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「犯人だって、好きで犯罪に走ろうとしているわけではありません。必ず迷いがあります。その段階でうちに来てもらえれば、犯罪の発生を未然に防ぐことができます」──そのNPO法人には、罪を犯すか悩む人が相談にやってくる。相談員はそんな犯罪者予備軍たる人々から聞き出した犯行計画の穴を次々と指摘していく。相棒の剽窃に怒るミュージシャン、夫の罪が露見することを恐れる妻、想い人の死に復讐を決意した大学生……。不備を突かれた者たちの殺意は、果たして本懐を遂げるのか。犯罪発生を未然に防ぐ!? 新しい形の倒叙ミステリ短編集!/【目次】五線紙上の殺意/夫の罪と妻の罪/ねじれの位置の殺人/かなり具体的な提案/完璧な計画/解説=若林踏
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Posted by ブクログ
面白かった!!殺人もの5つ。成功したり失敗したりいろいろ。
第1話 犯罪に走る前に相談してほしいというNPOの呼びかけに応じてきてみた。完全防音、名前も聞かれていない。有馬は親密な人を殺そうと思っている。逮捕されたくないが、殺したい。だが止められる。相談員がボールペンをナイフに見立てて刺してくださいというが、できない。いろいろな代替案も論破される。
有馬は逆説的に考えて捕まらない方法を模索する。
第2話 夫が二週間前に元教師の男性を殺した。妻の不倫相手だった人だが、まだ死体が見つかっていない。どうして判明したかについて、相談員は夫が妻の携帯に自分の指紋を登録したのでは?と言われてその通りだった。
第3話 白坂花梨は双子の白坂木乃美に殺された。服部は大学のサークルの友人だ。殺された花梨が好きだった。キャンプに行って、川が増水した。逃げようという段になって、花梨がいないことに気がついた。川に流されていた。
一方、木乃美を好きだった窪田も服部殺害を目論んでいる。
第4話 英会話教室での知り合いを殺したい。先生のリンジーヒースは同居のアメリカ人男性に暴力を受けていた。教室みんなで解決しようと、弁護士費用とカウンセリング費用を捻出したところで、広島に転勤になってしまった。だが自分が手を引いたことでみんなやる気がなくなり、先生は自殺した。
第5話 同性愛のパートナーが、お見合いを勧められたが、断れる筋合いでもなくトントン拍子に話が進んだ。
Posted by ブクログ
1話完結スタイル。舞台はとあるNPO法人。
殺人などの犯罪者になってしまうのを未然に防ぐべく設けられた、いわば犯罪者予備軍の駆け込み寺。そこを訪れるのは、「殺したい人がいる」という殺人犯予備軍の方々。
てっきり相談員さんが道徳的・倫理的な説得を試みるのかと思いきや、殺害計画を聞き出しては徹底的にその穴を指摘し、潰していく。そして「この計画では無理だ」と悟らせ、殺害を諦めさせる。
一貫して“殺人コンサルタント”のような立ち回りをする、この斬新なスタイルが本作の見どころ。
相談者がつい「相手を確実に殺害するのが、こんなに難しいと思わなかった」と反省してしまう場面には、少し笑ってしまう。
各話に登場する相談者には、それぞれ殺したいほど憎い相手がいる。
ただ、その理由は「本当に殺さなあかん?」と思ってしまうものも多く、それでいて自分は逮捕されたくないというのだから、なかなかに利己的で呆れてしまう。
憎しみに囚われるあまり、相手にも家庭があり、それなりの事情があるかもしれないというところにまでは思い至れない。そんな彼らの視野の狭さや身勝手さも含めて味わう話なのかもしれない。
果たして彼らは、それぞれ「特定の人を葬る」という本懐を遂げられたのか。
ぜひ最後まで見届けてみてほしいところ。
ちなみに脳内キャスティングでは、淡々と殺害計画のアラを指摘する相談員さんは向井理でした。
異論は認めます!
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