品サンプル。「見るメニュー」としてすっかり定着し、スパゲティを絡めたフォークが宙を浮いていても、日本人は不思議には思わない。世界中の誰も発想できなかったこの日本独自のメディアは、いったいいつ、なぜ生まれたのだろうか。その謎に迫った唯一の研究を文庫化。リーディングカンパニー「いわさきグループ」の協力を得て、製造工程もカラー口絵で細かく再現する。
  • 消えたい ──虐待された人の生き方から知る心の幸せ
    4.5
    精神科医である著者は、虐待された人たちが「死にたい」ではなく「消えたい」という表現で「自殺への欲求」を語ることに気付いた。そこには、前提となる「生きたい」がないのだ。彼らがどのように育ち、生き延びて、どんな苦しみを背負っているのかを、丁寧にたどる。そして、立ち直っていった経緯を明らかにする中で、人間の存在の不思議さと、幸せの意味に迫る。
  • 分解するイギリス ──民主主義モデルの漂流
    4.5
    かつて世界で「民主主義のモデル」として賞讃されたイギリス政治。だがそれはいまや機能不全に陥り、ブレグジット(Brexit)=EU離脱という事態へと立ち至った。イギリスがこのように「分解」への道をひた走っている真の原因はいったいどこにあるのか。安定→合意→対立→分解へと進んできた現代イギリス政治の流れを俯瞰し、すでにモデルたり得なくなった英国政治の現状をつぶさに考察。混迷をきわめる現代政治のシステムと民主主義モデルの、今後あるべき姿を問いなおす。
  • はじめての哲学的思考
    4.5
    誰もが納得できるような考えに到達するための、力強いさまざまな思考法に満ちている哲学。その思考法のエッセンスを、初学者にも理解できるよう伝える。
  • 正しく怖がる感染症
    4.5
    新型インフルエンザ、ジカ熱、エボラ出血熱、結核、梅毒……。多種多様な感染症をその経路別に整理して正しい知識を持ち、いたずらに怖がり過ぎず来たるべき脅威に備えよう。
  • その後の慶喜 ──大正まで生きた将軍
    4.5
    1867年、大政奉還を行った徳川慶喜は歴史の表舞台から姿を消し、1913年に没するまで時代との係わりを断って静かに暮らした。旧幕臣たちとの微妙な関係、狩猟や写真など多岐にわたる趣味、たくさんの子どもを作った家庭人としての側面、そして自分を追い落とした明治政府と皇族への感情。謎に包まれた「最後の将軍」の長い余生を第一人者が鮮やかに浮かび上がらせる。

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