海外小説 - 早川書房作品一覧

  • パトリック・メルローズ1
    5.0
    貴族の家の血に連なる五歳のパトリック・メルローズは、南仏の母の一族の屋敷で、残忍さで人を支配する父とアルコールに頼り続ける母と夏を過ごしていた。そんなメルローズ家にディナーのために訪れたある客人の存在が、パトリックの世界を引き裂くことに――ベネディクト・カンバーバッチ主演ドラマ原作! 5カ月連続刊行の第1巻
  • 誓願
    4.5
    専制国家ギレアデの中枢に近づく女、司令官の娘、隣国の少女の3人が闘いを選んだとき、強大な国家をも揺るがす。ブッカー賞受賞
  • ハイ・フィデリティ
    5.0
    35歳男のレコード店主、彼女に振られる。でも気にしない。恋人よりも音楽が大事、のはずだった。長い青春の終わりを描いた名作
  • ソロモンの歌
    3.9
    赤ん坊でなくなっても母の乳を飲んでいた黒人の少年は、ミルクマンとあだなされた。鳥のように空を飛ぶことは叶わぬと知っては絶望し、家族とさえ馴染めない内気な少年だった。しかし、親友ギターの導きで、叔母で密造酒の売人パイロットの家を訪れたとき、彼は自らの家族をめぐる奇怪な物語を知り、そのルーツに興味を持つようになる。オバマ大統領が人生最高の書に挙げる、ノーベル賞作家の出世作。全米批評家協会賞受賞。
  • あなたの教室
    4.1
    世界200万部突破の『三つ編み』著者最新作 学びの機会を奪われたインドの少女と異国の教師の物語 元教師のレナは、旅先のインドで十歳の少女に出会う。少女は、養父母によって毎日働かされ、学校に通うことを許されていないという。「女に勉強はいらない」。この因襲に従う人びとの猛反発を受けながらも、レナは、少女たちのための学校を作ろうと動きだす――。
  • 彼女たちの部屋
    4.2
    現代、パリ。大きな挫折のあと、弁護士のソレーヌはある保護施設で代書人のボランティアをはじめた。「女性会館」というその施設には、暴力や貧困、差別のせいで住居を追われた人々が暮らしている。自分とはまるで異なる境遇にいる居住者たちの思いがけない依頼に、ソレーヌは戸惑った。それでも、一人ひとりと話して、手紙を綴るなかで、ソレーヌと居住者たちの人生は交わっていく。ここで自分の役割を見つけたと思った矢先、事件は起きた。約100年前、パリ。救世軍のブランシュは街中の貧困と闘っていた。路頭に迷うすべての女性と子供が身を寄せられる施設をつくる――彼女の計画は、ついに政治家・財界人も動かしつつあったが……。実在する保護施設と創設者を題材に、時代を超える女性たちの連帯を描く、『三つ編み』の著者による長篇小説。
  • 七王国の騎士
    4.5
    『七王国の玉座』で語られる時代から約百年前、デナーリスから遡ること数代、前王朝ターガリエン家による統治が続くウェスタロス大陸で、諸国を遍歴して城から城へと渡り歩く“草臥(くさぶし)の騎士”ダンクと、その従士となった少年エッグ──数奇な運命を背負う二人の波瀾万丈の冒険を描く。海外ドラマの最高峰「ゲーム・オブ・スローンズ」へとつながる中篇「草臥の騎士」「誓約の剣」「謎の騎士(ミステリ・ナイト)」の3篇を収録。
  • 三つ編み
    4.4
    三大陸の三人の女性。かけ離れた境遇に生きる彼女たちに唯一共通するのは、自分の意志を貫く勇気。三人が理不尽な運命と闘うことを選んだとき、美しい髪をたどって、つながるはずのない物語が交差する。共感と感動を集め、フランスで85万部を突破した話題作
  • これもまた、過ぎゆく
    4.0
    母の死を深く嘆くブランカ。気晴らしをすべきだという周囲の忠告を受け入れ、カダケスに行くことを決めた。二人の子供、二人の元夫、妻子持ちの愛人、二人の親友とともに。
  • 私の欲しいものリスト
    3.6
    フランスの田舎で手芸店を営むジョスリーヌの平凡な暮らしは、ある日宝くじを当てて一変する。私が本当に欲しいものは何だろう?人生に向き合う女性を描いたフランスのベストセラー。映画化決定 /掲出の書影は底本のものです
  • あなたを想う花 上
    4.7
    ヴィオレットはブルゴーニュの小さな町の墓地管理人。墓参者がいなくなった墓まできれいに手入れしている。ある時、一緒の墓に入ると決めた男女の存在が、彼女の人生を大きく揺るがすことに──フランスで130万部突破。別れの場所で輝く生を描く感動の長篇。
  • うけいれるには
    4.3
    第1回「日本の学生が選ぶゴンクール賞」受賞作!フランスの地方に暮らす幸せな一家。ある日、第三子が重い障がいを抱えていることが分かった。長男はかいがいしく第三子の世話に明け暮れるが、長女は彼の存在に徹底的に反発する。障がいのある子どもが誕生した家庭の心の変化を、静謐な筆致で描く感動長篇。
  • タール・ベイビー
    4.5
    白人の庇護のもと育った娘と、黒人に囲まれて育った青年。カリブ海の島で出会った黒人男女の激しい恋のゆくえ──。名作を文庫化
  • エレベーター
    3.3
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 15歳のウィルは射殺された兄のかたきを討つため、銃を持ってエレベーターに乗り込んだ。自宅のある7階から地上に到着するまでの短い時間に彼が出会う人々とは……ポエトリーとタイポグラフィを駆使する斬新な手法で文芸賞を席巻した注目作、ついに日本上陸! エドガー賞YA部門、ロサンジェルス・タイムズ文学賞ほか多数受賞!
  • セヘルが見なかった夜明け
    3.8
    工場の同僚に恋をし、デートに出かけた女性と、その家族の悲劇「セヘル」。刑務所の屋根に巣をかけた雀の妻の勇ましさと夫の情けなさをコミカルに描いた「我々の内なる男」。スポーツカーが大好きな掃除婦が通勤中にデモに出くわす「掃除婦ナっち」。1冊の傑作小説を通して、都会で暮らす娘が疎遠になっていた父の秘密に触れる「歴史のごとく孤独」。中東の伝統的価値観や情勢に翻弄されながらも日々の生活を営み、夢や思い出を抱きつづける人びとの美しさを、 政治犯として勾留中の著者が紡ぎだす短篇集
  • 白い悪魔
    3.0
    私は二度結婚した。そして、夫は二人とも死んでしまった──。故郷アメリカを離れ、ローマで暮らす若手女優とその兄。彼らは名門出身の政治家と有名女優の夫妻に惹かれて近づくが……。ルネサンス期の戯曲をもとに、エドガー賞受賞作家が描きだす傑作ノワール。解説/吉野仁(ミステリ評論家)
  • さよなら、ママ
    3.5
    コリーナはワシントン郊外に住む13歳の女の子。いたって普通のはずだったのに、コリーナの世界はある夏を境に突然崩れてしまった―そう、ママがガンで亡くなってから。悲しみで抜け殻みたいになったパパ。何事もなかったようにふるまう友だちもいれば、無神経な言葉を投げつけるクラスメートもいる。がんばって普段の生活を続けようとするけれど、ふとした瞬間にママを思い出して、涙が止まらなくなったりする。恋だってしたいし、おしゃれだってしたいのに、「ママがいない」ことが、コリーナの生活を変えてしまった……。母親を亡くしたひとりの少女が、心の痛みを受け止め、恋や日本への旅を通して悲しみを乗り越えていく姿を四季を通して追った、心せまる小説。対象年齢、10歳以上。
  • パリで待ち合わせ
    4.0
    スランプに陥ったアメリカのベストセラー作家ジャックと、孤独なイギリスの読者イヴ。たまたま文通をはじめた二人は、料理好きという点で意気投合し、次第にまだ見ぬ互いを心の支えにするようになる。寂しさを抱える大人たちを描いた、さわやかで心温まる物語。
  • グレイス・イヤー 少女たちの聖域
    4.2
    16歳の少女たちの生死をかけた通過儀礼がいま、はじまる ガーナー郡に住む16歳のすべての少女は、危険な魔力を持つとされ、森の奥のキャンプへ一年間追放される。少女ティアニーが、謎に包まれた通過儀礼〈グレイス・イヤー〉でのサバイバルの果てに見た真実。『侍女の物語』×『蠅の王』のポスト・ディストピア小説
  • ニッケル・ボーイズ
    4.3
    1960年代アメリカ。アフリカ系アメリカ人の真面目な少年エルウッドは、無実の罪により少年院ニッケル校に送られる。しかし校内には信じがたい暴力や虐待が蔓延していた――。実在した少年院をモデルに描かれた長篇小説。ニューヨークタイムズ・ベストセラー。
  • 荒野にて
    3.4
    孤独な15歳の少年は、殺処分が決まった老競走馬をひそかに連れ出し、遠くに住む伯母のもとへ荒野を行く旅に出る。胸を打つ物語。アンドリュー・ヘイ(「さざなみ」)監督映画原作。4月12日(金)公開! ヒューマントラストシネマ渋谷他、全国順次ロードショー
  • 小型哺乳類館
    4.0
    息子が連れ帰ったクローン再生マンモスを裏庭で飼うことになった母親、夢の中にだけ存在する夫への愛を語る妻と動揺する現実の夫……突飛かつ壮大なスケールの想像力を通して、家族の拠り所を見つめ直す、新鋭のアメリカ人作家による笑えて泣ける十二の短篇。
  • ザ・ガールズ
    4.5
    14歳の少女イーヴィーは、自由に生きる19歳のスザンヌに出会い、憧れた。やがてスザンヌたちのコミュニティで、束縛されない生き方を知った。だが、そこには誰も逆らえないカリスマがいて、殺人すら強制されるのだった。世界中が注目する新鋭の傑作長篇!
  • 太陽と痛み
    3.5
    渇いた大地。いつ、どこなのかはわからない。長いあいだ雨は降らず、降り注ぐ強い日光が人々の肌を焼く。ある理由から村を脱走した少年は、逃亡の途上で無愛想なヤギ飼いの老人に出会う。過酷な旅路をともにするうちに、次第に心通わせていく二人。だが、村から彼らに追っ手が迫り……この道の先に救いはあるのか。世界に衝撃と深い感動を与えたスペイン発のベストセラー小説。
  • メランコリイの妙薬
    4.7
    生まれながらの夢想家にして、怪異の耽美家、叙情溢れる感傷家にして、詩人。根強く圧倒的な人気を誇るブラッドベリの魅力を余すところなく紹介する傑作集。珠玉の二十二篇収録。
  • ある女
    4.0
    母が死んだ。 十二歳で学校を辞めて工場で働き、父と結婚した後は、共に店を切り盛りしていた母の人生。自分の子供に少しでも良い教育をと子どもの数は一人にし、教育にお金をかけてくれた母。そんな母の誇りは、一人娘が教員免許をとり、知識階級の仲間入りを果たしたことだった。やがて忍び寄る病魔の影。母はアルツハイマー病になっていた。母を引き取り介護に明け暮れるが、自分一人では母の面倒を見切れず、養老院に預けることに――。 フランス人女性として初めてノーベル文学賞を受賞した著者が、自らの母親の人生と、母が娘に託したものを綴る、自伝的小説。
  • ひとりの双子
    3.5
    アメリカ南部。小さな村を飛び出し、都会をめざす16歳の双子。より多くを望んだ姉は挫折とともに実家に出戻り、妹は出自の秘密に怯えながら裕福に暮らす。もう交わらないはずの2人の運命だったが――。アメリカで125万部突破、オバマ前大統領が薦める一冊
  • 花の子ども
    3.9
    母が遺した珍しいバラを持って、僕は出発する。めざすは、外国の庭園。でも旅はトラブル続き。機内で腹痛にもだえ、森でさ迷う。当の庭園は荒れ果て、意外な客が現れる。僕と一夜だけ関係をもった女性が、赤ん坊を預けにきたのだ。父親ってどうなればいいの?
  • 30年目の待ち合わせ
    3.3
    1989年パリ。20歳のアメリはヴァンサンに恋をする。だが待ち合わせの日、二人はすれ違ってしまう。再会は10年後、彼は結婚していた。彼女も家庭を築くが、人生を間違えたのではないかという思いが消えず、20歳の記憶は輝きを増す。そんな彼女の前に彼が現れ……
  • 黒魚【クロウオ】都市
    3.0
    感染症〈ブレイクス〉が流行している北極圏の街クアナークでは、さまざまな事情を抱えた人々が暮らしていた。そこでなかば伝説として語り継がれるのは、シャチやホッキョクグマといった動物と意識を共有し一体になれる女の物語だった。キャンベル記念賞受賞作
  • リラとわたし ナポリの物語1
    4.5
    本好きで真面目なエレナと、天才的な頭脳を持つ反抗児リラ。十歳で出会ったふたりは、惹かれあい、反発しあいながらも、変わりゆく1950年代のナポリで成長していく。ジュンパ・ラヒリをはじめとする多数の有名作家・書評家を熱狂させた波瀾万丈な友情の物語!
  • イエロー・バード
    3.5
    その春、戦争は自分らを殺そうとした。イラク、アル‐タファル。21歳の三年兵バートルは、18歳の初年兵マーフィーを無事に故郷に連れ帰ると約束していた。しかし、凄惨を極める戦闘を次々と経験していくうちに、二人は予期せぬ運命をたどることになる。イラクで戦うとはどういうことだったのか。元兵士が戦争に直面した若者たちの感情を、痛切に、瑞々しく描いたデビュー作。 兵士の鮮烈な成長譚でもあり、イラクの戦場で生き残ろうとする二人の青年の友情の物語でもあり、無垢の喪失と記憶の意味を語る哲学的な寓話でもある。並外れた作品だ。――ミチコ・カクタニ(《ニューヨーク・タイムズ》紙) 必読の書だ。イラク戦争をリアルに描いているからというだけではない。その不名誉と理解しがたい暴力から、弱々しくはあるが確かに生きている人間性の証を紡ぎだしているからだ。――《ガーディアン》紙
  • 兵士たちの肉体
    -
    アフガニスタンに派兵されたイタリアの若者たちの孤独、性、葛藤を瑞々しい筆致で描きながら、現代の矛盾に鋭く迫る二十一世紀の戦争小説。世界的ベストセラー『素数たちの孤独』著者の最新長篇。 灼熱の大地の真ん中、アフガニスタンの紛争地域に派兵されたイタリア軍の若き兵士たち。危険ではあるが、たった数カ月の任務のはずだった。故郷から逃げだしてきた者、ひとりぼっちの母親を残してきた者、妊娠した女を残してきた者、オンライン上の仮想恋人に依存する者……それぞれの事情を抱え、孤独を噛みしめ、性をもてあます彼らの中には、愛情と憎しみが芽生えつつあった。そして、ようやく任地に慣れてきた頃、その後の人生を大きく変えることになる、忘れえぬ出来事が起こった――。 砂漠への強行軍にのぞんだ若者たちは、何を見たのか? 世界的ベストセラー『素数たちの孤独』の著者が紡ぐ、21世紀の新しい戦争文学。
  • トゥモロー・アンド・トゥモロー・アンド・トゥモロー
    4.6
    セイディはMITの学生。ある冬、彼女は幼い頃一緒にマリオで遊んだ仲のサムに再会する。二人はゲームを共同開発し、成功を収め一躍ゲーム界の寵児となる。だが行き違いでゲーム制作でも友情でも次第に溝が深まっていき――。本屋大賞受賞作家による最新長篇
  • インヴェンション・オブ・サウンド
    3.8
    「全世界の人々が同時に発する悲鳴」の録音を目指すハリウッドの音響技師ミッツィ、児童ポルノサイトで行方不明の娘を探し続けるフォスター。2人の狂妄が陰謀の国アメリカに最悪の事件を起こす――『ファイト・クラブ』の著者が2020年代の世界へと捧げる爆弾
  • 場所
    4.7
    父は労働者階級出身だった。 十二歳で学校を辞めさせられてから、農場で雇われ、その後は工場に勤務、母と結婚してからは小さな町で店をもった。フランス語の綴りもままならず、ずっと知識階級に引け目を感じていた人生だった。一人娘が学校で優秀な成績を収め、特に国語に秀でていることが分かってからも、娘が図書館に行ったり、家で本を読むのを嫌がった。そんな父も、娘がエリート出身の男と結婚して孫が産まれてからは、少しずつ娘が仲間入りを果たした知識階級へのコンプレックスとうまく折り合いをつけていったが――。 フランス人女性として初めてノーベル文学賞を受賞した著者が、自分よりも上の階級に行こうとする娘へのわだかまりを抱える父を見つめる自伝的小説。1984年、ルノードー賞受賞。
  • ラヴ
    4.0
    貧しい生まれのヒードとホテル王の孫クリスティンは幼なじみ。ヒードがホテル王の妻となった時から、二人の運命は狂い出し、やがて遺産をめぐって争うが......ノーベル文学賞受賞作家の新たな傑作。
  • 夜の少年
    3.9
    フランスの本屋大賞最終候補作! 父と息子の不器用な愛の物語 フランス北東部。妻亡き後、わたしは息子二人を男手一つで育ててきた。長男のフスは小さい頃は素直だったのに、反抗期を迎え地元の不良とつるむようになったが、いつかは分かり合えると思っていた。あの日、あの事件を起こすまでは――。不器用な父子の感動物語
  • 消失の惑星【ほし】
    4.3
    カムチャツカの街で幼い姉妹が行方不明になった。事件は半島中に影を落とす。2人の母親、目撃者、恋人に監視される大学生、自身も失踪した娘をもつ先住民の母親……女性たちの語りを通し、事件、そして日々の見えない暴力を描き出す、米国作家のデビュー長篇
  • ビール・ストリートの恋人たち
    4.4
    冤罪で収監された恋人ファニーを救うため、彼との子を妊娠中のティッシュは奔走するが……若き恋人たちを描いたボールドウィンの名作が新訳で登場。アカデミー賞受賞作「ムーンライト」のB・ジェンキンズ監督により映画化。2019年初頭全国公開予定の映画化原作!
  • おばあちゃんのごめんねリスト
    3.6
    唯一の味方だった破天荒な祖母を亡くした、七歳の少女エルサ。遺言にしたがって祖母の謝罪の手紙を持ちさまざまな人々を訪ねるうちに、エルサは知らなかった祖母の姿と、自分を取り巻く強い絆を知る。『幸せなひとりぼっち』の著者がおくる、少女の心温まる物語
  • あたらしい名前
    3.8
    【PEN/ヘミングウェイ賞受賞】ジンバブエからアメリカへ――。グァバを盗んだり、ごっこ遊びをしたり、天真爛漫に遊ぶジンバブエでの日々を経て、少女ダーリンはアメリカに移り住む。しかし豊かで物があふれる国での暮らしは、予想外に戸惑うものだった。笑いをまじえながら生々しい現実を軽やかに描き、ジュノ・ディアスに絶賛されたデビュー作。
  • 僕の違和感 上
    3.0
    1~2巻2,420円 (税込)
    我らが主人公メヴルト・カラタシュは、12歳のときに故郷の村からイスタンブルに移り住む。昼間は学校に通い、夜は父とともにトルコの伝統的飲料ボザを売り歩く日々を重ねて、彼は次第に大都会になじんでいく。そしてある日、彼はいとこの結婚披露宴で運命の恋をした――ノーベル文学賞作家が描く、ある男の半生と恋と夢、そして変わりゆく時代。『わたしの名は赤』でノーベル文学賞を受賞した著者の新たな代表作となる傑作長篇。
  • わたしが降らせた雪
    3.6
    十歳のジュディスは、小さな町に、信仰に篤い父とふたりで暮らしている。学校でいじめられるジュディスの心のよりどころは、自分の部屋に作った模型の世界、〈最も美しい土地〉だった。 ある日、ジュディスは〈最も美しい土地〉に雪を降らせた。次の日めざめると、窓の外は一面の銀世界だった。これは神の奇跡なのだろうか? しかし、それは数々の予想もしなかった災難をもたらして……。聡明で孤独な少女の闘いを繊細にあざやかに描き出したデビュー作。
  • ブラッディ・カンザス
    -
    グルリエ、フリーマントル、シャーペンの三家族がカンザスのコー・ヴァレーにやってきたのは、1855年のことだった。それ以来、三つの一族は隣人として生活してきた。ある時は奴隷解放に抗う者たちの襲撃を受け、またある時は疫病や旱魃といった大自然の猛威にさらされながらも、大地とともに、愛憎を紡ぎながら。歳月が過ぎ、フリーマントル家の屋敷は当主を失って無人になった。シャーペン、グルリエの両家は信教をめぐって対立を続ける。そして、激動の現代において、農場を営む人々といえども、世界と無縁ではいられない。親子の断絶、男女平等、イラク戦争、マスコミ、インターネット……フリーマントル屋敷にニューヨークから新しい住人が引っ越してきたことをきっかけに、人びとの生活に巨大な波紋が起きてゆく……。V・I・ウォーショースキー・シリーズの著者が自らの故郷を舞台に、現代社会でのさまざまな問題を折りこみ、大地に生きようとする人々を重厚かつ華麗に描く野心作。
  • 天国への電話
    3.0
    イタリア人作家が、東日本大震災の喪失の傷から立ち直る人々を描く感動作! もうこの世にいない大切な人と心が通じ合えるという「風の電話」。東日本大震災で母と娘を失ったゆいは、最愛の人に話しかけるため電話ボックスを訪れるが言葉が見つからない。そこで、妻を亡くした男性と出会い、親交を深めていくが――。希望と奇跡の感動作
  • カンバセーションズ・ウィズ・フレンズ
    3.6
    フランシスは作家志望の21歳の大学生。かつての恋人のボビーと共にダブリンでポエトリー・パフォーマンスを行っている。二人の才能に目をつけたジャーナリストのメリッサと親しくなるが、フランシスはメリッサの俳優の夫に惹かれていく……。BBCドラマ化決定
  • レイラの最後の10分38秒
    4.2
    1990年、トルコ。イスタンブルの路地裏にあるごみ箱の中で、娼婦が息絶えようとしていた。死後も続く10分38秒間の意識の中で、彼女は、5人の友人とひとりの最愛の人と過ごした日々を思い出す。居場所のない街の片隅でみつけた、汚れなき瞬間を映し出した物語
  • 余生と厭世
    3.5
    七十二歳の誕生日で引退することを決めた精神科医のもとに、最後の新患が現れる。希死念慮と自殺の衝動に苦しむ彼女とカウンセリングを重ねるなかで、精神科医は自らの人生と老いや死へのおそれを見つめなおす。デンマーク人心理学者が静謐な筆致で描く小説
  • イエスの学校時代
    3.3
    少年ダビードはシモンとイネスの庇護のもと、言葉を学び、友を作った。犬のボリバルも健在だ。やがて少年は七歳になり、バレエスクールへ入学する。ダンスシューズを履いた彼は、徐々に大人の世界の裏を知る――成長とは? 親とは? クッツェーの新境地!
  • 何があってもおかしくない
    4.3
    生まれ育った田舎町を離れて、都会で作家として名をなしたルーシー・バートン。17年ぶりに帰郷することになった彼女と、その周囲の人々を描いた短篇9篇を収録。卓越した短篇集に与えられるストーリー賞を受賞した、ピュリッツァー賞作家ストラウトの最新作!
  • ぼくらが漁師だったころ
    4.0
    ロサンゼルス・タイムズ文学賞受賞。デビュー作にしてブッカー賞最終候補に選出された傑作長篇。ナイジェリアの小さい町に暮らす四人兄弟。厳しい父が不在の隙に兄弟は学校をさぼって魚を釣りに行く。しかし川のほとりで出会った狂人は、長男が兄弟の誰かによって殺されると予言した――九歳の少年の視点で生き生きと語られる、闇と笑いに満ちた悲劇の物語
  • 若い男/もうひとりの娘
    -
    親子ほど年の離れた男との熱愛のさなか、脳裏をよぎる若い頃の記憶と死の想念を冷徹に描く「若い男」。自らの誕生につながった姉の死の秘密を緊密な文章でつづる「もうひとりの娘」。生と性と死を書き続けて半世紀となるノーベル賞作家の最新作を含む2篇所収
  • 狼の幸せ
    3.7
    人生に疲れた40歳のファウストは、長年暮らしたミラノを離れてイタリアンアルプス近くのレストランで働き始める。山に囲まれ次第に人間らしさをとりもどしていたとき、狼たちが山からおりてきていた――。ストレーガ賞受賞作家が描く、人生やり直し山岳小説。
  • ソクチョの冬
    3.7
    冬になると旅行客がほとんどやって来ない避暑地、ソクチョの小さな旅館でわたしは働いている。ある日、フランス人のバンドデシネ作家が旅館にやって来る。彼の中に、わたしは未だ見ぬフランス人の父と父の国への憧憬を重ねるが――。男女の一期一会を描く長篇
  • 凍りついた女
    3.8
    彼女は、恋愛で結ばれたエリート・ビジネスマンを夫に持つ高校教師。子供が二人いて、快適なアパルトマンに暮らしているが、結婚生活に失望している。いわゆる主婦の役割を期待されて、買い物、食事の支度、子供の世話、その他の家事に明け暮れるうち、生きる意欲や、外界への好奇心が、自分のなかで錆びついていくのを感じるしかない。自由と自立のなかの幸福を志向していたはずなのに、そういう状況にはまり込んでしまうとは。自らの軌跡をたどって、彼女は、幼少時、思春期、学生時代、恋愛の時期、結婚後を語る――「女の子」として、「女性」として、どう生きてきたかを語る。 フランス人女性として初めてノーベル文学賞を受賞した著者が、自立への意欲と結婚生活への失望を描く、自伝的小説。
  • 京都に咲く一輪の薔薇
    3.0
    全世界で200万部超『優雅なハリネズミ』のフランス人著者が贈る、京都を舞台にした長篇小説 フランス人のローズは、一度も会ったことのない日本人の父が他界したという報せを受け、京都にやって来た。美術商だった父のアシスタント、ポールと出会い、恋に落ちるが――。ひとりぼっちだった女性が、古都に癒され自分を見つめ直し、人生の意味を見出す。
  • 女たちのニューヨーク
    4.3
    1940年、アメリカ。小さな町のお嬢様ヴィヴィアンは、大学を辞め、NYのショーの世界に飛び込んだ。華やかで刺激的な毎日。だが、それは突然終わる。彼女の過ちが、街中を騒がす醜聞になったのだ。恋人も友達も居場所も失い、彼女は初めて自分と向き合う
  • 狂女たちの舞踏会
    4.0
    19世紀末、パリ。少女ウジェニーは「霊が見える」と告白したために、家族に勘当され精神病院に入れられた。そこでは女性の苦悩やトラウマが「狂気」と診断されていた。病院で行われた公開講義や舞踏会の史実を元に、社会から排除された女性たちを描いた小説。
  • いつかぼくが帰る場所
    3.8
    メーデー、メーデー、こちらセスナ6333A、寂しくてたまらない……謎の疫病により、妻や友人知人のすべてを失った男ヒッグ。一変した世界で暮らす彼の仲間は、愛犬ジャスパーと、ガンマニアの隣人バングリーだけだ。しかしヒッグは、数年前に無線から聞こえてきた声が忘れられない。もしかしてどこかに元の世界が残っているのではないか? ある日ついに思い立った彼は、セスナ機で外の世界に飛び立つが……。人類がほぼ壊滅した後の世界の、絶望と祈りを描く傑作長篇。
  • 11日間
    4.3
    同時多発テロをきっかけに兵士になることを決めたサラの一人息子、ジェイソン。優秀な特殊部隊員となった彼は、最後と決めた任務のさなか、行方不明になってしまう。 息子の安否の情報をひたすら待つ母のサラ。彼女が年の離れた謎めいた男デイビッドと恋におち、若くして生んだのがジェイソンだった。物静かで強い青年に育った彼はいま、どこにいるのだろうか。アメリカが生み出した戦争文学の新しい傑作。
  • 関心領域
    4.0
    おのれを「正常」だと信じ続ける強制収容所の司令官、司令官の妻と不倫する将校、死体処理班として生き延びるユダヤ人。おぞましい殺戮を前に露わになる人間の本質を、英国を代表する作家が皮肉とともに描いた傑作。2024年アカデミー賞国際長編映画賞受賞原作
  • 逃げ道
    4.0
    母親と再婚相手がわかってくれないと嘆く夢見がちな男の子、新婚の妻の理解不能な一面を知ってしまった夫、悩みをまったく分かち合えない恋人たち。不器用な人々が抱くさみしさを、温かな眼差しと幻想的な表現で描く、イギリス文学界の新星による傑作短篇集!
  • もうやってらんない
    4.0
    ある日、アフリカ系アメリカ人のベビーシッター、エミラは、誘拐犯に間違えられてしまう。黒人差別だと怒る白人の雇い主アリックスは、抗議するようエミラを焚きつけるが、そのいっぽうで名誉黒人気取りの恋人がアリックスの元カレだと知ったエミラは――。
  • 波〔新訳版〕
    4.0
    遠い太陽の光が海辺の一日に降り注ぎ、生まれては消える波のうねりを情感豊かに描きだす。男女六人の独白が物語るのは、幻想のように過ぎた半生の思い出。くり返す描写と語りが重なるとき、意識が風景に打ち解けていく。ウルフの傑作、四十五年ぶりの新訳!
  • クララとお日さま
    4.2
    ノーベル文学賞受賞第一作。カズオ・イシグロ最新作、2021年3月2日(火)世界同時発売! AIロボットと少女との友情を描く感動作。
  • 透明性
    3.6
    2060年代後期。個人情報を企業に提供することにより収入を得られる世界で人々が「個」を失いかけていたさなか、データを管理するトランスパランス(透明性)社の元社長が、殺人の罪に問われる。 温暖化で存亡の危機が迫る人類に、彼女が用意した壮大な計画とは
  • 王様のためのホログラム
    3.0
    〈トム・ハンクス主演、トム・ティクヴァ監督の映画化原作〉起死回生の大口注文はとれるのか!? 中東の砂漠の都市に乗り込んだセールスマンを襲う悲喜劇を描いたアメリカ文学界の新鋭の話題作!
  • バージェス家の出来事
    4.5
    やり手の企業弁護士ジム。ばかにされながらもジムを慕う、温厚な弟ボブ。ニューヨークで暮らす二人のもとに、ある日、故郷のメイン州に残ったボブの双子スーザンから電話がかかってきた。スーザンは一人息子ザックが事件を起こしたと言い、助けを求める。久しぶりに生まれ育った町に帰ることになるジムとボブ。しかしそれをきっかけに、三人きょうだいの固まり切った関係は根底から揺るぎはじめる。/掲出の書影は底本のものです
  • 守備の極意(上)
    5.0
    ウェスティッシュ大学野球部の捕手マイク・シュウォーツは、痩せっぽちの高校生ヘンリーの守備練習に見とれていた。ますます強くなるコーチのノックを、この小柄な遊撃手は優美なグラブさばきで楽々と捕え、矢のような球を次々と一塁に送る。その一連の動きはまさに芸術品だった。「来年はどこの大学でプレーするんだ」と聞いた。「大学へは行かない」シュウォーツはにやりとした。「さて、そうかな」シュウォーツはようやく見つけたのだ。みずからの弱小チーム立て直しの切り札を―アメリカ文学界の新星が贈る、野球への愛にあふれる傑作小説。
  • ノーマル・ピープル
    3.9
    マリアンは、お手伝いの息子コネルとは幼馴染。惹かれ合い、周囲に内緒で付き合い始めるが、高校卒業前に別れてしまう。だが同じ大学に通うことになりーー。劣等感や社会格差、すれ違いで引き裂かれた男女の恋愛の機微を描く、全世界100万部超の傑作長篇小説
  • 一日三秋
    4.0
    1巻2,860円 (税込)
    河南省の延津には、夢に現れて笑い話をせがむ“花二娘”の伝説があり、彼女を笑わせられない者は死んでしまうという。そんな延津で伝統劇『白蛇伝』を演じた三人の男女の運命が、花二娘の伝説と絡み合う。中国の茅盾文学賞作家が上質なユーモアで描く最新長篇
  • 終わらない週末
    3.8
    NY近郊の別荘を借りて休暇を過ごす4人家族。休みを楽しんでいたのに、別荘の持ち主という夫婦が現れ、中に入れて欲しいと懇願される。やがて起こる奇妙な現象の数々。世界では、何かが起こっている――? 外界と遮断された6人が、生き残るすべを探し始める。
  • ウィズ・ザ・ライツ・アウト ヴェルノン・クロニクル1
    3.0
    1~2巻2,860~4,070円 (税込)
    かつては伝説のレコード店主、いまや哀愁のカウチサーファー。五十路の男ヴェルノンがたずね歩く旧友たちの心にも、90年代の輝かしい記憶が響きつづけるのであった。パリの片隅で生きる人々の哀しさと滑稽さを音楽が彩る、現代版・バルザック『人間喜劇』と称される文芸三部作、開幕。
  • ベケット氏の最期の時間
    3.7
    パリにある引退者が暮らす施設「ティエル=タン」。静寂の中、記憶をたゆたいつつ最期を待つ一人の老人がいた――ジェイムズ・ジョイスとの友情などを交えながら描かれるノーベル賞作家サミュエル・ベケット最期の特別な日々。フランス文学界新鋭の話題作。
  • レス
    3.9
    50歳の誕生日目前の売れない作家アーサー・レス。彼のもとに、9年間付き合った元恋人の結婚式への招待状が届く。レスは思う。“どうやったら式から逃れられる?” 出席を断る口実に、レスは世界中の文学イベントを回る旅に出かけることを思いつく。ニューヨーク、ベルリン、パリ、モロッコ、そして京都へ。様々な出会いがありながらも、レスが思い出すのは元恋人のことばかり……。《ニューヨーク・タイムズ》《ワシントン・ポスト》《サンフランシスコ・クロニクル》各紙の年間ベストブックに選出された感動のラブストーリー。ピュリッツァー賞(文学部門)受賞作!
  • ブリット=マリーはここにいた
    3.8
    夫に浮気されて家を出たブリット=マリーは、さびれた田舎町で管理人の職に就く。片付いていないものが嫌いで融通が利かない彼女は住民たちと衝突しまくるが、なぜか子供たちのサッカーチームのコーチを務めることになって……!? スウェーデンのベストセラー!
  • 妻22と研究者101の関係
    4.0
    夫と会話をしなくなったせいか、母が亡くなった年齢に近づいているせいか、子どもたちが大きくなってきたせいか―。どことなく張り合いのない日々を送るアリスは、“妻22”として結婚生活についてのメール調査に参加することになる。しかし、匿名で率直な回答をつづるうちに、アリスはアンケートの送り主である“研究者101”に惹かれはじめて…。人生の真ん中で途方に暮れる大人たちを温かく描いた、笑いあり涙ありの長篇小説。
  • ザ・サークル
    3.8
    世界最高のインターネット・カンパニー、サークル。広くて明るいキャンパス、一流のシェフを揃えた無料のカフェテリア、熱意ある社員(サークラー)たちが生み出す新技術――そこにないものはない。どんなことも可能だ。 故郷での退屈な仕事を辞めてサークルに転職した24歳のメイは、才気あふれる同僚たちに囲まれて幸せな会社生活を送りはじめる。しかし、サークルで推奨されるソーシャルメディアでの活発な交流は、次第にメイの重荷になっていき…… 人間とインターネットの未来を予見して世界を戦慄させた、笑いと恐ろしさに満ちた傑作小説。
  • 雪山の白い虎
    -
    「去年の秋に、ぼくはインポになった」の一文から始まる表題作に加え、「文学よ、すべてを捧げた僕に、救いはあるのか?」など中年男の悲哀を描く13篇収録の短篇集。『二流小説家』著者の新境地。
  • レッド・アロー
    -
    デビュー作で思わぬ反響を呼んだ作家。次作の契約が決まるも原稿は一文字も進まず、前金は旅行に消えた。ある物理学者の回想録ゴーストライターの仕事が決まるも学者は失踪。このまま消えるかサイケデリック療法か。窮地に立たされた作家の精神世界を巡る長篇
  • ああ、ウィリアム!
    4.0
    作家ルーシー・バートンの前夫ウィリアムは、71歳にして人生の荒波に翻弄されている。彼の亡母ゆかりの土地を訪ねる旅に同行することになったルーシーは、結婚生活を振り返りながら、これまでの人生に思いをめぐらせる。『私の名前はルーシー・バートン』姉妹篇
  • ハーレム・シャッフル
    5.0
    アメリカ文学最高峰のピュリッツァー賞を受賞した『地下鉄道』の著者が放つエンタメ小説!表向きは、誠実な家具販売員。裏の顔は、盗品の仲介人。街をゆるがす強盗事件の渦中、その男が進むのは、表の道か裏の道か――。
  • 不快な夕闇
    3.5
    オランダの酪農家一家に育った10歳のヤスは、クリスマスの晩餐用に殺されるかもしれない自分のウサギの代わりに兄が死にますようにと神に祈る。その祈りが現実となった時、不穏な空想の闇がヤスを襲う。史上最年少でのブッカー国際賞受賞作。解説/鴻巣友季子
  • 嘘つき村長はわれらの味方
    3.0
    自称村長は困っていた。近いうちに水道が止ってしまうというのだ。だが水道管の工事をする金などない。金策のため、つい映画撮影があると嘘をついただけなのに本当に映画の撮影が始まるなんて! イタリアの村を舞台に自称村長が奮闘する、笑えて泣ける長篇。
  • ペストの夜 上
    3.0
    1~2巻2,970円 (税込)
    オスマン帝国末期の1901年。東地中海に浮かぶミンゲル島では、ペスト流行の噂が囁かれていた。ペスト禍を抑え込むため皇帝アブデュルハミト二世の命で派遣された疫学者は、何者かの手によって惨殺される。代わりに送り込まれたヌーリー医師と、その妻、アブデュルハミト二世の姪にあたるパーキーゼ姫は、ペスト撲滅のために島に降り立つ。だが二人は秘密裡に、疫学者殺害の謎を解き明かす使命も負っていた――。 トルコ初のノーベル文学賞作家、オルハン・パムクが、架空の島を舞台に人間と疫病との苛烈な闘いを克明に描く傑作歴史長篇、ついに開幕!
  • その丘が黄金ならば
    4.3
    1巻2,970円 (税込)
    父が亡くなり、孤児になったサムとルーシー。二人は亡骸を埋葬する場所を探すため、広大な土地を彷徨う。それは、中国系移民の過去をめぐる壮大な旅の始まりだった──。ゴールドラッシュ以後の西部を舞台にしたブッカー賞候補作。オバマ元大統領が薦める一冊
  • 共犯者
    -
    パリ郊外に住む13歳のクレオ。ダンスが大好きな彼女は、若者を支援する財団から奨学金のオファーを受けるが、選考委員の男から性的被害に遭う。だがその後彼女自身も周囲の少女を財団に勧誘する役目を自ら負い、何十年も罪の意識に苛まれ――。仏発の#MeToo小説
  • あのこは美人
    3.8
    整形中毒のルームサロン嬢。アイドル好きの美容師。赤ちゃんが欲しい会社員。恋愛に悩むアーティスト。容姿や家柄、学歴、結婚、妊娠――。韓国女性を取り巻く呪縛を乗り越えて、今日も彼女たちは強く生きていく。ソウルの一角に暮らす女性たちのオムニバス。
  • 異常【アノマリー】
    3.9
    殺し屋、ポップスター、売れない作家、軍人の妻、がんを告知された男……なんのつながりもない11人だったが、ある飛行機に同乗したことで、運命を共にする。飛行機は未曾有の巨大嵐に遭遇し、乗客は奇跡的に生還したかに見えたが――。ゴンクール賞受賞作
  • 繁花 上
    -
    1~2巻2,970円 (税込)
    中国文学最高峰の茅盾文学賞受賞! 戦後、文革、高度成長――歴史に翻弄され激変していく上海を生き抜く三人の少年たちの過去と今をユーモアと哀愁たっぷりに描く大河小説! 全篇上海語の会話を関西弁で翻訳する野心的な試みが結実! ウォン・カーウァイ監督ドラマ化決定の現代中国文学の精華。
  • オリーヴ・キタリッジ、ふたたび
    4.1
    癖があり頑固だが、ときにやさしく勇敢なオリーヴ・キタリッジ。老境を迎えた彼女の日々と、海岸沿いの町クロズビーの隣人たちの悲喜こもごもをつづった傑作ぞろいの13篇を収録。ピュリッツァー賞を受賞した傑作『オリーヴ・キタリッジの生活』11年ぶりの続篇
  • 詐欺師をはめろ 世界一チャーミングな犯罪者VS.FBI
    3.3
    数百万ドルを騙し取った稀代の詐欺師「フィル」ことフィリップ・キッツァー。名うての犯罪者を捕らえるべく、2人の若きFBI捜査官が詐欺師に化けてフィルに近づく。全米各地、東京、バハマなどを巡る3人の不思議な友情とその意外な顚末を物語る傑作犯罪実録
  • ハオスフラウ
    3.0
    スイスの町でドイツ語教室に通いはじめたアメリカ人の女。教室を満たすよくわからない言葉と、彼女を誘うわかりやすい男たち。かたくなに秘密と憂鬱を抱えこむ彼女は、嘘を重ねて男たちと情事を続けるが……。詩人作家が独特の文章で孤独をつづった文芸長篇。
  • ポクスル・ウェスト最後の飛行
    -
    元イギリス空軍所属のポクスルおじさんは、イライジャ少年の憧れの存在。おじさんが語ってくれる第二次大戦の逃走劇、燃え上がる恋、そしてナチス爆撃作戦の物語に、少年は夢中になった。やがておじさんが戦争体験記を出版し、ベストセラー作家になると、少年はますます誇らしく思った。だが、おじさんは少年の前から姿を消してしまう。おじさんが去った後も、少年は体験記に没頭するが、おじさんにまつわる良からぬ噂に心をかき乱される。そしておじさんが決して語らなかった真実を知ることになる――類まれなストーリーテリング、卓抜な構成、綿密な調査によって、戦争に巻き込まれた人々の愛と喪失の物語を、いま蘇らせる。
  • 川が流れるように
    4.0
    1948年、コロラド州アイオラ。ヴィクトリアは17年間、家と農園の外にほとんど出たことがなかった。母を早くに亡くし、桃農家の父と叔父、弟のために家事をこなすだけで日々は過ぎていく。そんな彼女の人生が突然変わる。謎めいた青年ウィルと出会ったのだ。ウィルは故郷をもたず、各地を放浪しているという。自由な彼といるとき、ヴィクトリアは自分も変わったように感じた。だが、町の人々はよそ者を疎んだ。それでも、ヴィクトリアはウィルを選ぶ。初めて父に嘘をついてまで、逢瀬を重ねる。だが、背後には悲劇が迫っていた――。大切なものを失いながらも、自分の道を進み、再生を遂げる女性の姿を描く感動作。アメリカ、イギリス、ドイツなどで続々とベストセラーリスト入りした米国作家のデビュー長篇小説
  • ステラ・マリス
    4.0
    1972年。二十歳の数学者アリシアは、自ら望んで精神科病棟へ入院した。医師に問われるままに彼女は語りはじめる――数学と死に魅せられた自身の人生、原爆の開発チームにいた父、早世した母、そして最愛の兄ボビー。静かな対話から、孤高の魂の痛みが浮かび上がる。『通り過ぎゆく者』の裏面を描く異色の対話篇
  • となりのブラックガール
    4.2
    若手編集アシスタントのネラはNYの老舗出版社で唯一の黒人女性。人種問題に無理解な職場に疲れていたある日、同世代の黒人女性が入社してくる。ネラは親交を深めようとするが、そこには大きな陰謀が──ダークな皮肉冴えわたる新世代のBLM小説。解説/渡辺志保
  • 母を燃やす
    -
    インドで暮らすアンタラは、幼い頃から自分の人生を振り回し、自由奔放に生きる母が憎い。そんな母も老年にさしかかり、アルツハイマー型認知症と診断されるが、病気だからと母のことを赦せるわけもなく――。母娘の普遍的な物語。2020年ブッカー賞最終候補作
  • シルクロード
    3.0
    ラビリンスの奥深く、香の匂いが立ち込める部屋で、ジー・ムーンが導くヨガクラスが行われている。参加者は、文学者、記録家、植物学者、守護者、位相幾何学者、地理学者、氷屋、コック。彼らは屍のポーズをとりながら、それぞれの過去をめぐる旅に出る……。

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