【感想・ネタバレ】あなたには、殺せませんのレビュー

あらすじ

「犯人だって、好きで犯罪に走ろうとしているわけではありません。必ず迷いがあります。その段階でうちに来てもらえれば、犯罪の発生を未然に防ぐことができます」──そのNPO法人には、罪を犯すか悩む人が相談にやってくる。相談員はそんな犯罪者予備軍たる人々から聞き出した犯行計画の穴を次々と指摘していく。相棒の剽窃に怒るミュージシャン、夫の罪が露見することを恐れる妻、想い人の死に復讐を決意した大学生……。不備を突かれた者たちの殺意は、果たして本懐を遂げるのか。犯罪発生を未然に防ぐ!? 新しい形の倒叙ミステリ短編集!/【目次】五線紙上の殺意/夫の罪と妻の罪/ねじれの位置の殺人/かなり具体的な提案/完璧な計画/解説=若林踏

...続きを読む
\ レビュー投稿でポイントプレゼント / ※購入済みの作品が対象となります
レビューを書く

感情タグBEST3

Posted by ブクログ

犯罪者のための駆け込み寺、なんていう設定からして面白い。
で、人殺しを企む相談者の計画のあらを次々指摘する。
捕まりますよ、そうでなくても殺害自体ができませんよ、と。
相談者も動機も、相談の結果もそれぞれ。
正直、大いなるマンネリのパターン化された展開を予想していたので、いい具合に想像を裏切ってくれた。
ロジックを積み重ねる石持さんの得意な展開に新しい流れだ。
続編が出たらぜひ読みたい。

0
2026年07月12日

Posted by ブクログ

ネタバレ

犯罪を決行しようか悩む犯罪者予備軍が相談するNPO法人が舞台。そこの1号室にいる名前もわからない相談員が殺人に手を染めようとする彼らの計画を論理的な思考ですべて否定していくという物語。
石持先生らしい論理×倒叙モノという碓井優佳シリーズにも通じる形式でありながらその計画を事前に否定して犯罪を抑止するという形式にはとても驚かされました。しかしそこで彼らは計画を補正されたと考え次々に実行に移していってしまう。
そこに待ち受けるのは将来の栄光かそれとも破滅への入り口か...まるで新しい切り口の笑うセールスマンのようで楽しませてもらいました。相談員が間違いなくレギュラーキャラクターではあるものの喪黒ポジションであり実際の主役は犯罪者予備軍である。相談員は本当に犯罪者を止める気はあるのか、実は煽っているだけではないかといった考察もできてしまう。碓井優佳シリーズも優佳自身は犯罪の解決のみに視点をおいている狂言回しに近いポジションであることも共通している。これからも続いていきそうなシリーズなのでぜひ続編を読んでみたいです。

最後にこの作品をアニメ化したときの声優陣を自分なりのキャスティングにしたので読むときの参考にしてください。
相談員:鳥海浩輔
代表:平田広明
記者:福島潤
事務員:島袋美由利
有馬駿:梅田修一郎
福留正隆:浦和希
妻:戸松遥
夫:杉田智和
服部建斗:松岡禎丞
窪田壮:島崎信長
白坂木乃美:松田利冴
白坂花梨:松田颯水
日下部渉:木村良平
岡崎一也:岡本信彦
日下部妻:上田麗奈
目黒恵利:日笠陽子
栄佳央里:寿美菜子

0
2026年07月05日

Posted by ブクログ

面白かった!!殺人もの5つ。成功したり失敗したりいろいろ。

第1話 犯罪に走る前に相談してほしいというNPOの呼びかけに応じてきてみた。完全防音、名前も聞かれていない。有馬は親密な人を殺そうと思っている。逮捕されたくないが、殺したい。だが止められる。相談員がボールペンをナイフに見立てて刺してくださいというが、できない。いろいろな代替案も論破される。
有馬は逆説的に考えて捕まらない方法を模索する。

第2話 夫が二週間前に元教師の男性を殺した。妻の不倫相手だった人だが、まだ死体が見つかっていない。どうして判明したかについて、相談員は夫が妻の携帯に自分の指紋を登録したのでは?と言われてその通りだった。

第3話 白坂花梨は双子の白坂木乃美に殺された。服部は大学のサークルの友人だ。殺された花梨が好きだった。キャンプに行って、川が増水した。逃げようという段になって、花梨がいないことに気がついた。川に流されていた。
一方、木乃美を好きだった窪田も服部殺害を目論んでいる。

第4話 英会話教室での知り合いを殺したい。先生のリンジーヒースは同居のアメリカ人男性に暴力を受けていた。教室みんなで解決しようと、弁護士費用とカウンセリング費用を捻出したところで、広島に転勤になってしまった。だが自分が手を引いたことでみんなやる気がなくなり、先生は自殺した。

第5話 同性愛のパートナーが、お見合いを勧められたが、断れる筋合いでもなくトントン拍子に話が進んだ。

0
2026年06月29日

Posted by ブクログ

1話完結スタイル。舞台はとあるNPO法人。
殺人などの犯罪者になってしまうのを未然に防ぐべく設けられた、いわば犯罪者予備軍の駆け込み寺。そこを訪れるのは、「殺したい人がいる」という殺人犯予備軍の方々。

てっきり相談員さんが道徳的・倫理的な説得を試みるのかと思いきや、殺害計画を聞き出しては徹底的にその穴を指摘し、潰していく。そして「この計画では無理だ」と悟らせ、殺害を諦めさせる。
一貫して“殺人コンサルタント”のような立ち回りをする、この斬新なスタイルが本作の見どころ。

相談者がつい「相手を確実に殺害するのが、こんなに難しいと思わなかった」と反省してしまう場面には、少し笑ってしまう。

各話に登場する相談者には、それぞれ殺したいほど憎い相手がいる。
ただ、その理由は「本当に殺さなあかん?」と思ってしまうものも多く、それでいて自分は逮捕されたくないというのだから、なかなかに利己的で呆れてしまう。
憎しみに囚われるあまり、相手にも家庭があり、それなりの事情があるかもしれないというところにまでは思い至れない。そんな彼らの視野の狭さや身勝手さも含めて味わう話なのかもしれない。

果たして彼らは、それぞれ「特定の人を葬る」という本懐を遂げられたのか。
ぜひ最後まで見届けてみてほしいところ。

ちなみに脳内キャスティングでは、淡々と殺害計画のアラを指摘する相談員さんは向井理でした。
異論は認めます!

0
2026年08月09日

Posted by ブクログ

計画的に人一人殺すことがどれだけ困難なのかあらゆる角度から議論しているのが面白い。同性愛者の女性が恋人を殺すことを計画する「完璧な計画」が1番好きだった。

0
2026年07月06日

Posted by ブクログ

随分と低評価なので少し心配になりましたが、個人的には面白い視点だと思いました。
ちゃんとオチもあって、私には考えつかない事だったのでその面でも満足しました。
想像よりも良かったです。

0
2026年07月02日

Posted by ブクログ

ネタバレ

タイトルだけだとよく分からなかったけど、あらすじを読んで面白い着眼点の話しだな、と思い、さらに石持浅海さん作品なので間違いないだろうと思って購入しました。
犯罪者予備軍と呼ばれる人達が犯罪を犯す前に相談に訪れるNPO法人。ある一室で殺したい相手やその理由、方法を話すが、話していくうちに……。
雑誌に掲載されたものを集めた短編集で、書き出しの文章はほぼ同じですが、その書き方が余計に不気味さを醸し出してて私は好きでした。1話目を読み終わった時は、あーそうゆう流れかとちょっと落胆してしまいましたが、そこはちゃんと想像を超えてきてくれて、毎回終わり方が違ったので、楽しめました。しかも、何で1の部屋って言うのか分からなかったけど、犯罪にも色々あるもんね、とある1文を読んで気付かされました。なので、もし続きが書かれるのなら、他の部屋番号の話しもちょっと読んでみたいなぁ、と思いました。

0
2026年06月23日

Posted by ブクログ

ネタバレ

殺し屋シリーズと同様の展開。結末にオチとして、主人公の検討の結果が明示される。
特徴の無いサラリーマン風カウンセラー、1号室、殺人願望独白、実現可能性検討or背景現実確認

0
2026年08月23日

Posted by ブクログ

同じ設定・コンセプトの短編集。殺人衝動を止めるNPO法人が結果的に殺人コンサルタントになる設定やカウンセラーのキャラクターは良かったが、肝心のストーリーにツッコミどころが多いのが残念。どの章も殺人の相談をして可能性を一つずつ潰していくくだりは面白いが最後の事件シーンが悉く穴だらけで惜しいなあという印象でした。設定は面白くて読みやすいので深く考えずサクッと読むには良い一冊。

0
2026年08月06日

Posted by ブクログ

なんとなく途中から結末が予想できてしまう。まぁ話の都合上そうなるのは仕方ない気もするが、自分は最後まで誰が犯人かわからないか、動悸がわからないかという作品の方が好きなんだと気づいた。

0
2026年07月25日

Posted by ブクログ

久しぶりの石持作品
西澤の腕貫探偵的な話かと思ったらそうでもない。

残念なのは、一応、倒叙ミステリなんだか、どの話も切れ味の鋭さが足りない気がする。

0
2026年07月23日

Posted by ブクログ

面白い視点で読んでみたい!と手に取ったが、似たような展開が続くので、思ってたのと少し違った印象。それでも相談員の掴めないキャラと犯罪計画の穴をストレートについてくるところは爽快。

0
2026年07月19日

Posted by ブクログ

ブラックユーモアが感じられる部分が、個人的には好みだった。
ただ、相談員のキャラクターが掴めなさすぎて、終始何をしたいのか分からなかった。
その分からなさが面白いところでもあるのだが…。

是非、シリーズ物として、次回作を読んでみたいなと思った。

0
2026年07月19日

Posted by ブクログ

読んだことのないタイプの、変わったテイストのミステリーで面白かった。
コンサルになる事を考えているタイミングだったので、仕事のやり方の参考にするような目線で読んでた。

0
2026年07月18日

Posted by ブクログ

「相談員」と聞くと、福祉に従事している身ではついつい「相談支援員」を想像してしまっていたのですが、思っていたのと全然違う「相談員」が出てきました。

淡々とした口ぶりと、いつも変わらぬその見た目。なんだかロボットみたいで、それが気味悪くもあり、ある意味救いでもあったかもしれません。

犯罪者予備軍のための駆け込み寺、ということでしたが、読み進めていると「果たしてこれは本当に救いの手を差し伸べているのか?」という気持ちにすらなってくる不思議な感覚。確かに丁寧。かつ具体的。でも捉えようによっては、それは逆に犯罪を助長することにもなりうるのでは…?と思うなどしました。

この相談員が実は全ての黒幕で、犯罪者予備軍のみなさまを犯罪者たらしめるための存在だとしたら…なんて想像が膨らむのも、無機質なのになぜか抜群に存在感のある、名も無き相談員というキャラクターがあってこそだったのかもしれません。

2026/7/16

0
2026年07月16日

「小説」ランキング