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Posted by ブクログ
・気候変動が悪化して、人々が北欧地域で生活する一方で、ITは発達。
Googleに行動履歴や閲覧履歴、生体情報という自分に関する
個人情報を渡すことに承諾すれば、毎月暮らせるだけの収入をもらえて、
一部の人を覗いて、googleのベーシックインカムに加入している世界
Googleが国家と肩を並べている状態。
主人公は、Googleの支配と環境問題への対策として、
個人情報を人工的な体に写すことによって、
不死を実現する計画を実行する。
・不死にする人は、精神的な価値や地球環境にやさしい生き方をしているか
とかとか
お金もってるかとか関係ない
宗教も国も関係ない。まさに神
・ちょっと怖さを感じさせる。
書かれている世界は、便利になればなるほど
より人間らしさがなくなる
Posted by ブクログ
フラン人作家マルク・デュガンの『透明性』を読みました。
一言でいうなれば大金持ちなったテック系ギークである女社長の哲学問答、という中身です。
ジャンルも設定もSFなのですが、必ずしもSFへの興味や知識は必要ありません。
2068年の地球を舞台に、強力なテクノロジーを背景に地球上のあらゆる産業、企業を手中に収め、トランスヒューマン(オルダード・カーボンで言うところのスリービング)・・・魂を腐らない鉱物材料で出来た人体そっくりな入れ物に移植して不死を実現させた地球上最高の権力者である女性が、神になる事を拒否し、独裁的権力を否定しつつ、自分の家族や世界の宗教家、政治家、情報機関と対話し、モノローグする過程でバックキャスティング的にいま我々の生きている世界の生命倫理、あるとすれば生命の目的、宗教観、政治、社会保障、エネルギー・環境問題、セックス、家族観、資本、経済、消費、知の体系についての通念に次々と疑問を投げかけてくる構成になっているからです。そう、作中で問われているのは殆どが「現代」なのです。
ここが上手い。「このままいくとえらいことになるよ」という警句ではなく、革命が起こりあらゆる秩序が変わり果てた世界の中心人物から「あの時はこんなおかしなことをやっていたけども」と語らせ、我々の現在の世界観、固定観念をグリグリと抉ってくるのです。
フラン人らしい皮肉たっぷりにキリスト教会教皇や米国やフランスの大統領をこき下ろし、やり込める。「半世紀前には・・・」と作品中2度ほどトランプの事をくさしているのもタイムリーで非常に面白い。
通底するテーマとしては、人間がデジタルに「常時接続」していることへの危機感とそのために起こる劣化について書かれていて、ドイツ人哲学者のマルクス・ガブリエルが「グーグルはユーザーからタダでデータを吸い上げ、労働搾取している」「インターネットこそが我々の民主主義を破壊している」と言っていることに共通している問題意識がありました。
プラットフォーマーに対する制裁金措置などを見ても、通商問題や産業競争とは別のフレームで、ヨーロッパの知性や哲学はインターネットとデジタルに対して主導権奪取の戦いを仕掛けているように見えます。それは19世紀的世界秩序への回帰であるとマルクス・ガブリエルは説明していますが、デジタルへの不快感や警戒感がヨーロッパから強く聞こえてくるのは興味深いですね。
ジャーナリズム、ノンフィクション出身の書き手のためか非常に読みやすくてスッと頭に入ってくる文章でした。
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