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Posted by ブクログ 2020年04月05日
一般的な恋愛物語ではないと思わせる様な文体。16歳とは思えないほどの思慮が成熟した主人公が歳上女性を愛していく様を描いている。勿論思慮が未熟であるとも取れるが、文体のみで主人公の気持ちを想像するのであれば、常識的な世間批判からも苦しめられ、非道徳と道徳を常に真面目に考えている主人公の葛藤が描かれてい...続きを読む
Posted by ブクログ 2013年12月26日
某作家さんがオススメしていたので、ずっと気にはなっていたけれど、内容もラディゲという作家も知らず、今の今まで。もっと早くに読みたかった!という思いと、今でないと理解できなかったところが多数あるのではという思いが混在しています。
恋愛心理をここまで冷静に書けること自体が、異様というか偉業というか。恋愛...続きを読む
Posted by ブクログ 2013年02月28日
あとがき(訳者)新庄嘉章さん曰く『年上の女性との恋愛,その場合の男性のエゴイズム,そのエゴイズムの犠牲となる女性の死』のお話で『少年から青年になろうとする最も動揺定めない過渡期の魂を,冷徹な目で凝視して』るのがすんごいとのことですが,そう表現されているほどありきたりな感じではありません。
私はこれは...続きを読む
Posted by ブクログ 2011年01月02日
若さのエゴイズム、欲望、戸惑い、残酷さ、憧憬、同化し同化される恋愛の心理が余すことなく書かれている。若くなければ書けないし、十代でこんな作品を書いたラディゲはやはり天才である。読めば十代の頃に立ち戻り、願望を満たしてくれる。
禁じられた遊び「愛のロマンス」のメロディが頭の中に鳴り響く。若き人妻との禁...続きを読む
Posted by ブクログ 2010年12月27日
自分の心理を(発見を?)何の常識にも定説にも預けずに描写しきってるの。作品の評価に年齢は関係ないけどやはり天才とは早熟の人をしていうのだと思うよ。ラスト数行でゴゴゴと音がしそうな程強くどうしようもなく流れる時流と諦念みたいなものに巻き込まれるのを感じた。いや「諦念」じゃないか…?うむ。 「自らを責め...続きを読む
Posted by ブクログ 2010年09月19日
あらすじだけを言えば、まだ十代の若い男が人妻であるマルトと不倫関係に陥り、最終的にはマルトが不倫でできたと思われる子供の出産のせいで死ぬという悲劇的なもの。この話自体で何が言いたかったのかよく分からないが、内容それ自体よりも、その過程の描き方や心情の分析が鋭く、良い作品にしている。
この作品は...続きを読む
Posted by ブクログ 2021年04月19日
大学のフランス文学講義の予習で読みました。
フランス文学は人間の内面を緻密に表象していくのが特徴的ですが、「肉体の悪魔」では感情をどこか俯瞰したような機械的な描写で内容が濃かったです。
マルトと僕のお互いのバランスの駆け引きが一文で記されたりしますが、何倍も時間をかけてじっくり読みました。
主...続きを読む
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