海外小説 - 新潮文庫作品一覧

  • ジム・スマイリーの跳び蛙―マーク・トウェイン傑作選―
    3.9
    現代アメリカ文学の父と謳われ、「トム・ソーヤー」「ハックルベリイ・フィン」の物語を生み出した冒険児マーク・トウェイン。その名を一躍世に知らしめた表題作「ジム・スマイリーの跳び蛙」をはじめ、生涯にわたって発表した短編小説、エッセイ、コラム記事の中から、トウェインの真骨頂である活気に溢れ、ユーモアと諷刺に満ちた作品を収録する。柴田元幸が厳選した13編の新訳!
  • じゃじゃ馬ならし・空騒ぎ
    3.7
    美人だが、手におえないじゃじゃ馬むすめカタリーナが、男らしいペトルーキオーの機知と勇気にかかって、ついに可愛い世話女房に変身──。陽気な恋のかけひきを展開する『じゃじゃ馬ならし』。青年貴族クローディオーと知事の娘ヒーローのめでたい婚礼の前夜、彼女に横恋慕するドン・ジョンの奸計(かんけい)から大騒動がまきおこる『空騒ぎ』。明るい情熱と機知の横溢する喜劇の傑作2編を収録。
  • 人生論
    3.9
    いっさいの自己愛を捨て、理性的意識に生きることによってのみ、人間は真の幸福を獲得することができる――人間いかに生きるべきか? 現世において人間をみちびく真理とは何か? 永年にわたる苦悩と煩悶のすえ、トルストイ自身のこの永遠の問いは、本書にみごとに結実した。誤ることのない鋭い観察力と、愛の直感と心の目で綴った、人生についての内面的、哲学的な考察。
  • スクイズ・プレー(新潮文庫)
    4.0
    私立探偵マックスが受けた依頼は、元大リーガー、チャップマンからのものだった。キャリアの絶頂時に交通事故で片脚を失い、今は議員候補となった彼に脅迫状が送られてきたのだ。殺意を匂わせる文面から、かつての事故にまで疑いを抱いたマックスは、いつしか底知れぬ人間関係の深淵へ足を踏み入れることになる……。ポール・オースター幻のデビュー作にして正統派ハードボイルド小説の逸品。
  • 青春は美わし
    4.1
    何年ぶりかで家族の住む故郷に帰ってきた青年は、昔恋したことのある美しい少女に再会する。しかしその愛は実らず、その上、妹の友達への恋にも破れる。彼は孤独な、しかし清らかな思い出を胸に故郷を去って行く……。ふるさとを懐かしみながら放浪に心ひかれ、地道に生きようと願いながら浪漫的な憧れに駆られる青春の心を抒情性豊かに謳いあげた表題作。他に、「ラテン語学校生」。
  • 精神分析入門(上)
    3.5
    精神病の命名と分類に終始していた伝統的精神医学に対し、自由連想の採用という画期的方法によって症状の隠された意味を探る精神分析を創始して、二十世紀文学にも多大な影響を与えたフロイト。本書は、1915年から17年までウィーン大学で一般向けに行われた講義の記録であり、明快な論旨の進め方、啓蒙を目的とした対話的手法で書かれた最適の入門書である。
  • 狭き門
    3.9
    早く父を失ったジェロームは少年時代から夏を叔父のもとで過すが、そこで従姉のアリサを知り密かな愛を覚える。しかし、母親の不倫等の不幸な環境のために天上の愛を求めて生きるアリサは、ジェロームへの思慕を断ち切れず彼を愛しながらも、地上的な愛を拒み人知れず死んでゆく。残された日記には、彼を思う気持ちと“狭き門”を通って神へ進む戦いとの苦悩が記されていた……。
  • ソークラテースの弁明・クリトーン・パイドーン
    4.2
    その否定的対話によって、既存の社会体制、道徳、宗教を盲信する保守的な人々から糾弾され、不当な死刑に処せられたソークラテースが、法廷で自己の所信を力強く表明する『ソークラテースの弁明』、脱獄のすすめを退け、国法を守って平常心のまま死を迎える彼が、法と正義について弟子と対話する『クリトーン』、毒薬をあおって刑死する彼の最期を語る『パイドーン』を収録する。
  • 大尉の娘
    -
    暴徒のため父母を惨殺されたマリーは、相思の将校グリニョーフに危難を救われるが、のちに嫌疑をかけられシベリア流刑に処せられた愛人の赦免を求め、ペテルブルクに行き女王に決死の嘆願をする。エカテリーナ二世の治世に起ったプガチョーフの反乱を背景とし、歴史小説と家庭小説が巧みに融合した、19世紀ロシア・リアリズム文学の先駆的作品であり、プーシキン芸術の最高峰と言われる。
  • 戦う操縦士
    3.3
    僕は多くのことを考える。万一生きていたら、今夜を待って、とくと考えてみよう。ただ、生きているかどうか……。第二次大戦中、敗走するフランス軍に、一飛行士として従軍した作家サン=テグジュペリ。明日、ドイツ軍が侵入するであろう、祖国の一寒村にたたずんで、死を目前にした極限状況にあって綴られた、生の根源と人間の勇気に果敢に迫り、深く追究する思考。
  • 谷間の百合
    4.1
    充たされない結婚生活を送るモルソフ伯爵夫人の心に忍びこむ純真な青年フェリックスの存在。彼女は凄じい内心の葛藤に悩むが……。
  • チェーホフの手帖
    -
    「手帖」は、チェーホフの円熟期に当る一八九二年から一九〇四年まで、また「日記」は、一八九六年から一九〇三年まで、そして「題材・断想・覚書・断片」も、ほとんど同時期のもの。いずれも幾多の名作を、その背景に持っており、生の小さな出来事や、生のありのままの姿を具体的に捉え、具体的に表現することを信条とする巨匠の、楽屋裏ともいうべき、整然と丹念な私録である。
  • 地下室の手記
    4.1
    極端な自意識過剰から一般社会との関係を絶ち、地下の小世界に閉じこもった小官吏の独白を通して、理性による社会改造の可能性を否定し、人間の本性は非合理的なものであることを主張する。人間の行動と無為を規定する黒い実存の流れを見つめた本書は、初期の人道主義的作品から後期の大作群への転換点をなし、ジッドによって「ドストエフスキーの全作品を解く鍵」と評された。
  • 父と子
    4.0
    農奴解放前後の、古い貴族的文化と新しい民主的文化の思想的相剋を描き、そこに新時代への曙光を見いださんとしたロシア文学の古典。著者は、若き主人公バザーロフに“ニヒリスト”なる新語を与えて嵐のような反響をまきおこしたが、いっさいの古い道徳、宗教を否定し、破壊を建設の第一歩とするこのバザーロフの中に、当時の急進的インテリゲンチャの姿が芸術的に定着されている。
  • 知と愛
    4.4
    本来官能の子でありながら精神の人になろうとして修道院に入った美少年ゴルトムントは、若く美しい師ナルチスの存在によって、自分は精神よりもむしろ芸術に奉仕すべき人間であることを教えられ、知を断念して愛に生きるべく、愛欲と放浪の生活にはいる――。二つの最も人間的な欲求である知と愛とが、反撥し合いながら互いに引かれ合う姿を描いた多彩な恋愛変奏曲。一九三○年作。
  • 地の糧(新潮文庫)
    3.5
    君はすっかり読んでしまったら、この本を捨ててくれ給え。そして外へ出給え――。語り手は、青年ナタナエルに語りかける。「善か悪か懸念せずに愛すること」「賢者とはよろずのことに驚嘆する人を言う」「未来のうちに過去を再現しようと努めてはならぬ」。二十代のジッドが綴った本書は、欲望を肯定し情熱的に生きることを賛美する言葉の宝庫である。若者らの魂を揺さぶり続ける青春の書。
  • 椿姫
    4.2
    椿の花を愛するゆえに“椿姫”と呼ばれる、貴婦人のように上品な、美貌の娼婦マルグリット・ゴーティエ。パリの社交界で、奔放な日々を送っていた彼女は、純情多感な青年アルマンによって、真実の愛に目覚め、純粋でひたむきな恋の悦びを知るが、彼を真に愛する道は別れることだと悟ってもとの生活に戻る……
  • テレーズ・デスケイルゥ
    3.3
    ボルドの荒涼たる松林を吹きぬける烈風にそそのかされたように、なぜ、と問われても答えられぬ不思議な情熱に誘われて、テレーズは夫を殺して自由を得ようとうするが果せず、しかも夫には別離の願いを退けられる……。情念の世界に生き、孤独と虚無の中で枯れはててゆく女テレーズを、独特の精緻な文体で描き、無神の世界に生きる人の心を襲う底知れぬ不安を宗教的視野で描く名作。
  • 転落・追放と王国(新潮文庫)
    4.3
    パリでの弁護士生活を捨て、暗い運河の町・アムステルダムに堕ちてきた男、クラマンス。彼の告白を通して、現代における「裁き」の是非を問う、『異邦人』『ペスト』に続くカミュ第三の小説『転落』。不条理な現実、孤独と連帯といったテーマを扱った六篇の物語からなる、最初で最後の短篇集『追放と王国』。なおも鋭利な現代性を孕む、カミュ晩年の二作を併録。
  • デイジー・ミラー(新潮文庫)
    3.2
    青年はレマン湖畔の美しい町で運命の美女デイジーと出会い、一目で恋に落ちる。その奔放なふるまいは、保守的で狭量な人々からは嫌われていたが、青年は彼女のあとを追うようにして、マラリアの猖獗するローマへと向かう。婚約者と思しき男を紹介され、さらに翻弄されるが、二人の恋路は思いもしない衝撃的な結末を迎えるのだった――。ジェイムズの名声を高めた傑作中編、待望の新訳版。
  • 賭博者
    3.9
    ドイツのある観光地に滞在する将軍家の家庭教師をしながら、ルーレットの魅力にとりつかれ身を滅ぼしてゆく青年を通して、ロシア人に特有な病的性格を浮彫りにする。ドストエフスキーは、本書に描かれたのとほぼ同一の体験をしており、己れ自身の体験に裏打ちされた叙述は、人間の深層心理を鋭く照射し、ドストエフスキーの全著作の中でも特異な位置を占める作品である。
  • トム・ソーヤーの冒険
    4.1
    ポリー伯母さんに塀塗りを言いつけられたわんぱく小僧のトム・ソーヤー。転んでもタダでは起きぬ彼のこと、いかにも意味ありげに塀を塗ってみせれば皆がぼくにもやらせてとやってきて、林檎も凧もせしめてしまう。ある夜親友のハックと墓場に忍び込んだら……殺人事件を目撃! さて彼らは──。時に社会に皮肉な視線を投げかけつつ、少年時代をいきいきと描く名作を名翻訳家が新訳。
  • ドイル傑作集 冒険編
    -
    コナン・ドイルはホームズシリーズの数倍にもおよぶ作品をのこしている。ここには、冒険をテーマにした短編を収録した。エジプト山岳地帯での実に滑稽な冒険談「ヒラリ・ジョイス中尉の初陣」、山奥の孤独な放浪者を驚惑させたひとつの不条理な人生図「ガスタ山の医師」、ジプシー部落での武勇伝「借りものの情景」、荒海の冒険「アーケーンジェルから来た男」、世紀の発明をめぐる皮肉な結末「ブラウン・ペリコード発動機」、著者の若いころの感傷的な作品「開かずの部屋」の6編。
  • ドイル傑作集 失なわれた世界
    -
    ガゼット新聞記者マローンは愛人の理想の男性たらんとして、奇人チャレンジャ教授一行の南米探検隊に加わってアマゾン河上流の秘境に分け入る。同勢四人、未踏の森林地帯に入ればそこはダンテの地獄篇さながら、有史以前の怪獣奇獣たちが風を巻き起して人間どもに襲いかかってくる――ドイルの科学小説中の傑作である。
  • ドリアン・グレイの肖像
    4.0
    舞台はロンドンのサロンと阿片窟。美貌の青年モデル、ドリアンは快楽主義者ヘンリー卿の感化で背徳の生活を享楽するが、彼の重ねる罪悪はすべてその肖像に現われ、いつしか醜い姿に変り果て、慚愧と焦燥に耐えかねた彼は自分の肖像にナイフを突き刺す……。快楽主義を実践し、堕落と悪行の末に破滅する美青年とその画像との二重生活が奏でる耽美と異端の一大交響楽。
  • 肉体の悪魔
    4.0
    第一次大戦のさなか、戦争のため放縦と無力におちいった少年と人妻との恋愛悲劇を、ダイヤモンドのように硬質で陰翳深い文体によって描く。ほかに、ラディゲ独特のエスプリが遺憾なく発揮された戯曲『ペリカン家の人々』、コント『ドニーズ』を収める。
  • 二都物語
    4.2
    フランスの暴政を嫌って渡英した亡命貴族のチャールズ・ダーネイ、人生に絶望した放蕩無頼の弁護士シドニー・カートン。二人の青年はともに、無実の罪で長年バスティーユに投獄されていたマネット医師の娘ルーシーに思いを寄せる。折りしも、パリでは革命の炎が燃え上がろうとしていた。時代の荒波に翻弄される三人の運命やいかに? 壮大な歴史ロマン、永遠の名作を新訳で贈る。
  • 人形の家(新潮文庫)
    3.9
    小鳥のように愛され、平和な生活を送っている弁護士の妻ノラには秘密があった。夫が病気の時、父親の署名を偽造して借金をしたのだ。秘密を知った夫は社会的に葬られることを恐れ、ノラをののしる。事件は解決し、夫は再びノラの意を迎えようとするが、人形のように生きるより人間としていきたいと願うノラは三人の子供も捨てて家を出る。近代劇確立の礎石といわれる社会劇の傑作。
  • 人間ぎらい
    3.8
    主人公のアルセストは世間知らずの純真な青年貴族であり、虚偽に満ちた社交界に激しい憤りさえいだいているが、皮肉にも彼は社交界の悪風に染まったコケットな未亡人、セリメーヌを恋してしまう――。誠実であろうとするがゆえに俗世間との調和を失い、恋にも破れて人間ぎらいになってゆくアルセストの悲劇を、涙と笑いの中に描いた、作者の性格喜劇の随一とされる傑作。
  • 人間の絆(上)(新潮文庫)
    3.7
    幼くして両親を失い、牧師である伯父に育てられた青年フィリップ。不自由な足のために劣等感にさいなまれて育ったが、いつしか信仰心を失い、芸術に魅了されてパリに渡る。しかし若き芸術家仲間と交流する中で、自らの才能の限界を知り、彼の中で何かが音を立てて崩れ去る。やむなくイギリスに戻り、医学を志すことになるのだが……。誠実な魂の遍歴を描いたS・モームの決定的代表作を新訳。
  • ネイティヴ・サン―アメリカの息子―(新潮文庫)
    4.3
    1930年代、大恐慌下のシカゴ。アフリカ系の貧しい青年ビッガー・トマスは、資本家令嬢で共産主義に傾倒する白人女性を誤って殺害してしまう。発覚を恐れて首を斬り、遺体を暖房炉に押し込んだその時、彼の運命が激しく変転する逃走劇が始まった――。現在まで続く人種差別を世界に告発しつつ、アフリカ系による小説を世界文学の域へと高らしめた20世紀アメリカ文学最大の問題作が待望の新訳。
  • ねじの回転(新潮文庫)
    3.8
    イギリス郊外に静かに佇む古い貴族屋敷に、両親と死別し身を寄せている眉目秀麗な兄と妹。物語の語り手である若い女「私」は二人の伯父に家庭教師として雇われた。私は兄妹を悪の世界に引きずりこもうとする幽霊を目撃するのだが、幽霊はほかの誰にも見られることがない。本当に幽霊は存在するのか? 私こそ幽霊なのではないのか? 精緻で耽美な謎が謎を呼ぶ、現代のホラー小説の先駆的な名著。
  • 眠れる森の美女―シャルル・ペロー童話集―
    4.5
    仙女の呪いで百年の眠りについた美しい王女――。王子様のお迎えで目覚めたのちの恐怖を描いた表題作のほか、赤頭巾ちゃん、長靴をはいた猫、親指小僧からシンデレラまで。あの懐かしい童話が新鮮な翻訳と美しく読みやすい活字、繊細な挿絵とともに甦りました。不思議でロマンチックで楽しい。そしてちょっとだけグロテスクで残酷……。そんなペローの童話の世界へ、ようこそ!
  • 背徳者
    3.6
    ジッドがアフリカに旅して病気になり、回復後に生命の喜びを見出した当時の魂のありさまを、告白的に小説として描いたもの。一考古学者がアフリカに新婚旅行に出かける途中大病にたおれて、一時は死に瀕するが、ようやく回復期に至ったとき、生きる喜びを知り、彼の心に一大革命が起る。既成のモラルや組織に安住できぬ魂の苦悩を綴った、ジッド最初の物語作品。一九〇二年作。
  • ハムレット
    3.9
    城に現われた父王の亡霊から、その死因が叔父の計略によるものであるという事実を告げられたデンマークの王子ハムレットは、固い復讐を誓う。道徳的で内向的な彼は、日夜狂気を装い懐疑の憂悶に悩みつつ、ついに復讐を遂げるが自らも毒刃に倒れる――。恋人の変貌に狂死する美しいオフィーリアとの悲恋を織りこみ、数々の名セリフを残したシェイクスピア悲劇の最高傑作である。
  • ハンニバル(上)(新潮文庫)
    3.9
    1~2巻781~869円 (税込)
    あの血みどろの逃亡劇から7年――。FBI特別捜査官となったクラリスは、麻薬組織との銃撃戦をめぐって司法省やマスコミから糾弾され、窮地に立たされる。そこに届いた藤色の封筒。しなやかな手書きの文字は、追伸にこう記していた。「いまも羊たちの悲鳴が聞こえるかどうか、それを教えたまえ」……。だが、欧州で安穏な生活を送るこの差出人には、仮借なき復讐の策謀が迫っていた。
  • ハーディ短編集
    3.0
    不幸な人間たちをあやつるのは、愚鈍なる運命とサイコロを振る「時」の二者にほかならない――。「妻ゆえに」「幻想を追う女」「わが子ゆえに」「憂欝な軽騎兵」「良心ゆえに」「呪われた腕」「羊飼の見た事件」「アリシアの日記」の8編を収録。
  • バスカヴィル家の犬
    3.8
    深夜、銀幕のような濃霧のたちこめた西部イングランドの荒野に、忽然と姿を現わした怪物。らんらんと光る双眼、火を吐く口、全身を青い炎で燃やす伝説にまつわる魔の犬は、名家バスカヴィル家の当主ヘンリ卿を目がけて、矢のように走る――。きわだった叙景によって舞台となる特殊地帯を一種の密室のように仕上げ、息づまるばかりの緊張を生む、ホームズ物語中最大の長編。
  • 緋色の研究
    3.9
    文学の知識─皆無、哲学の知識─皆無。毒物に通暁し、古今の犯罪を知悉し、ヴァイオリンを巧みに奏する特異な人物シャーロック・ホームズが初めて世に出た、探偵小説の記念碑的作品。ワトスンとホームズの出会いから、空家で発見された外傷のないアメリカ人の死体、そして第二の死体の発見……と、息つく間もなく事件が展開し、ホームズの超人的な推理力が発揮される。
  • 光あるうち光の中を歩め
    3.7
    欲望や野心、功名心などの渦巻く俗世間にどっぷりつかっている豪商ユリウスと、古代キリスト教の世界に生きるパンフィリウス。ユリウスは何度かキリスト教の世界に走ろうと志しながらも、そのたびに俗世間に舞いもどるが、しかし、長い魂の彷徨の末についに神の道に入る。──福音書に伝えられているキリストの教えに従って生きよと説いた晩年のトルストイの思想を端的に示す。
  • 日々の泡
    3.8
    愛を語り、友情を交わし、人生の夢を追う、三組の恋人たち――純情無垢のコランと彼の繊細な恋人のクロエ。愛するシックを魅了し狂わせる思想家の殺害をもくろむ情熱の女アリーズ。料理のアーティストのニコラと彼のキュートな恋人のイジス。人生の不条理への怒りと自由奔放な幻想を結晶させた永遠の青春小説。「20世紀の恋愛小説中もっとも悲痛な小説」と評される最高傑作。
  • 昼顔
    4.7
    ケッセルはスラブ種の血をうけ南米に生れた現フランス文壇の第一人者。「昼顔」は作者三十一歳の作で、両次大戦の中間期、最も幸福な時代といわれた頃のパリを背景とし、仮借ない筆致で、貞淑な女性の娼婦性がもたらすことになった霊肉の惨劇を描破した力作であるが、淫猥、春本に類するとの批評に、作者は「健康体を究めるためには、病体を理解しなければならぬ」と答えている。
  • 美女と野獣(新潮文庫)
    3.8
    裕福な商人の末娘ベルは、とびきりの美貌と優しい心根の持ち主。ある日、父親が見るも恐ろしい野獣に捕えられると、彼女は身代わりを買って出た。ベルに恋をした野獣は、正直さに心を打たれて彼女を家族の許に返すが、喪失の悲しみに身を焦がし、命を捨てようとする。その姿を目の当たりにしたベルはある決意をする――。人生の真実を優しく伝え、時代と国を超えて愛され続ける物語13篇。
  • ピエールとジャン
    -
    医者のピエールと弁護士のジャンは、性格はまるで違うが、いたって仲のよい兄弟である。ある日、ジャンにだけ思いがけない方面から遺産が送られてき、兄ピエールは、弟は果して誰の子なのか、愛する母には何か秘密があったのではないかと、深い疑惑をいだきはじめる……。典型的な心理研究の文学で、漱石もこの作品を讃嘆している。1888年作。ほかに「小説について」を併録する。
  • ピーター・パンの冒険(新潮文庫)
    3.0
    半分が鳥、半分が人間の赤ん坊で、生まれてから1週間で成長することをやめたピーターは、家の窓から飛び出して不思議な冒険に出かける。ロンドンのケンジントン公園を舞台に、凧のしっぽにぶら下がってゆらゆら、ツグミの巣のボートで池を横断し、妖精たちの舞踏会に現れて人気者になる。子供だけが見ることができる妖精と少年少女が繰り広げるロマンティックで幻想的な物語、新訳で復活!
  • フィツジェラルド短編集
    3.8
    抜群の感受性で時代の寵児となり、真摯に人生の理想を追った人フィツジェラルド。「人生は崩壊の過程である」となぜ彼は書くことになるのか。ニューヨークの上流家庭に生まれた青年アンスンを憧れと揶揄をもって描いた「金持の御曹子」、大恐慌後、パリに静かな悔恨と不屈の魂で佇むチャーリーに熱い思いを託した「バビロン再訪」等、彼自身と当時のアメリカを彷彿とさせて魅力的な6編。
  • 風車小屋便り
    -
    ドーデのすぐれた知的構成は、自然主義文学にあまり好意を示さなかった鴎外、漱石をして讃嘆せしめた。わけても彼の出世作たる「風車小屋便り」は、舞台を故郷南フランスの丘にとり、明るい太陽と地方色豊かな風物の中にくりひろげられる、純情素朴な人々の哀愁が、詩的風格と軽妙な筆で、慈しみの目をもちながらも鋭く記録された、珠玉のコント(掌篇)集である。1869年刊。
  • 風流滑稽譚(一)
    -
    「人間喜劇」の作者バルザックとしての名声があまりにも偉大なため、彼の戯作は余技のように見られがちだが、これはバルザックの百以上にものぼる作品のうち、いわゆる好色文学のレッテルを付されながら、天衣無縫の芸術作品と真に称しうるものの一つである。1832~1837年刊。「美姫インペリア」「仮初の咎」「王の愛妾」「悪魔の後嗣」「路易十一世瓢逸記」「大元帥夫人」「箱入娘」「金鉄の友」「衣手の風流」「当意即妙」の10篇収録。
  • 冬の日誌/内面からの報告書(新潮文庫)
    4.3
    君がまだ3歳か4歳だった頃、君と地面はもっと近かった。君の父親がついた小さな嘘。母親が打った特大のホームラン。心揺さぶられた映画。性の目覚め。学生運動。パリでの暮らし。妻との出会い。外見はまるで変わっても、君はまだかつての君なのだ――。人生の冬にさしかかった著者が、身体と精神の古層を掘り起こし、自らに、あるいは読者に語りかけるように綴った、温かで幻想的な回想録。
  • フロイト自伝
    -
    一八五六年、現在はチェコの東部、当時オーストリア領だったモラヴィアの田舎町フライベルクに生れたジークムント・フロイトは、長くウィーン大学で教鞭をとり、一九三八年にロンドンへ亡命した翌年、八十三年の生涯を閉じた。亡命を除けば、彼の生涯に外的な波瀾はないが、ユダヤ人の血のために苦悩した、その経験は、あの独創的な学説、人生観に、少なからぬ影響を及ぼしている。
  • ポー詩集
    3.5
    詩人として、小説家として、19世紀アメリカ文学の中で特異な光を放つエドガー・アラン・ポー。彼の詩は悲哀と憂愁と幻想に彩られ、ボードレールのフランス語訳によってフランス象徴主義の詩人たちに深い影響を与えたことはよく知られている。本書には、ポー自身が『詩の原理』の中で創作過程を明かしたことで著名な「大鴉」のほか「ヘレンに」「アナベル・リイ」などの代表作を収める。
  • 黒猫・アッシャー家の崩壊―ポー短編集I ゴシック編―
    3.5
    詩人であり、批評家であり、推理小説の祖であり、SF、ホラー、ゴシック等々と広いジャンルに不滅の作品の数々を残したポー。だがその人生といえば、愛妻を病で失い、酒と麻薬に浸り、文学的評価も受けられず、極貧のまま、40歳で路上で生を終えた――。孤高の作家の昏い魂を写したかのようなゴシック色の強い作品を中心に、代表作中の代表作6編を新訳で収録。生誕200年記念。
  • ポー短編集(Ⅰ~Ⅲ)合本版(新潮文庫)
    値引きあり
    -
    詩人であり、批評家であり、推理小説の祖であり、SF、ホラー、ゴシック等々と広いジャンルに不滅の作品の数々を残したポー。だがその人生といえば、愛妻を病で失い、酒と麻薬に浸り、文学的評価も受けられず、極貧のまま、40歳で路上で生を終えた――。孤高の作家の昏い魂を写したかのようなゴシック色の強い作品を中心に、代表作中の代表作6編を新訳で収録。生誕200年記念。(『黒猫・アッシャー家の崩壊―ポー短編集I ゴシック編―』の内容紹介文より) ※当電子版は新潮文庫版『ポー短編集』シリーズⅠ~Ⅲをまとめた合本版です。
  • マクベス
    3.5
    かねてから、心の底では王位を望んでいたスコットランドの武将マクベスは、荒野で出会った三人の魔女の奇怪な予言と激しく意志的な夫人の教唆により野心を実行に移していく。王ダンカンを自分の城で暗殺し王位を奪ったマクベスは、その王位を失うことへの不安から次々と血に染まった手で罪を重ねていく……。シェイクスピア四大悲劇中でも最も密度の高い凝集力をもつ作品である。
  • マノン・レスコー
    3.8
    自分を死ぬほど愛している純情な貴公子デ・グリュウに、賭博、詐欺などの破廉恥な罪を重ねさせながら、自らは不貞と浪費のかぎりを尽し、しかもなお、汚れを知らぬ少女のように可憐な娼婦マノン。プレヴォーはその美しく多情な姿を創造して、永遠の女性像に新しいタイプを加えた。今日においてもなおみずみずしさを失わない18世紀フランスロマン主義文学の不朽の名作である。
  • マルテの手記
    4.3
    青年作家マルテをパリの町の厳しい孤独と貧しさのどん底におき、生と死の不安に苦しむその精神体験を綴る詩人リルケの魂の告白。
  • 未完の告白
    3.4
    「どこを通るかはほとんど問題ではない。ただどこへ向って行くかが問題である」という信念をもって、人生に大胆にのりだしていく少女ジュヌヴィエーブの手記という形をとり、単に自由を希うだけではなく、積極的にそれを奪いとろうとする少女の姿を通して、虚偽的なもの、圧倒的なもの、因襲的なものに対する反抗を描いた作品。思想的激動期に書かれたため未完のままで発表された。
  • みずうみ
    4.3
    故郷を離れている間に友人と結婚した恋人に、美しい湖のほとりで再会したラインハルトは、過ぎ去った青春が戻らないことを知って去ってゆく。――若き日の恋人に寄せるはかない老人の思いを綴る『みずうみ』。併録の『ヴェローニカ』は、死の予感のはしる美しい人妻の痛ましい恋を、『大学時代』は、貧しい美貌の少女の可憐な反逆を描く。いずれも詩情あふれる美しい恋物語である。
  • 未成年(上)
    4.2
    富豪となり、権力を得ることによって自由を求めようとする私生児アルカージイ・ドルゴルーキー、信仰と不信、西欧とロシア、地上的な恋情と天上的愛に引き裂かれ、そのような自我の分裂を、「万人のための世界苦」に悩まなければならないロシア知識人の宿命と見る、実父ヴェルシーロフ――この分裂した人間像に、アルカージイの戸籍上の父である巡礼マカール老人の神を信じる素朴な精神が対置される。ドストエフスキー後期五大長編の一作。
  • 息子と恋人(上)
    -
    中産階級の出身で教養のあるガアトルウドは、性的に魅力のある炭鉱夫モレルと結婚した。いつしか夫への愛もさめたモレル夫人にとって、美しい息子たちが彼女の恋人的存在となっていた。長男ウィリアムの突然の死に打ちのめされた母親を慰めるのは、絵の上手な16歳の次男ポオルだった。
  • メルヒェン(新潮文庫)
    4.2
    誰からも愛される子に、という母の祈りが叶えられ、少年は人々の愛に包まれて育ったが……愛されることの幸福と不幸を深く掘り下げた『アウグスツス』は、「幸いなるかな、心の貧しき者。天国はその人のものなり」という聖書のことばが感動的に結晶した童話である。おとなの心に純朴な子どもの魂を呼び起しながら、清らかな感動へと誘う、もっともヘッセらしい珠玉の創作童話9編を収録。
  • 燃え上る青春
    -
    パリの裕福な実業家の家に育った主人公アンドレ・モオヴァル。彼と若く美しいド・ナンセル夫人との情事と、彼の将来に期待をかけるモオヴァル家の人々の姿を、詩人でもあるレニエが、流麗かつ詩的に描きあげた、作者円熟期の傑作。本作品発表当時(1909年)の仏文壇では詩人が小説をかくことが流行し、それらの作品では物語に、作者の夢想や感情がもりこまれ、きわめて美術的な小説となっていた。本作品はその代表作であり、堀口大學の名訳で味わうことができる。
  • 野性の呼び声
    4.5
    ゴールド・ラッシュ時代、セント・バーナードとシェパードの血をうけた飼犬バックは、ある日、邸から盗み出され、アラスカ氷原へと連れてゆかれた。そこには、橇犬(そりいぬ)としての苛酷な日々が待っていた。きびしい自然と、人間の容赦ないむちの響きに、バックの野性はめざめてゆく。数年後、広い峡谷を駆けてゆく狼の一群のなかに、毛並みのふさふさとしたたくましいバックの姿が見られた――。
  • 幼年時代
    4.0
    10歳になったわたしは、父の領地で何不自由のない生活をしていたが、勉強のために、兄と一緒にモスクワで暮すことになった。最後の狩、母との別れ、都会での貴族的な生活、そして母の死――。みずみずしさ、屈託のなさ、愛への渇望、純粋な信仰心に満ちた、人生における最も美しい時代を描きながら、のちのトルストイ文学の特質をあますところなく備えもつ、自伝的処女中編である。
  • 四つの署名
    3.6
    ある日、ベーカー街を訪れた若く美しい婦人。父がインドの連隊から帰国したまま消息を断って十年になるが、この数年、きまった日に高価な真珠が送られてくるという……。ホームズ達が真珠の所有者を捜し当てた時、無限の富をもつこの男は殺され、そこには“四つの署名”が――インド王族秘蔵の宝石箱をめぐってテムズ河に繰り広げられる追跡劇! ホームズ物語の2作目にあたる長編。
  • リア王
    4.0
    老王リアは退位にあたり、三人の娘に領土を分配する決意を固め、三人のうちでもっとも孝心のあついものに最大の恩恵を与えることにした。二人の姉は巧みな甘言で父王を喜ばせるが、末娘コーディーリアの真実率直な言葉にリアは激怒し、コーディーリアを勘当の身として二人の姉にすべての権力、財産を譲ってしまう。老王リアの悲劇はこのとき始まった。四大悲劇のうちの一つ。
  • リチャード三世
    3.9
    身体に障害を負った野心家グロスター公リチャードは、兄のエドワード四世王が病に倒れると、王権を狙い、その明晰な知能と冷徹な論理で、次つぎに残忍な陰謀をくわだて、ついに王位につく──。魔性の君主リチャードを中心に、薔薇戦争終結へといたる権謀術数の暗部を描き、口を開いた人間性のおそろしい深淵に、劇詩人シェイクスピアが、真っ向からいどんだ傑作史劇である。
  • 林檎の樹
    3.9
    銀婚式の日、妻と共に若い日の思い出の地を訪れた初老のアシャーストの胸に去来するものは、かつて月光を浴びて花咲く林檎の樹の下で愛を誓った、神秘的なまでに美しい、野性の乙女ミーガンのおもかげ、かえらぬ青春の日の悔いだった……。美しく花ひらいた林檎の樹(望んでも到達することはできない理想郷)の眩ゆさを、哀愁をこめて甘美に奏でたロマンの香り高い作品。
  • 林檎の樹(新潮文庫)
    4.0
    徒歩旅行の途中、果樹園のある農場に宿を求めたロンドンの学生アシャースト。彼はそこに暮らす可憐な少女、ミーガンに心を奪われる。月の夜、白い花を咲かせる林檎の樹の下でお互いの愛を確かめ合った二人は、結婚の約束をする。だが旅立ちの準備で町へ出たアシャーストを待っていた運命は――。自然の美と神秘、恋の陶酔と歓び、そして青春の残酷さが流麗な文章で綴られる永遠のラブストーリー。
  • 恋愛論
    4.0
    恋の猟人であった著者が、苦しい恋愛のさなかで書いた作品である。自らの豊富な体験にもとづいて、すべての恋愛を「情熱的恋愛」「趣味的恋愛」「肉体的恋愛」「虚栄恋愛」の四種類に分類し、恋の発生、男女における発生の違い、結晶作用、雷の一撃、羞恥心、嫉妬、闘争などのあらゆる様相をさまざまな興味ある挿話を加えて描きだし、各国、各時代の恋愛について語っている。
  • ロビンソン・クルーソー(新潮文庫)
    4.3
    一六三二年、英国に生れた船乗りロビンソンは、難破して絶海の孤島に漂着した。ここから二十八年に及ぶ無人島生活が始まった――。不屈の精神で鳥や亀を獲り、野生の山羊を飼い慣らしてバターやチーズを作り、パンまでこしらえてしまう。ところが驚天動地の事態が……。めげない男ロビンソンを通して人間の真の強さを描き、世界中に勇気と感動を与えてきた、冒険文学の金字塔。待望の新訳。
  • ロビンソン漂流記
    3.8
    難船し、ひとり無人島に流れついた船乗りロビンソン・クルーソーは、絶望と不安に負けず、新しい生活をはじめる。木材をあつめて小屋を建て、鳥や獣を捕って食糧とし、忠僕フライデーを得て、困難を乗りきってゆく。社会から不意に切り離された人間が、孤独と闘いながら、神の摂理を信じ、堅実な努力をつづけてゆく姿を、リアリスティックに描いたデフォーの冒険小説である。
  • ワインズバーグ、オハイオ(新潮文庫)
    4.0
    オハイオ州の架空の町ワインズバーグ。そこは発展から取り残された寂しき人々が暮らすうらぶれた町。地元紙の若き記者ジョージ・ウィラードのもとには、住人の奇妙な噂話が次々と寄せられる。僕はこのままこの町にいていいのだろうか……。両大戦に翻弄された「失われた世代」の登場を先取りし、トウェイン的土着文学から脱却、ヘミングウェイらモダニズム文学への道を拓いた先駆的傑作。(解説・川本三郎)
  • 若き詩人への手紙・若き女性への手紙
    4.5
    「若き詩人への手紙」は、一人の青年が直面した生死、孤独、恋愛などの精神的な苦痛に対して、孤独の詩人リルケが深い共感にみちた助言を書き送ったもの。「若き女性への手紙」は、教養に富む若き女性が長い苛酷な生活に臆することなく大地を踏みしめて立つ日まで書き送った手紙の数々。その交響楽にも似た美しい人間性への共同作業は、我々にひそかな励ましと力を与えてくれる。
  • ヴェニスの商人
    3.8
    ヴェニスの若き商人アントーニオーは、恋に悩む友人のために自分の胸の肉一ポンドを担保に悪徳高利貸しシャイロックから借金してしまう。ところが、彼の商船は 嵐でことごとく遭難し、財産の全てを失ってしまった。借金返済の当てのなくなった彼はいよいよ胸の肉を切りとらねばならなくなるのだが――。機知に富んだ胸のすく大逆転劇が時代を越えてさわやかな感動をよぶ名作喜劇。

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