作品一覧

  • あなたの正しさと、ぼくのセツナさ
    4.3
    1巻817円 (税込)
    株の売買で崩壊した「ぼく」。髑髏の山を築いたポル・ポトに会いに……。ライバルは命を懸けてまで、何を知りたかったのか? ――1985年。ぼくは、未曾有のバブル景気の端緒となったこの年に、株のディーラーになった。同い年の永遠のライバル、修一の背中を追って。狂奔する相場に「運命の日(ドゥームズ・デイ)」が過ぎ去ったあと、修一はカンボジアへと姿を消した。彼は何を求めて森に入ったのか? 私たちの正しさや生きる意味を問う、挑戦的物語。 ◎「奴はぼくを完膚なきまで叩きのめして、殺意を抱かせた。何と薄情で、身勝手で、鼻持ちならない、唯我独尊野郎だろう。」<本文より> ◎「しまった!すばらしい作品の出現を、4年遅れで祝福させてもらいたい。」<白石一文「解説」より>
  • 死という鏡 この30年の日本文芸を読む
    -
    1巻691円 (税込)
    狂奔の1980年代から30年の小説は、みなが眼を背けてきたはずの、「死」にまみれていた――。まったく新しい視点で現代文学を読み解く、感動的なブックガイド。村上春樹『1Q84』、よしもとばなな『アムリタ』、小川洋子『博士の愛した数式』、綿矢りさ『蹴りたい背中』など、全58作品を解説。人はなぜ小説を書くのか。人はなぜ小説を読むのか。心の深いところが揺さぶられ、とてもよくわかる評論集。
  • 憂国者たち
    4.0
    1巻1,881円 (税込)
    ボスニア・ヘルツェゴヴィナの内戦で、大量虐殺の罪に問われたラドヴァン・カラジッチ。彼は三島由紀夫の愛読者だった。この事実を知った女子大生・橘アカネは三島をテーマに卒論を書くため虐殺の地へと赴いた。一方、アカネの元恋人・鷲見恭一郎はネトウヨに惹かれて三島へと接近する。それぞれのアプローチが交錯するとき、戦後日本の姿と三島文学の本質が浮かび上がる!没後45年、新たな三島由紀夫像に迫る力作長篇小説。
  • 大黒島
    3.0
    1巻1,771円 (税込)
    銀行を辞め、湖に浮かぶ島にある小さな寺の執行(管理責任者)となった「ぼく」の元を、かつての同僚が訪ねてきた。「おまえの仲介で神仏の力を借りたい」と。「ぼく」は求めに応じ、護摩を焚き、30万円を受け取る。半年後、同僚の妻が来て金を返せという。夫はめでたく昇進したが、辞令が出た翌日、息子が事故で半身不随になったのだった……。姉妹編「オオクニヌシたち」と、「海の碧さに」の2篇を併録。
  • マリアの選挙
    4.5
    1巻1,485円 (税込)
    選挙コンサルタント会社を経営するぼくのところに、ある日、依頼が舞い込んだ。依頼人はバツイチの日米ハーフ女性・錦織摩理亜。山陰の地方県議を辞め参院補欠選に出馬を決意したという。DVから逃げてきた女性たちと農場で乳製品を作りながら、選挙を支えるネットワークを作っていた。敵は日本一の後援組織「ヤグラ」を誇る与党大ボスの子飼い。カネも看板も地盤もない無力な女性候補が、ヤグラ相手にどう闘えるか。地方選挙を通して「まつりごと」のありようを描く痛快政事小説。※巻末ページのリンク先にはジャンプ出来ませんのでご了承下さい。

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ユーザーレビュー

  • あなたの正しさと、ぼくのセツナさ

    Posted by ブクログ

    自分がカンボジアに関わりはじめたのと同時期からストーリーが始まり、並行する日本のバブル以降も含めて、自分史を読んでいるようだった。

    ポルポトの解釈は、異論がある人が多いとは思うが、自分的には同感。
    また、ポルポト派の虐殺への受け止め方も、かなり変わるのではないかと思う。
    小説の形態をとってはいるが、カンボジアの内戦を含めてカンボジアに興味がある人には是非、読んで欲しい。

    0
    2011年10月23日
  • マリアの選挙

    Posted by ブクログ

    選挙を題材にしているけど、ドロドロした内容じゃありません。
    前半部分がちょっとまどろっこしい感じがするけど面白く読めました。

    0
    2009年10月07日
  • 憂国者たち

    Posted by ブクログ

    三島由紀夫とカラジッチ、右翼とネトウヨとカウンターネトウヨ、男女の学生が卒論ために探求する。
    単に楽しむ小説じゃない。
    小説のカタチをとった三島研究書だ。
    でも読み難くない。ついつい読まされる。

    0
    2016年07月03日
  • 憂国者たち

    Posted by ブクログ

    1990年代、ヨーロッパのバルカン半島で起こったボスニア内戦。クロアチア人、ムスリム人、セルビア人の3民族が争う。やがて、セルビア人は共和国を作り、独立するが、初代大統領カラジッチは虐殺罪で戦争犯罪人として裁かれる。そして、彼は三島由紀夫の愛読者だったらしい。

    かぜカラジッチは三島を選んだのか、三島文学はカラジッチに何を与えたのか。その接点を探そうとする女子大生と、その行動を見守る担当教授と元カレの3人それぞれの三島論が展開される。

    一応、小説だが、本書は作者の三島由紀夫の研究論文だ。デモにより自己主張する最近の若者のはじまりが三島の割腹自殺だという説は、なるほどなと思う。しかし、肝心のカ

    0
    2016年05月20日
  • あなたの正しさと、ぼくのセツナさ

    Posted by ブクログ

    ジャケ買い。というかタイトル買い。

    こういう頭でっかちな文章が好き。

    読むには電子辞書が必須だったりして、
    知らない日本語ってたくさんあるんだなぁ。
    という一冊。

    0
    2010年09月12日

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