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嘉永三年(一八五〇)南部藩――遠野。城下に住まう軽輩の外川市五郎は、出世や武道よりも絵を描くことを好む、風変わりで孤独な青年。ふと見かけた深紅の山百合との再会を求めて迷い込んだ山村で、彼は座敷童のような少女・桂香と邂逅する。二人の交流が、死者を祝ぎ葬送する板絵――供養絵額を生み出していく。
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Posted by ブクログ
あまり好みの方向性ではないオチではあるものの、予感させられていた救いがない結末をきれいに覆してくれた点は良かった。外川と桂香が徐々に心を開き、成長していく姿は読んでいてとても心地よい。題材としている外川仕候の供養絵額はネットでもいくつか見れたんだけど、確かに明治初期の素人絵画とは思えない良さがあるな...続きを読むあ。最後の作品解説も面白かった。
人物設定や細かいところにはちょっと気になるところがあるんですが、ストーリーには一気に引き込まれてしまいました。 こういう絵画があること自体知らなかったので、新しい知識も開眼させてもらった感じです。
穏やかで、優しい。そして強くて、だからこそ胸が苦しくなるほど切なかった。 現絵の中では幸せであってほしい。 けれど、この世で幸せであるべきで。 すべての人の生き様に、いろんなことを考えさせられた。実物のその絵を、見てみたいなぁ…
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ヤマユリワラシ―遠野供養絵異聞―
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澤見彰
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