マーティンエイミスの作品一覧

「マーティンエイミス」の「関心領域」ほか、ユーザーレビューをお届けします!

作品一覧

  • 関心領域
    3.8
    1巻2,750円 (税込)
    おのれを「正常」だと信じ続ける強制収容所の司令官、司令官の妻と不倫する将校、死体処理班として生き延びるユダヤ人。おぞましい殺戮を前に露わになる人間の本質を、英国を代表する作家が皮肉とともに描いた傑作。2024年アカデミー賞国際長編映画賞受賞原作

ユーザーレビュー

  • 関心領域

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    本が好きなら誰しも一度は読んでみてほしい作品。

    洋画の翻訳の様な口調で話は割とテンポ良く進む。それに慣れないドイツ語とちょくちょく話がややこしくなる時もある。そして、淡々と自分は物語を進める。

    しかし、何か肝心な事を忘れていないか?という気持ちに常に襲われていた。もちろん、これは強制収容所で働く人々のお話というのは理解していた。だからこそ、この作品は狂気に溢れているという認識をもって読み始めた。しかし、本当に狂気に溢れているのは自分自身であったと今は認識している。

    鏡の様な作品と言われていたが、本当に間違いない。自分は作品を通して、ドルとトムゼン達の事に意識が集中していた。そして、ここが

    0
    2024年09月18日
  • 関心領域

    Posted by ブクログ

    星に迷いました。でも、目を背けてはいけない。

    観てから読みました。
    映画もすごかったですが、原作もすごかったです…
    ただ原作は想像力の入り込む余地があまりないように感じ、とてもきつかったです。
    実は映画を観た時もそう感じていたのに、より原作はきつかった…

    物言わぬ少年たちの時間
    ゾンダーコマンドの存在

    P302からのシュムルの章は、感情というものを捨て去らなければ読めないこの作品の中で、やはり涙が出る内容でした。でも、その自分の涙さえ欺瞞に感じる…厳しい話です。

    主役はトムゼン。話の動くきっかけは、トムゼンが人妻のハンナに気もちを寄せたから…
    でも、それは話を動かす装置でしかない。

    0
    2024年08月03日
  • 関心領域

    Posted by ブクログ

    かなり期待して読んだが,原文がこうなのか訳が悪いのか,どうにも物語として響いてこなかった.
    映画化もされているので,そちらも見て判断したいところだが,どうやら映画には原作の中心人物がそもそも登場しないらしく,見る前から「なんだそりゃ?」という気分.その時点で意欲が半減してしまった.

    ホロコーストを「人間の本性を映す鏡」として描いているという触れ込みだが,正直,そこまでの深みは感じられなかった.
    ただし,ナチス関連の作品をいくつも読んできた中で,この作品の描き方はどれとも違っていた.
    ユダヤ人側の苦悩,ドイツ市民の葛藤,ヒトラー周辺の狂気――そういった視点ではなく,実際のホロコースト現場とその

    0
    2025年10月22日
  • 関心領域

    Posted by ブクログ

    ユダヤ人強制収容所での「仕事」に従事している登場人物たちの日常や心情が、淡々と綴られていく。
    この日常の一辺には殺戮への関与が確実に含まれているのに、物語で中心として描かれるのはそこではないことに不気味さを感じる。

    強制収容所所長が少しずつ病んでいくのは、ひそかに彼のうちにある良心や倫理観の崩壊を表現しているようで、おかしな言い方だけれど、そこにわずかに救いを感じてしまった。

    遠藤周作氏のエッセイのどこかで、やはり親衛隊将校についての記述があり、(昼はガス室で殺戮を繰り返す将校が、夜は我が子に頬ずりをして妻とモーツァルトの調べに酔いしれる、それが人間というものなのか、というような内容)、そ

    0
    2025年10月01日
  • 関心領域

    Posted by ブクログ

    映画を観て関心を持ち、手にした一冊。果たして、その内容は映画をはるかに上回った。と言うか、映画はこの大著のごく一部を切り取ったにすぎないということ。2時間前後に収められる内容では到底ない。

    0
    2025年05月23日

新規会員限定 70%OFFクーポンプレゼント!