作品一覧

  • 道の向こうの道
    3.5
    1巻1,760円 (税込)
    一九五六年、大阪から上京し、早稲田大学露文科に入学。最初の授業でこう言われる。「露文科の学生になったからには、もはや就職はあきらめたまえ」。米川正夫ら教授陣、李恢成など個性豊かな級友たち、著名な学者のコケティッシュな娘、親戚のような大家一家や愛情深い両親の姿……。自在なスタイルで描く自伝的連作集。
  • 梨の花咲く町で
    4.0
    1巻1,672円 (税込)
    半世紀近く連れ添った夫婦それぞれの、百歳と九十二歳の母が、相次いで逝った。徳島に生きた女二人を回想しつつ、夫婦の歳月を思う表題作「梨の花咲く町で」ほか、老境の夫婦の黄昏のように穏やかな日々を描きながら、人の抱える不可思議な深淵を垣間みせる「火星巡暦」など、一篇一篇に人生の長い時間を凝縮させた傑作短篇集。

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ユーザーレビュー

  • 梨の花咲く町で

    Posted by ブクログ

    「梨の花咲く町で」(森内俊雄)読み終わった。いやーまいった。すばらしく洗練された作品集である。うまく言えないが、なんかこう「シュッ」とした感じ。森内氏の作品を読むのはこれが初めてなんだな。ほかの作品を読んでみたくなった。

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    2012年02月12日
  • 道の向こうの道

    Posted by ブクログ

    森内俊雄さんという作家は今まで読んだことがなく、この本が初めて。
    早稲田大学露文科に入学した(昭和31年)大学生の話。自伝的、というか私小説になるのだろう。登場人物の名は皆実名。李恢成は僕でも知っている。
    さすが早稲田の露文、有名人が多い。五木寛之や東海林さだお(!)は後輩だそうだ。

    若者にとって、旅と本が日常であった時代、なんかうらやましい気がする。

    女性に対してちょっと鈍感すぎないか、逆に、これ大丈夫なのか、というようなところもあり、とても興味深かった。

    「聖書には、一日の苦労はその日一日で十分であると記されている。私にはこの言葉がありがたかった。明日のことは明日考えなさい、とある」

    0
    2018年03月22日
  • 梨の花咲く町で

    Posted by ブクログ

    森内先生の作品を初めて手にした。
    無駄なものをすべてそぎ落とした洗練された文章で,澄んだ水の中を漂っているような感覚に陥る。描かれている情景も,まるで写真でも見ているかのようで,素晴らしい作品でした。

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    2012年04月25日
  • 梨の花咲く町で

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    この老作家は、いとも簡単に時を飛び越えて、40年いや50年前の過去の情景を語り出す。その語り口は、今現在のことがらと過去の出来事を自在に絡み合わせて、独特の味わいをもたらしてくれるのだ。

    熟練の作家が、少年の日々を語るとき、亡くなった人のことを語るとき、あるいは今世紀で火星が一番地球に近づいた年のことを語るとき、我々はこの作家の運転する古びたタイム・マシーンで、古い町並みの光の中を通り過ぎていくかのような気分になる。

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    2012年01月25日
  • 道の向こうの道

    Posted by ブクログ

    私にはとても高尚すぎてすごいなぁという感想で,共感できるなんて言葉は恐れ多い本なのだけど,共感できるところがたくさんあった。本などから自分のものにする言葉を得るということは,続けていきたい。

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    2018年04月09日

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