Posted by ブクログ
2015年06月12日
幻想的な雰囲気の表紙は新潮文庫の宮澤賢治のシリーズのよう。
疫病のため世界は崩壊してしまった。わずかに生き残った者たちはそれぞれの地にアジトを作り生きているが、映画マッドマックスのような自治組織は作れていない。出会った他人はすべて襲撃者とみなし、射殺している。時には子供も。ルールが無い暴力世界では...続きを読む4~5人のグループが限界なのか。
その中でも新たな出会いから新たな家族が誕生する。
世界の再生を感じさせる2機の飛行機が暗示的に書かれるが、著者は世界を描こうとしているのではない。主人公ビッグヒックの個人的な再生の物語だ。ビッグヒックが操縦するセスナの飛べる範囲が彼の世界のすべてで、彼の再生はセスナの飛べる範囲の再生につながる。
終末 暴力 銃撃 出会いと再生 神の存在
文学のためではなく、映画のための物語