山本栄二の作品一覧
「山本栄二」の「北朝鮮外交回顧録」「国連入門 ――理念と現場からみる平和と安全」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
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「山本栄二」の「北朝鮮外交回顧録」「国連入門 ――理念と現場からみる平和と安全」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
ビジネス・実用
Posted by ブクログ
【「拉致問題」の解決とは何か。定義は難しいが何をもって解決とし、幕を引くのか。これは被害者家族の心情もあるため、政治的にも困難な問題であろう】(文中より引用)
第一次核危機、小泉総理訪朝と拉致問題、そして六者協議といった北朝鮮外交に携わり続けた外交官による回顧録。日本はどのように北朝鮮と向き合ってきたのかを時系列的に記した一冊です。著者は、計6回にわたって北朝鮮を訪問した山本栄二。
閉ざされた国である北朝鮮との外交的なやり取りが興味深いのはもちろんですが、それ以上に興味深かったのは日本の政治家や世論の北朝鮮に対する見方がどのように変わってきたかという点。金丸訪朝に見られる国交正常化に向けた動きを支持する空気が過去のものになったとはいえ、わずかそこから30年あまりしか経過していないんだなと改めて驚きを覚えました。
読み応えのある回顧録でした☆5つ
Posted by ブクログ
国連の現在位置がわかる本。
国連入門と書いてあるけれど、教科書レベルの基礎的な国連の知識はあらかじめあったほうが読みやすいかなと思う。
国連とは改めて世界にとってどんな存在意義があるのか、を考えさせられる。
国連とは国際機構のひとつ。
国際機構とは複数の国家により、共通の目的達成のために条約にもとづいて直接設立された固有の常設的な組織のこと。
決議等によってつくられる政府間国際組織の自立補助機関(ユニセフ、国連難民弁務官事務所、国連開発計画など)、それらも含めて国連システム全体を国連と本書では呼ぶ。
つまり、日々わたしたちがニュース等で目にすることが多い国連の安保理だけが国連というわけではない。
国連というシステムがいまいちうまくいっていないようにイメージされるのは安保理という仕組みの不具合(拒否権行使の課題、拒否権の扱い方の課題)が現代のグローバルな情勢にマッチしていない可能性がある。
本書は国連が平和のために世界へ向けてどういったかたちで介入し動いているかを説明しつつ、(国連において日本人の活躍は私はあまり知らなかったのだけれども、ご活躍されている方々は多い印象)安保理の仕組みをこれからどうしたならばより良いかが、いくつか案として提示されている。
本書にアメリカの国際政治学者リチャード・フォークの言葉が置かれている。
「国連は大国の支持がなければ有効性を失うが、大国を抑制できなければ正当性(正統性)を失う」
国連の国際社会での厳しい立場の現実を、ジレンマを、述べているように思える。
ただ、国際は安保理だけで成り立つ組織ではないため、平和活動として国際社会に今までしてきたことも、今現在果敢に挑戦していることも、これからの未来にあらゆる暴力の抑止力として働くだろうことも、充分に腹落ちし、また予見される存在だとわたしは本書を読んで感じたことだ。
G7のような西側の仲間内の集合ではなく、カントいわく国際的に統一された国際的な国家である世界国家(支配する民族と支配される民族との分断が生じる恐れがあり植民地支配と変わらない)ではなく、分断と連帯の歴史の変遷を経て粘り強く会議(話し合い)を今まで幾度となく重ね続けた国連だからこそ、世界へ呼びかけることができる存在とわたしは思う。
国連が抱える安保理の課題は仕組みの問題だ。
本書を読むと人間の両面性を見るような気持ちになる。
ひとを無慈悲に窮地へと陥れることも人間なら、藻掻くひとを助けたいと思えるのも、また人間なのである。
Posted by ブクログ
面白かった…。外務省当局者による、90年代〜近年に渡る北朝鮮外交の回顧録。全般に現場感漂う筆致で、特に米朝枠組み合意~KEDOの章は当時の雰囲気が生々しい程に感じられ(近年とは大きく異なるから想像しにくい筈なのに)、非常に引き込まれた。
北朝鮮危機について情勢を一貫して振り返った上で、まとめられた終章の教訓は学びが深く、特に北朝鮮の様に国家指導者・外交担当者が変わらない国家を相手にする際には、こういった方針・情報を共有して置く事が大切だと改めて感じた。
何事もそうだろうけど、時々のニュースで断続的・刹那的に触れていては物事は掴めないなということを、改めて痛感させられた一冊。