マーティンエイミスのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
アカデミー賞5部門にノミネートされ、国際長篇映画賞及び音響賞を受賞した、同名映画の原作小説。受賞に合わせて早川書房より邦訳版が刊行されたので、手に取ってみることに。
舞台は、第二次世界大戦下のナチスドイツ、とある強制収容所。飲酒に溺れ己の"正常"を保とうとする強制収容所の司令官パウル・ドル、上官であるドルの妻ハンナとの恋愛に執心する将校アンゲルス・ゴーロ・トムンゼン、生き延びるために同胞の死体処理に従事する特別労務班長であるユダヤ人のシュムル・ザハリアシュ。非人道的な残虐行為が横行する強制収容所に関わる三者の視点で描かれる、"非日常的"日常―――。
強制収容所(と、ナチス体制)の"異常性"から目を逸らすように、それぞれの形で己の「領域」からそれらを排除しようとする姿が印象的。歴史上、決して風化させてはいけないナチスによるホロコースト。それを後世に伝えるものとして大切な作品であることは間違いないが、作品に対する私一個人としての満足度はそこまで。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ映画のほうは見てないが、漏れ聞く限り、音響が素晴らしいが眠くなる、というものだったので、エンタメとしてはあまり面白くないんだろうな、映画だけじゃわからないところもありそうだな、と思って、原作を読んでみた。
予想よりは文学的でつまらないというわけではないが、わかりにくくてエンタメとしてもあまり。キャラがつらつら心情を述べてるの苦手。誰に話しかけてるの?神や自分自身や読者に話しかけ、作者の代弁であるのはわかってるが。
キャラの描写が自己欺瞞に満ちてて、会話の真意を読み取らなくちゃいけないのが疲れた。映画だと表情や音楽や撮り方でわかるだろうが、小説だと文字のみで、頭が疲れた。
愛国者を気取る、命知らずの軍人を気取る、心酔者を気取る、まともさを気取る。
トムゼンのハンナへの思いは赤と黒みたいで、なんか好みの女がいたらヤラなきゃもったいない精神から始まってて、最後まで、はあ?の気持ちだった。
パウルは最低すぎる。やばい。娘の扱いにもヒヤヒヤした。気持ち悪い。
シュムルの節は短いながらも端的で削ぎ落とされていて良かった。簡潔明瞭。
ところどころは良かったが、信用できない語り手、特にパウルやトムゼンの自己欺瞞に付き合うのがだるかった。
ボリスや周りの人との会話も。
ハンナは結構本音で直球だったのかな。