わが母の記
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わが母の記

594円 (税込)
298円 (税込) 12月25日まで

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枯葉ほどの軽さの肉体、毀れた頭。歩んできた長い人生を端から少しずつ消しゴムで消して行く母――老耄の母の姿を愛惜をこめて静謐な語り口で綴り、昭和の文豪の家庭人としての一面をも映し出す珠玉の三部作(「花の下」「月の光」「雪の面」)。モントリオール世界映画祭審査員特別グランプリ受賞ほか、世界を感動に包んだ傑作映画の原作。

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わが母の記 のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ

    著者の自伝的小説三部作「しろばんば」、「夏草冬濤」、「北の海」に続いて読んだ。小説中の洪作、すなわち井上靖は長じて文豪となったわけだが、この「わが母の記」の三つのエッセイでは、その見事な筆致で惚けてゆく母親の晩年を冷静に、しかし優しく描写している。本作を読むことで洪作三部作は完結したのだと感じ入った

    0
    2022年12月28日

    Posted by ブクログ

    認知症により記憶が失われていき理解に苦しむ行動をとるようになった母親の晩年の思い出。淡々と描いている。事実がもつ力と文豪の確かな表現力。

    0
    2022年12月01日

    Posted by ブクログ

    晩年の母との日々を綴った作品。約5年ずつを空けた3つの作品から構成されている。5年ごとに老いが進む母。自らの人生の記憶を少しずつ消しゴムで消していくような母。世話をする子供たちのことも分からなくなっていく。しかし、母の中では母なりの世界が展開されているようだった。
    井上靖の簡易でありつつも味わい深い

    0
    2022年08月24日

    Posted by ブクログ

     米子市の「アジア博物館・井上靖記念館」を訪れた折、購入した本の内の一冊が「わが母の記」だった。「母」という存在は年齢を重ねれば重ねるほど大きく、そして、感謝の度合いも深まってくるものだ。その恩の最たる存在である「母」を井上靖はどんなふうに書き記しているのだろう、という思いから読み始めた。最初の方に

    0
    2020年06月18日

    Posted by ブクログ

    「もう面倒見切れない気持ちになっている」実の母親をそんな風に言う場面なんて嫌だなぁ。そう思った時、昔私の祖母が呆けた時を思い出して頭を抱えた。   そうだ、中学生の私も母が大変そうで『大好きな』ばーばに腹が立っていた。   身近な人間が急激に変わっていくのをすんなりと受け入れられる人間なんてそうはい

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    2015年06月03日

    Posted by ブクログ

    老髦の母、壊れた精神と小さな体。著者の一人称を主体として、晩年の母をめぐる家族の様子を、淡々と、幾らか抑制の効いた語り口で綴る。
    昭和の家族模様とはかくあり、また今日でもかくあるべきなのかもしれないと感じた。
    壮年期を迎えた方々に、特に読んでほしい一作です。

    0
    2012年07月19日

    Posted by ブクログ

    80歳を過ぎて少しずつ記憶が消え、幼児化してゆく母と、見守る息子。息子の語り口調。映画では見せ場、泣かせ所があったが、小説はもっと淡々と描かれている。
    「花の下」「月の光」「雪の面」の三部作。風景の中で、老いた母と若い母が合わせて描かれる場面があり、その文章が綺麗で感動した。

    0
    2013年11月08日

    Posted by ブクログ

    井上靖初読、映画は過去、樹木希林氏ご逝去の直後に観ていた。
    著者の母が老い、主に認知症を進行させていく様を長男の立場でありながら極めて客観的に描く。

    耄碌していく母は少女性を復活させ、我儘な振舞いを見せる。
    人は歳を取る毎、ある一定の年齢を経ると子供へ還っていくと言うが、彼女の場合は無垢と狡猾がせ

    0
    2022年01月16日

    Posted by ブクログ

     人が年老いていくと食べて排泄するだけの一本の管になる。そもそも、それこそが生物の基本的な活動なんだと・・・他の出来事は薄ぼんやりと霧の彼方へ・・・DNAを無事に次世代へ引き渡したのなら、わが身は死を待つばかりなり(合掌

    0
    2016年10月14日

    Posted by ブクログ

    最近、井上靖にはまっています。文章が好き。幸いにして家族一同無病息災であったのですが、1年半ほど前に祖父がなくなりました。短い闘病生活でしたが、その時、親を看取らんとする両親の、叔母の背中を見ていた気持ちを思い出しました。今の私の立場は孫娘にあたる芳子のようなものですが、いずれ立場が筆者や、その姉妹

    0
    2016年09月25日

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