講談社文庫作品一覧

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  • 町工場からの発想
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    1巻660円 (税込)
    「暮らしのある工場」を求めて、日々の働きと感情の触れ合いを思索した、工場生活者のノートがここにある。ロボット化・オートメ化の進む近代工場のなかでは、働きがいが見失われ、人間疎外が深刻になっている。いまこそ町工場に蓄えられた「暮らしの発想」に学び、楽しく働き豊かに生きる知恵を汲もう!
  • ヒトラーの陰謀 ドイツ国会放火事件
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    そのとき現場は巨大な密室だった――1933年2月、何ものかに放火され炎上したドイツ国会議事堂。政治警察は即日、犯人として共産党員を逮捕したが、奇怪な現場状況は20世紀最大の謎に……。成立後わずか1ヵ月のヒトラー内閣が秘密の目的のために仕組んだとされる事件の全貌を暴くノンフィクション。
  • 謀殺 下山事件 日本の熱い日々
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    昭和24年7月6日午前0時20分、国鉄レール上で起こった事件、下山国鉄総裁の死をめぐる謎は深い。占領軍が駐留する混乱した状況下での解明は、「自殺」か「他殺」かをめぐって難航をきわめた。しかし、30年に及ぶ執念の追跡が、昭和史の暗闇に眠る恐るべき真相を解き明かした。事件の全貌を決定的証言で綴る。
  • 伝説のイエロー・ブルース
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    「あんたは黒人じゃない。でも、あんたのソウルは黒人よりももっと黒い」。カバン一つと古びたギターをかかえて海を渡った男が、あらゆる屈辱と人種差別を乗り越え、ニューヨークの舞台で贈られた称賛の言葉(オマージュ)。アメリカ合衆国に一人闘いを挑んだミスター・イエロー・ブルース、大木トオルが語る熱気に満ちた青春の軌跡。
  • 菊と鷲
    3.0
    摩擦と軋轢が高じた今、日米パートナーシップの新しい在り方を提案。「NO」を連発すれば日本は国際的孤立を招く。だが「YES」オンリーでアメリカの51番目の州に甘んじられるか。この二律背反を止揚するのがジャパメリカの発想である。長い間覇権を握り続けてきた国アメリカと共に生きる知恵! 世界的普遍性を持った価値を共有せよ! 第1回読売論壇賞受賞作。
  • 家族の神話
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    野々村英が5歳の時、両親は離婚した。12年後、高3になった英は、スペイン料理店を営むまだ若く美しい母にうっとうしさを覚えている。母と子の微妙な隙間に女子大生・亜紗子が入って来た。英は母に内緒で彼女と同棲する。一方で、記憶の底に潜む幻であり憧れである父との、皮肉な再会が実現するのだが……。家族とは、都会人とは? 文化的で猥雑な時間の洪水のなかで豆粒的に生きる家族を描く。
  • ほぼ日刊イトイ新聞の本
    4.2
    49歳の誕生日に初めて買ったMacからすべては始まった。小さな自前のメディア『ほぼ日刊イトイ新聞』は、ベストセラーを生み、イベントを成功させ、「すぐそこにある幸せ」を伝える、1日100万アクセスの超人気ホームページになった。新しい「仕事」のかたちを探る『ほぼ日』の、試行錯誤と成長のドラマ。新章を加筆! ●どうしてこんなことをはじめたのか? ●クリエイターの「まかないめし」を提供してもらおう ●実力以下に評価されているものを拾い出す ●「いま仕事が流行っている」 ●独自のバリューをつくり続ける ●『ほぼ日』は伸び伸びしているか ●オリジナルTシャツに涙する ●『ほぼ日』幼年期の終わり ●理想の組織を見つけたい ●すべてはコンテンツなのだ、という考え方
  • この人を見よ ブッダ・ゴータマの生涯
    -
    真実の人生を生きるために出家し、思索し、ついに悟りを得たブッダ。孤独や弟子の反逆にも耐え、本来の生き方を説き続けたブッダ。仏教学の泰斗が、豊かな学殖のすべてと暖い心をこめて、この「偉大なる人」の生のドラマを描く。パーリ原典に依拠し、後世の虚構を排して把えた人間ブッダの真実を描く画期的な評伝!
  • 日本の野生動物
    -
    消えゆく日本の野生動物たちの素顔。日本のどこに、どんな野生動物がいて、彼らはいまどんな暮らしをし、どんな世界を持っているのか――失われゆく日本の自然のなかで生息しつづける野生動物のきびしい現実――その世界を訪ね、素顔をのぞく。生態画家・田中豊美の流麗なペン画が冴える動物学者によるフィールド・ガイド。
  • 実力とは何か
    -
    人はどうすれば実力をつけることができるのか。どうしたら自分の能力を100パーセント発揮できるのか。いかにしたら集中心・闘争心を体得できるのか。日本人で初めて「全米スポーツキャスター協会賞」を受賞したトップ・アナウンサーが、超一流プレイヤーたちの熱闘・死闘を通して勝者の条件・敗者の条件を明かす。
  • 飢餓旅行
    3.0
    昭和21年が明けて間もなく、恩田幸吉(おんだこうきち)の一家は、勤務先の淡路島から彼の故郷である九州宮崎へ旅行した。戦死した長男の遺骨を故郷の寺へ納めたいというのが幸吉の強い希望であった。妻、次男、三男、末娘と、総勢5人の家族旅行は、この時代においては無謀とも思えたが、幸吉はなぜかこだわった。戦後日本の家族の絆。涙と笑い、愛と感動の抒情紀行。
  • 間違いだらけの中古車選び
    -
    ビート、カプチーノ、ランエボ、プリウス、スカイラインGT-R、プリメーラ、コペン他――。真に価値あるクルマは、いつまでも色あせない。名シリーズ『間違いだらけのクルマ選び』過去10年分(95~04年)から各年度の「高評価車」を厳選。どれも「いつ買っても満足できるクルマ」である。自動車ジャーナリズム界の巨匠が、初めて文庫に取り組んだ本書を、すべてのクルマ好きにお届けする。 <文庫オリジナル>
  • 花の木登り協会
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    東洋某国に木登りブーム!! 彼らは協会を作り、家元制度をでっちあげ、大衆になつかしい木登りのダイゴ味を思い出させる。だが熱狂化するのがこの民族の特質、ブームに驚いた政府は危険防止をタテに禁止令を施行した。政府やマスコミをまき込んだ騒動の末は? アメリカ人著者による日本語ユーモア小説。
  • 下駄の向くまま 新東京百景
    -
    ツゥーっと横丁曲って、路地の奥へツゥと入って……下駄の向くまま気の向くまま、ひたすら地ベタの感触と人間臭い風景にひかれ、なにやらやって来ましたあの町この町。ああ郷愁の…ムグ…「あの頃」。スケッチブック片手のブラブラ歩き、落着く先はなぜか黄昏時の赤提灯、ふられ酒あり祭り酒あり。江戸っ子絵師・滝田ゆう流「東京百景」。一口ガイド・マップ付き。
  • にあんちゃん 十歳の少女の日記
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    どん底の貧しい生活の中で明るく生きぬく10歳の少女の日記。昭和28年から親もない家もない兄弟4人が、きびしい現実の中で、くじけることなく、いつもはげましあって生きる姿を正直につづったこの日記は、つくられたものではない生のままの描写で、時代をこえて読者に深い感銘を呼びおこします。
  • お金で困らない人生のための最新・金融商品五つ星ガイド
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    世界と日本の経済がわかります。金融の仕組みが見えてきます。あなたの資産を増やします。――外貨預金から投資信託、転換社債にデリバティブまで、自己責任時代の資産運用に欠かせない金融商品を紹介し、☆印で評価したユニークなマネー入門。他人と差がつくポイント、リスク商品を選ぶコツなどを現実経済の流れの中でやさしく解説し、金融の仕組みと市場の読み方を説き明かす、一家に1冊、必携ガイド。
  • 瞽女物語
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    三味線を手に越後路を流浪する盲目の旅芸人―瞽女―その秘められた美学とは? 休むことを知らず曠野を流れる三味の音に似て、人間の原点とも言える孤独を背負いながら、地獄と浄土の世界を内にさまよい、苦悩、陶酔する女たち。その鮮烈なる赤と、暗く重たい青の絵具に重ねて、鬼才・斎藤真一が描く、瞽女―愛と死の物語。
  • 百合祭
    3.0
    乳房を手で包むようにしながら、柔らかく吸った。また、ちゅうちゅうと音が立った。彼は乳首を舌でなぞりながら、腰巻の紐を解き始めた――。老女ばかりが住むアパートに八十を目前にした男性・三好さんが引っ越してきた。彼女たちは魅力的な三好さんに惹かれていく。老人だって男と女。恋と性は終わらない。愛の争奪戦の行方はいったい――。
  • 親はあっても子は育つ
    -
    近い将来やってくるだろう食糧難、神聖なるべき母乳まで汚染した公害……、破局を目前に、孫子の血肉をくらって安逸に暮す親たちは、子供の未来のために今なにをなすべきか? 育児書や教育産業主導の育児を拒否し、親子の温もりが通いあう人間的子育てを希求する、二人の娘をもつ著者の真情あふれる子育て論。
  • 新宿ルイード物語 ぼくの青春と音楽
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    1971年、ぼくは20歳。シャネルズの活動拠点、山下久美子の総立ち現象、200万人以上の熱気に包まれたルイード。ライブハウス15年を彩った「新宿の青春」が、いま熱くよみがえる。18歳で上京した著者が、駅前広場や風月堂、ゴールデン街の変化と共に歩んだ青春を想い、新宿の街の音楽体験を語る〈四小節(ししょうせつ)〉。ライブハウス15年の熱気が伝わる!
  • 勝者の組織論
    -
    勝者必然・敗者必然、プロ野球に学ぶマネジメント! 強いチームには強い組織力がある。つまり、常に組織内に激しい競争、倦むことのない自己革新、共存共栄・公平のシステムがある。大リーグの組織運営の精神は、すべてのマネジメント・システムに共通するものがある。第1回日米ベースボール・サミットで、長い歴史と輝かしい実績を持つアメリカ野球に学ぶ。
  • 樹海に生きて どろ亀さんと森の仲間たち
    -
    一度も教壇に立たなかった東大名誉教授が綴るメルヘンあふれるエッセイ集。自ら「どろ亀さん」と称し、36年間、北海道のどまんなかにある東京大学の演習林をはいずりまわって研究生活を送った名物先生が、その人生と森の生きものたちへの愛を語る。どろ亀さんの案内で樹海の息吹を存分に楽しみましょう。どろ亀さんとすばらしき森の仲間たち!
  • 原爆の図
    -
    1945年8月6日、原爆投下。3日後、広島に帰った画家は、現代の地獄図絵を目撃する。「原爆の図」は、画家が二十数年をかけ完成した畢生の大作であり、世界の多くの人々に深い衝撃をよびおこしたのだった。本書収録のこの作品の全貌を通じて、私たちは、平和と人間愛への祈念をさらに新たにしてゆきたいと思う。
  • 銀色のあしあと
    4.0
    苦しみに会ったことは私にとって幸せでした――不慮の事故で手足の自由を失い、筆を口にくわえ、花に寄せて命の詩画(しが)を歌い上げる星野富弘。大病に怯(ひる)まず執筆を続ける作家・三浦綾子が、彼を訪ね、美しい自然の中で生きることの喜びを語り合う。爽やかな風が心を包み、癒やされ、生きる勇気を呼び起こす感動の対話。心迷う時、そっと手にとってください。
  • 画文集 花の肖像
    -
    四季おりおりに日本列島を彩る花の貌。比較的私達の眼になじみ易い花58種を選び、ボタニカル アート(植物画)の第一人者・太田洋愛の絵と、登山家で詩人・エッセイスト・哲学者と多方面に活躍の串田孫一が、その花の想い出を透徹した眼差とふくよかな抒情で綴る画文集。
  • 家族の晩餐
    -
    弓岡愛子、高校2年生。母亜美子、38歳。母娘二人暮し。愛子は毎月第一日曜日に実父(パパ)とデイトする。だがこのデイトは、もはやメルヘンではなく、陰惨さを帯び始めてさえいるのだ――家族という大都会の中のもっとも小さな単位。そこにも葛藤があり事件がある。その日常の模様を、都会の中の母娘の微妙な関係を、愛情こめて描く長編メッセージ小説。テレビドラマ化も。
  • フォト・ルポ 七つの海で泳ぎたい
    -
    揺れ動く世界のなかで、何が変わり、何が根づこうとしているのか。モルディブ諸島からフィリピン、イベリア、アルゼンチン、延吉などの海峡のはざまから考える。海を行き丘の陰にくつろぐとき、そこで接する普通の人々の生活に、何か素直に肌で感じとれるものがある。民衆のホンネをくみあげるカラー文庫。
  • 「愛されたい」症候群
    -
    夫婦、親子、老人など「家族の絆」がいま危機にある。NHK「おはようジャーナル」でおなじみの人気キャスターが、夫婦、子供の教育、老人介護、悪徳商法などの取材を通してとらえた現代の家族の肖像。この現実をいかに乗り切ったらよいか。人間関係に悩みを持つ老若男女に提案する、打開のための具体例。潤いのある人間関係を築くための愛の処方箋。
  • 白い道 法然・親鸞とその時代(上)
    -
    混乱の時代にひたすら念仏に精進する法然! 律令制の崩壊は武士階級の抬頭という必然的な歴史の流れとなった。この大転換期を背景に、法然の出家から叡山下山,吉水での専修念仏実践に至る経過を壮大に描く――。そのとき幡多丸(法然)は9歳。父・漆間時国(うるまときくに)は明石定明の突然の襲撃を受けて一命を失った。律令制が崩壊し、地方武士の対立がめだち始めたころのことである。かろうじて凶刃を逃がれた幡多丸は4年後、叡山に入り出家、仏法修行の道へ……。法然と親鸞、二人の偉大な革新者の歩みを熱い思いでたどる長編小説全3巻。著者・三國連太郎の脚本・監督・出演で映画化も。
  • 男がいてもいなくても
    -
    「好きに生きます」。無一文で家を出て、大学中退、結婚・離婚、子連れでサーカスに入団etc.……世間の規範から相当はみ出して生きてきた。シアワセだったし、得たものもあった。恋人がいなくたっていい、コースを外れたっていい、枠にとらわれず生きる爽快さが伝わる、雨ニモ風ニモ負ケズ、ノンフィクション作家のシングルマザー奮闘記!!
  • 大関松三郎詩集 山芋
    -
    貧しい生活環境と時代の流れの中をたくましく生きぬいた大関松三郎少年が、生活のうえでのさまざまな感動を、みごとに歌いあげた不朽の詩集に、恩師である寒川道夫氏の愛と真情あふれる、「解説と指導記録」を同時に収録した古典的名著。詩は「山芋」「虫けら」「雑草」「ぼくらの村」など23編収録。
  • フランクリン自伝
    5.0
    貧しい印刷工から身を起こした著者は、勤勉と向上心を信条にして、人々の信望を得、ついに指導的人物になった。常に市民の側に立って発言・行動し、人間の向上を目指したフランクリン――その生涯の自伝は、人生の指針と知恵を授ける「永遠の教科書」である。「富にいたる道」も併せた新訳。
  • ニューミュージック 愛をよろしく 32人の青春譜
    5.0
    安全地帯から松任谷由実まで、心を捉えて離さない「新しい音楽」づくりに賭けた32人の青春ドラマを再現する。逆境あり、挫折あり――ステージの背後に秘めた、それぞれの人生と音楽の軌跡を、ていねいなインタヴューからすくい出す。きらりと光る感動体験は、だれをも魅了するもう一つのライブである。完全ディスコグラフィー付き決定版。
  • シラサギ物語
    -
    ゆみちゃんに育てられたシラサギのケンは、苦労してサギの仲間に入れてもらう。野性の本能に導かれ、渡りの為の飛行訓練を繰り返し、9月のある満月の夜、カンボジアのメコン川めざして長くて辛い旅に出る――優雅に大空を舞うシラサギの自然との厳しい戦いの姿を描くファンタジックな長編童話。講談社児童文学新人賞受賞。
  • 大きな森の小さな家 大草原の小さな家(1)
    4.3
    今から、およそ100年前、北アメリカのウィスコンシン州にある「大きな森」の中の丸太で作った小さな家に、小さな女の子が住んでいた。その女の子の名は、ローラ。姉のメアリーと、妹のキャリーの3人姉妹。不屈の精神をもった父さんと優しい母さんのいるインガルス一家だ。 アメリカの開拓者の生活を生き生きと描いた「大草原の小さな家」物語の第1作。
  • 徹夜対談・いつもロンリーだった
    -
    大スター小林旭。人生の荒波をいくつも乗り越え、今もその存在感は薄れない。〈旭フリーク〉を自認する内館牧子が、今、生の「旭」に体当たり! 約8時間にわたる「徹夜対談」を決行した。女、男、映画、仕事、結婚、失敗、虚無感、これからのこと――縦横無尽に語り合った〈旭とその時代〉必携永久保存版! ◎…ある夜、小林さんはポツンとつぶやいた。「裕次郎もひばりも雷蔵も、みんないなくなっちゃったよ」…この時から、私はいつか小林さんと本気で対談してみたいと思い続けてきた。「状況」だけではなく、「心況」も聞きたいと思い続けてきた。… 内館牧子「あとがき」より
  • 大地の教え
    4.0
    文明は純朴に生きる人々から何を奪ったのか。遥かなるアフリカ・ギニアの大地に抱かれて育った著者が、自然と共に生活していく貴重な体験と知恵を語る。<隣人が幸せなら当人も幸せである><水を飲むときは少し残して大地に返す>――家族の絆、大地の営み、働く喜びなど、私たちが忘れている熱き魂がここにある。大自然と共に生きる人々の貴重な知恵と熱き心!  遥かなるアフリカの地から寄せるメッセージ!
  • 強い「個性」の経済学
    -
    戦争と革命の時代は終わった。新しく到来した平和と安定の時代は、一段と激しさを加える経済競争の時代そのものである。人並みの人間は淘汰され、広い視野・高い視点・鋭い判断力を備えた強い「個性」の持ち主だけが、経済活動はいうに及ばず、あらゆる社会活動・文化活動においても成功者になれるのだ。いま始まった新しい経済の時代を勝ち抜くための必読書。
  • ブルース心の旅
    -
    ミシシッピーの川面に流れるギターの調べは、人の心を重く揺さぶる。うらぶれたカフェの片隅から、深く哀しい歌がひろがる。ディープ・サウスの街には、すべてブルースの魂が満ちている。奴隷制の時代から現代へいたる黒人ブルースマンの歌を求めて、現地取材と資料で綴る感動のレポート。名曲ガイド付き。
  • お局さまのひとりごと
    3.5
    ラジオ本番中、パートナーが大伴家持(やかもち)をイエモチと言いつづけた。余裕をもって乗った新幹線、気がつけば回送列車だった。いそいそと米国出国の手続きすれば、パスポートは期限切れ、荷物だけが飛んでいった――日常のハプニングや心暖まるエピソードなど、元NHKアナウンサーが軽妙に綴った感動、笑い、驚き、爽快、怒りの好エッセイ!
  • 彼方の水音
    -
    真昼のしらじらとした明るさの中にこそ闇を見つめる孤高な眼。平穏な日常の中にこそ死の気配を嗅ぎとる存在の痛み。狂暴な破壊への意志を内に秘め生きる女の虚無……。鋭利な感覚で人間存在の毒と、清冽な〈彼方〉への憧れを描き、特異な文学空間を創り上げた著者の処女作品集。「相似形」「囚われ」「渺芒」など5篇を収録。
  • 真説シャーロック・ホームズ
    -
    19世紀末に活躍した名探偵ホームズは、今日なお愛され、語られるヒーローだ。本書は彼の眼に映ったロンドンの生活と風俗を、当時の写真で再現し、その人柄を描き尽した評伝を収録する。ホームズは今、不安と倦怠に満ちた時代背景を伴って、私たちの前に初めて真実の姿を現わしたのだ。
  • 私の靴物語
    -
    靴ってこんなにオシャレで楽しさいっぱい! 気楽にはけるズック靴、裸足のようなサンダル、カジュアルなワークブーツ、マニッシュなタウンシューズ、エレガントなヒールパンプス――そのどれもがシンプルで楽しく、人と大地をしっかり結びつけるものであってほしい……。人気ブランド〈KISSA〉を作りあげた人気シューズデザイナーが、靴にかけた自らのおしゃれな生き方をさわやかに綴る自伝エッセイ。
  • 歴史とは靴である
    4.1
    「日本」は着ぐるみがつくった国? 元号はこうして決まる。ニセモノはなぜ生まれるのか──。 古都鎌倉の高校生を前にイソダ先生が行った特別講義。 「歴史は好きか嫌いかの嗜好品ではなく、安全に世のなかを歩くためのむしろ実用品である」 という目からウロコな歴史の見方が反響を呼び、さらなる対話を生んだ。 「ブタやトイレに歴史はあるか」 「カミ・クニ・カネの『3K』」 「『いまだから言える』ということ」 「おめでたいときも、災害のときも」 「教養とはムダの別名である」 「歴史は実験できない。ただし、ある程度の法則性はある」 こんな授業を受けてみたかった。 図書館の本を読み尽くした! 筋金入りの学者が語る「歴史」とは。 「ビリギャル」こと小林さやかさんをはじめとする2対談を、文庫化にあたり新規収録。
  • 哲学人生問答
    4.2
    「嫌いな人との付き合いが避けられません」「自分だけが労力を提供するのは損です」「自分が好きではなく、自信もあ りません」そんな人はどうすればいいのか。 人生について切実な41の質問に、心理学にも通じた哲学者が明確な答えを出す。 よく生き、幸福になるための示唆が今を生きるすべての人に響く、導きの書。 「給料とやりがい、どちらで仕事を選べば幸福になれますか」 「自分が比べなくても、人から比べられてしまいます」 「不満を糧に生きています。間違っていますか」 「危機感や焦燥感がないとモチベーションが保てません」 「自殺したい人、闘病中の人に対して何ができるでしょうか」 「自分の人生を生きることと、他者貢献の割合がわかりません」 高校生と哲学者の本気の人生問答が、老若男女の胸を打つ。
  • 結婚失格
    3.7
    「ちゃんと愛せていたんだろうか……?」「そうだった そういうとこが好きだった 傷つけ合って別れた人の」――男にとって別れはいつも「寝耳に水」。家の鍵は取り換えられ、妻の雇った弁護士から身に覚えのない非難の文書が……。親権をめぐる裁判所での話し合いは、想像を絶する冷酷な展開に……。子どもたちに会いたい! 男女の温度差が激しいとされる「離婚」を、男の視点で描き、賛否両論を呼んだ、あまりに率直で赤裸々な、衝撃の実録小説!
  • ソニー最後の異端 近藤哲二郎とA3研究所
    3.0
    不遇の天才かつ変人研究者、近藤哲二郎。彼は、なぜ、標準放送で送られてきた映像を、ハイビジョンクラスの高品位映像に置き換える新技術を開発できたのか? ーー話しても分からない人間には何も話さない、相手がたとえ役員であっても。ソニー随一の特許数を持ちながら、その性格ゆえ、開発した技術は1件も商品化されない、という不遇にあった近藤哲二郎が、一転して、「WEGA(ベガ)」「BRAVIA(ブラビア)」を成功に導く、デジタル高画質技術「DRC」を誕生させるまで。傑作ノンフィクション。 ーー取り寄せた特許のリストを1頁目から丹念に目を通していくうちに、出井(いでい)はひとりの研究者の名前に目を止めた。彼の保有する出願及び登録特許数が400件近くもあり、他を圧倒する数だったからである。(中略)そのうえさらに出井が驚かされたのは、そのうち商品化されたものが1件もなかったことである。「これは、いったい全体、どういうことなのか……」――本文より
  • ファッション ファッショ
    3.4
    毒舌が冴える対談集! 愛ある「毒」がセンスを磨く! 「流行に踊らされない、ブランドに頼らない」を主眼に、いつの世でも蔓延するセンスのないファッションを、ふたりが一刀両断! さらにはパーティーでのマナーから、いいオトコの見極め方にも話は及び、思わず爆笑、目からウロコ! 女性誌で連載開始から大反響だった「愛ある毒舌」対談集。
  • ファッション ファッショ マインド編
    3.2
    ますます冴える毒舌! ファッションの前に人生のチェックも! 愛ある「毒」がアナタを変える! お洒落の才能というのは、ない人は一生ない。でも、磨くことはできる。二人の愛ある「毒」はヒートアップ。年齢やスタイルに合わせた着こなしや、嫌味のないアクセサリーの見せ方といったファッションの基本から、食べ物の好みや、日本男子の「胸文化・尻文化」にも話は及ぶ。大反響の辛口トーク集、最終章。
  • 神宝聖堂の王国 鉄剣の戦士
    -
    超古代ムー大陸が沈んだ後、乱れ始めた島々の物語。亡き王の娘・ファネラは、王国を救えるか!? ーー超古代大陸ムーが沈んだ後の島々の世界では、神宝聖堂を中心に頂く王国に混乱が訪れた。亡き王の血を引く姫・ファネラは、はたして王国を救うことができるのか!? 超古代大陸アトランティスを扱った大ベストセラー『風の大陸』と対をなす、新シリーズ『神宝聖堂の王国』。傑作ファンタジー・ノベル。
  • 春風仇討行
    3.5
    丸亀藩に仕える足軽が斬殺された。娘のりやは、剣の腕を磨き、父の仇を討つべく江戸へ。供の村瀬藤馬と助け合い、ついに藩主の御前で仇と相まみえる……、という表題作のほか、関白・豊臣秀次と剣豪・富田景政の悲しき別れを描く「一の人、自裁剣」など、深い余韻が残る傑作4篇を収めた時代小説集。<『こんぴら樽』改題作品>
  • 海竜神の使者
    -
    「海流の中の国々」の物語。謎に包まれた島々、まだ誰も帰らぬ旅へ。呪い師と女戦士の姉妹とともに、はたして美貌の戦士ルキは最高神にたどりつけるのか!? ーーこれは神の与えたもうた試練なのじゃ。それだけ、神はおまえに何かを期待しておいでになるのじゃ……。大神官は、いまだ誰も帰って来た者のいない黄金海竜神への使者に選ばれ、急に目がみえなくなってしまった美貌の戦士ルキに言った。旅立ったルキは、呪い師と女戦士という姉妹に出会い……。超傑作ファンタジー・ノベル。
  • トンカチと花将軍
    -
    花を求めて、森へ探検に出かけた少年。そこで見たものはふしぎな世界の連続だった。動物と少年の心あたたまる交流を描いたユーモア・ファンタジー! ーーある日突然、街から姿が消えた花をさがして、少年トンカチは花畑の中のあねもね館へ。そこは、シャムねこのヨジゲン、空飛ぶ馬のシューテンサック、そしてくしゃみの将軍などがくりひろげる、おかしなおかしな、けれど心優しい人間と動物たちの世界。児童文学という枠を超えて、大人も愉しめるユニークな、ナンセンス・ファンタジー童話の佳篇。
  • この馬に聞いた! 1番人気編
    -
    204勝達成の1年間。天才・武豊、ハルウララに乗る!! ーー前人未到のJRA年間204勝を達成した武豊が、3月22日、高知競馬場にその姿を現した。騎乗馬はG1ホース・ノボトゥルーと、105連敗中のハルウララ。はたしてその結果は……? 2年連続でJRA賞・優秀騎手賞を手にして絶好調の彼が、2004年のレースにかける熱い思いを綴る。
  • 背信の税制 庶民いじめの構造
    -
    庶民をいじめる亡国税制を撃つ! 消費税アップを決める前に、なぜ大企業の優遇税制にメスが入らないのか。海外に経営拠点を移して法人税を免れるとは何事か。こんな不公正税制を放置して、財源不足を広言するなかれ。悪魔の仕組み、税制の歪みを暴き、生活者に眼をむけた根本的な改革への具体的提言を行う。
  • 女が複眼になるとき
    -
    自立の足跡をたどる体験的レポート。結婚を契機にカナダに渡った女の子が、カルチャー・ショックの中で達成した自立の道ーー結婚を契機に、カナダ・バンクーバーに渡った一人の女の子が、カルチャー・ショックの中で自己形成をはじめ、ノンフィクション・ライターとして複眼の思考を身につけていくまでの足跡をたどる、体験的レポート。ひとりの女性が自立するとき、まずなにをなすべきか。暖かい産湯の中に、一生つかってはいられない!
  • わにわに物語
    4.5
    原稿依頼を受けたぬいぐるみなんて、そうはいないぞ。「わにわに」の筆が冴える! 素子さんとぬいぐるみたちの愛情生活! ーーぼくはわにわに。素子さんちに棲む、400人(ぬい?)余りのぬいぐるみの中でも、名門の「わに族」出身なのだ。白くてチャーミングなボクに、原稿依頼がきて、一族は大騒ぎ!! 事件にはこと欠かないし、張り切って書きました! 仲間たちと素子さんとダンナとその愛猫ファージの、12の楽しいお話です! ぬいぐるみたちの生活を覗いてみたら……。
  • 犬養毅と青年将校 昭和の宰相第1巻
    4.0
    金融恐慌、大陸の動乱、左翼弾圧など、政情不安の昭和初期。軍部抬頭の中で若槻、田中、浜口、犬養と、かろうじて命脈を保った政党内閣は、五・一五事件により終熄する! ーー問答無用、撃て! 五・一五事件の銃声1発とともに、政党政治は消えた。激動の昭和――大陸侵攻、軍部ファシズムの横行、世界大戦への参入、敗戦、占領、そして復興期の混乱を経た驚異の経済成長……と、すさまじい速度で変貌を遂げてきた昭和を、自らの同時代史として目撃してきた著者畢生のライフワーク!
  • 歴史対談 徳川家康
    -
    家康の性格、その戦略と戦術、天下統一の経緯、宗教観、女性操縦術など……。戦国乱世の天下を統一して、300年の泰平を築いた徳川家康について、小説「徳川家康」の著者・山岡荘八、歴史学者・桑田忠親の二氏が、文学・歴史の両面から縦横に語って、英雄の虚像と実像、戦国日本の歴史の真実に迫る、興趣の対談。
  • 不完全でいいじゃないか!
    3.7
    若き精神科医の挑戦。心の奥の叫びを素直に受け入れよう……気鋭の精神科医と患者さんたちとの交流から見えてくる本当の治療ーー白衣を着ないで診察するぼくのスタイルは、できないことがたくさんありますという無言の表明です……。患者に対して、医者に過度の期待をするな、と警告する若き精神科医・伊波真理雄。自らの過去をさらけ出し、患者と本音で対峙して見えてきたものは、いったい何だったのか。感動のルポ。
  • 日本人材論 指導者の条件
    -
    いま求められる真のリーダー像とは何か? 国際化時代、いま求められる真の人材、リーダーとは? その条件を日本的風土の中に探る! ーー「近代」は既に権威を失墜し、リーダーは総じて矮小化した。もはや日本の近代化を支えた、いわゆる「秀才タイプ」では務まらなくなっている。厳しい国際的環境の中で、日本が生き抜くための真の人材、求められる指導者とは? その条件を日本的体質、風土の中に探って、新しいビジネスマンたるべき人々に贈る。
  • 新井素子の未知との遭遇
    -
    未知世界へ挑戦! 実体験エッセイ集。ワクワク、ドキドキ痛快アドベンチャー、ロボット作り、熱気球、深海探査船……手に汗にぎる面白体験記ーー知的冒険心の旺盛な著者が、最先端技術のロボット作りや深海探査船、野外アーチェリーや熱気球などのアウトドア・スポーツ、さらに、からくり屋敷、大遊園地にバイオパーク……とたずねまわる。そして行くところ、驚異と恐怖と痛快さがいっぱい! われらがモトコさんが綴る、未知世界の面白実体験記。
  • 女と男の子守唄
    -
    いい女そしていい男に捧げる「ララバイ」。デリケートな女と男のアレコレに、ちょっと笑っちゃう話、すこーし辛口の話もいっぱい! ーー童謡の「赤い靴」の異人さんは、イイジイさん? そしてお伽話の「瘤とり爺さん」が小肥りなお爺さんとは……。女と男のアレコレ、友人知人の品定め、はてはわが青春の……失敗談と、思わず知らずに笑っちゃう話、とっておき本音吐露の小気味のよい話がいっぱい! ちょっと洒落た、すこーし辛口のエッセイ集。
  • 甲子園の異邦人 「在日」朝鮮人高校野球選手の青春
    5.0
    在日高校生たちはどう生きてきたか? 夏の甲子園大会を沸かせた「在日」選手7人の感動ドキュメントーー1981年夏、甲子園の高校野球大会決勝戦は、京都商業と報徳学園の間で戦われたが、その中に7人の「在日」朝鮮人選手がいた。民族の誇りと野球への情熱を持って全力を尽した彼らの背後には、在日の若い世代が日本でいかに生きていくかの切実な問題があった。7人の青春の軌跡を追う感動ドキュメント。
  • 壊滅日本 17の致命傷
    -
    「こんな日本に誰がした!」日本は崩壊する! 致命傷を抉りだし処方箋を提示ーー「腹がたつ。こんな日本に誰がした!」日本を崩壊させている〈17の致命傷〉に、怒りをこめて鋭いメスを入れる。議員バッジで金もうけする土建政治、倒産・貸し渋りに喘ぐ町工場、原発事故にさらされる住民、いじめ自殺の子どもなど、社会の深層に根を張る症例を抉りだし、解決に向けての処方箋を提示する。
  • 夏草の女たち
    -
    男なんて死んじまえばいい。戦争おっぱじめたのは、男なんだからさぁ……。芸者あがりの初江、オンリーのミー、ダンサーの瞳……世間からはみ出し、それぞれの〈戦後〉を背負ってしまった、「東中野ハウス」の女たち。匂い立つ夏草のように勁く哀しい生を、父のない子の目を通しリリカルに描く表題作など、全4篇を収録。
  • ロボット絶望工場
    -
    ロボットは人を幸せにできるのか? 現代社会の病理を衝く戦慄の現場レポートーー普及した工業用ロボットが、いま働く人たちの生きがいを奪い、機械とシステムの奴隷にしてしまっている。はたしてロボット社会は、人間を幸せにできるのか? コンピュータ技術による高度情報化社会の夢が、その陰では、人間を孤独地獄に突き落としてしまっている現代社会の病理を、徹底取材した現場レポート。
  • ルポ大事故!その傷痕
    5.0
    「不可抗力」ですましてはならない! 隠された人災的要因を徹底追求する。飛行機事故、車や船の衝突災害、炭鉱爆発などの具体例から原因をさぐる! ーー不可抗力ではすまされない人災的要因を衝く! 日航機羽田沖事故や御巣鷹山に墜落したジャンボ機事故は、苛酷な労務管理と安全神話が招いた悲劇である。なぜこうなるのか。潜水艦なだしおの衝突、日本坂トンネルの大追突、炭鉱爆発なども、避けられる事故ではなかったか。その傷痕をさぐり原因を究めるルポ。
  • ぼく、もう我慢できないよ ある「いじめられっ子」の自殺
    -
    死をもって、賢一君は大人たちに抗議した。いじめられる学校いやだ、空手着姿で飛び降り、6月には未遂……事件の波紋を克明に追った記録ーーなぜ、いじめはなくならないのか? 差別への無知から、残酷で奇妙な「追悼文」を書いてしまう生徒たち。出てくる「いじめっ子」の告白。入院して責任を回避する校長や教頭。失われてしまった一つの命をめぐる関係者それぞれの対応を克明に取材し、集団や人々の心にひそむ差別といじめの構造を明らかにする。「学校は嫌い! でも好き!」残酷な差別といじめに死んで抗議した少年の訴え!
  • トヨタと日産 自動車王国の暗闇
    3.0
    繁栄の翳りが見える自動車産業の裏側を探る! ーートヨタと日産で何が起きていたのか? 地域をもまきこみ、現場で進められた生産性向上運動は、さまざまな歪みを生み出し、ついには日米自動車戦争まで引きおこした。問題は山積したまま、人員削減だけは急ピッチで進む絶望工場の暗部に光をあてる。繁栄の翳(かげ)りが見える自動車産業の最先端を克明に追うルポ。
  • ゼニで死ぬ奴 生きる奴
    -
    今なら間に合うサバイバル経済学! 「ナニワのマルクス」と「はみ出し銀行マン」が金と世間の仕組みを暴く! ーー金持ちになる人と貧乏であり続ける人とでは、思考・行動・性癖に決定的な違いがある! リストラ、ペイオフ、ベアゼロ……暗黒時代に庶民がとるべき方策は? 「ナニワのマルクス」青木雄二と「はみ出し銀行マン」横田濱夫が、新聞が書けない、TVじゃ言えない、カネと世間のカラクリを、ホンネで語る経済学的人生論。
  • さざなみ
    3.4
    絹子さんと俺がこっそり仕掛けた<小さな親切>の波紋の行方。ちょっとミステリアスで、心がほっこりする長編小説ーー三つ揃いを着て、雇主を「貴人」と思うこと……。借金まみれで自己破産寸前に追い込まれた「俺」は、住み込みの執事として雇われることに。賄いとガードマンと秘書にかしずかれて、銀杏(いちょう)屋敷に住まう謎の若き女主人・絹子さんの、無理難題に応えようとして、思いついた「波紋のチンギスハンのシマウマ作戦」の反響は? ◎(沢村さんの作品の)登場人物の多くは本作の「奥山史嗣」のように品行方正なほうなのに、「罪(黒)」に分類されるような行動もとってしまう。人間は、善悪の両方をあわせ持つものだから。共感できる心象風景と、人物の背景に広がるリアルな世界を、沢村さんは、興趣に富んだミステリー仕立てで書いている。本作ではなんと、「波」を小説にした。――<青木千恵「解説」より>
  • この馬に聞いた! 炎の復活凱旋編
    -
    栄光に輝く天才の軌跡。進化しつづける天才・武豊の1年を追う! ーー2002年5月26日、タニノギムレットにまたがり、史上初の日本ダービー3勝目をあげた武豊。悪夢の落馬事故からわずか3ヵ月で完全復活を果たした彼は、史上最速・最年少での2000勝、JRA新・世界タイとなる1日8勝など、次々と記録を塗り替え、騎手大賞を受賞する。試練と栄光の1年間。
  • この馬に聞いた! フランス激闘編
    -
    不屈の天才、復活へ! 試練を乗り越え再び羽ばたけ、ユタカ! 競馬界激震の事故から50日。ダービーに再起を期す武豊の激闘ーー2002年2月24日。中山競馬第3レースの落馬事故で、骨盤骨折の重傷を負った武豊。しかしフランス遠征でも、左手首の骨折という試練を乗り越えてG1「アベイユ・ド・ロンシャン賞」を勝ち取った彼は、驚異のリハビリでダービー出場をめざす! 復活に賭ける天才の激闘の1年。
  • この馬に聞いた! 最後の1ハロン
    -
    天才こそが名馬を知る。ユタカが本音で語る連戦連勝競馬の法則! オグリキャップからエアシャカールまで。天才騎手が明かす愛馬の秘密ーーオグリ衝撃のラストラン、史上最速馬サイレンススズカ悲運の最期など、ユタカだけが知る名馬の秘話逸話を一挙公開。数々のドラマをターフに演出してみせた天才騎手が交わした馬との対話。注目のエアシャカールは春のG1戦線でどう走りたがっていたのか。馬券攻略にも役立つエッセイ集!
  • この馬に聞いた!
    3.0
    名騎手の鋭いレース眼。とっておきの名馬の秘密。人気&実力ナンバー1騎手にしか語れない勝てる馬、勝つ秘訣! ーー春のG1シーズンまっ盛り、スペシャルウィークやダービー3連覇を目指すエアシャカールなどの名馬の秘密や強さを、人気&実力ナンバー1騎手のユタカが語る! 海外のビッグレースでも勝った「天才」の鋭い見方に、競馬が100倍楽しくなること間違いナシ。馬券のためにも(!?)ファン必携!
  • ここに愛がいる
    -
    潔く、しなやか。オールディズのアメリカンポップスのように。しかし、人権・性差別にコミットし続ける著者の、いまを語る鮮度100%、小気味よいエッセイーー「花持つ男」「彼女ってハンサムね」「育自期の女たち」「メークする? しない?」「ハハハと笑う」「あるがまま」……むき出しは苦手、タフを粧うデリカシーが素敵だ、という著者の、タフで心やさしいエッセイ。建前でも本音でもなく、自分と人と社会と付合ってゆく距離のとり方、見本です。
  • いじめ社会の子どもたち
    3.5
    隠された実態を衝く! この悲痛な叫び! 「神戸少年事件」、いじめ自殺、学校の荒廃など、見えざる歪みの構造を抉るルポーーなぜ、こうも子どもの悲惨な事件が続くのか……。背景には何があるのか? 押しこめられた子どもたちの行動や悲痛な叫びをリアルにつかみ、日本型管理によるいじめ社会の歪んだ構造を告発する。現場を歩き、その重い意味を鋭く問う緊急ルポ。
  • 離婚の構図
    -
    大きく変貌しつつある離婚の実相! 急増する熟年離婚や女性主導型離婚、団塊の世代の新型離婚の実態を描く! ーー経済成長を支えてきた家庭の構造がくずれ、女性の自立が進むなか、離婚の諸相も大きく変化している。男のギャンブル、アル中、浮気、暴力といった古典的な理由での離婚は減り、熟年離婚やマザコンが原因での離婚など、女性主導型が増えている。また、団塊の世代の新しいタイプの離婚などの実態を描く。
  • 天皇語録
    -
    昭和天皇は、昭和という激動の時代の代表選手であり、昭和を生きたわれわれひとりひとりの姿そのものでもある。天皇語録をひもとくことは、われわれ日本人が歩いてきた喜びと悲しみの昭和史の確認であると同時に、将来に向けての教訓を得ることにもなるだろう。人間天皇を知る絶好の書。昭和元年12月28日の践祚の勅語から60年9月10日の日航機墜落事故の遭難者を悼むご発言まで388のご発言を集めた。
  • 素敵なヤツなのに
    -
    好きなのに……。なのにどうして、この愛は!? ーーキース・ジャレットのゴルトベルク変奏曲が流れる時間の中で、男は揺れた。女は……。「子供をつくらないか」「それがあなたの冒険?」「こんな別荘が欲しいね」「躰が悪いの?」互いの家族も知らず、結婚の形にとらわれず、自由に暮してきた女と男。15年目の心の揺れを透明な文体で描く表題作に、「薔薇のやりかた」「音の川」など、全6編。
  • 国鉄処分 JRの内幕
    -
    「分割・民営」の名で何がなされたか? 100兆円の資産に群がった政財界の動きとそれに翻弄された労働現場を克明に追うルポ! ーー国鉄がJRに変わる前後に何が起きていたのか? 「分割・民営」という名で、100兆円の資産に群がった政財界の動きと、「国鉄処分」の陰で4万人の希望退職者と100人以上の自殺者を出した労働現場の素顔を、克明に追う。あわせてJRのなかで進行する知られざる実態を、深刻に問う渾身のルポルタージュ。
  • 考えない世界
    3.0
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 どんな世界なんだろう……。考えすぎてませんか? あなたに贈る絵本です! ーー何かと考えすぎてはいませんか? 考えるべきこともあるでしょうが、考えなくてもいいことも、またあるのです。考えすぎるあなたに代わって、考える小説家・原田宗典が、考えに考え、考え抜いた末にたどり着いた、考えない世界とはいかなるものか? イメージ豊かなかとうゆめこの絵とのコラボレーション。
  • 逆光のなかの女
    -
    1通の手紙が運ぶ恐怖の芽。愛のサスペンスーー「あなたは癌です。クリニックの検査表は偽りです」という手紙が届いた。1通は大学学部長に、1通は自動車会社社長に、もう1通が出版社重役に。同じころ、「メリークリスマス! クルシミナサイ」というカードが、若い女性編集者に届く。誰が、何のために? 小指の爪ほどの恐怖の芽が、根を張り枝を広げ、平穏な日常を侵してゆく……。社会の不正と闘う、愛と復讐のサスペンス。
  • ラブソングを歌いたい
    -
    マスコミと寝ない、力には媚びない。「男の日々よ、ちょっと待って」と、人権、性差別にコミットし続ける著者。木や花を愛し、「オダヤカに暮らしたい」といいつつ、つい女気をおこす、「無謀オチアイ」そのままに、小気味よい最新エッセイ集。潔く、しなやか、著者を知る格好の、鮮度100%の1冊。
  • マヤの一生
    -
    マヤがわたくしの家に着いた時は、片手にのる程の小さな犬だった。マヤは、はじめに抱いてくれた次男に、一番なついていた。ニワトリのピピ、ネコのペルとも仲良く暮していたが、戦争が激しくなった時、国からマヤを殺すようにと通知が来た――戦時下、動物と人間との愛のドラマを淡々たる筆致で描いた、動物文学の名作。赤い鳥文学賞受賞。
  • ふりむいた天使たち
    -
    染めてしまおうか/あなたを/わたしの色に/いま/それはない/染まってしまおう/ふたりして/この/とりたてのみどりに/おくれ毛の/1本までも……。雨の降る日曜日、ただ過去に思いが走る時、メランコリーな昼下がり、悲しみのレースの幕がかかる時、あけて下さい、ノスタルジックな詩の花束の、扉を……。
  • とり散らかしておりますが
    4.0
    素子さんの快適、会心エッセイがいっぱい! ーー猫とぬいぐるみ、どっちをとるか? こう聞かれたら、私、どうすればいいんだろうか……。おっと、これは、高校生の頃からSF作家として活躍してきた、新井素子の楽しい日常備忘録です。子供の頃からやたら好きだった本のこと、小説家を夢みてきたこと、結婚したこと、などなど。素子さんちを訪ねたような軽快エッセイ。
  • 恋人たち LOVERS
    3.5
    「女と男」の様々な生き方。いまを生きる素敵な女性のおしゃれな恋の結末。自分の考えで生きる13人の心模様を描いた傑作! ーーやっぱり実物を見ないと、だめなときってあるんだ……。心の中で描いたラブレターだけでは納得がいかないのが、女心。でも、それがわからないのが男心。そんな「女と男」の微妙でおかしな関係を、13編の恋愛小説に。いまを生きる女性たちの心模様を軽快なテンポで巧みに描いた、落合恵子ワールドへようこそ!
  • 反骨 鈴木東民の生涯
    -
    時流に媚びない男の心意気を見よ! 新田次郎賞受賞のドキュメント。新聞記者を経て釜石市長になり、反権力・反公害に生きた男の破天荒人生を追う! ーーその男、鈴木東民。徹底した反ナチス報道でドイツを追われ、日本に帰ってからは軍部の言論弾圧に抗した新聞記者。敗戦後は読売新聞大争議を指導、のち釜石市長として反権力・反公害運動を展開。一生を時流に媚びず、「反骨」に生きた男の心意気が、痛切に胸を打つ。新田次郎賞受賞の渾身のドキュメント。
  • 日本の兵器工場
    -
    いま兵器工場の内側で何が起こっているか? 毎年膨張を続ける軍需工場の現場を丹念に取材。危険な軍拡路線を批判する必読のルポーー軍備の増強は、日本の平和にほんとに役立っているのだろうか。いま防衛庁の年間調達総額は1兆円をはるかに越えるというのに、兵器産業の実態は厚いベールに覆われたままだ。兵器工場の現場を丹念に取材し、巨大な防衛産業なしでは立ちゆかぬ日本経済の体質と関係者たちの本音を、鮮明にレポートする。
  • 津軽・斜陽の家 太宰治を生んだ「地主貴族」の光芒
    -
    同郷の著者が辿る力作。太宰治の文学精神に新しい光をあてるルポーー太宰治は、津軽の「地主貴族」の子として生まれた。にもかかわらず、太宰は「私は、無智の、貧農の子孫である」と、出自を韜晦(とうかい)するように書きつけている。それはなぜか。憎みつつ、しかし逃れようのなかった家と故郷。<罪>と<含羞(がんしゅう)>と<道化(どうけ)>の原点を、同郷の著者が肉親の証言と秘録で辿ったユニークなルポルタージュ!
  • 見学ノススメ
    3.1
    世の中なかなか侮れん! 未体験ゾーン48カ所、原田見学隊が行く! 「ノーパンしゃぶしゃぶ」を堪能し、「恐竜」から「百円ショップ」と……。爆笑ルポ・エッセイーー行きます! 見ます! 楽しみます! 原田見学隊ご一行が見聞した数、なんと48ヵ所。「占い喫茶」「ノーパンしゃぶしゃぶ」「Tバックカジノ」と風俗に挑み、「国会議事堂」「新宿未広亭」に独自の観察眼をふるう。体当りだけど、腰が引けてるオヤジ1年生の爆笑ルポエッセイ! まだまだあるけど、後は中を見ちくり~。
  • 教育工場の子どもたち
    3.0
    実際に学校をまわった教育現場からの報告ーー愛知・千葉などから全国にひろがった極端な管理主義教育は、教室での子どもたちの自由を奪い、その心を窒息死寸前にまで追い込んでいる。創造的で生きいきとした生活は、どうしたら甦るのか。いじめや子どもの自殺など緊急な課題を考えつつ、各地の小中学校をまわって、教育の反動化の実態を明らかにする。
  • 京の庭
    -
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 京都の名園といわれる庭園40ヶ所を、「池泉庭園」「枯山水庭園」「茶庭」に分類し、それぞれを造園時代順に配列。庭園のどこに立って、どのように鑑賞すれば、本当の美をとらえることができるかを、その由来・作庭のポイントなど、やさしく解説した、ハンディーな名園解説書。
  • 瓦斯灯
    3.5
    歳月が露わにする秘め事の真相は? 愛憎反転する男と女の心の襞をミステリアスに描く、鬼才の愛の推理ーー歳月は、人を恋う心の炎(ほむら)を消してしまうのか、あるいは、さらに激しく燃えたたせるものなのか。17年前、相思相愛だった男と女が、いま再会して露わになる数奇な離別の真相とは……という表題作など、愛が憎しみに、悦びが哀しみに、一瞬にして反転しうる心の襞をミステリアスに描く、会心の恋愛推理小説5編。男と女の哀しく数奇な物語。
  • 何者でもない
    3.7
    お金はないけど、でっかい夢はある! 劇団に生きる人々を優しく描く、青春小説。……ショウイチは劇団の奴隷だ。奴隷とは最下層の役者で、端役もやらせてもらえないーーショウジショウイチは、劇団二十一世紀少年の奴隷だ。奴隷とは最も下っ端の役者で、通行人はおろか、装置転換ぐらいしかやらせてもらえない。本業そっちのけでアルバイトに精を出し、住まいは当然風呂なしアパート。そんな彼らが唯一手にしているもの、それが夢なのだ。劇団に生きる人々をやさしく描く青春小説。
  • ルポ権力者 その素顔
    -
    まさに「悪い奴ほど、よく眠る!」。いかに権力を掌握し、日本を支配したか? 小針暦二、中曽根康弘、笹川良一など、闇の部分を徹底分析! ーー揺れ動く日本は、これからどうなるのか。日本の政治・経済を操ってきた7人の権力者を裸にする。政商・小針暦二をはじめ、永田町「蔭のドン」中曽根康弘やA級戦犯・笹川良一の勲章など、闇の部分に徹底的なメスを入れる。いかに権力を掌握し操作してきたか、そのパターンを分析し、現代に問うルポルタージュ。
  • スニーカーズ
    -
    愛と人生を問う長編。燃えて生きた、そして……愛を、人生を問う。1970年、激動の時代を生きた10人の男女の「今」を描く長編小説ーーあの時から何年、経ったのだろうか? 仕事を極める者、田舎で豊かさにひたる者、この世に別れを告げようとしている者……。1970年に青春を燃やし尽くした5人の女性と5人の男性。翻訳者、カウンセラー、カメラマンと生の形を変え、いまを生きる。過去を噛みしめつつ愛と人生を問い直す、長編問題小説。
  • ザ・レイプ
    4.0
    レイプを告発する衝撃作。全女性必読! 「あの男」を裁く! 女は訴え、闘い、傷つき、多くを失った。あなたなら、その時どうする? ーー沈黙を守ることは、犯人と共犯になってしまう……最後の誇りが、路子を告訴に踏み切らせた。襲った犯人はすぐ割れたが、男は和姦を主張。事件は裁判に持ち込まれた。被害者であるのに過去を暴かれ、好奇の目に晒され、路子は職場を、恋人を、ささやかな日々を失った。強者の論理、レイプを告発する問題作。

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