宮崎嶺雄のレビュー一覧
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作中のペストの災厄は、経験したコロナパンデミックとよく類似していて驚いた。
そして、そのリアリティ、解像度の高さに感嘆。
パンデミックの不条理の中で、様々な人が何を感じ、あるいは感じなくなっていくか、本当にコロナで見た光景だった。
文体は、原著は読めないですが、本訳を読んで感じるところは、正直まどろっこしい感じで好きではないです。これがフランス文学流?
ただ、主人公医師のリウーの倫理観、というより作者カミュの誠実さ?は大好きです。どうしようものない不条理、絶望や虚無、無意味が取り巻く中で、愛や倫理を失わず、生きようとする様は、そうあるべきだと深く共感できるところです。
その観を、パンデミ -
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ペスト
著:カミュ
新潮文庫 か 2 3
ペストは、14世紀、東アジアで流行が始まり、中央アジアを経由してヨーロッパで猛威をふるった。
人類の歴史史上、14世紀は、唯一人口が減少した世紀であり、その原因はペストであった
現在もマダガスカルをはじめ、散発的にペストの流行が発生している
本書のように、ペストが突然、大都市を襲うというようなことはあながちあり得ない話ではない
一方、作者のカミュは、「シーシュポスの神話」、「異邦人」といった、不条理を扱う作家である
ペストの初期から、都市がロックダウンしたあとの人々の生活と、その心理をリウーという医師の目で描いたのが本書である。ある意味で、「 -
Posted by ブクログ
物語は簡単に言うなら、『ペストが流行した町に閉じ込められた人々の奮闘記』
ただ、『奮闘』するのはペスト退治だけではなくて、町からの脱出や、町の外との連絡手段など……闘うものがそれぞれ違う。
名前が似てるので、誰が何でなんだって??と分からなくなるキャラクターも。
主人公は、医者のリウー……このキャラクターだけは、何とか追いかけたけど、他のキャラクターは誰が何で、どんな背景があったかを覚えてられない。
キャラは出てきては消えて、立ち替わり別のキャラが出てきて……時々、死んで……という感じだった。キャラクターごとの物語を覚えていられない。
ネコに唾を吐きかけたのは誰だっけ?名前は -
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アルジェリアのオランという町でペストが発生、その後町は閉鎖され、たまたまオランにいた別の町の人間は外に出られなくなり、反対にオランの住民でたまたま町外に出た人は、町に戻れなくなります。別離と死の恐怖のなか、人々はどうふるまうのかについての興味深い本でした。2020年7月時点で新型コロナウイルスの猛威は世界的に終わっていませんが、そのようななかで自分自身がどう変化したかを「ペスト」の登場人物に重ね合わせることができると思いました。
医師リウーは自分の責務を全うすることに全力を傾けます。そして死の恐怖など超越し、むしろ息子の過労が唯一の心配というリウーの母親。善良な小役人グラン、オランの外からや -
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歴史は繰り返す
歴史は繰り返す!!この時代なら仕方が無い感じだが今日では経験上ここまでは無いと思ったがわが身に迫ってくると考えされることが多い。この本を読み返し今の事態に対処したいものだ
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新しい翻訳があれば再読したい
作品は文句なしに素晴らしい。
ただ他の方も書かれていると思うが翻訳を今の時代の人に翻訳してもらえるともう少し立ち止まらずに読めると思った。
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ネタバレ訳のせいか元の文章のせいなのか判断できないけど、だいぶ読みづらく感じる部分もあったし、中だるみに感じてしまう部分もあって途中気分がのらなかったりもしたけど、終盤は泣ける場面もあり爽やかながらも不穏さの残るラストまで一気読みだった。よかった。
私はドストエフスキーが好きで特にイワンやキリーロフが好きなのだけど、どうもリウーはイワン、タルーはキリーロフ、パヌルーはアリョーシャの影がみえてその部分でもとても楽しめた。
リウーの「子どもたちが責めさいなまれるように作られた世界を愛することはできない」というのはイワンの思想と同じだし、リウーとパヌルー神父の問答はカラマーゾフの兄弟の大審問官に近いもの