新潮社作品一覧

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  • 図書室
    3.9
    1巻1,760円 (税込)
    定職も貯金もある。一人暮らしだけど不満はない。ただ、近頃は老いを意識することが多い。そして思い出されるのは、小学生の頃に通った、あの古い公民館の小さな図書室――大阪でつましく暮らす中年女性の半生を描いた、温もりと抒情に満ちた三島賞候補作。社会学者の著者が同じ大阪での人生を綴る書下ろしエッセイを併録。
  • 発酵は冷蔵庫におまかせ! 子どもと作れる12か月のパン
    -
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 生地をこねるのはちょっと、冷蔵庫で寝かせるだけ。オーブントースターで焼けるから、子どもにも初心者にもピッタリ。1月の「十二支パン」から、3月の「おひなさまパン」、5月の「こいのぼりパン」、9月の「お月見パン」、12月の「クリスマスパン」まで、月ごとに季節の行事や旬の素材を盛りこんだ簡単レシピが満載。
  • 夜間飛行
    4.3
    1巻1,760円 (税込)
    昭和四十年代の東京に花開いた文壇バー。その拠点たる銀座で、文士たちの両眼を虜にし、「最後の女給」と謳われた女。九州の料亭の娘に生れ、美貌ゆえに数奇な運命を強いられたその短くもパワフルな生涯を、姪の眼から辿った長編小説。銀座が不夜城を誇り、地方が活力に満ちていた昭和を、ノスタルジーたっぷりに再現する。
  • 家康に訊け
    3.0
    1巻1,760円 (税込)
    混迷の現代日本の舵取り役を、今、戦国武将に求めるとすれば、やはり信長か、はたまた秀吉か――否、水先案内人は徳川家康を措いてありえない! 資源に恵まれぬ地に生れ、人質生活を長く強いられた家康のサバイバル戦略を、独自のデータと「加藤史観」が解明する歴史エッセイ。伝奇小説『宇都宮城血風録』を加えた遺作集。
  • 世界史を変えた新素材(新潮選書)
    4.1
    金、鉄、紙、絹、陶磁器、コラーゲン、ゴム、プラスチック、アルミニウム、シリコン……「材料科学」の視点から、文明に革新を起こしてきた12の新素材の物語を描く。「鉄器時代」から「メタマテリアル時代」へと進化を遂げた人類を待ち受ける未来とは――ベストセラー『炭素文明論』に続く大興奮のポピュラー・サイエンス。
  • 遊廓に泊まる(とんぼの本)
    3.8
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 独特の意匠を誇る廓建築に魅せられたカメラマン関根虎洸が、各地にわずかに残る現役営業中の「泊まれる遊廓」を渾身取材。破風屋根や大階段、中庭をぐるり囲んだ回廊、壁や床に施された華やかなデザイン……かつて宮大工たちが腕を振るった、遊び心に満ちた造りは必見。遊廓時代を知る人たちの証言も貴重だ。奇跡のように残された20の「夢の跡」へ、ディープにご案内しよう。 ※当電子版はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字列のハイライトや検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。ご了承ください。
  • 道の向こうの道
    3.5
    1巻1,760円 (税込)
    一九五六年、大阪から上京し、早稲田大学露文科に入学。最初の授業でこう言われる。「露文科の学生になったからには、もはや就職はあきらめたまえ」。米川正夫ら教授陣、李恢成など個性豊かな級友たち、著名な学者のコケティッシュな娘、親戚のような大家一家や愛情深い両親の姿……。自在なスタイルで描く自伝的連作集。
  • 俺はNOSAKAだ ほか傑作撰
    -
    稀代のトリックスターが素顔を明かし感動極まる表題作、前人未到の絶品「骨餓身峠死人葛(ほねがみとうげほとけかずら)」など短篇の他、「火垂るの墓」の原点「プレイボーイの子守唄」、「山椒魚」末尾削除問題への疑問、大島渚監督への詫び状、田中角栄追悼の名エッセイ、さらに坪内祐三との対談を附す。 ※単行本に収録の「戦争童話集沖縄篇 石のラジオ」は電子書籍版には収録しておりません。
  • 経済成長主義への訣別(新潮選書)
    3.8
    私たちは実に大きな「誤解」をしている。経済成長が人々を幸福にする――という思い込みだ。すでに到達してしまった豊かな社会でこれ以上の成長至上主義を続ければ、人々の「ふつうの生活」は破壊され続けるだけなのだ。日本を代表する社会思想家が、「人間にとって経済とは何か」を根本からとらえ直した圧倒的論考。
  • カストロの尻
    3.7
    1巻1,760円 (税込)
    「小説家の「幸福」」をめぐる考察、デイジーの刺繍をしたブラウス、岡上淑子によるフォト・コラージュ作品、謎めいた宿命の女、胡同(フートン)に咲き乱れるジャスミンの香り、金粉ショーのダンサーとの狂乱の恋、そして「塊」と「魂」。無数の映像や小説、夢や記憶の断片が繊細に絡み合い紡がれ、ここに前代未聞の物語が誕生した!
  • 行こう、どこにもなかった方法で
    4.3
    扇風機やトースターを再発明し、斬新なアイデアで人々を驚かせ続ける「バルミューダ」。その発想の原点はどこにあるのか。かつてロックスターになりたかった若者が、ものづくりに新たな夢を見いだし、大ヒット商品を生みだすまでの興奮と驚きに満ちた道のり。
  • 老舗の流儀―虎屋とエルメス―
    3.6
    「エルメスのライバルを強いて挙げるならば虎屋」。この言葉から始まった、虎屋17代目とエルメス本社前副社長の対話。会社が長く続く理由とは? 働くことの意義とは? パリ本店「エルメス・ミュージアム」や和菓子を研究し紹介する「虎屋文庫」、それぞれの工房まで。当事者が案内する、最先端を走り続ける企業の舞台裏。
  • 現代史の中で考える
    4.0
    大英帝国の繁栄と衰亡。天安門事件とソ連の崩壊からひもとく、共産主義の本質とヨーロッパの将来。「パールハーバー五十周年」に思う、太平洋戦争のリーダーたち。そして、和辻哲郎と天皇制。文明論や近現代史を読み解きながら、日本のとるべき道を示唆した貴重な発言の数々。自由闊達な発想とその独特の史観から、論壇に多くの足跡を残した歴史家の「遺言」。
  • 世界史の中から考える
    3.8
    歴史は繰り返す――英国議会政治の善し悪し、三百年前の欧州における投機バブルから、米内光政など日本政治史におけるリーダー論まで、現代日本が抱える問題の相似形が、世界史を繙くことで見えてくる。十八世紀のヨーロッパや近代の日本に、「現代」と格闘するためのヒントを探る、卓抜なるアフォリズムに満ち溢れた、偉大な歴史家による最後のエッセイ集。
  • 美の考古学―古代人は何に魅せられてきたか―
    4.5
    60万年前のホモ・ハイデルベルゲンシスの石斧に始まり、縄文・弥生土器、古墳に至るまで、考古学は物の機能や技術面しか見てこなかった。だが、じつは「美」こそが、いにしえの人びとの在りかたを方向づけてきたのだ。物に託された数と図形、色や質感などを切り口に、人の心の動きと社会の変遷とを重ね合わせる画期的論考。 ※新潮選書に掲載の図版の一部は、電子版には収録しておりません。
  • 不死身の花―夜の街を生き抜いた元ストリート・チルドレンの私―
    4.0
    団地の廊下で、出前の残飯を探して食べて、生き延びた。「死ぬこと以外のすべて」と闘いながら、それでも生きることをやめなかった女が、衝撃の単行本デビュー。あらゆる不幸で頁が埋め尽くされた驚愕の告白手記。
  • 時のながめ
    -
    郷里秋田の角館の山桜、六月の葉山の若い緑の木々、敬愛する唐木順三氏の信州の別荘から見はるかす富士。家を焼かれ逃げ惑った空襲の悪夢、終戦のあとに命を絶った母、尼になった叔母。田宮虎彦、藤枝静男、後藤明生、江藤淳、三浦哲郎、秋山駿……亡き友人知己への痛烈な想い。清冽な文章で書かれた、九年ぶりのエッセイ集。
  • 仏教思想のゼロポイント―「悟り」とは何か―
    4.4
    ブッダの直弟子たちは次々と「悟り」に到達したのに、どうして現代日本の仏教徒は真剣に修行しても「悟れない」のか。そもそも、ブッダの言う「解脱・涅槃」とは何か。なぜブッダは「悟った」後もこの世で生き続けたのか。仏教の始点にして最大の難問である「悟り」の謎を解明し、日本人の仏教観を書き換える決定的論考。
  • 友は野末に―九つの短篇―
    -
    1巻1,760円 (税込)
    奇病、幻視、劣等感、孤絶、放蕩、芸能好き、人恋しさ、人嫌い――無頼と称され、無比に優しい人とも呼ばれた作家が遺した、魂をさらけ出す私小説名品集。強靭で、懐の深い文章が紡ぎ出す、あざやかな人物造形と生々しい心象の数々。嵐山光三郎との対談と、夫人へのインタビューを附す。※単行本の収録内容の一部は、電子版には収録しておりません。
  • 清張映画にかけた男たち―『張込み』から『砂の器』へ―
    4.5
    ただの娯楽映画にはしたくなかった。松本清張の世界を徹底してリアルに描きたかった。野村芳太郎、橋本忍、山田洋次らは『張込み』にすべてをかけた。やがて彼らは、大ヒット作『砂の器』を生み、幻の映画『黒地の絵』へ……何かに打ち込むことがすべてだった「昭和」の日々を描く、情熱と哀惜のノンフィクション。
  • 21世紀の世界文学30冊を読む〔電子版〕
    3.9
    1巻1,760円 (税込)
    ポール・オースター、トマス・ピンチョンからミランダ・ジュライ、ジュノ・ディアス、そしてアフリカ、中国、ラテンアメリカ、旧ユーゴスラビアの作家まで。未訳の同時代小説をいち早く読み、紹介してきた著者による、明快にして刺激的な世界文学ガイド決定版。※単行本に掲載の[訳し下ろし短編]は、電子版には収録しておりません。
  • 生き延びるための世界文学―21世紀の24冊―〔電子版〕
    4.0
    1巻1,760円 (税込)
    タオ・リン、アレハンドロ・サンブラらの新鋭から、J・M・クッツェー、トニ・モリスンらの大御所まで。世界文学の「いま」を伝える、最速・最強のガイド、待望の第二弾。文句なしに面白い21世紀の24冊を紹介。※単行本に掲載の[訳し下ろし短編]は、電子版には収録しておりません。
  • 無限花序
    5.0
    1巻1,760円 (税込)
    小説という虚構の世界に人間の真実を宿らせるには、どうすればいいのか。物語を解体した。言葉に疑念をはさんだ。そして、いつしか「おはよう」という挨拶すら容易に口にはできなくなっていた――故立原正秋氏らに才能を評価されながら、著者は郷里に帰り十数年余、研鑽を重ねた。古代中国の世界を描く以前の初期作品を厳選し、デビュー十年を機に刊行する。
  • 生誕101年 「カミュ」に学ぶ本当の正義―名作映画でたどるノーベル賞作家46年の生涯―
    4.0
    母国フランスと生まれ育った故郷とのあいだの葛藤に悩んだアルジェリア戦争。国境を越えて世界中に戦慄の衝撃をあたえた「異邦人」、革命をめぐるサルトルとの論争の真の勝利者はどちらか――不条理文学の旗手である一方、革命とテロが避けられない全体主義を終始批判しつづけたカミュ。その人生と思想を鮮やかに浮き彫りにする。
  • 臨界
    -
    1巻1,760円 (税込)
    四十年前、日本が陥った未曾有のエネルギー危機。背後でほくそ笑む大国、巨利を狙う世界企業、暗躍するCIA。東京、ワシントン、パリ、そして中東を結ぶ「影のライン」が発動し、ウラン精鉱が闇に消える……。日本の原発建設を利用した高度な情報戦、極秘取引とは。英米の公文書を徹底取材、小説でしか描けない驚愕の密約に迫る!
  • 決定版カーネギー 道は開ける―あらゆる悩みから自由になる方法―
    3.8
    「将来のことが心配で眠れない」「昨日の失敗で気が重い」――。なぜ私たちは心や身体が壊れるまで悩んでしまうのか。数千人の悩みと向き合ってきたカーネギーが綴る「不安、心配、悩み」の克服法。読めば前向きに、健やかに生きられる! 驚くほど読みやすい画期的かつ大胆な新訳と、本文デザインで甦る「本当のカーネギー」。
  • 芦原英幸正伝
    4.0
    著者との10年に及ぶ濃密なる交流と、膨大な関係者の証言により、50歳の若さで逝った伝説の天才空手家の実像がくっきりと浮かび上がる。大山倍達が震え上がった最後の支部長会議、拳銃の刺客返り討ち事件、正道会館によるクーデターの真相他。誰よりも強く、破天荒で、そして優しかった天才の真の姿が、ついに描き出された!
  • 黒富士
    3.0
    1巻1,760円 (税込)
    亡き父の預り物を持って蓑太は富士をめざしていた。届け先は道場を経営するかたわら天然水の販売を手がける書家の彷尊。その途次、道場に囚われているという娘の救出を乞われる。正邪の定かならぬ男女、ゴミ山、毒、群発地震……木口木版画・美術家のイマジネーションが描き出す、黒く焼け出された人間の業と富嶽の断末魔。
  • ミッキーはなぜ口笛を吹くのか―アニメーションの表現史―
    3.3
    1906年、世界初のアニメーション映画で、黒板に絵が描かれるのはなぜか。ポパイの歩行、ベティ・ブープの大きな口、『トムとジェリー』の音楽の魅力とは? アメリカン・アニメーションの傑作を読み解き、ウィンザー・マッケイ、ウォルト・ディズニー、フライシャー兄弟など、巨匠たちの表現技法の謎に迫る。(電子化にあたり図版を削除しました)
  • 批評時空間
    3.0
    1巻1,760円 (税込)
    ジャン=リュック・ゴダール、チェルフィッチュ、アルヴァ・ノト、飴屋法水、ジョナス・メカス、吉増剛造、クリント・イーストウッド――。映画、演劇、音楽、写真など、さまざまな分野の作品が生まれる場所に立ち、震災後の著者の、そして私たちの心の動きに寄り添いながら、芸術表現のありようを凝視し思索する12の論考。

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  • 雲の都―第一部 広場―
    -
    1~5巻1,760~2,112円 (税込)
    昭和27年、一代で三田に外科病院を築いた祖父時田利平はすでに亡く、一族の長老、政治家の風間振一郎も急死した。東大の医学生悠太はセツルメントに関わっている、後に“血のメーデー”と呼ばれるデモに参加して負傷、妹央子はヴァイオリンの才能を認められパリに滞在している。占領が解かれ、混乱しつつ復興する東京を舞台に、『永遠の都』の外科病院一族の戦後を描く。

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  • 日本はなぜ開戦に踏み切ったか―「両論併記」と「非決定」―
    4.2
    1巻1,760円 (税込)
    第三次近衛内閣から東条内閣まで、大日本帝国の対外軍事方針である「国策」をめぐり、陸海軍省、参謀本部、軍令部、外務省の首脳は戦争と外交という二つの選択肢の間を揺れ動いた。それぞれに都合のよい案を併記し決定を先送りして、結果的に対米英蘭戦を採択した意思決定過程をたどり、日本型政治システムの致命的欠陥を指摘する。

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  • 屋根裏プラハ
    3.0
    長年この街にアトリエを構えてきた写真家が、住民でもなく旅行者でもない、「屋根裏」からの視点で綴る17章。ふとした瞬間に見える歴史の爪痕。ホテルプラハに漂う旧共産圏の不穏な気配。国境と旅券というものの不思議。伝説の写真家たちの思い出――。独特のユーモアの間に街と人への敬意が滲む、個性溢れる名エッセイ。

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  • 挫折する力―新藤兼人かく語りき―
    5.0
    自分の納得できる映画を作りたくて、決然と立ちあげた独立プロの活動は、昔も今も悪戦苦闘の連続。しかし常に粘り強く、さらに踏みこんだ仕事を目指して止まない頑固者の映画人が、紆余も曲折もたっぷりあった自身の道のりを生き生きと振り返り、老いてこその現在を存分に語る。新藤兼人白寿記念出版、コクのある名人生談義。

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  • ハウス・オブ・ヤマナカ―東洋の至宝を欧米に売った美術商―
    3.8
    19世紀からアメリカに進出し、日本美術品を大量に販売した骨董商・山中商会。20世紀初には清朝崩壊で大量放出された中国美術の大オークションをニューヨークやロンドンで開くが、日米開戦で莫大な資産を失い、所蔵コレクションは全て売り払われる。歴史の荒波に揉まれて消えた、世界的美術商の知られざる六十年。

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  • ファウスト(一~二)合本版(新潮文庫)
    -
    世界の根源を究めようとする超人的欲求をいだいて、ファウストは町へ出る。理想と現実との乖離に悩む彼の前に、悪魔メフィストーフェレスが出現、この世で面白い目をみせるかわりに、死んだら魂を貰いたい、と申出る。強い意志と努力を信じる彼は契約を結び、若返りの秘薬を飲まされて、少女グレートヒェンに恋をするが――前後六十年の歳月をかけて完成された大作。 ※当電子版は新潮文庫版『ファウスト』一~二巻をまとめた合本版です。
  • おとこの秘図(上中下) 合本版
    値引きあり
    2.0
    時は元禄――旗本の息・徳山五兵衛(幼名・権十郎)は、妾腹の子ゆえに父から疎まれていた。剣の修行に明け暮れる十四歳の初夏、侍女への無謀な振舞いがもとで、父子の不和は決定的となった。四年後、道場主の他界を機に、一介の剣士として生きようと同門の浪人剣客・佐和口忠蔵を慕って江戸を出た。父はこの出奔を利用して、執拗なまでにわが子廃嫡の策謀をつづけていた。 ※当電子版は『おとこの秘図』(上)(中)(下)の全三巻をまとめた合本版です。
  • 論争 大坂の陣(新潮選書)
    -
    「西軍敗戦で豊臣家は一大名に転落」「征夷大将軍は唯一の天下人」「家康は豊臣滅亡を虎視眈々と狙っていた」「方広寺鐘銘問題は言いがかり」「大坂方は騙されて内堀まで埋めさせられた」。諸説せめぎあう中、「二重公儀制」論を掲げる近世史の第一人者が、関ヶ原から「戦国最後にして最大の激戦」に至るまでの真相を明らかにする。
  • 百年の短歌(新潮選書)
    -
    1巻1,815円 (税込)
    森鴎外、樋口一葉、柳田國男、斎藤茂吉、中島敦、塚本邦雄、岡井隆、河野裕子、俵万智、穂村弘……。子規の短歌革新から始まり、前衛短歌運動、口語短歌などの広がりを見せながら、短歌は日々の暮らしと密着した詩型であり続けた。105首の名歌を懇切に鑑賞することにより、作歌へのヒントが学べるユニークな短歌入門書。
  • 家守綺譚 上
    完結
    4.8
    全2巻1,815~1,870円 (税込)
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 時は明治時代、文筆家・綿貫征四郎は、亡友の家の「家守」として暮らすことになった。待っていたのは白木蓮や都わすれ、萩、サザンカなど植物に満ちた庭。そして、サルスベリに懸想されたり、河童の衣を拾ったり、化狸を助けたりといった不思議な出来事が次々と起こり……。梨木香歩の傑作小説を巨匠・近藤ようこが漫画化。上巻。 ※このコンテンツは固定レイアウトで作成されており、タブレットなど大きなディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字列のハイライトや検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。
  • これはいつかのあなたとわたし
    4.2
    1巻1,815円 (税込)
    「原稿、泣きながら拝んで読みました」と持ち上げながら必ず直しを命じる編集者。BE:FIRSTのLEOさんが涙ながらに語った決意、初ラブホでの醜態、母の口癖、J-WAVEに届くブラックなお悩み相談。日常と非日常の忘れられない/忘れかけたことを綴り、あるあると哀愁に満ち満ちた随想、これぞ日本のオアシス。
  • 南方抑留―日本軍兵士、もう一つの悲劇―(新潮選書)
    4.0
    敗戦の屈辱に耐えながら炎天下で重労働を強いられた兵士たちは、飢えと望郷の日々の中で何を考え、どう行動したのか。英軍によるジャワ・シンガポール・ビルマ抑留から、米軍によるフィリピン抑留、豪軍によるラバウル抑留まで、日本軍人・軍属の貴重な日記類を読み解き、南方抑留の歴史的背景と過酷な実態を明らかにする。
  • 天気のからくり(新潮選書)
    4.5
    「線状降水帯」はなぜできる? 台風はどこまで大きくなる? 空にある世界最大の川とは? 日本書紀から古代日本の台風被害を予想し、歌川広重の版画から雨粒の形に思いを馳せ、台風の謎を解明するためジェット機で突入する気鋭の気象学者が見れば、世界はこんなに美しい。明日から空を見る目が変わる気象エッセイ。
  • あの子とO
    3.7
    1巻1,815円 (税込)
    漫画家を目指す双子の小学生吸血鬼、ルキアとラキア。二人はスランプから抜け出すため、ピッツェリアに見習い職人としてやってきたオーエンにキャンプに連れて行ってもらうことになった。オーエンには吸血鬼だということを知られてはいけない。でもその夜、ある事件に遭遇し――。変速するヴァンパイアストーリー全三篇。
  • 謎ときエドガー・アラン・ポー―知られざる未解決殺人事件―(新潮選書)
    4.6
    米文学史に名を刻む天才作家にして「推理小説の始祖」ポーは、なぜある時から突然、推理小説を書くのをやめたのか? 世界最高峰のミステリ賞〈エドガー賞〉(評論・評伝部門)で日本人初の最終候補、『謎ときサリンジャー』で小林秀雄賞受賞の稀代の〈文学探偵〉による世紀の「発見」とは。作家解釈をも揺るがす震撼の論考。
  • 友近の思い立ったらひとり旅
    3.4
    1巻1,815円 (税込)
    愛読書は旅行雑誌と時刻表。仕事の合間に旅行サイトを徘徊するのが日課で、全ての都道府県を制覇してもなお、一日に約五時間も旅のことを考える。地方ロケの後に足を延ばした温泉宿、稽古中に見つけた美味しいお店、自宅でも旅気分が楽しめるグッズたち。温泉、グルメ、鉄道、絶景を網羅したごきげんなひとり旅のススメ。
  • 蔦屋重三郎―江戸の反骨メディア王―(新潮選書)
    3.7
    貸本屋から身を起こし日本橋通油町の版元となった「蔦重」こと蔦屋重三郎。江戸後期、田沼意次の浮かれた時代に吉原の「遊郭ガイド」を販売し、「狂歌」や「黄表紙」のヒット作を連発した男は、言論統制を強める寛政の改革に「笑い」で立ち向かう。北斎や歌麿、写楽ら浮世絵師の才能も見出した、波瀾万丈の生涯を活写する。
  • 歌集 月は綺麗で死んでもいいわ
    3.5
    1巻1,815円 (税込)
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 ゆうだちに傘をたたんで空を見る何してんだろ、睫毛がうざい――少年は、ヤクザにならないためにホストになった。そして今、昼と夜の欲望が交差する街・歌舞伎町で、寿司を握りながら歌を詠む。ベストセラー「ホスト万葉集」のトップ歌人にして、異色の経歴をもつ大型新人、珠玉の153首をおさめた初歌集! ※このコンテンツは固定レイアウトで作成されており、タブレットなど大きなディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字列のハイライトや検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。
  • 決壊(上下)合本版(新潮文庫)
    -
    地方都市で妻子と平凡な暮らしを送るサラリーマン沢野良介は、東京に住むエリート公務員の兄・崇と、自分の人生への違和感をネットの匿名日記に残していた。一方、いじめに苦しむ中学生・北崎友哉は、殺人の夢想を孤独に膨らませていた。ある日、良介は忽然と姿を消した。無関係だった二つの人生に、何かが起こっている。許されぬ罪を巡り息づまる物語が幕を開く。衝撃の長編小説。 ※当電子版は新潮文庫版『決壊』上下巻をまとめた合本版です。
  • 日米同盟の地政学―「5つの死角」を問い直す―(新潮選書)
    -
    「米国の戦争に巻き込まれたくない」「軍事協力は最低限に留めたい」――こんな「日本だけの都合と願望」はもはや通用しない。同盟の抑止力を高め、平和を維持するには「日本的視点」を克服した「第三者的視点」を取り入れる必要がある。基地使用、事態対処から拡大抑止まで、意外な盲点から安全保障の課題を突く警鐘の書。
  • 暗殺
    3.5
    1巻1,815円 (税込)
    大学受験の朝、駅で射殺事件を目撃しながら通報を怠った麻紀。やがて親友の恋人として再び姿を現した犯人は職業的殺人者だった――。一方、事件を追う刑事のことみは現役大臣の秘書と交際するうち、大臣の特殊な性癖と周囲の不審な事件を知り、密かに調べを進める。殺人の構図と人間の暗部が読者を打ちのめす傑作長篇。
  • 嫉妬と階級の『源氏物語』(新潮選書)
    4.0
    上流貴族から祖父の代に零落し、夫も亡くし、藤原道長の「お手つき」となり、その娘の家庭教師に甘んじた紫式部。「落ちぶれ感」を抱えた彼女が「もうひとつの人生」を求めて書きはじめた物語には、階級社会に渦巻く激しい嫉妬が描かれている。人気古典エッセイストが、源氏物語に秘められた紫式部のメッセージを読み解く。
  • 吉村昭と津村節子―波瀾万丈おしどり夫婦―
    -
    「結婚したら小説が書けなくなる」。プロポーズをいなす津村を吉村は何度もかき口説いた。「書けなくなるかどうか、試しにしてみてはどうか」。そして始まった二人の人生は、予想外の行路を辿っていく。生活のための行商旅。茶碗が飛ぶ食卓。それでも妥協せず日々を積み重ねる二人に、やがて脚光が……。互いを信じ抜いた夫婦の物語。
  • 山本五十六(上下)合本版(新潮文庫)
    -
    1巻1,815円 (税込)
    戦争に反対しながら、自ら対米戦争の火蓋を切らねばならなかった聯合艦隊司令官山本五十六。今日なお人々の胸中に鮮烈な印象をとどめる、日本海軍史上最大の提督の赤裸々な人間像を余すところなく描いた著者畢生の力作。本書は、初版刊行後、更に調査し、発見した未公開資料に基づき加筆された新版である。上巻では、ロンドン軍縮会議での活躍を中心に、若き日の山本像が描かれる。 ※当電子版は新潮文庫版『山本五十六』上下巻をまとめた合本版です。
  • わたしたちに翼はいらない
    3.7
    1巻1,815円 (税込)
    同じ地方都市に生まれ育ち現在もそこに暮らしている3人。4歳の娘を育てるシングルマザー、朱音。朱音と同じ保育園に娘を預ける専業主婦、莉子。マンション管理会社勤務の独身、園田。いじめ、モラハラ夫、母親の支配。心の傷は恨みとなり、やがて……。「生きる」ために必要な救済と再生をもたらすまでのサスペンス。
  • 欧州戦争としてのウクライナ侵攻(新潮選書)
    4.4
    2022年2月に始まった一方的な侵攻は、ロシアの戦争を超えて欧州全体の問題――「欧州戦争」になった。欧州が結束して武器や弾薬の供与に踏み切った背景、欧州全域を巻き込んだエネルギー危機の行方は? 欧州の安全保障を専門とする著者がこの大転換の構造を分析し、「ウクライナ後の世界」の課題と日本の選択を探る。
  • おやじはニーチェ―認知症の父と過ごした436日―
    4.1
    突然怒り、取り繕い、身近なことを忘れる。変わっていく認知症の父に、60男は戸惑うが、周囲の人の助けも借りて、新しい環境に向き合っていく。結局、おやじはおやじなんだ。時に父と笑い合いながら、亡くなるまでの日々を過ごす。「健忘があるから、幸福も希望もあるのだ」という哲学者ニーチェの至言に背中を押されながら。
  • 無駄学(新潮選書)
    4.0
    話題の『渋滞学』が進化した! トヨタ生産方式の「カイゼン現場」訪問などをヒントに、まったく新しい学問が誕生。無駄とは何か? そのメカニズムとは? 実践篇では社会や企業、家庭にはびこる「無駄」を検証、省き方も伝授し、さらにポスト自由主義経済の新経済システムまで提言。ビジネスパーソンも家庭人も必読の書。
  • 渋滞学(新潮選書)
    4.1
    人混み、車、インターネット……世の中、渋滞だらけである。新しく生まれた研究「渋滞学」により、その原因と問題解決の糸口が見えてきた。高速道路の設計のコツから混雑した場所での通路の作り方、動く歩道の新利用法まで。一方で、駅張り広告やお金、森林火災など停滞が望ましいケースでのヒントにも論及。渋滞は、面白い!
  • ハレム―女官と宦官たちの世界―(新潮選書)
    3.5
    性愛と淫蕩のイメージで語られてきたイスラム世界の後宮・ハレム。奴隷として連れてこられた女官たちは、いかにして愛妾、夫人、母后へと昇りつめたのか。ハレムを支配する黒人宦官と、内廷を管理する白人宦官は、どのように権力を手にしたのか。600年にわたりオスマン帝国を支えたハイスペックな官僚組織の実態を描く。
  • 全世界史(上下)合本版(新潮文庫)
    -
    複雑きわまる世界史も、たったひとつの歴史=全世界史として読めばもっとわかる、もっと面白い。歴史書一万冊を読んできた著者ならではの切り口で文字の誕生から混迷の現代までを縦横無尽に語る。古代オリエントからローマ、中国、イスラム、モンゴルの歴史がひとつに融合することで日本史の見え方も一新する。現代社会を見る目が変わる、世界史教科書の新・定番。 ※当電子版は新潮文庫版『全世界史』上下巻をまとめた合本版です。
  • 亜シンメトリー
    3.7
    1巻1,815円 (税込)
    バスの中で知り合った女性から、ゲームを持ちかけられた亜樹。シンメトリーな文字に強いこだわりを持つ彼女の人生に興味を持ち始めるが、何度か会う内、その言動にどこか違和感を覚え……(「亜シンメトリー」)。張り巡らされた緻密な仕掛けに気づいた時、世界は突然、姿を変える。めくるめく謎と驚きに満ちた全四篇。
  • リリアン
    4.0
    1巻1,815円 (税込)
    街外れで暮らすジャズベーシストの男と、場末の飲み屋で知り合った年上の女。スティービー・ワンダーの名曲に導かれた二人の会話が重なりあい、大阪の片隅で生きる陰影に満ちた人生を淡く映し出す。表題作の他、女性のひとり語りの短篇「大阪の西は全部海」を収めた、話題の社会学者による哀感あふれる都市小説集。
  • ふだん使いの言語学―「ことばの基礎力」を鍛えるヒント―(新潮選書)
    4.0
    1巻1,815円 (税込)
    「言った、言わないが起こるのはなぜ?」「SNSの文章が炎上しやすい」「忖度はなぜ起こる?」……理論言語学の知見を使い、単語の多義性や曖昧性、意味解釈の広がり方や狭まり方、文脈や背景との関係などを身近な例から豊富に解説。文の構造を立体的に摑む視点が身につき言葉の感覚がクリアになる、実践的案内。
  • 涙をなくした君に
    3.1
    1巻1,815円 (税込)
    両親の愛を享受できなかった記憶に抗い続けながらも、いまだに過去から逃れられないカウンセラーの橙子。テニスインストラクターの夫・律と小学一年生の息子・蓮と、一見平穏な生活を送っている。だが、父が病に冒され、やがて再婚し、そして――。愛された記憶のない人間に、「家族」を大切にすることができるのか。
  • 紳士と淑女のコロシアム 「競技ダンス」へようこそ
    4.4
    正装はパンツの上からスクール水着? どんなに激しく踊っても髪を揺らしてはいけません? 究極の笑顔の破壊力とは? 脇の下の筋肉を鍛えてライバルを優雅に蹴散らし、光速スピンで肉体の限界を軽やかに超える。競技ダンスは闘技場で繰り広げられる究極の格闘技だ。キレキレに踊れる小説家が、大学時代を捧げきった異世界にご案内。
  • 進化論はいかに進化したか(新潮選書)
    3.9
    1巻1,815円 (税込)
    『種の起源』が出版されたのは160年前、日本では幕末のことである。ダーウィンが進化論の礎を築いたことは間違いないが、今でも通用することと、誤りとがある。それゆえ、進化論の歩みを誤解している人は意外に多い。生物進化に詳しい気鋭の古生物学者が、改めてダーウィンの説を整理し、進化論の発展を明らかにする。
  • 逆説の法則(新潮選書)
    3.8
    経済が縮小傾向にあると、人はつい短期的な思考に陥る。目先の利益を優先させるあまり技術の蓄積が疎かになり、次世代を支える長期プロジェクトも立てにくくなる。10年前に渋滞学を世に問うた数理物理学者が、「長期的思考」がいかに正しいかを多くのロジックで証明。ビジネスに応用できる「四つの逆説の法則」が企業を救う。
  • キリスト教は役に立つか(新潮選書)
    4.2
    信仰とは無縁だった灘高・東大卒の企業人は、いかにしてカトリック司祭に転身したか。「孤独感」を解消できたのはなぜか。旧約聖書から新約聖書、遠藤周作からドストエフスキー、寅さんからエヴァンゲリオンまで、幅広くエピソードを引きながら、ノン・クリスチャンの日本人にも役立つ「救いの構造」をわかりやすく解説する。
  • 閉された言語・日本語の世界【増補新版】(新潮選書)
    5.0
    日本語が、世界に稀な特徴を持っていることを知っていますか? 日本語を話す人=日本人という事実上の単一言語国家であり、侵略された経験がない日本人は、いかなる言語を育んできたのか。言語社会学の第一人者が、言葉と文化への深い洞察をもとに、日本語観、外国観、そして私たちの自己像を考える。時代を経ても色褪せぬ論考。
  • 生命の内と外(新潮選書)
    4.2
    生物はあたかも「膜」のようである。内と外との境界で閉じつつ開きながら、必要なものを摂取し、不要なものを拒み排除している。恒常性(ホメオスタシス)とは、そうして生命を維持させていくシステムのこと。身体のあらゆる箇所で機能している緻密で考え抜かれた生命の本質を、日本を代表する細胞生物学者が平易な言葉で説く。 ※新潮選書に掲載の写真・図版の一部は、電子版には収録しておりません。
  • 謎ときガルシア=マルケス
    4.0
    1巻1,815円 (税込)
    生まれ育ったカリブ海の日常生活に潜む底抜けなユーモアのセンスを手がかりに、ラテンアメリカ文学の魅力を『ドン・キホーテ』のスペイン語文学、さらにはコロンブスの“冒険心”まで溯って縦横無尽に解読。数々のマルケス作品を翻訳した著者が、ありきたりの作家論・作品論にとどまらず、世界的文豪の発想力の原点を解き明かす。※新潮選書に掲載の写真は、電子版には収録しておりません。
  • 炭素文明論―「元素の王者」が歴史を動かす―
    4.5
    農耕開始から世界大戦まで、人類は地上にわずか〇・〇八%しか存在しない炭素をめぐり、激しい争奪戦を繰り広げてきた。そしてエネルギー危機が迫る現在、新たな「炭素戦争」が勃発する。勝敗の鍵を握るのは……? 「炭素史観」とも言うべき斬新な視点から人類の歴史を描き直す、化学薀蓄満載のポピュラー・サイエンス。
  • 私家版 差別語辞典
    4.0
    被差別部落に根ざす隠語、あるいは心身障害や職業にまつわる言葉をめぐり、語源や歴史的背景、どこでどのように使われてきたのかなどを具体的に解説。また抗議と自主規制により「消えた言語」となってしまった現状も抉る。“路地”に出自を持ち、「差別の現場」を精力的に取材し続けてきた著者だからこそ書けた「言葉」たちの総覧。

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  • 利他学
    3.3
    「自分の遺伝子を後世に残すこと」が生物の最大の目的ならば、なぜ人は赤の他人を助けるのか? なぜ自分が損をしてまで、震災の被災者に物資や義援金を贈るのか? 「情けは人の為ならず」という言葉と「進化」との関わりは? 生物学、心理学、経済学、哲学などの研究成果もまじえ、人間行動進化学がヒトの不可思議な特性を解明する!

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  • 吉里吉里人(上中下) 合本版
    値引きあり
    -
    ある六月上旬の早朝、上野発青森行急行「十和田3号」を一ノ関近くの赤壁で緊急停車させた男たちがいた。「あんだ旅券ば持って居だが」。実にこの日午前六時、東北の一寒村吉里吉里国は突如日本からの分離独立を宣言したのだった。政治に、経済に、農業に医学に言語に……大国日本のかかえる問題を鮮やかに撃つおかしくも感動的な新国家。日本SF大賞、読売文学賞受賞作。 ※当電子版は『吉里吉里人』(上)(中)(下)の全三巻をまとめた合本版です。
  • 決定版 大東亜戦争(上下)合本版(新潮新書)
    -
    満州事変から始まり敗戦で終わる足掛け15年の戦争は、従来、「先の大戦」「あの戦争」などと曖昧な呼称で論じられてきた。しかし、本書のために集結した歴史家たちは今回、敢えて「大東亜戦争」の表現を選んでいる。イデオロギーを抜きにすれば、この呼称こそが「あの戦争」の全貌を最も的確に伝えるからだ。二分冊の上巻では、開戦後の戦略、米英ソ中など「敵国」の動向、戦時下の国民生活の内実などに迫る。 ※当電子版は新潮新書版『決定版 大東亜戦争』上下巻をまとめた合本版です。
  • 面白南極料理人シリーズ(全4巻)合本版(新潮文庫)
    値引きあり
    -
    ウイルスさえも生存が許されない地の果て、南極ドーム基地。そこは昭和基地から1000kmかなた、標高3800m、平均気温-57℃、酸素も少なければ太陽も珍しい世界一過酷な場所である。でも、選り抜きの食材と創意工夫の精神、そして何より南極氷より固い仲間同士の絆がたっぷりとあった。第38次越冬隊として8人の仲間と暮した抱腹絶倒の毎日を、詳細に、いい加減に報告する南極日記。 ※当電子版は新潮文庫版『面白南極料理人』シリーズ全四巻をまとめた合本版です。
  • 弔いのひ
    NEW
    -
    1巻1,870円 (税込)
    ゲームシナリオの仕事が行き詰まり、逃げ場を求めるように応募した小説でデビューしたわたし。その反動で鬱になり苦しむ中で思い出したのは、子供の頃のこと。両親は折り合いが悪く、父は病と闘っていた。その中で生き延びるためにわたしは書き始めたのだった。自身の「夜明け」のため半生を正面から描き切った渾身の跳躍作。
  • 成瀬は都を駆け抜ける
    NEW
    4.7
    全1巻1,870円 (税込)
    唯一無二の主人公が、今度は京都を駆け巡る! 成瀬シリーズ堂々完結!! 膳所高校を卒業し、晴れて京大生となった成瀬あかり。一世一代の恋に破れた同級生、「達磨研究会」なる謎のサークル、簿記YouTuber……。千年の都を舞台に、ますます個性豊かな面々が成瀬あかり史に名を刻む中、幼馴染の島崎のもとには成瀬から突然速達が届いて……!? 全6篇、最高の主人公に訪れる大団円を見届けよ!
  • 90歳、男のひとり暮らし(新潮選書)
    3.0
    突然始まった単身生活。モットーは「“まあまあ”でいいじゃないか」。簡素に食事を調え、落語は読んで鑑賞、旧知の場所を訪ね、亡き人の思い出に親しみ、眠れぬ夜は百人一首を数える――迫りくる老いを受け止めながら日々を軽やかに過ごすコツを伝授し、人生の豊かさを再認識させてくれる滋味絶佳の老境エッセイ。
  • 全員タナカヒロカズ
    3.6
    メンバーは6歳から82歳まで、年賀はがきや尋ね人広告などを通じて集い、頂点を目指す男たち(赤ちゃん含む)。だが、その行く手に米国のスター、セルビアの伏兵が待ち受ける!! デジタルの時代に「つながり」を問いかける小説よりも奇妙な珍道中、まさかの書籍化。おもしろ事情から驚愕の暗黒面まで、不要不急の知識もてんこ盛り。
  • 松本清張の女たち
    4.1
    雑誌の個性に合わせて作品を書き分けた松本清張が、アウェイの女性誌で書いた小説群に着目。そこに登場する女性主人公たちを、お嬢さん探偵、黒と白の「オールドミス」、母の不貞、不倫の機会均等といったキーワードを軸に考察し、昭和に生きた女たちの変遷を映し出すと同時に、読者の欲望に応え続けた作家の内面に迫る。
  • 霊感インテグレーション
    3.6
    1巻1,870円 (税込)
    ITベンチャー「ピーエム・ソリューションズ」。この会社にはなぜか曰く付きの案件ばかり舞い込んでくる。幽霊からのプッシュ通知、呪われた瞑想アプリ、祟りをもたらすサーバー神社……新米ディレクター多々良数季は、訳ありエンジニア達の助けを借りながら怪異に挑む。ホラーの俊英が放つ、オカルト×テック×ミステリ!
  • 鳥類学者の半分は、鳥類学ではできてない
    4.2
    降り注ぐ火山灰の下で愛を交わすカツオドリの数をかぞえ、学問のためならネコの糞の採集にも精を出す。「子ども科学電話相談」で華麗なる回答を決めたかと思えば、鳥類からカッパに進化するプロセスに思いをはせる。ああ、鳥類学を普及する天竺までの道は曲がりくねって――楽しい! 累計20万部超の大人気「理系蛮族」エッセイ。
  • リストランテ・ヴァンピーリ
    3.8
    1巻1,870円 (税込)
    食材として冷凍されていた男が生き返り、おれは咬まれ、殺されかけたわけだけど、冷静に考えるに最初から仕組まれていたんだ――。銀翼戦争後の北の街を、解体師のオズヴァルドと美少年ルカ、白髪の殺し屋エヴェリスたちが駆ける! 驚異の筆力と世界観で、選考会をぶっちぎりで勝ち上がった圧倒的ヴァンパイアミステリー。
  • 会う力―シンプルにして最強の「アポ」の教科書―
    4.0
    アポの結果は、連絡を取る前にほぼ決まっている。会える確率を高める準備からスムーズな対話への入り口、効果的な質問、関係を深めるための気遣いまで。コネゼロ、知名度ゼロから2000人以上への取材を成功させたインタビューのプロが失敗しない「人との会い方」のコツを包み隠さず大公開。公私で使えるノウハウ満載。
  • 出生前検査を考えたら読む本
    4.0
    年齢制限の撤廃、拡大する検査項目、難しい陽性判定の判断――でも正しい考え方を知れば大丈夫。受検者が増加する新型出生前検査(NIPT)の実情を調べ始め、陽性結果を受けたものの元気な赤ちゃんを産んだ女性に出会った取材班が専門医、カウンセラーへの丁寧な取材と各種データを踏まえ、最新情報をわかりやすく伝える。
  • 天使は見えないから、描かない
    4.0
    1巻1,870円 (税込)
    弁護士の永遠子は33歳。結婚3年目の夫と問題のない関係性を保ちながら、18歳年上の実の叔父・遼一としばしば逢瀬を重ねている。しかし信じていた夫が浮気相手を妊娠させ離婚し、その後、惰性で付き合った若い恋人とも別れてしまう。子供の頃から抱く自らの叔父への歪な欲望に向き合った永遠子が気付いた唯一無二の愛とは。
  • 小学校受験は戦略が9割
    4.0
    1巻1,870円 (税込)
    小学校受験の本質は、各家庭に合った初等教育を見つけること。私立小学校の魅力や、志望校と教室選びの決め手、縁故の役割、願書や面接の実践的な対策など、お受験解説の第一人者である著者が独自の分析をもとに、どう挑むべきか、その戦略を徹底解説。検討中の家庭も取り組み中の家庭も、知りたかった情報が満載の決定版!
  • ふと、新世界と繫がって
    -
    コンビニで落としたワイヤレスイヤホンは亜空間へと旅立ってしまった、自動車学校の練習コースはゲームステージだった、自分の中から急に出てくる不思議な音を追いかけて――。歌詞のワードセンスに定評のあるシンガー・ソングライターが日常生活の一瞬を切り取った純度100%のショート・ショート日記。全25篇。
  • ダンス
    3.5
    1巻1,870円 (税込)
    同じ部署の三人が近頃欠勤を繰り返し、その分仕事が増える私はイライラが頂点に。ある日、三人のうちの一人、先輩女性の下村さんから、彼らの三角関係を知らされる。恋人を取られたのに弱っているのか開き直っているのか分からない下村さんの気ままな「ダンス」に翻弄される私は、いったいどうすれば――新潮新人賞受賞作。
  • セルフィの死
    3.6
    1巻1,870円 (税込)
    フォロワー獲得に死力を尽くすミクルは思う。「何故この世界は自分にフォロワーが増えないように作られているのだろう」。自撮りを繰り返すとイソギンチャクになる顔面。オート化された無人回転寿司。まさかのフォロワー爆増――狂った現象が次々とミクルを襲う、地獄展開に抱腹絶倒、気分は爽快。約十年ぶり、待望の長編!
  • 変見自在 ヒットラーは生きている
    3.0
    大国ぶった国々が口を拭う選民思想、「アラブの春」で漁夫の利を得たあの国の高笑い、400年以上前に信仰心の悪用を戒めた織田信長の慧眼、曲学阿世の地震学者と原子力規制委員会の罪、事実より面子を優先させるメディアの嘘――世の中の真実を読み解く「週刊新潮」連載の超辛口名物コラム傑作選、堂々の第18弾。
  • 読まずにはいられない―北村薫のエッセイ―
    完結
    3.8
    全3巻1,870~1,980円 (税込)
    《本の語り部》北村薫が、熱烈おすすめの古今東西名作ミステリ案内、当代人気作家の魅惑の読みどころ解説、作家になる以前に書かれた文章表現指南のコラムなども収録。博覧強記の《書物愛》と、謎を発見する《好奇心》満載、人生の時間を深く見つめる《あたたかなまなざし》に包まれて読む喜びを堪能できる読書人必携の一冊。
  • 私の馬
    3.4
    1巻1,870円 (税込)
    「ストラーダ、一緒に逃げよう」。共に駆けるだけで、目と目を合わせるだけで、私たちはわかり合える。造船所で働く事務員、瀬戸口優子は一頭の元競走馬と運命の出会いを果たす。情熱も金も、持てるすべてを「彼」に注ぎ込んだ優子が行きついた奈落とは? 言葉があふれる世界で、言葉のない愛を生きる。圧倒的長編小説!
  • ショートケーキは背中から
    4.2
    「きっと私は世界を理解したい。そのための手段が、食べものだったのだ。」実家すぎる店からいつかは訪れたい名店まで、人より貪欲に食べ、言葉を探し続けた20年。その末に見た〈食とは何か〉の(今のところの)結論がここにあり! 著者が自らに課した100本ノック=書き下ろし「ごはん100点ノート」を大収録。
  • グレイスは死んだのか
    3.3
    1巻1,870円 (税込)
    「躾と調教は根本から違うんだ」調教師の男とその犬グレイスが深山で遭難した。劇的に逆転する人と獣の主従関係。山中での凄絶なサバイバル。そこに露呈した「命」の本質とは――。東京の只中にマジカルな異空間を出現させ、選考委員の称賛を得た新潮新人賞受賞作「シャーマンと爆弾男」を併録。注目の新鋭デビュー作品集。
  • 常盤団地の魔人
    3.8
    1巻1,870円 (税込)
    今野蓮は喘息持ちの小学生。三年生にあがると友だちができ、やがて悪ガキ軍団に組み込まれていく。宿敵・管理人との対決、雑木林のひょうたん池の謎、捨て犬失踪事件、テレビゲーム禁止令……。誰もが経験した小さな冒険を経て、気弱な少年は成長していく。『荒地の家族』で芥川賞を受賞した期待の新鋭による受賞後第一作。
  • ルポ スマホ育児が子どもを壊す
    3.8
    スマホ登場以来16年、教室にいるのはもはや私たちが知る「子ども」ではなくなっていた。ハイハイも体育座りもできない保育園児。教室の「圧」に怯える小学生。クラスメイトの姓すら知らない中学生。会ったその日にベッドインする高校生――児童に関する問題を丹念に追ってきた著者がデジタルネイティブの育ち方を徹底レポート。

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