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續・日本殺人事件 〈トウキョー・サム〉シリーズ2
〈私立探偵 東京茶夢――よろず相談承ります〉。憧れの日本にやって来たトウキョー・サム。来日早々、立て続けに遭遇した三つの不思議な事件と、日本人を理解できないという悩みを乗り越え、遂に探偵事務所を開業したのだ。その記念すべき最初の依頼人は、死霊に怯えるリキシ。サムは捜査に乗り出すが、事態は予想もしない展開を見せ、なんと一晩で三度リキシの死体を発見することに……。スモウ・レスラー連続殺人事件「巨人の国のガリヴァー」と、ウンスイの怪死を契機に勃発する、極限の論理対決「実在の船」を収録。『日本殺人事件』の続編にして、山口ミステリの精華たる傑作集。 -
夢の終わりとそのつづき
警視庁捜査一課を辞めて八ヵ月。知人のつてで雑誌へ雑文を寄稿して食いつないでいた俺を、絶世の美女が訪ねてきた。久我山のある家に出入りする人間を一週間尾行してほしいという。元刑事の俺には簡単な仕事に、二百万もの報酬どこか胡散臭さを感じつつも、俺は早速久我山へ向かう。目的の男は買い食いしながら、一日中都内を歩きまわるのみ。しかし三日目、男は胃の中が空っぽの状態で発見される。死ぬ直前まで飲み食いしていたはずの男の身に、何が起こったのか。背後に蠢く巨大な陰謀の存在を察知した柚木の推理は――。大幅改稿、改題で贈る、柚木草平“三十五歳”の事件。 -
日本殺人事件
その国に辿り着いたわたしを出迎えてくれたのは、カンノン様のありがたい巨大な微笑だった――。人生を一からやり直すため、長年憧れ続けた日本へ赴いた私立探偵トウキョー・サム。そこは、伝統と現代が奇妙に交錯し、神とホトケ、そしてサムライ・スピリットがいまなお息づく神秘の国であった。異国の風物や習慣に驚嘆し、戸惑いながらも、真のサムライにならんと意気込むトウキョー・サム。そんなサムが遭遇した奇妙なセップク事件、茶室の密室、オイラン見立て連続殺人! 徹底した趣向とアクロバティックな論理の結実が、本格ミステリのさらなる可能性を切り拓いた、山口ミステリの真骨頂。日本推理作家協会賞受賞作。 -
絵が殺した
《黒川博行警察小説コレクション》 竹の子を採りに来た主婦が発見したのは、白骨化した死体。すぐに被害者は、以前にまったく別の場所で失踪したとされていた日本画家と判明したが、事件の謎は深まる。しかもその背後には、有名日本画家の贋作グループの存在が浮かび上がる――。二十年前に起こった贋作事件との繋がりは? 果たして大阪府警捜査一課深町班は、犯人にたどり着くことができるのか。吉永誠一、小沢慎一コンビに、怪しげな美術ブローカーも加わり、日本画壇・美術商業界の裏側に迫る。アリバイトリック、密室の謎も盛りこまれた珠玉の警察小説コレクション第六弾! ※本作品は東京創元社、徳間書店で同一タイトルの作品が販売されております。本編内容は同じとなりますので予めご了承下さい。既に同作品をご購入されているお客様におかれましてはご注意下さい。 -
雨に殺せば
《黒川博行警察小説コレクション》 大阪湾にかかる港大橋の上で現金輸送車が襲われ、銀行員二人が射殺された。その翌日、事情聴取を受けた行員が自殺する。さらに、捜査線上に浮び上った容疑者の死体が発見され、事件は複雑さを増していく……。大阪府警捜査一課の二人の刑事“黒マメコンビ”が、軽妙な会話を交わしつつ、日本画壇の内幕に迫り、金融システムの裏側に仕組まれた奸智に満ちた連続殺人事件に挑む! ※本作品は東京創元社、KADOKAWA / 角川書店で同一タイトルの作品が販売されております。本編内容は同じとなりますので予めご了承下さい。既に同作品をご購入されているお客様におかれましてはご注意下さい。 -
赤ちゃんはまだ夢の中
妊婦さんにも、ミステリがいっぱい!もうすぐ新しい家族が加わるっていうのに、「主人と別れて、新しい恋人のもとへ行きたい」「居候が多すぎる」「強面の借金取りがやって来る」「妊婦さんが上の子に厳しすぎる」と、どうしてどこのお宅も問題ばかりなのっ!再びコンビを組んだ聡子先輩と見習い助産師の陽奈に降りかかる、厄介な家庭の事情の数々。自宅出産専門の助産師コンビの持ち込む家庭のトラブルに、伝説のカリスマ助産婦・明楽先生の鮮やかな推理がますます冴え渡る。様々な“家族の愛”をテーマに、心温かなユーモアを描いた、助産師探偵シリーズ第三弾。 -
天使の歌声
身体も顔も河馬に似ている弁護士に案内され、一登はまだ見ぬ父親に会うため秋庭邸を訪れた。そこで一登は言語能力を持たない弟に出会う。彼は言葉を話せない代わりに、聞くものの心を癒す特殊な能力を持つ〈天使の歌声〉を発することができた。訓練では決して到達し得ない、澄みきった神秘の歌声。その弟をめぐってある悲劇が起きる。そして六年後、一通の手紙によって、一登はふたたび秋庭邸を訪れた──。静かな探偵・嶺原克哉が、調査依頼を通して出合った六つの難事件。不思議な親子関係と複雑に入り組んだ謎、多重どんでん返しが魅力の、著者初のシリーズ連作集。 -
バルーン・タウンの手毬唄
睡眠薬で眠り込んだ妊婦を取り巻くのは薔薇のつぼみ、交差する二本の泥つき牛蒡、小魚に胡麻。しかも妊婦は服の上からスマイルマークのTシャツを着せられて――名探偵・暮林美央が奇怪な手毬唄連続見立て事件の顛末を回想する「バルーン・タウンの手毬唄」、アリバイを立証してくれるはずの謎の妊婦の消息を追う「幻の妊婦」、バルーン・タウンを舞台にした本格ミステリ短篇の謎解きに暮林美央が挑む「読書するコップの謎」、街角で耳にした不可思議な会話と密室盗難事件の謎解きが意外な結末に辿り着く「九か月では遅すぎる」の4編を収録した、バルーン・タウンの事件簿第3弾。 -
模倣の殺意
七月七日の午後七時、新進作家、坂井正夫が青酸カリによる服毒死を遂げた。遺書はなかったが、世を儚んでの自殺として処理された。坂井に編集雑務を頼んでいた医学書系の出版社に勤める中田秋子は、彼の部屋で偶然行きあわせた遠賀野律子の存在が気になり、独自に調査を始める。一方、ルポライターの津久見伸助は、同人誌仲間だった坂井の死を記事にするよう雑誌社から依頼され、調べを進める内に、坂井がようやくの思いで発表にこぎつけた受賞後第一作が、さる有名作家の短編の盗作である疑惑が持ち上がり、坂井と確執のあった編集者、柳沢邦夫を追及していく。著者が絶対の自信を持って読者に仕掛ける超絶のトリック。記念すべきデビュー長編の改稿決定版! -
田舎の刑事の動物記
【2012年1月5日スタート、ドラマ「デカ黒川鈴木」原作】町で野生のサルの被害が問題になり、変人学者の主張でサル対策を警察が主動しなければならなくなった。しかも不可解な状況で発生したボスザルの死の謎をも解き明かす必要に迫られ、黒川刑事はしぶしぶ捜査に乗り出す――表題作「田舎の刑事の動物記」をはじめ六編を収録。猿を追いかけ、蜂に追いかけられ、奥さんと台湾旅行に出かけて散々な目にあう黒川、今回は殺人事件にも遭遇します。田舎でだって難事件は起こる。鬼刑事黒川鈴木、今日も奮闘中。ミステリーズ!新人賞受賞作家が描く大好評シリーズ第二弾、肩の力を抜いてお楽しみください。 -
ねじまき片想い
浅草にある老舗おもちゃ会社で働く富田宝子は、楚々として控えめな外見とは裏腹に、好きなものに対するパワーと想像力の豊かさを以て、敏腕プランナーとして活躍している。彼女は取引先のデザイナー西島に恋をしているが、5年も想いを伝えられずにいた。何の因果か次々に災難に見舞われる彼のため、持ち前の機転と自社のおもちゃを駆使しSPのごとくトラブルを解決していく宝子。けれど西島は宝子の奮闘にはまったく気がつかず?! 同僚や同居人も巻き込んで、宝子の恋が向かう先は――。ひとりの女性が大切な気持ちと向き合うまでを描く物語。/解説=松井ゆかり -
ようこそ授賞式の夕べに
書店員がその年一番売りたい本を選ぶ書店大賞。その授賞式の当日、成風堂書店に勤める杏子と多絵が会場に向かおうとした矢先、福岡の書店員・花乃が訪ねてくる。「書店の謎を解く名探偵」多絵に、書店大賞事務局に届いた不審なFAXの謎を解いてほしいという。同じ頃、出版社・明林書房の新人営業マンである智紀にも、同業の真柴を介して事務局長直々に同様の相談が持ち込まれる。華やかな一日に不穏な空気が立ちこめて……。授賞式まであと数時間。無事に幕は上がるのか?! 〈成風堂書店事件メモ〉×〈出版社営業・井辻智紀の業務日誌〉両シリーズのキャラクター勢ぞろい。書店員の最も忙しい一日を描く、本格書店ミステリ。/解説=宇田川拓也 -
黒百合
昭和27年の夏休み。14歳だった「私」こと進と一彦は、六甲山にあるヒョウタン池のほとりで、不思議な雰囲気を纏った同い年の少女と出会う。池の精を名乗ったその香という少女は、近隣の事業家・倉沢家の娘だった。三人は出会った翌日からピクニックや山登りを通して親交を深めてゆく。自然の中で育まれる少年少女の淡い恋模様を軸に、昭和10年のベルリン、昭和15年の阪神間を経由して、物語は徐々にその相貌を明らかにしてゆく。そして、最後のピースが嵌るとき、あらゆる読者の想像を超える驚愕の真相が描かれる。数々の佳品をものした才人による、工芸品のように繊細な傑作ミステリ。/解説=戸川安宣 -
完全・犯罪
「本来、これはわたしが貰うべき賞だったのだ!」ライバル、水海月博士に研究発表で先を越された時空博士。憤慨した博士は、自ら開発したタイムマシーンを活用して過去の水海月博士を殺害しようと決心した。念のため、自分に鉄壁のアリバイがある日時を犯行時刻に設定したのだが──(「完全・犯罪」)。真帆と嘉穂は、服も、玩具も、名前まで共有する一卵性双生児。自分は本当に「真帆」なのか。成長するに従い、真帆は次第にアイデンティティーを失っていく。思春期を迎え、恋を覚えた姉妹の運命は──(「双生児」)。驚きと恐怖、黒い笑いが詰め込まれた、全5篇のミステリ短篇集。 -
柳生十兵衛秘剣考
女だてらに武芸の道を選んだ毛利玄達は、男装し諸国をめぐっている。ある日琵琶湖を往き来する渡し舟の上で、無手勝流の“卜伝”を名乗る人物と出会った。舟上でおのれの武芸自慢を繰り広げ、乗り合わせた客たちにまで迷惑をかける牢人を体よくあしらった卜伝に感銘を受けた玄達だが、以前から腐れ縁の柳生十兵衛曰く、その“卜伝”には裏がありそうで……。隻眼の剣豪・柳生十兵衛と毛利玄達がさまざまな流儀の達人たちにまつわる“謎”を、華麗に解き明かしていく!第二回ミステリーズ!新人賞受賞作家が贈る、傑作書き下ろし時代ミステリ四編。 -
何が困るかって
小説でしか表現できない〈奇妙な味〉が横溢した、短いけど忘れがたい、不思議なお話を読んでみませんか?――子供じみた嫉妬から仕掛けられた「いじわるゲーム」の行方、夜更けの酒場で披露される「怖い話」の意外な結末、バスの車内で静かに熾烈に繰り広げられる「勝負」、あなたの日常を見守るけなげな「洗面台」の独白、「鍵のかからない部屋」から出たくてたまらない“私”の物語――日常と非日常のあわいに見える18の情景をさまざまな筆致で描きだす、『青空の卵』や『和菓子のアン』の名手が贈る珠玉のショートストーリー集。巻末に「ホリデーが肉だと先生が困る」を特別併載。/解説=東雅夫 -
最良の嘘の最後のひと言
検索エンジンとSNSで世界的な成功を収めた企業・ハルウィンには、超能力研究の噂があった。それを受け、ハルウィンはジョーク企画として「4月1日に年収8000万で超能力者をひとり採用する」という告知を出す。そして審査を経て、自称超能力者の7名が3月31日の夜に街中で行われる最終試験に臨むことに。ある目的のために参加した大学生・市倉は、同じ参加者の日比野という少女と組み、1通しかない採用通知書を奪うため、策略を駆使して騙し合いに挑む。『いなくなれ、群青』、〈サクラダリセット〉の著者が贈る、ノンストップ・ミステリ。/解説=大森望 -
放課後スプリング・トレイン
四月のある日、福岡市内の高校に通う私は、親友・朝名の年上の彼氏を紹介される。そのとき同席していた大学院生の飛木さんは、私の周りで起こる事件をさらりと解き明かしてみせる不思議な人だった。天神に向かう電車で出会った奇妙な婦人、文化祭で起きたシンデレラのドレス消失事件……。福岡の街で私はたくさんの答えを探している。解くことが叶わなかった問題も、真相に辿り着けなかった謎も、すべて覚えておこう。今日は見えずとも、形を変えて色を変えて、いつの日か扉を開ける鍵が手に入ると信じて。福岡・天神を舞台に贈る、透明感溢れる青春ミステリ。 -
片思いレシピ
ママが中国へ取材旅行に行っている間に、親友の妻沼柚子ちゃんと一緒に通ってる学習塾の先生が、誰かに殺されちゃった! お人形のような美少女の柚子ちゃんをえこ贔屓して、こっそりお菓子をあげたりしていた先生なんだ。どういうわけか柚子ちゃんのお祖父さんや、ちょっと風変わりなお兄さんなど、妻沼家のご家族が事件の捜査にのり出してきちゃって、ってちょっとちょっとパパ聞いてるの!? あの柚木草平の愛娘、小学校六年生の加奈子ちゃんの探偵行と淡い恋心を瑞々しい筆致で描く、さわやかな余韻が秀逸なミステリ。著者あとがき=樋口有介/解説=岡田育 -
昨日まで不思議の校舎
にわか高校生探偵団、市立最大の謎に挑む! 超自然現象研究会の会誌〈エリア51〉臨時増刊号が特集した「市立七不思議」が何者かに影響を与えたのだろうか? 突如休み時間に流された、七不思議の一つ「カシマレイコ」を呼び出す放送。そんな女子生徒は、もちろん存在しない。さらにその日の放課後に、四ヶ所で発見された「口裂け女」を模した悪戯、さらにさらに翌日には「一階トイレの花子さん」まで用務員室に出現。なぜ七不思議のうち、この三つが現われたのだろう? かつては七不思議ではなく、「市立三怪」だったということを突き止めた葉山君、そして伊神さんは、その背後にある悪意に気づくが……。コミカルな学園ミステリ・シリーズ長編。 -
HEARTBEAT
優等生の委員長と不良少女の淡い恋。できすぎたシチュエーションかもしれないけれど、すべてはそこから始まった。彼女が自力で自分の人生を立て直すことができたなら、十年後、あるものを渡そう――そして十年が過ぎ、約束の日がやってきた。しかし彼女は姿を見せず、代わりに彼女の夫と名乗る人物が現われる。彼女は三年前から行方がわからなくなっていた。居場所を捜し出そうと考えたとき、協力者として僕の脳裏にひとりの同級生が思い浮かぶ。かつて僕に、ブックマッチの恰好良い火の点け方を教えてくれた男が――。約束を果たすため、ニューヨークの〈暗闇〉から帰ってきた青年が巡り合う少年少女たち、そして最高の「相棒」。『東京バンドワゴン』で脚光を浴びた名手による、約束と再会の物語。 -
ブラウン神父の秘密
第四作品集に至っても、未だに驚異的なクオリティーを保つ〈ブラウン神父〉シリーズ。容疑者の詩人の不可解きわまりない行動の謎「大法律家の鏡」、この世の出来事とは思えぬ状況で発生した金塊消失事件「飛び魚の歌」、強烈な真相が忘れがたい「俳優とアリバイ」、常識をはるかに超えたユーモアと恐怖の底に必然的な動機がひそんだ「ヴォードリーの失踪」など全10編を収録する。〈ブラウン神父〉シリーズの精髄ともいうべき逆説とトリックの凄みが横溢する、巨匠チェスタトンにしか書きえない名短編集。【収録作】「ブラウン神父の秘密」「大法律家の鏡」「顎鬚の二つある男」「飛び魚の歌」「俳優とアリバイ」「ヴォードリーの失踪」「世の中で一番重い罪」「メルーの赤い月」「マーン城の喪主」「フランボウの秘密」/解説=高山 宏 -
ブラウン神父の不信
名作揃いの〈ブラウン神父〉シリーズでも、とりわけ傑作が集まっている第三集が、読みやすくなって、新しいカバーでリニューアル! これを読まずして〈ブラウン神父〉シリーズは語れない傑作「犬のお告げ」、チェスタトンならではの大胆で奇想天外な密室トリックが炸裂する「ムーン・クレサントの奇跡」、濃厚なオカルティズムで後世に多大な影響を及ぼした必読作「金の十字架の呪い」、真相の意外さが光る逸品「翼ある剣」など、珠玉の8編を収録する。ブラウン神父の魅力あふれる名推理をご堪能あれ!【収録作】「ブラウン神父の復活」「天の矢」「犬のお告げ」「ムーン・クレサントの奇跡」「金の十字架の呪い」「翼ある剣」「ダーナウェイ家の呪い」「ギデオン・ワイズの亡霊」/解説=法月綸太郎 -
シャーロック・ホームズの事件簿(新版)【深町眞理子訳】
「高名の依頼人」をはじめ、「サセックスの吸血鬼」「這う男」など、おなじみベイカー街221Bを訪れる依頼人が持ち込む難事件。あるいは、サセックスのささやかな家に隠遁したホームズを待ち受ける事件……。1887年、『緋色の研究』で颯爽と登場し、たちまちのうちに名探偵の代名詞となるほどの人気を博したシャーロック・ホームズは、4長編56短編で全世界のファンを魅了し、いま鮮やかに退場する。「読者諸君、今度こそほんとうにシャーロック・ホームズともお別れだ!」深町版ホームズ全集、ここに完結。/解説=有栖川有栖※本書は、2017年4月14日新版初版発行の書籍を底本としております。 -
ブラウン神父の知恵
逆説の論理の魔術師チェスタトンを代表する、名シリーズの第2集。トリックの凄みでは、名作揃いの巨匠チェスタトン作品のなかでもトップクラスに位置する「通路の人影」、ポオの「盗まれた手紙」にも比肩する「銅鑼の神」、仮装舞踏会を舞台に神父の心理試験反対論を織りまぜた「機械のあやまち」など、いずれ劣らぬ名作12編を収録する。小柄で不恰好、手にした帽子と蝙蝠傘をまるで大荷物のように扱いかねている――とても名探偵とは思えない外見のブラウン神父が明かす事件の真相は、読む者の度肝を抜く!【収録作】「グラス氏の失踪」「泥棒天国」「イルシュ博士の決闘」「通路の人影」「機械のあやまち」「シーザーの頭」「紫の鬘」「ペンドラゴン一族の滅亡」「銅鑼の神」「クレイ大佐のサラダ」「ジョン・ブルノワの珍犯罪」「ブラウン神父のお伽噺」/解説=巽昌章 -
ブラウン神父の童心
奇想天外なトリック、痛烈な諷刺とユーモア、独特の逆説と警句で、ミステリ史上に燦然と輝くシリーズの第一集。小柄で不器用、団子のように丸く間の抜けた顔。とても頭が切れるとは思われない風貌のブラウン神父が事件の真相を口にするとき、世界の風景は一変する。レストランの塩と砂糖を入れ替えるなど、奇妙な痕跡を残していく二人連れの神父を追う名刑事ヴァランタン。その背景には何が? ブラウン神父初登場の「青い十字架」のほか、大胆なトリックが炸裂する「見えない男」、あまりに有名な警句で知られる「折れた剣」など12編を収める。【収録作】「青い十字架」「秘密の庭」「奇妙な足音」「飛ぶ星」「見えない男」「イズレイル・ガウの誉れ」「狂った形」「サラディン公の罪」「神の鉄槌」「アポロの眼」「折れた剣」「三つの兇器」/解説=戸川安宣 -
シャーロック・ホームズの復活【深町眞理子訳】
名探偵ホームズが宿敵モリアーティー教授とともに〈ライヘンバッハの滝〉に消えた「最後の事件」から3年。ロンドンで発生した青年貴族の奇怪な殺害事件をひとりわびしく推理していたワトスンに、奇跡のような出来事が……。名探偵の鮮烈な復活に世界が驚喜した「空屋の冒険」を始めとして、ポオの「黄金虫」と並ぶ暗号ミステリの至宝「踊る人形」、奇妙な押し込み強盗事件の謎が鮮やかに解かれる「六つのナポレオン像」など、珠玉の13編を収録する、シリーズ第3短編集。/収録作=「空屋(くうおく)の冒険」「ノーウッドの建築業者」「踊る人形」「ひとりきりの自転車乗り」「プライアリー・スクール」「ブラック・ピーター」「恐喝王ミルヴァートン」「六つのナポレオン像」「三人の学生」「金縁の鼻眼鏡」「スリークォーターの失踪」「アビー荘園」「第二の血痕」「解題=戸川安宣」「解説=巽昌章」 -
回想のシャーロック・ホームズ【深町眞理子訳】
レースの本命と目されていた名馬が失踪し、調教師の死体が発見された。犯人は事件当夜に厩舎情報をさぐりにきた男なのか?錯綜した情報のなかから絶対的な事実のみを取りだし、推理を重ねていくシャーロック・ホームズの手法が光る「〈シルヴァー・ブレーズ〉号の失踪」。ホームズが最初に手がけ、探偵業のきっかけとなった「〈グロリア・スコット〉号の悲劇」、発表時イギリスに一大センセーションを巻き起こした、宿敵モリアーティー教授登場の「最後の事件」など、11の逸品を収録するシリーズ第2短編集。/収録作=「〈シルヴァー・ブレーズ〉号の失踪」「黄色い顔」「株式仲買店員」「〈グロリア・スコット〉号の悲劇」「マズグレーヴ家の儀式書」「ライゲートの大地主」「背の曲がった男」「寄留患者」「ギリシア語通訳」「海軍条約事件」「最後の事件」「解題=戸川安宣」「解説=小池滋」 -
監獄舎の殺人 ミステリーズ!新人賞受賞作品集
「ミステリーズ!新人賞」から、数多くの才能が登場してきた。さる旧家の美人姉妹の鞘当てから起きた悲劇を、圧倒的な筆力で描く美輪和音。胎児に憑依した“幽霊探偵”の謎解きを、緻密な構成で魅せる近田鳶迩。深夜の公園で起きた奇妙な事件を軽妙に描く、ユーモアミステリの新星・櫻田智也。脳外科の臨床講義を舞台にしたミステリを発表、医療ミステリの新たな書き手と期待される浅ノ宮遼。明治時代の監獄舎で囚人が殺害される謎を描く、時代ミステリの旗手・伊吹亜門。新鋭たちの輝かしい出発点となった受賞作五編を収録した作品集を贈る。/解説=福井健太*本電子書籍には、配信中の作品に収録されている次の短編が含まれます。『強欲な羊』(創元推理文庫版 2015年7月初版発行)収録の表題作。また、以下の収録作は、各短編ごとに単体の電子書籍で配信中です。「かんがえるひとになりかけ」「サーチライトと誘蛾灯」「消えた脳病変」「監獄舎の殺人」 -
砂漠を走る船の道 ミステリーズ!新人賞受賞作品集
「ミステリーズ!新人賞」から、これまで数多くの才能が登場してきた。ここに収められた五編のミステリは、それぞれ新鋭たちの輝かしい出発点となった作品である。居酒屋の片隅で、駆け出しのシナリオライターと映画監督が交わす歴史推理談義。無実の罪で父を囚われた少女と不思議な力を持つ老人が、毒死事件の真相を追う中華探偵行。のどかな田舎で起きた本ワサビ盗難事件と、それを捜査する刑事の趣味が迎える顛末。道に迷い無人駅で一泊をすることになった大学生ふたりを待つ、奇妙な一夜の出来事。そして、砂漠を行くキャラバンを襲った異様な連続殺人――。期待を集める五人の作家の、記念すべき“はじまりの物語”。/解説=福井健太*本電子書籍には、配信中の作品に収録されている次の短編が含まれます。『漂流巌流島』(創元推理文庫版 2010年8月初版発行)収録の表題作・『もろこし銀侠伝』(創元推理文庫版 2010年9月初版発行)収録の「殺三狼」・『田舎の刑事の趣味とお仕事』(創元推理文庫版 2009年9月初版発行)収録の表題作・『夜の床屋』(創元推理文庫版 2014年6月初版発行)収録の表題作・『叫びと祈り』(創元推理文庫版 2013年11月初版発行)収録の「砂漠を走る船の道」 -
樽
埠頭で荷揚げ中に落下事故が起こり、珍しい形状の異様に重い樽が破損した。樽はパリ発ロンドン行き、中身は「彫像」とある。こぼれたおが屑に交じって金貨が数枚見つかったので割れ目を広げたところ、とんでもないものが入っていた。荷の受取人と海運会社間の駆け引きを経て樽はスコットランドヤードの手に渡り、中から若い女性の絞殺死体が……。次々に判明する事実は謎に満ち、事件はめまぐるしい展開を見せつつ混迷の度を増していく。真相究明の担い手もまた英仏警察官から弁護士、私立探偵に移り緊迫の終局へ向かう。クロフツ渾身の処女作にして探偵小説史にその名を刻んだ大傑作。 -
手焼き煎餅の密室 美波の事件簿4
同じ中学に通う親友・直海の祖母の住む、浅草の家を訪問した倉西美波。落語の名人の妻だった彼女は、今でも弟子の面倒をみている。二人が訪ねたときも、ちょうど稽古の最中だった。突然の来訪も歓迎してくれた彼女は、お茶うけを出そうと台所へ向かうが、そこには近所の男の子が忍び込んでいた! 家主に見つかった少年はあわてて逃げようとするが、かなわないと見て、思いもよらぬ行動を……(表題作)。周りで起きる奇妙な事件の真相を、「水島のじいちゃん」は華麗に解き明かしていく。修矢編二作、美波・直海編二作に、書き下ろしのかのこ編一作を含む、ライトな本格ミステリ短編集。好評《美波の事件簿》シリーズ、前日譚。 -
死角に消えた殺人者
帰らない母を案じて眠れぬ一夜を明かした塩月令子は、後ろ髪引かれる思いで出社し針谷警部から凶報を受ける。駆けつけた千葉県銚子の霊安室で令子を待っていたのは、変わり果てた姿で横たわる母と耳を掩いたくなるような事実だった。その朝、屏風浦で数十メートルの断崖から海に落ちた車が見つかり、同乗四名の遺体が収容された。その一人が外ならぬ母であり、現場の状況から単なる事故ではなく謀殺に違いないというのである。懸命の捜査にも拘らず被害者間の交友関係は確認できず、容疑者はおろか動機すら判然としない。いったい誰が、何のために? 令子は自力で真相を追うが……。 -
黒いトランク
千九百四十九年も押し詰った鬱陶しい日の午後、汐留駅前交番の電話のベルが鳴り、事件の幕が切って落とされた。トランクに詰められた男の腐乱死体。荷物の送り主は福岡県若松市近松千鶴夫とある。どうせ偽名だろう、という捜査陣の見込みに反し、送り主は実在した。その近松は溺死体となって発見され、事件は呆気なく解決したかに思われた。だが、かつて思いを寄せた人からの依頼で九州へ駆けつけた鬼貫の前に青ずくめの男が出没し、アリバイの鉄の壁が立ち塞がる……。巨星、鮎川哲也の事実上のデビュー作であり、戦後本格の出発点ともなった里程標的名作。綿密な校訂による決定版! -
蒼志馬博士の不可思議な犯罪
私は殿島直紀、弁護士である。今にして思えば、私の事務所の隣に住む綾子が姿を消したことが事件の発端だった。いっしょに暮らしていた孤児たち四人を残して消えた綾子。私が密かに思いを寄せていた彼女は、姿を消す前に米軍接収地でトラブルに巻き込まれていた――。同時期、米軍宛に蒼志馬博士を名乗る人物から脅迫状が届く。「粗暴な米軍は即刻去るべし。さもなくば私の開発した殺人兵器で死にゆく運命にある」と。綾子の失踪に蒼志馬博士なる人物は関係しているのか?キザで眉目秀麗な荒城、学ランの義手探偵・真野原の活躍を洒脱に描く、本格ミステリ連作集。シリーズ第三弾。 -
砂の城の殺人 美波の事件簿3
父が行方不明になってから五年が経った冬。高校一年生のわたし・倉西美波は、不可抗力により「二日で五万円」という超破格のバイトをすることになった。山奥に踏み込んでは廃墟を撮影するというカメラマンの助手を請け負うことになったのだけれど、向かった先は危険だらけ。やっぱり楽には稼げないと落胆するも、なんと、ボロボロの屋敷でミイラ化した死体を発見してしまった! しかもそれが十二年もの間行方が知れなかった、カメラマンの母親だというからさらに驚いてしまって……。降りしきる雨の中、閉ざされた廃墟で次々と人が死んでいく。清新な筆致と、大胆なトリックで贈る、注目のシリーズ第三作。 -
館島
巨大な螺旋階段の下に倒れていた当主の死因は、転落死ではなく墜落死だった!? 天才建築家・十文字和臣の突然の死から半年が過ぎ、未亡人の意向により死の舞台となった異形の別荘に再び事件関係者が集められたとき、新たに連続殺人が勃発する。嵐が警察の到着を阻むなか、館に滞在していた女探偵と若手刑事は敢然と謎に立ち向かう! 瀬戸内の孤島に屹立する、銀色の館で起きた殺人劇をコミカルな筆致で描いた意欲作。『謎解きはディナーのあとで』『もう誘拐なんてしない』『放課後はミステリーとともに』などで注目を集めるユーモア推理の気鋭が放つ、大トリック炸裂の本格ミステリ。 -
龍の館の秘密 美波の事件簿2
行方不明になった父親を捜すための資金稼ぎに、高校一年生のわたし・倉西美波は日々アルバイトに励んでいる。葬儀屋のバイトで巻き込まれた事件のお詫びに、今度紹介してもらったのは「立っているだけで一日二万円」の仕事! なんと留学生と托鉢をすることになってしまった。バイト先の人たちとの宴会の末、なぜかたどり着いたのは「龍の館」と呼ばれる画家の館。龍をモチーフにしたトリックアートの数々に興奮するも、またもや殺人事件が勃発。しかも今度はわたしの目の前で被害者が息を引き取って……。『天使が開けた密室』で注目を浴びた著者が贈る、清新な本格ミステリ第2弾。短編「善人だらけの街」を併録。 -
ラストホープ
東堂と刈部が経営する小さな釣具店《ラストホープ》に送られてきた一枚のファクス、それがすべての始まりだった。病床の父のために多摩川の山女魚を入手したいという依頼を受け、東堂は山女魚を釣り上げるが、その途端何者かに襲撃される。ふたりは依頼人の正体を調べ始めるが、《ラストホープ》にはまたしても同様の依頼を書いたファクスが届いた。困惑するふたりは、いつしか一億円争奪ゲームの真只中に――。〈最後の希望(ラストホープ)〉を売る店の、愉快な悪漢コンビが奮闘する長編クライム・コメディ。『石の中の蜘蛛』で日本推理作家協会賞を受賞した鬼才が放つ快作。 -
七度狐 落語シリーズ2
落語と無縁だった間宮緑も職場に定着し、牧大路編集長の透徹した洞察力に舌を巻きつつ落語編集道を驀進中。夏のある日、緑は春華亭古秋一門会の取材を命じられ、静岡の杵槌村を訪れる。この会は、引退を表明している当代古秋が七代目を指名する、落語界の一大関心事だ。開始直前、折からの豪雨に鎖され陸の孤島と化した村に見立て殺人が突発。警察も近寄れない状況にあっては、名探偵の顔を持つ牧も電話の向こうで苛立ちを募らせるばかり。やがて肝腎の後継者候補が一人ずつ見立て殺人の犠牲に……。犯人捜しと名跡の行方、宿悪の累が相俟って終局を迎えたそのとき、全ての謎が解ける!あらゆる事象が真相に奉仕する全き本格のテイスト、著者初長編の傑作ミステリ。 -
ガーデン
燃える火に夜と書いて、カヤ。赤い髪に華奢な躯、大きな眸をした捉えどころのない娘。行く夏の海で火夜に逢った真波は、何の違和感もなく一緒に住むようになっていた。その火夜が不意に姿を消してしまう。そして二週間、真波の許へ火夜と同じエナメルを塗った小指が届く。動顛した真波は同じマンション内の今泉文吾探偵事務所を訪ね、火夜を捜してほしいと依頼するのだが……。謎めいた娘を求めて、植物園と見紛うばかりの庭苑に足を踏み入れた探偵。血を欲するかのように幾たりもの死を招き寄せる庭で、今泉が見出したものは? 悲痛な真相が惻々と胸に迫る、本格ミステリの傑作。 -
退職刑事1
かつては硬骨の刑事、今や恍惚の刑事になりかかった父親が、捜査一課の現職刑事である息子の家を頻々と訪れる。五人いる息子のうち、唯一同じ職業を選んだ末っ子から現場の匂いを感じ取りたいのだろう。その息子が目下捜査中の事件について話を始めると、父親はあれこれと突っ込みを入れ、あげく真相を引き出してしまうのだった……。記念すべき第一作「写真うつりのよい女」をはじめ、推理の過程が秀逸な「ジャケット背広スーツ」など、七編を収録。国産の《安楽椅子探偵小説》定番中の定番として揺るぎない地位を占める、名シリーズ第一集。/【収録作】「写真うつりのよい女」/「妻妾同居」/「狂い小町」/「ジャケット背広スーツ」/「昨日の敵」/「理想的犯人像」/「壜づめの密室」/あとがき=都筑道夫/解説=法月綸太郎 -
黒いハンカチ
住宅地の高台に建つA女学院――クリイム色の壁に赤い屋根の建物があって、その下に小さな部屋が出来ていた。屋根裏と云った方がいいそこがニシ・アズマ女史のお気に入りの場所だった。ちっぽけな窓から遠くの海を眺め、時には絵を描いたりもしたが、じつは誰にも妨げられずに午睡ができるからだった。だが、好事魔多し。そんな彼女の愉しみを破るような事件が相次ぐ。そしてニシ先生が太い赤縁のロイド眼鏡を掛けると、名探偵に変身するのだ。飄飄とした筆致が光る短編の名手の連作推理。/【収録作】「指輪」/「眼鏡」/「黒いハンカチ」/「蛇」/「十二号」/「靴」/「スクェア・ダンス」/「赤い自転車」/「手袋」/「シルク・ハット」/「時計」/「犬」/あとがき/解説=新保博久 -
薔薇の女
フィリップ・モリスをひとつ――紙幣と共に差し出された名刺が、映画女優を夢みるシルヴィーに運命の訪れを告げていた。ささやかな贅沢で祝したその夜更け、自室の扉を叩く音に応じた彼女に賦与された未来は、あろうことか首なし屍体となって薔薇の散り敷く血の海に横たわることだった……。そして翌週には両腕を失った第二の、翌々週には両脚を奪われた第三の犠牲者が。明らかに同一犯人と見做される状況にも拘らず、生前の被害者たちに殺害されるに足る共通項を探しあぐね混乱するパリ警視庁。事件を統べる糸〈ドミニク・フランス〉を紡ぎ出してみせる矢吹駆の、鮮やぐ現象学的推理が織り成す、真相という名の意匠とは?/解説=山路龍天 -
れんげ野原のまんなかで
新人司書の文子がこの春から所属されたのは、のどかな秋葉図書館。ススキ野原のど真ん中に建つこの図書館は利用者もまばら、暇なことこのうえない。しかし最近妙な闖入者が現れた。小学生が閉館後も居残るために、あの手この手で図書館員たちの裏をかこうとしているらしい。いったいなぜ? 文子はかねてよりその博識ぶりを崇拝している先輩司書・能勢の力を借りて、小学生たちの企みをつきとめようとするが……。季節の折々に、小さな図書館を訪れる人たちがもたらすささやかな謎の数々。すべての本好き、図書館好きに捧げる、やさしいミステリ。/解説=大崎梢 -
煙の殺意
問答無用の面白さ、騙される快感!泡坂ミステリのエッセンスが詰まった名作品集。困っているときには、ことさら身なりに気を配り、紳士の心でいなければならない、という近衛真澄の教えを守り、服装を整えて多武の山公園へ赴いた島津亮彦。折よく近衛に会い、2人で鍋を囲んだが……知る人ぞ知る逸品「紳士の園」や、加奈江と毬子の往復書簡で語られる南の島のシンデレラストーリー「閏の花嫁」、大火災の実況中継にかじりつく警部と心惹かれる屍体に高揚する鑑識官コンビの殺人現場リポート「煙の殺意」など、騙しの美学に彩られた8編を収録。/収録作=「赤の追想」「椛山訪雪図」「紳士の園」「閏の花嫁」「煙の殺意」「狐の面」「歯と胴」「開橋式次第」