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現代、パリ。大きな挫折のあと、弁護士のソレーヌはある保護施設で代書人のボランティアをはじめた。「女性会館」というその施設には、暴力や貧困、差別のせいで住居を追われた人々が暮らしている。自分とはまるで異なる境遇にいる居住者たちの思いがけない依頼に、ソレーヌは戸惑った。それでも、一人ひとりと話して、手紙を綴るなかで、ソレーヌと居住者たちの人生は交わっていく。ここで自分の役割を見つけたと思った矢先、事件は起きた。約100年前、パリ。救世軍のブランシュは街中の貧困と闘っていた。路頭に迷うすべての女性と子供が身を寄せられる施設をつくる――彼女の計画は、ついに政治家・財界人も動かしつつあったが……。実在する保護施設と創設者を題材に、時代を超える女性たちの連帯を描く、『三つ編み』の著者による長篇小説。
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Posted by ブクログ
フランス・パリに実在する保護施設「女性会館」の創設者にまつわるストーリー。
本作は、著者が女性会館の前を通りかかったことが執筆のきっかけになったそうです。
約100年前のパリで施設創設に尽力したブランシュ・ペイロンと、現代のパリの施設で代書のボランティアをする弁護士のソレーヌ。物語は二人の視点で交互に描かれています。
『路頭に迷うすべての女性と子供が身を寄せられる施設をつくる』
100年前、まだ女性が自分名義で銀行口座も開けない時代にも関わらず、救世軍ブランシュの人生を賭して成し遂げようとする確固たる意志と行動力に圧倒されました。
一方で現代、施設で代書ボランティアを始めたソレーヌは、女性の人権が認められていない国から逃れてきた者、暴力や貧困に喘ぐ者など様々な事情を抱えた女性たちと出会います。
戸惑いつつも、自分にできることをする。
施設の住人たちそれぞれの境遇に心が痛むし、そういった人たちが取り残される社会にも思うところがある。
雨露をしのげる安全な場所。それがどれだけ女性にとって安心感をもたらすかは計り知れない。
100年の時を越えて、貧困や暴力、差別に苦しみ行き場のない女性たちに手を差し伸べているふたり。
いつの世も弱者に寄り添う存在があることは、とても尊くありがたく、安心出来る場所が存在し続けられることに安堵します。
読んで良かった。ペイロン夫妻について、もっと知りたくなりました。
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ブランシュ・ペイロン(1867〜1933)
アルバン・ペイロン(1870〜1944)
「女性会館(Palais de la Femme)」は、パリ11区のシャロンヌ通りに位置する、救世軍が運営する歴史的な女性保護・支援施設です。ペイロン夫妻は他にも南部十三区の「民衆会館」「避難所都市」などの保護施設も創設し、現在も機能しています。
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『温かな思いやりに救われ支えられた。なに気ないしぐさや微笑みを侮ってはいけない。威力がある。城壁となって孤独や衰弱から守ってくれる。』
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