マーティンエイミスのレビュー一覧

  • 関心領域

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    ネタバレ

    本が好きなら誰しも一度は読んでみてほしい作品。

    洋画の翻訳の様な口調で話は割とテンポ良く進む。それに慣れないドイツ語とちょくちょく話がややこしくなる時もある。そして、淡々と自分は物語を進める。

    しかし、何か肝心な事を忘れていないか?という気持ちに常に襲われていた。もちろん、これは強制収容所で働く人々のお話というのは理解していた。だからこそ、この作品は狂気に溢れているという認識をもって読み始めた。しかし、本当に狂気に溢れているのは自分自身であったと今は認識している。

    鏡の様な作品と言われていたが、本当に間違いない。自分は作品を通して、ドルとトムゼン達の事に意識が集中していた。そして、ここが強制収容所で、当たり前の様にユダヤ人を殺しまくっている事実が凄く薄まっていた。たまにそれを思い出させる様な描写もあるが、惨さや悲惨さという感覚が薄れていたのかもしれない。だからこそ、最後のトムゼンの台詞は強烈に刺さった。

    現代でも、自分の興味関心のある世界の外側を覗こうと思う人は数少ないかもしれない。
    しかし、世界では酷い事も悲しい事も楽しい事もたくさん同時進行に起こっている。この感想を書いている時にも。

    感受性が強い人は、この作品はとても苦しいかもしれない。けれど、読書体験としてはひとつ最高の体験をさせてもらえた。あなたはこの作品を通じて自分がどのように写るか楽しみではあるけど、知りたくもない気持ちもある。視野は広く正しく観よう。


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    2024年09月18日
  • 関心領域

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    星に迷いました。でも、目を背けてはいけない。

    観てから読みました。
    映画もすごかったですが、原作もすごかったです…
    ただ原作は想像力の入り込む余地があまりないように感じ、とてもきつかったです。
    実は映画を観た時もそう感じていたのに、より原作はきつかった…

    物言わぬ少年たちの時間
    ゾンダーコマンドの存在

    P302からのシュムルの章は、感情というものを捨て去らなければ読めないこの作品の中で、やはり涙が出る内容でした。でも、その自分の涙さえ欺瞞に感じる…厳しい話です。

    主役はトムゼン。話の動くきっかけは、トムゼンが人妻のハンナに気もちを寄せたから…
    でも、それは話を動かす装置でしかない。
    あの時代にドイツを覆っていた狂気、その中で正気を保った人たちへの弔い…
    でも。ゾンダーコマンドたちは…狂気の中で、さらなる狂気に包まれ…そのことを心に留めておきます。

    著者あとがきで、生存者アントン・ギルの著書に集めらた言葉として紹介された「ほぼ全員が復讐を拒んでいる、そしてひとり残らず赦しを拒んでいる」という言葉も、心にしみました。

    プリーモ・レーヴィ
    原題THE ZONE OF INTERESTの意味2つ

    読めて良かった。ただあまりの内容に、人に勧めにくい。でもできればたくさんの人に読んでほしいと思うのです。

    追記(2024.8.21)
    創作は現実とは違うので、もっと凄惨なことが行なわれていたと思います。
    ただ現実をそのまま伝えることは当事者でも難しい…なので、このような作品の存在に手を合わせたくなるのです。

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    2024年08月03日
  • 関心領域

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    映画版に比べると随分とドライな印象が強い。
    徹底した内面の描写はしつこいほどで何度か物語がどこにいて、どこに向かおうとしているのか分からなくなった。
    ただそれでも露悪的にもセンチメンタルになる事もなく、淡々と(事務的とすら言っていい!)物語は進んでいく。
    ナチスの所業については既に様々な映画や小説、あるいはノンフィクションで語られているが本書は徹底して何も起きない。
    疑問が浮かぶのはここまで知的なやりとりをし、人間らしい人々が未だに語られる罪を何故犯せたのか、だ。現在進行形で起きている世界の出来事を見て疑問だけが浮かぶ。過去、あれだけ殺してもまだ殺し足りないのかと。

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    2026年06月24日
  • 関心領域

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    かなり期待して読んだが,原文がこうなのか訳が悪いのか,どうにも物語として響いてこなかった.
    映画化もされているので,そちらも見て判断したいところだが,どうやら映画には原作の中心人物がそもそも登場しないらしく,見る前から「なんだそりゃ?」という気分.その時点で意欲が半減してしまった.

    ホロコーストを「人間の本性を映す鏡」として描いているという触れ込みだが,正直,そこまでの深みは感じられなかった.
    ただし,ナチス関連の作品をいくつも読んできた中で,この作品の描き方はどれとも違っていた.
    ユダヤ人側の苦悩,ドイツ市民の葛藤,ヒトラー周辺の狂気――そういった視点ではなく,実際のホロコースト現場とその周辺の人々の“日常”を,こんな異様な角度から描いた小説には出会ったことがない.

    歴史上最悪の大殺戮のただ中で,自分は「正常」だと思い込み続ける人間たち.
    妻への嫉妬に狂う者,大量殺戮を「おぞましい」と知りながらもその片棒を担ぎ続ける者.
    彼らの関心領域は,命の価値ではなく,愛憎やプライドのような極めて個人的な感情だった.
    人間は結局,良くも悪くも「正常バイアス」に生かされているのだな,と思わされた.

    最後に,ナチスの狂気からわずかに目を覚ます主人公たちの姿に,ほのかな希望も感じた.
    それこそが戦後ドイツの復活の“火種”になったのかもしれない.

    正直,僕にとっては読みづらく,没入することはできなかった.
    それでも「人間の本性とは何か」をえぐり出そうとするこの試み自体には,大きな意義があると思う.

    気がつけば,ナチス関連の作品を随分と読んできたものだ.
    読むたびに胸が重くなるのに,それでも「知りたい」と思ってしまう.
    そんな僕自身の「関心領域」は,やはりこの問いに尽きるのだと思う.

    ――なぜナチスは,ここまで狂気に堕ちていったのか?

    どんなに考えても答えは見つからない.見つかる気配すらない.
    それでもなお,その答えを探ることが,人間とか,人生とか,漠然としていて掴みづらいものに,ほんの少しでも輪郭を与えるのだと思う.
    そして,「人の罪」としての戦争,飢餓,貧困,人種差別……そういったものがいつかこの世から無くなる日を迎えるための,わずかなヒントをかき集める行為なのだと思う.

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    2025年10月22日
  • 関心領域

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    ユダヤ人強制収容所での「仕事」に従事している登場人物たちの日常や心情が、淡々と綴られていく。
    この日常の一辺には殺戮への関与が確実に含まれているのに、物語で中心として描かれるのはそこではないことに不気味さを感じる。

    強制収容所所長が少しずつ病んでいくのは、ひそかに彼のうちにある良心や倫理観の崩壊を表現しているようで、おかしな言い方だけれど、そこにわずかに救いを感じてしまった。

    遠藤周作氏のエッセイのどこかで、やはり親衛隊将校についての記述があり、(昼はガス室で殺戮を繰り返す将校が、夜は我が子に頬ずりをして妻とモーツァルトの調べに酔いしれる、それが人間というものなのか、というような内容)、その寒々した記述に共通のなにかを感じた。

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    2025年10月01日
  • 関心領域

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    映画を観て関心を持ち、手にした一冊。果たして、その内容は映画をはるかに上回った。と言うか、映画はこの大著のごく一部を切り取ったにすぎないということ。2時間前後に収められる内容では到底ない。

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    2025年05月23日
  • 関心領域

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    収容所そのものを描くよりもその隣で当たり前の生活を営むナチ党員達やその家族の人間模様を描くことでその異常性が浮かび上がる。彼らには目の前の収容所はもはや風景でしかなく、そこで行われている事に何の疑問も感じないほど麻痺してしまっているのが恐ろしい

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    2025年03月05日
  • 関心領域

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    凄惨な描写はそれほど多くはない。登場人物の関心は自分の地位や立場、女をいかにモノにするかにあって、強制収容所の運営は単に煩わしい日々の業務にすぎない。それが淡々と描かれていて、それこそが本当に空恐ろしい。「想像してみて、あの場所から幸せな何かが生まれるなんて、どんなにぞっとすることか」。

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    2025年01月09日
  • 関心領域

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    アウシュビッツを連想させる架空のユダヤ人収容所で繰り広げられる蛮行と、そこで暮らす人々。
    収容所のあり方に矛盾を感じている収容所長の妻。その妻を魅力に感じ接近していくナチスの将校。その描写に読み続けることが辛くなるシーンもあった。
    映画化され話題になった作品。解説によると、映画と原作はかなり違っているらしい。原作のコンセプトは引き継がれているとか。この原作は、かなりインパクトがあった。

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    2024年11月23日
  • 関心領域

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    関心領域
    自分の中にある言葉でこれを読み解けない気がするがそれでも心に刻まられる作品
    戦争という狂気の中で行われる蛮行の中にある人間らしさとはなんなのか
    明日の僕たちはどう生きてなにを残していけるのだろうか

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    2024年10月31日
  • 関心領域

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    アウシュヴィッツをモデルにした収容所とその周囲の暮らしや戦況の話。
    収容所の管理にあたる軍人は家族帯同で暮らしていた。
    家では普通に家庭生活があり、周囲の街にも普通に暮らしている人たちがいる。
    そこへやってくるユダヤ人を満載した列車。同じ人間でありながら家畜よりも酷い扱いで、到着してすぐにガス室行きか、半年も持たずに死ぬ。
    彼らを選別し、収容所に運んでいくが彼らの気配、音、匂いは当然普段の暮らしに影響がある。死体が増えるにつれ、焼却しきれずに野原に埋める。それが地下水に出て、近隣では井戸水が飲めなくなる。
    何が起きているのか、想像がつく。でも、それを口にはしない。
    目を逸らし、受け流す。
    そんな環境でも、自分の考えや判断を保つ人もいる。そのうちの1人である収容所司令官の妻に恋をした主人公は、彼女の考えに習い、目の前のことを考えて反乱を計画するが失敗。逮捕されて終戦を迎える。
    司令官の妻が過去の恋人を否定するのに、「他人の考えで頭がいっぱい」と表現しており、小説全体では、周囲に意識を向け、自分の頭で善悪や自分の行動を判断することがテーマになっている。
    収容所の運営にあたっていたユダヤ人は、自分の考えで司令官の命令に背き、他人の命を救う。

    読むのはとても苦しい。
    知らんぷりをしないこと、目を背けないことを伝える本を読んでいると、パレスチナやウクライナを考えざるを得ない。
    知っているのに、私は何もしていない。 
    ユダヤ人が迫害されたが、ユダヤ人でないから声を上げないでいたら、自分が迫害された時には、誰も私のために声を上げなかった、という詩を思い出す。
    「何をすべきだと思うか」を、問われる本。




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    2024年10月28日
  • 関心領域

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    ナチス政権下、歴史的にも醜悪かつ理解し難い、その行為とその周辺を舞台にして、収容所の司令官、連絡将校中尉、ユダヤ人の特別労務班班長の3人、それぞれの違った視点からの描写を交えながら、物語が進行していく。

    あの場所から幸せな何かが生まれるなんて、どんなにぞっとすることか。

    作中のこのセリフには、共感しかない。
    この物語を哀切な悲恋で締め括ることは許されない。
    著者の後書きも含めての作品だと痛切した。
    現実に、ルドルフヘスが、己の行いによって酒と薬に溺れ、精神を病んでいたのかはわからない。
    現実に、こういった中尉のような、都合の良い自己正当化で残虐行為を行っていた人たちもいたかもしれない。
    けれど、どのすべても許されることではなく、このことについて、わたしはエンタメとして消化することに激しい抵抗を覚え、作中の登場人物の誰のことも理解したくはないしできない。

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    2024年09月07日
  • 関心領域

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    前半退屈&カタカナの名前全然覚えられなくてまともに入ってこないんだけど、後半は止まらないほど面白く、もう一度読みたくなる

    戦争の恐ろしさは人間が人間であることを忘れていく、染まっていく、正常さとは人間が意図的に作っていることに気づけないことだなと思った

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    2024年09月02日
  • 関心領域

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    ジャミロクワイの『VIrtual Insanity』でMVを監督したジョナサン・グレイザー監督がアウシュヴィッツ=ビルケナウ強制収容所の隣に住居を構える収容所の所長ルドルフ・ヘスとその家族の生活を描いた映画『関心領域』
    そこに暮らす人々の生活が描かれているだけにも関わらずおぞましく、醜悪で、下手なホラー映画よりもよっぽど恐ろしい作品であった。
    直接的な描写は一切映らないにも関わらず、わずかに聞こえる叫び声や銃声、塀の向こうの焼却炉がゴウゴウと音を立てて吐き出す黒い煙など、恐らく今こういうことが起きてると察することが出来る。
    頭をガツンと殴られるかのような衝撃を受ける映画体験だったが、とても映画的な瞬間で作られた恐ろしさだったために、原作ではどんな描かれ方をしているのだろうかと気になって手に取った。

    驚いたことに原作は映画とはまったく違っていて、映画で使われていたのはアウシュヴィッツ=ビルケナウ強制収容所の隣に住んでいる強制収容所所長一家という部分くらいだ。
    ちょっと拍子抜けしてしまったのだが、考えてみると本作も『関心領域』というタイトルには間違いなくて、自分の興味のある、関心を向けている領域を外れた人、外すことが出来ない人が描かれている。

    原作には原作の面白さがあるため、映画と比べてどうだって話ではない。
    どちらもその媒体特有の表現で残酷さや恐怖を描いている。
    そしてどちらもグロテスクなことが描かれているにも関わらず、ふと吹き出してしまいそうな瞬間もあったりする。

    見比べてみるのが面白いタイプの作品だと思う。
    映画から原作に入ると余りにも印象が違うため、ちょっと肩透かしを喰らう気もするので。
    個人的には原作→映画から入ってみるのをオススメ。

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    2024年08月06日
  • 関心領域

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    映画も最低限のナチスの前知識いる感じでしたが、こっちはだいぶ必要でしたね。ナチス政権下の生活について書かれた本を一冊くらい読んでからにすりゃよかったとちょっと後悔。

    著者のあとがきにある『何が起こったのか理解することはできないし、すべきでない』の引用を見て、映画を見た後からずっと感じていた「Why?」に対する答えをもらった気分になった。
    ある人間・組織・政府が起こしたことを「理解しようとする」ことは「身のうちに取り込むこと」でありそうすべきではないとレーヴィは言ってる。
    これは「別に理由を知らずに無関心になれ」と言うわけではなく、むしろその逆で。ホロコーストを主導した総統、政府、国家の行動を「なぜそうなったのか」と理由を理解しようと試みるのではなく、起きた事実から洞察を深めてすべきという。

    原作は映画と違って、ドル(ヘス)の視点の他に、下半身で生きてる感じの情報将校のトムゼン、ゾンダーコマンドのシュルムの3人の視点が入れ替わって進む。
    それぞれがそれぞれに壊れて狂ってるのだが、自分の関心領域に閉じこもって、国家の罪ひいては自分の罪から目を逸らし続けているところは似通っている。それぞれの立場は大きく違えども。

    後書き含めて500P、映画も合わせるとボリューミーだが、多くの人に読んで欲しい作品。

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    2024年07月28日
  • 関心領域

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    原作を読んでから映画を観て、なんか映画の方が怖いなと思った。どちらも人間の慣れや飽きの恐ろしさを描いていたように感じるけど、映画の方にはハンナやトムゼンのような存在は現れない。

    強制収容所の痛ましい記録を見るに、どうしてそんなことになった?と思うけれども、私たちの日常生活の中で、なぜ誰も止めなかったの?と思うような出来事は起こっていて、そういうことの積み重ねの先に、ありえない出来事も起こり得る。
    後から振り返って「あの時あなたが止めるべきだった」と言うのは簡単である。
    上司が明らかにおかしな指示をしていているけど、周りの同僚は誰も異を唱えずに従っている。そんな場面で、おかしいと主張できるか?おかしいと主張した人に共感できるか?

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    2024年07月07日
  • 関心領域

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    映画見て気になって原作も読んでみた。ってか原作?「アウシュヴィッツのドイツ人看守側の話」って設定は共通やけど違う話やん。映画は映像で見せる分事件は起こらず、一方小説はけっこう事件満載。個人的には小説の方が好きかな。

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    2024年06月29日
  • 関心領域

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    ナチスの強制収容所の柵の内と外
    司令官は任務遂行に忠実でありながら酒と薬に溺れ、将校は欲愛に執心、ゾンダーはまともな感覚を失い同胞の死体を運ぶ
    異常な環境でも(だからこそ)人は自分の関心領域の中に籠もることでやり過ごすのか
    手こずったけど読み切った
    原作に忠実であるほど読みにくいし、かといって読みやすくすると別物になってしまう?

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    2024年06月12日
  • 関心領域

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    ネタバレ

    誰にも感情移入できずに終了。
    ユダヤ人でありながら収容所で役割を与えられいるシュムル視点の部分が収容所の惨状を直接的に表現しているが、そのシュムルですら、後半知り合いの子に嘘をつき、死へと見送ってしまう。ただシュムルはハンナを殺しはしなかったんですね。
    何もできないでいると、色々な感覚が麻痺してしまうのだろうなというのは、他の登場人物を見ていても思う。
    俯瞰するように読みながら、50キロ先からの腐臭がするとか、庭の外では無数の悲鳴が聞こえるとか、蛇口を捻ると黄色い水が出てくるとか、そう言う部分にゾワゾワしながらも、
    登場人物たちの何とも言えない小ささが、皮肉の部分なのかなぁ…… 読んでいて気持ちのいいものではない。
    パウル・ドルの滑稽さも、やはり周囲の悲惨な現状を考えると笑えなくて、
    この本は全編にわたり、読者が楽しむのを拒み、あの出来事が決してエンタメになることはないと、伝えているのかも知れない。

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    2026年06月05日
  • 関心領域

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    人類史に残る最大の汚点、ユダヤ人虐殺という事象の周辺にあった悍ましいものが詳細に書かれていた。ただ映画の「原作」と聞くとちょっと面食らう、いろんな違いがあるのは確か。映画は、原作に流れる重要なエッセンス「自らの関心領域に閉じこもること」の残酷・暴力を、すこぶるわかりやすく視聴覚的に訴えたものだった。ウクライナやガザの状況が悪化していた時期に公開・賞受賞したこともあり、原作の「物語」をほぼ省略し、「収容所横の限られたユートピアで『普通に』暮らす家族」を淡々と描いた映画は、恥ずべきことだが、今日性があると見做されたのだろうし、実際そうだと思う。

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    2025年06月28日