作品一覧

  • ペスト

    ペスト

    小説・文芸

    4.0
    1巻935円 (税込)
    アルジェリアのオラン市で、ある朝、医師のリウーは鼠の死体をいくつか発見する。ついで原因不明の熱病者が続出、ペストの発生である。外部と遮断された孤立状態のなかで、必死に「悪」と闘う市民たちの姿を年代記風に淡々と描くことで、人間性を蝕む「不条理」と直面した時に示される人間の諸相や、過ぎ去ったばかりの対ナチス闘争での体験を寓意的に描き込み圧倒的共感を呼んだ長編。
  • 魔の沼

    魔の沼

    小説・文芸

    4.0
    1巻440円 (税込)
    サンドは郷里ノアン付近の平和な農村を舞台とする、のどかな牧歌風の小説を4編書いた。これが「田園小説」と呼ばれているもので、『魔の沼』はその第一作にあたる。物語の筋立ての巧みさにおいて無比と称せられる彼女が、幼時の豊富な思い出と親しい観察とを駆使しつつ、簡素な心の美しさと安らかさとを描き出したこれらの作品は、彼女の才能が初めてその本領を発揮したものとして、今日でも広く愛読されている。
  • 黄色い部屋の謎【宮崎嶺雄訳】

    黄色い部屋の謎【宮崎嶺雄訳】

    小説・文芸

    3.7
    1巻605円 (税込)
    フランス有数の頭脳、スタンガースン博士が住むグランディエ城の離れにある一室で、世にも恐ろしい惨劇は起きた。内部から完全に密閉された《黄色い部屋》から響く女性の悲鳴。ドアをこわして救援に駆けつけた者たちが目にしたのは、荒らされた室内と、血の海の中に倒れた博士の娘マチルドの姿だけ……令嬢を襲った憎むべき犯人はどこへ消えたのか?この驚くべき密室の謎と、その後も続発する怪事件に叡智をもって挑むのは、弱冠18歳の新聞記者ルールタビーユ。密室ミステリの金字塔にして、世界ベストテンの上位に名を連ねる、名作中の名作。

ユーザーレビュー

  • ペスト

    Posted by ブクログ

    リンバスカンパニーというゲームの
    おかげでめぐり逢いました。
    愛、つまり連帯していくこと、共に生きていくこと、そしてペストというか、不条理というか、理不尽なるものは、ペスト以降も襲いかかってくるのは違いないし、そのたびにペストで起こった出来事に似て非なる自体が起こるであろうが、それに対して反抗していくことを語ったのであろうと感じました。

    0
    2026年10月08日
  • ペスト

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    印象深かったのはパヌルー神父の演説の変化。主語が「あなたがた」から「私ども」に変わったことが感動。他人事でなく「我々のこと」なのだと忘れてはならないと思った。

    「すでに大病等に悩まされる人は、他の病気からは免除される」というコタールの考えも印象的。

    リウーさんは囲いの中の人であると同時に、囲いの「外の人」としての役割も兼ねていたように思う。彼の妻が遠くで療養している、という設定は、「オランの町の外の人の気持ち」も読者に味わってほしかったから与えたものなんじゃないのかなと思った。

    てか正体不明の「語り手」、あんたか〜い! 予想がことごとく外れてた。最後のほうで「分かった、この人しかいない!」って思った人がいたのに、普通に違って笑ってしまった。

    後半になるにつれて目が離せなくなっていった。タルーが、自分の過去を訥々と語るシーンから。

    やはりこの話、ペストという災害はあくまで比喩で、作者の訴えたいことは「人が引き起こす悪」についてなんだと思う。記録の最後があの一件で終わることで、なおさらそう思う。ってそんなことは裏表紙のあらすじに書いてあるんだけどね。改めてね。疫病収束、ヨカッタネで終わらないのが世界の理ってやつというか。人は皆ペスト患者、と言った某人物の言葉が重く響くラストだった。

    ところで! ある人物が「死刑」という単語を繰り返す場面がある。それは死刑がこの人物の行動原理に絡むからなのだが。
    死刑というとカミュの『異邦人』の主人公ムルソーが「死刑執行を見て吐ける人」を羨ましがる場面を思い出す。
    『ペスト』のこの人物は、「死刑で吐ける人」何だろうか。そうなる側の人にもそうなる側の苦悩があるのだな……なんてことを思った。

    0
    2026年09月01日
  • ペスト

    Posted by ブクログ

    5年位かけてようやく読み終わった。
    (半分は2日で読み終わった。)

    すごく真面目な文章の中で、やさしさや美しさに感動させられる場面があって、凄く良かった。

    タルーとリウー良かった。

    0
    2026年05月17日
  • ペスト

    Posted by ブクログ

    個人的にめっちゃ好きな作品。コロナ禍に読んだこともあり面白かった。
    ペストという病気が流行った封鎖された社会で、人々の動乱を描いた作品。人の心理がよく書かれている。
    ラストが急だった気がして、そこが少しモヤモヤした。

    0
    2026年02月23日
  • ペスト

    Posted by ブクログ

    作中のペストの災厄は、経験したコロナパンデミックとよく類似していて驚いた。
    そして、そのリアリティ、解像度の高さに感嘆。

    パンデミックの不条理の中で、様々な人が何を感じ、あるいは感じなくなっていくか、本当にコロナで見た光景だった。

    文体は、原著は読めないですが、本訳を読んで感じるところは、正直まどろっこしい感じで好きではないです。これがフランス文学流?

    ただ、主人公医師のリウーの倫理観、というより作者カミュの誠実さ?は大好きです。どうしようものない不条理、絶望や虚無、無意味が取り巻く中で、愛や倫理を失わず、生きようとする様は、そうあるべきだと深く共感できるところです。
    その観を、パンデミックの世界で遺憾無く表現された名作ですね。

    タルーの独白あたりから、ぐっと引き込まれます。
    もっともっと語っていい。思想の語り、対話がもっと欲しい。ドストエフスキーくらい聞かせて欲しかった。という気持ちもあります。

    0
    2025年12月05日

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