作品一覧 2020/11/25更新 屋根裏博物館の事件簿 試し読み フォロー 駆け込み船宿帖 ぬくもり湯やっこ 試し読み フォロー 白き糸の道 試し読み フォロー はなたちばな亭恋空事 試し読み フォロー はなたちばな亭恋怪談 試し読み フォロー はなたちばな亭恋鞘当 試し読み フォロー もぐら屋化物語 試し読み フォロー ヤマユリワラシ―遠野供養絵異聞― 試し読み フォロー 横浜奇談新聞 よろず事件簿 試し読み フォロー 1~9件目 / 9件<<<1・・・・・・・・・>>> 澤見彰の作品をすべて見る
ユーザーレビュー ヤマユリワラシ―遠野供養絵異聞― 澤見彰 供養額絵によって依頼人を癒しながら、絵を描くことで通じ合っている桂香との日常のほっこり感、 時折現れる兄や武士としての立場に対する葛藤と悲しみ、桂香が忌み子として不幸の象徴になっていった過程のモヤモヤ、幸福な日常が奪われる不穏な予感、苦しさ。終始、心が惹きつけられるお話だった。 〇一揆について ・...続きを読む参加者に対する迫害が引き起こした分断と不遇 ・一時期は戦略がないままに百姓を焚き付けていた側面があった先導者多助 ・為政者の記録から消された外川市五郎 政治劇としての側面を多分に含み、生々しかった。 登場人物の言動に悶々とし、「なら、どう動くのが正解か」と自問させられた。 個人的には、多助のことがあまり好きになれない。 彼はある種のエネルギー源で、外川市五郎が陰でハンドルを握るまで、そのエネルギーを使いこなせていなかったという側面もあるのかもしれない。 〇死すべき人 赤いヤマユリが枯れ始めている。もともと死んでいてもおかしくはない人間だった、というところで、外川市五郎の死に対して溜飲を下げようとする。 でもやっぱりこういう展開になってほしくなかった、という気持ちをなんか捨てきれない。桂香は遺志を継ぎ、前を向いたからよいのかもしれないが。 昔は自己犠牲的な話は好きだったのだけれど...という自分の中の心変わりを感じた話でもあった。 〇読んだきっかけ ・別の小説『座敷童子の代理人8』に供養額絵の話が出てきて、気になって検索したところ、この小説が出てきたので購入。 ・『座敷童子の代理人』シリーズによって、モチーフとなった妖怪とその由来、地名などになじんでいたので入っていきやすかった。商業地として栄えていたという話は初めて知った。 〇叙述トリック 序の童女の供養額絵を描くシーンのミスリード感。 どっちがどういう理由でどう死ぬのかと思っていたが、そうなったか、と。 映像化してほしいが、手元で自分自身の供養額絵を描いているのだとバレてしまいそう。 Posted by ブクログ ヤマユリワラシ―遠野供養絵異聞― 澤見彰 一気に読み終えてしまった。 最初に描かれている童女がもしやあの子では、とはらはらしながら読んでいったら、なるほど、こういう終わり方か… すごいです。面白かった。 なんとも切ない終わりでしたが、納得のいく終わりだったと思います。 多賀狐かわいい。 ふと、この辺りは3・11で被害を受けた辺りかな、と思...続きを読むうような地名がちらほら。 こうして物語を残し伝えることも、また一つの供養なのだろうか。 Posted by ブクログ 屋根裏博物館の事件簿 澤見彰 民俗学に関わるような問題を通して、少女が成長していく物語として楽しめた。 地方の風習などが登場してその由来や謎を探るが、それは綺麗なお話とは限らず悲しい由来や過去があったりする。 それを少女や周りの大人はどう受け止めて、どう活かしていくのか、という点がこの本の面白い所と感じた。 一方で謎を解明する...続きを読むミステリとしてはイマイチだった。 風習やそれにまつわる話は遥か過去のことであり、その発端の全てを明らかにすることは不可能なため、いささか現実離れした形で詳細が明らかにされる。 その点はかなり賛否が分かれることかと思う。 Posted by ブクログ 屋根裏博物館の事件簿 澤見彰 渋沢栄一の孫・敬三が作った施設博物館「屋根裏博物館」自体は実在することに感動しました。 婚礼絵馬や不穏な正月行事などの調査を通じて成長する記憶喪失の少女あづみ。 昭和30年代が舞台ですが、あまり古い感じがしませんでした。 Posted by ブクログ 白き糸の道 澤見彰 江戸後期の養蚕の歴史がよく分かって面白い。 小さな枠の中に収まらぬお糸が 自らの力で人生を切り開いていく。 そして転機が訪れる度に現れる魅力的な男性たち。 明治の時代をどう生き抜いたのか知りたい気がする。 Posted by ブクログ 澤見彰のレビューをもっと見る