終始不穏な雰囲気でそれがすごく刺激的で読む手が止まらなかったです。
読んでいる最中に、主人公の父親に対する宗教的な尊敬が、主人公の純粋さを表していると思いました。また、若さゆえの身内を疑わない姿勢もよかったです。
ジナイーダは、周りから好意を寄せられているにも関わらず、既婚者である主人公の父親と関係
...続きを読むを持ち続けているのも、若さゆえの自己犠牲の表れ、それすらも楽しんでいると感じました。
ジナイーダと関係を持つ男性が存在している手がかりが色んなところに散りばめられており、先の展開を想像しながら読むのが楽しかったです。中盤、父親の死んだ年齢だったり、愛する人にすでに恋人がいた時は相手を殺す、みたいな会話があって、私は最後に主人公が父親を殺して終わるかなと思ってドキドキして読んでました。
恋とは自己犠牲である。全てを失ってでも愛したいのであれば、それが恋である。この小説で伝えたいメッセージはこういうものだと思いました。
令和の今でも共感できることが多くて、この小説が1800年代後半に出たのが驚きです。