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Posted by ブクログ
問:畑寛子と北西匠の共通点は。答:謎の生命体(人型)と相利共生(共生関係を結んで生活していること。 その生命体は見かけは人間と変わらず性格は穏やか、美味しい料理を作って勧めてくれる。そして食後に手を握ってエネルギーを吸い取り、自らの糧とする。 宿主の人間は食べ過ぎても太らないし、パニックに陥ったときも興奮による無駄なエネルギーを取ってもらって冷静になることができる。 とてもお得な同棲相手でうらやましいくらい。 ただ、魂のきれいな人のエネルギーじゃないと美味しくないのですって。 そして本作は推理小説であります。 生命体ギンちゃんとムーちゃんは安楽椅子探偵の才能を持っているのです。 宿主の畑さんと北西君の魂が汚されてはごはんがまずくなるので、彼女らの身に降りかかった災難を解きほぐす。それがまたスマートで論理的。 西澤保彦さんがSF推理をたくさん書いておられますが、この方もちょっと非現実設定のミステリが面白いです。
Posted by ブクログ
石持浅海 『温かな手』
(2007年12月・東京創元社)
大学の研究室に勤める畑寛子の同居人・ギンちゃんは名探偵。
サラリーマンの北西匠の同居人・ムーちゃんも名探偵。
ギンちゃん&ムーちゃん兄妹は、人間の生体エネルギーを糧にする謎の生命体。
宿主である寛子や匠の清らかな生体エネルギーを確保するために、彼らが遭遇した殺人事件や騒動を鮮やかに解き明かす。
一風変わった名探偵兄妹とそのパートナーが活躍する連作短編集。
独特の設定とシャープな謎解きが魅力の、石持ミステリの真骨頂!(東京創元社HPより)
見た目は人間だけど、中身は謎の生命体。
同居人の余分なエネルギー(日常的には過剰摂取したカロリー)を手のひらから吸い取って
共存共栄の生活を営んでいる。
読み始めてみると、そこにあるのはいつもの石持節で、最初はそのSF的な設定との関連性が
よくわからず戸惑ってしまう。
しかし小道具としてはなかなか上手い味付けがしてあって、殺人事件に遭遇してパニックになっている人の過剰な精神エネルギーを吸収して落ち着かせたり、生体エネルギーの「味見」をして清らかな心の持ち主かどうかを判別したり、といった具合。
とにかく必要以上に殺人事件が起き、周囲の人間はどんどんパニックになっていくので、彼らも大忙しなのである。
ただ、落ち着かせたところで肝心の事件を解決するのはもとから冷静な彼らだったりするのが
腑に落ちないところではある。
個人的には、作中の「お嬢さんをください事件」のように日常の謎っぽい話を多く書いて欲しかったが、それだと設定を生かしきれなかったのだろうか。
論理破綻がないように見えて実はありまくり、というのがボクにとっての石持さんの魅力だったが、この作品ではその上手をいって(半ば自虐的に)昇華せしめているところがスゴい。
真相を暴いた本人が後に、口からでまかせだった的な発言をしているところが、なんとも憎たらしい。
評価の★4つは、最終章の「温かな手」の評価であって、その他はせいぜい★3つか3.5コかな。
『人柱は~』は未読だが、石持浅海ってこういう奇抜な設定・しばりの中でこそ輝ける気がする。
あ、それだと西澤保彦と区別がつかね…(笑)。
80点(100点満点)。
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小説・文芸
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