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「願はくは花の下にて春死なむ」――どうすれば西行のように清々しく生きられるのか。出家の背景、秀歌の創作秘話、漂泊の旅の意味、桜への熱愛、無常を乗り越えた「道」の思想、定家との意外な関係、芭蕉への影響……偉才の知られざる素顔に迫る。西行一筋60年、西行歌集研究の第一人者がその魅力を語り尽くす決定版。
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Posted by ブクログ
平安末~鎌倉初期に活躍した歌人・西行について、その人生の様々な局面を詠歌と共にたどり、人物像へと迫ろうとする一冊。和歌や時代背景を踏まえた解説から、後世に残した大きな影響や魅力の在処が分かりやすく感得される内容。
ゆっくりと味わいつつ歌の部分は何回も読み返し侘び寂びを感じ、若いとき東北地方を一週間無銭旅行したことを思い出しながら読み終えた。西行の和歌もいくつか知っていたのだが185首もあったとは!そしてあの芭蕉の句にまで繋がっていたとは驚きだ!小生毎年の年賀状には拙い和歌を一首謳って楽しんでいるがとても恥じ入...続きを読むる。本書を宝として永久保存し何回も読み返して行こう。
西行のことはよく知らなかったのだが,奥の細道なんかを読むと,「西行ってすごく重要なんじゃないか?」と思っていたところ,毎日新聞の「今週の本棚」で本書が取り上げられていたので,早速買った. 本書は大学の先生によって書かれたもので,その作者の長年の研究の成果を,素人にもわかりやすいにように噛み砕いて説明...続きを読むしてくださっているのだろう,専門書ではなく,自分のような者にもよくわかる西行の入門書となっている. 定家をはじめとする当時の専門歌人の常識/感覚とは,若干そりが合わないとでもいうべき行き違いもあったようだが,一瞬の場面を切り取る俳句というものは,西行なくして生まれなかったのだろう.
西行の歌をテーマごとに、おりおりのエピソードを交えながら紹介した一冊。研究者の本だが、一般向けに平易な語り口で書かれており、読みやすく入門に最適と思う。芭蕉が西行推しすぎて好感しかない。文覚が出てくるたびに、鎌倉殿に出てきたあの人の顔が浮かび、ちょっと大変だった(笑)。あ、後鳥羽院もか。なんとなく...続きを読む指針ができた気がするので、岩波文庫の『全歌集』あたり、そろそろ読もうかなと思いました。西行をざっくり知りたい方におすすめ。
西行の生涯と芸術を、21のテーマにそってわかりやすく解説している本です。 著者は、現代につたわる西行の写本や版本の校訂にたずさわり、三十年におよぶ研究の成果を『山家集の校本と研究』および『西行集の校本と研究』(ともに笠間書院)にまとめています。いわば文献学的な西行研究の最前線に立っていた研究者です...続きを読むが、本書ではこれまで多くの人びとが西行の歌のみならずその生きかたに魅かれてきたという事実にそくしつつ、その実像を解説するというスタイルがとられています。 西行は、日常性を離れて旅のなかで多くの歌をのこしました。そうした彼の態度は、人生を旅にたとえるという、現代の日本人にも定着している考えかたを、いち早く実践した人物とみなすことができると著者はいいます。さらに、桜を愛し、人生の無常を受け止めつつ、芸術を通して仏教と神道の信仰に帰一する道を求めたという点でも、西行は日本の伝統的な文化の形成に大きな役割を果たしていたと論じています。本書では、このような西行がひろく日本の文化にあたえた影響を視界のうちに収めながら、個々のテーマについての解説がなされています。
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西行―歌と旅と人生―(新潮選書)
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寺澤行忠
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