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歴史的な小泉訪朝から二〇年が経つ。拉致被害者の存在を金正日が認めて謝罪し、一部の被害者の帰国が実現し日本国内に大きな衝撃を与えた。なぜそれは可能だったのか。一九九〇年の金丸訪朝、朝鮮労働党との日朝国交正常化に向けた三党共同宣言署名から、小泉首相による二〇〇二年と〇四年の二度の訪朝、拉致被害者帰国までの間の北朝鮮外交に従事していた外交官によるメモワール。当時の外交を振り返り、対北朝鮮政策の教訓や今後の外交上の留意点を考察する第一級の史料。
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Posted by ブクログ
【「拉致問題」の解決とは何か。定義は難しいが何をもって解決とし、幕を引くのか。これは被害者家族の心情もあるため、政治的にも困難な問題であろう】(文中より引用) 第一次核危機、小泉総理訪朝と拉致問題、そして六者協議といった北朝鮮外交に携わり続けた外交官による回顧録。日本はどのように北朝鮮と向き合って...続きを読むきたのかを時系列的に記した一冊です。著者は、計6回にわたって北朝鮮を訪問した山本栄二。 閉ざされた国である北朝鮮との外交的なやり取りが興味深いのはもちろんですが、それ以上に興味深かったのは日本の政治家や世論の北朝鮮に対する見方がどのように変わってきたかという点。金丸訪朝に見られる国交正常化に向けた動きを支持する空気が過去のものになったとはいえ、わずかそこから30年あまりしか経過していないんだなと改めて驚きを覚えました。 読み応えのある回顧録でした☆5つ
面白かった…。外務省当局者による、90年代〜近年に渡る北朝鮮外交の回顧録。全般に現場感漂う筆致で、特に米朝枠組み合意~KEDOの章は当時の雰囲気が生々しい程に感じられ(近年とは大きく異なるから想像しにくい筈なのに)、非常に引き込まれた。 北朝鮮危機について情勢を一貫して振り返った上で、まとめられた終...続きを読む章の教訓は学びが深く、特に北朝鮮の様に国家指導者・外交担当者が変わらない国家を相手にする際には、こういった方針・情報を共有して置く事が大切だと改めて感じた。 何事もそうだろうけど、時々のニュースで断続的・刹那的に触れていては物事は掴めないなということを、改めて痛感させられた一冊。
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山本栄二
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