あらすじ
大学の研究室に勤める畑寛子が一緒に暮らすギンちゃんは名探偵。サラリーマンの北西匠の同居人で、美少女のムーちゃんも名探偵。一見イケメン&美少女の兄妹だが、実は人間の生命エネルギーを糧にする謎の生命体。特に宿主である、寛子や匠の清らかな生命エネルギーが大の好物である。二人の清らかさを確保するために、兄妹は遭遇した殺人事件や騒動を鮮やかに解き明かす。ギンちゃん&ムーちゃんという、一風変わった名探偵兄妹とそのパートナーが活躍する、本格ミステリ連作集。独特の設定とシャープな謎解きが魅力の石持ミステリの真骨頂!
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Posted by ブクログ
この人の小説は、読後感が凄く温かいので好きです。
魅力的な設定、と言うかキャラを作るのも上手いと思う。
そんでもって切れ者が徹底的に切れ者だから、小気味良いです。
私の余剰エネルギーも吸って欲しいぜ。
Posted by ブクログ
面白かったです。
堪能できました。
連作短篇集。
人間の姿をした、人の余剰エネルギーを吸って生活している種族が主人公なんて、さすが、石持ワールドと笑って読んでたら、最後には鳥肌が立つような感動をもらえました。
ゾクゾクッと来たのは久しぶりです^^ ありがとう!
『温かな手』・・・なるほど、納得です。
Posted by ブクログ
やばい。まじ好き…!
今年読んだ中では一番好きな1冊かも。ラスト、泣きました…。
ほのぼの…でもしんみりと哀しさも染み渡ってくる、石持ミステリ。切ないハッピーエンドが美しすぎます・・・
Posted by ブクログ
問:畑寛子と北西匠の共通点は。答:謎の生命体(人型)と相利共生(共生関係を結んで生活していること。 その生命体は見かけは人間と変わらず性格は穏やか、美味しい料理を作って勧めてくれる。そして食後に手を握ってエネルギーを吸い取り、自らの糧とする。 宿主の人間は食べ過ぎても太らないし、パニックに陥ったときも興奮による無駄なエネルギーを取ってもらって冷静になることができる。 とてもお得な同棲相手でうらやましいくらい。 ただ、魂のきれいな人のエネルギーじゃないと美味しくないのですって。 そして本作は推理小説であります。 生命体ギンちゃんとムーちゃんは安楽椅子探偵の才能を持っているのです。 宿主の畑さんと北西君の魂が汚されてはごはんがまずくなるので、彼女らの身に降りかかった災難を解きほぐす。それがまたスマートで論理的。 西澤保彦さんがSF推理をたくさん書いておられますが、この方もちょっと非現実設定のミステリが面白いです。
Posted by ブクログ
優しくて賢くて頼りになるギンちゃん。おまけにかっこいい。人間じゃなくても恋愛感情持ちそうだけどなー。
いろんな事件は起こるけど、そのわりにほっと温かくなるお話だった。
Posted by ブクログ
人からエネルギーをもらって生活する人外の二人と、その二人とそれぞれに住む人たちにまつわる謎解きの話。
連作短編集といった感じに仕上がっている。
私も、このような人がいてくれるなら(人じゃないけど)一緒にいたいなと思う。
なんか、いい感じの話。
Posted by ブクログ
ギンちゃん&ムーちゃん。
人間からエネルギーを摂取する謎の生物。だけど、とても冷静で論理的で慧眼。
文字通り、目の付け所が違うのかも。
それぞれの同居人である畑寛子・北西匠が巻き込まれるトラブルを解決へと導いていく。
「白衣の意匠」
畑寛子の研究室で起きた事件。何故か被害者は寛子の白衣を着ていた。
「陰樹の森で」
傷心の寛子の為、仲間たちが寛子とギンちゃんをキャンプへ誘うも事件が起こる。
「酬い」
ムーちゃんも被害に遭った、満員電車の痴漢が殺される。
解決後に「でたらめ」と言い放つムーちゃんだが、あくまで論理的なのでそれが真相だったりする。
『不思議の足跡』にも収録されてた話だよな。
「大地を歩む」
北西の友人であり陸マイラーでもある国元が殺された。財布には何故か多額の現金が入っていた。
この話もムーちゃんの解決はでっちあげだったりするけど、結局真相なんだよな。基本的にその場が収束できればいいというスタンスの謎解きなんだろう。
「お嬢さんをください事件」
寛子とギンちゃんが出会う話。何故倉科は姿を消したのか。
「子豚を連れて」
北西&ムーちゃん、畑&ギンちゃんが出会うことに。
待ち合わせの風車の前で、子豚を連れた女性について語るムーちゃん。
「温かな手」
そして姿をくらますギンちゃん&ムーちゃん。
Posted by ブクログ
石持浅海 『温かな手』
(2007年12月・東京創元社)
大学の研究室に勤める畑寛子の同居人・ギンちゃんは名探偵。
サラリーマンの北西匠の同居人・ムーちゃんも名探偵。
ギンちゃん&ムーちゃん兄妹は、人間の生体エネルギーを糧にする謎の生命体。
宿主である寛子や匠の清らかな生体エネルギーを確保するために、彼らが遭遇した殺人事件や騒動を鮮やかに解き明かす。
一風変わった名探偵兄妹とそのパートナーが活躍する連作短編集。
独特の設定とシャープな謎解きが魅力の、石持ミステリの真骨頂!(東京創元社HPより)
見た目は人間だけど、中身は謎の生命体。
同居人の余分なエネルギー(日常的には過剰摂取したカロリー)を手のひらから吸い取って
共存共栄の生活を営んでいる。
読み始めてみると、そこにあるのはいつもの石持節で、最初はそのSF的な設定との関連性が
よくわからず戸惑ってしまう。
しかし小道具としてはなかなか上手い味付けがしてあって、殺人事件に遭遇してパニックになっている人の過剰な精神エネルギーを吸収して落ち着かせたり、生体エネルギーの「味見」をして清らかな心の持ち主かどうかを判別したり、といった具合。
とにかく必要以上に殺人事件が起き、周囲の人間はどんどんパニックになっていくので、彼らも大忙しなのである。
ただ、落ち着かせたところで肝心の事件を解決するのはもとから冷静な彼らだったりするのが
腑に落ちないところではある。
個人的には、作中の「お嬢さんをください事件」のように日常の謎っぽい話を多く書いて欲しかったが、それだと設定を生かしきれなかったのだろうか。
論理破綻がないように見えて実はありまくり、というのがボクにとっての石持さんの魅力だったが、この作品ではその上手をいって(半ば自虐的に)昇華せしめているところがスゴい。
真相を暴いた本人が後に、口からでまかせだった的な発言をしているところが、なんとも憎たらしい。
評価の★4つは、最終章の「温かな手」の評価であって、その他はせいぜい★3つか3.5コかな。
『人柱は~』は未読だが、石持浅海ってこういう奇抜な設定・しばりの中でこそ輝ける気がする。
あ、それだと西澤保彦と区別がつかね…(笑)。
80点(100点満点)。
Posted by ブクログ
石持浅海さんの本は初めて。
もっと硬い文章を書く「本格」系の人かと思ってたけど、いやいや全然違いました。
柔らかい文章と優しい登場人物。いい雰囲気の作品でした。
SF的な設定もあるけど、それも鼻につくことないので、SFが苦手な人でも大丈夫。
短編の連作物で、最後のストーリー展開はちょっと読めてしまったけど、魅力的な文章で最後まで飽きさせません。
石持さんの他の作品も読んでみよう。
Posted by ブクログ
ほんわか「温かい」ミステリ。ヒトも死ぬし、血も出る。なのに「温かい」んだな。擬態して人間界に住み、ヒトの生命力を吸い取って生きている兄妹 ギンちゃんとムーちゃん。彼らが同居人、寛子と北西くんの周りで起こる事件をなんとも鮮やかな推理で解いていく連作ミステリ。SFちっくな設定なのだけど、そばにいてもいいかも、もしくはいて欲しいかもと思っちゃう。だってどれだけ食べても彼らといる限り太らないんだからね。でも一緒にいても恋人にはなれない…切ないなぁ。
Posted by ブクログ
数ページ読み始めると、ギンちゃん・ムーちゃんの正体は
すぐ分かるのですが、ここではあえて伏せておきますね。
気になる方は是非読んでみて下さいね。
不思議な力を持つとだけ書きますが、その力が素敵なんです。
もし自分の周りにこんな力を持つ人がいたら、
一緒に暮らしてみたいですね。癒されそうです♪
ギンちゃんと一緒に暮らしているのは、
大学で生物学を学び助手を務める寛子。
おっとりしてそうな印象を受けますが、目の付けどころは鋭そう。
ムーちゃんと一緒に暮らしているのは、
会社員で交友関係も広い匠。
とても優しい雰囲気を持っている印象。
ギンちゃんと寛子、ムーちゃんと匠。
それぞれが別々の事件に遭遇し、最後の章でようやく巡り合います。
この本の表表紙と裏表紙を見てもらえば分かると思いますが、
表がギンちゃんたち、裏がムーちゃんたちになっていて、
ラストに繋がる絵になっています。
最後の短編(表題作:温かな手)が、切なくてたまらないんですけど、
とにかく気に入っているので、気づいた時には感動でした。
Posted by ブクログ
私も過剰なエネルギーを吸ってもらいたい。これぞ究極のエステだ。
でもそのためにはおいしい人でなければならない。
自分のはおいしいかなと顧みた。
作成日時 2008年02月09日 11:43
Posted by ブクログ
ちょっとSFなミステリ。ほのぼのテイストの割には人がガンガン死んでいる。しかも結構シビア。余分なカロリーを吸い取ってくれる存在がいたら私もお願いしたいものだw
Posted by ブクログ
7編の連作短編集。非常にライト。面白いとはいえない。ギンちゃんがギンボ君みたいだなーと思ってたら、まさにその魚からの命名だった。こっちは見た目からじゃないけどね。同じ人間ではないとはいえ、ギンちゃんは優しくかっちょいいし、ムーちゃんだって北西匠は好きだっただろうに。しかし、人間でないと分かってたって、性的興味というか関心は持てそうだけどな。特に匠がムーちゃんに対して。最後は切ない。黙っていなくなるなよ。ひどいよ。残されたもの同士だからといって、うまくいくだろうか。いくらお互いいい人だからといって。私もギンちゃんと暮らしたいものだ。
Posted by ブクログ
暖かいじゃなくて温かと書いたのは意味があるのかな?
と思ったのですが、あるのかないのか。。。結局わからずじまい。。。他人の生命を吸い取って生きてる生命体、「ぎんちゃん」
そのぎんちゃんと暮らす畑寛子。ぎんちゃんは次々と起こる殺人事件の難解を解いていく。。。
その妹、「ムーちゃん」もまた人の生命を吸い取りながら生きている生命体。彼女もまた、北西匠と暮らして難解な事件を解いていく。。。。
その4人が旅行へと出かけた。。ぎんちゃんにはある思惑があるとも知らずに。。。。
「謎の生命体」って設定がSFっぽかったけど、
別にSFっぽい要素はなく、ただ、たんたんと事件を解決していく名探偵のお話でしたね。。でもトリックはこちらもすぐ分かるような簡単もので、あまり凝ってない。。
あーこれかなっと予想出来るみたいな。。。最後のぎんちゃん達の行動は理解できると言えば出来るけど、かといってすぐ受け入れられると言えばそれは。。。みたいな。。。
あ、でもこれも予想できた展開でしたが。。。
はて?この方、「耳をふさいで夜を走る」の方だ。全く気づきませんでした。作風が違う!全く違う。
えーまじめに全く別の方と思って読んでました。これはびっくり。。。一番びっくり。。。(笑)
Posted by ブクログ
石持さんは、ミステリーでも本格派とカジュアル派と書くんだけど
どちらもミステリー部分がイマイチなんです。
どの本を読んでも、動機が弱いんです。
ただ、動機は価値観によって違ってくるものだから仕方ないと思いますが、それでも詰らない。
じゃ、なんで石持さんの本を読むかというと
人物に魅力あるんです。
あと、お酒が好きみたいで美味しそうに表現してくれるんです。
今一番のあたしのお気に入りの日本酒も石持さんの本から情報を
えて知ったお酒。
石持さんが薦めるなら、美味しいお酒だろうと思うようになりました。
ただ残念な事に今回の本ではお酒好きが集まっている話があるにも
関わらず、そのへんはすっとばして書かれています。
あー残念。
( ・_ゝ・)<飽食の時代故に平和的解決
Posted by ブクログ
人の生命力を糧とする異生物であるギンちゃんとムーちゃん。彼(彼女)と一緒に暮らし、その生命力を与える主人公(達)
・・とかいうといかにもSFっぽいですが、実際はそうではありません。
「人ではない身の上」で主人公達に降りかかってきた事件を冷静に推理し解決する・・・という流れ。
この作者らしい「SFっぽい設定を取り入れたミステリ」という形ですね。いつもながらまとまりが綺麗で良い感じ。
ただ、文章上で「この人とは違う生物なんだから・・」みたいに無理に線引きをしているような感じがしましたが、見た目が(擬態しているとはいえ)人間である以上そんなに気にしなくてもどうにかずっと一緒にいられる道はなかったものなのかな・・?とか思った
Posted by ブクログ
大学に勤める畑寛子の同居人・ギンちゃんは人間ではない。
そして会社員の北西匠の同居人・ムーちゃんも人間ではない。
二人は人間の生体エネルギーを吸収し生きる、人とは異なる生命体なのだ。
それぞれ魂のきれいな同居人においしいごはんを作り、過剰摂取した分のエネルギーをもらう生活を続けているのだが、その同居人たちのまわりに事件が起こって・・・というストーリーで7編の短編集になってます。
(いくら食べてもギンちゃんがいればダイエットいらずなんだよなぁ。
うぅ、一家に1人はほしいものだわ。
アタクシ、魂の清浄さに自信がイマイチなので、きっと来てくれないと思うけど・・・。)
んー、設定は面白いかな?
でもこのラストは安直過ぎ。
「生体エネルギーを吸う生命体」が2人いて、それぞれの同居人が男性と女性なら、当然考え付くラストですよ。
ラストへの導き方も今一つかな。
ラスト以外の6編は面白かったので、それが少し残念でした。
Posted by ブクログ
謎の生命体が探偵役を務める連作短編ミステリ。
そんな珍妙な設定がすんなり受け入れられてしまう、普通にミステリとして「読める」作品でありました。
皮肉たっぷりに人間関係を表しながらどこか切なく優しい読後感を残す、まぁそういうタイプのやつでありますが、なんかちょっと斜めから見下ろしたような歪んだ視点がいいですな。
Posted by ブクログ
大学の研究室に勤める畑寛子の同居人・ギンちゃんは名探偵。サラリーマンの北西匠の同居人・ムーちゃんも名探偵。人間離れした二人は、彼らが遭遇した殺人事件や騒動を、鮮やかに解き明かす!一風変わった名探偵とそのパートナーが活躍する、著者渾身の連作集。
Posted by ブクログ
ギンちゃんとムーちゃんの存在は微笑ましくもあるけれど、少し怖くもあって、そこが絶妙なバランス。最終話の「温かな手」は思いもよらない展開で、ビックリしたと同時にしんみりしました。私もギンちゃんと同居してみたい!と思いながら読み進めたけれど、ああいう展開になるのはやっぱり寂しいかな。
ちなみにミステリとして個人的に一番楽しめたのは「陰樹の森で」です。
Posted by ブクログ
大学研究室に勤める寛子の同居人は人間ではなく、皮膚を接触させて人間からエネルギーを摂取して生きる種族のギンちゃん。
ギンちゃんが殺人事件を解決いていく。
Posted by ブクログ
人のカロリー吸い取って生きる、人っぽいものと暮らす人が殺人事件に出くわし、解決してく話。大筋でつながった短編集。
この人っぽい人が鋭い洞察力で、真相を暴いていくんだけど、なんかちょっと強引過ぎる推理の予感。
「ドアは閉ざされたまま」「君の望む死に方」繋がりで読んだけど、これらほどは面白くなかった。
Posted by ブクログ
ほのぼのストーリーと錯覚しそうになるけど、ありえないくらいバタバタ人が殺されていきます。
でも殺伐とせず、やっぱり後味はほのぼの。
これが石持マジックでしょうか。
とりあえずギンちゃんみたいなビューネくんが欲しいです。
でも私、魂が穢れているからだめだなきっと。