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深夜、整形外科医・棚田のもとに松雪颯太という青年が運び込まれた。 階段で、誰かに後ろから突き落とされたという。 身寄りもなく、謙虚で穏やかな青年と打ち解けていった棚田は、松雪が病院内で心配なく過ごせるように勤しむ。 だがある日、看護師から信じがたい話を聞き――。 『箱の中』『嫌な奴』の著者がおくる、人間の心の深いところをえぐるような、傑作短編集。
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Posted by ブクログ
身近にいそうな「普通」の人間の中にある狂った倫理観を共通して描く短編小説集。 スポットライトが当たる登場人物が皆、狂っていて気持ち悪いのに不快じゃないどころか、耽美的で魅了されてしまう、不思議な感覚を楽しめる小説でした。
初めて読む作家さんの本。シンプルにとても面白くて、あっという間に読んだ。 読み終えて、これまで知らなかった木原音瀬さんについて検索してみたら、基本はBLの作家さんらしい。今年の中頃に読んだ凪良ゆうさんも確かそうだったけれど、BL作家が書く一般作というのは、直接同性愛的な描写はなくても、BL作家とい...続きを読むう下地を感じる部分があるのだな、と(この小説は直接的な描写も少しあったけれど)。知らないまま読んで、読み終えた後に知ったので、知ってから「ああ!そういえば!」と気づく感じがとても面白かった。 カテゴリで言えばミステリ系が四編の短編集。 がっつりミステリ(殺人がある)もあるけれど、四つのうち三つは、人間の暗部を追求するのがメインで描かれている。 「ひとの見てはいけない部分」を覗き見する、ぞくぞくする感じが存分に味わえる。 一冊通して言えるのは、すべての作品に、生まれながら、もしくは育っていく過程である程度幼い頃からあった、極端な性癖や病的な部分を持つ人間が登場するということ。本人が主人公である場合もあれば、その人に触れたり巻き込まれたりする人物が主人公である場合もあり、どことなくつめたく、距離を置いた雰囲気で描かれている。 病的で近くにいたら困る…困るどころではないが…みたいな人間たちばかりなのだけど、おそらく現実にもいるのだろうと思わされる。病的な嘘つきなら、私も実際知り合ってしまったことが過去にあったし。 内容も面白かったし、文章の雰囲気も好きだった。静かで淡々としていて、だけど(だからこそ?)ぞっとする感じ。 この作品以外の既刊のものはどうやらほとんどがBLみたいだけど、読んでみたいと思った(その世界ではとても有名な方らしい。勉強不足でした)。 表紙の帯にある「この人たち、どこか変だ」というフレーズがとてもぴったりな作品。表紙もとても良い。
短編集 どれも不快な話だが特に『虫食い』は悪趣味が過ぎる。彼らの生き方を罪というなら、まさにその罪の名前はなんだろう… BL小説の作家のようだがこの作品はBL要素は少ない。ただ読む人を選ぶ本。
日向には秘密がある。口の中で生き物の蠢きを感じるのが楽しく、虫などを食べるのがやめられない事。気味悪がられるその秘密を知りつつ、唯一守ってくれるのが、幼馴染の隼人だった。(虫食い) 虫や小動物を食べたり、嘘をついたり。人間の罪を描く4編を収録した短編集です。 嘘や虚栄心、独占欲、まだ息のある生...続きを読む物を食べてみたいという欲。それだけなら、すぐに罪に直結するようなものではないかもしれない。けれど、一歩踏み外してしまった時、欲はたやすく罪に落ちてしまう。 人の本性を見せられているようで、生々しくグロテスクなのにどこか耽美で儚い。心が毛羽立つような作品集。 息を吐くように嘘をつく人間の話の、『罪と罰』『ミーナ』の2作が特に、社内などにいても不思議ではないリアリティと不気味さがあり好きでした。 ちなみに、『罪の名前』というタイトルですが、表紙に書かれている英題は『original sin』つまり原罪。道徳的な弱さや堕落なのか、人間(他人)には完全には理解することができない神秘だとか、何を思ってこの題にしたのかも気になります。 初読の作家さんで、調べてみた所、メインはボーイズラブ小説界で活躍されている方のようです。そういわれると、ほんのり(『虫食い』と『消える』に関しては割としっかり)そのような要素も感じるかも。
初めて読む作家さんです。 どんな話が入っているのかと、ワクワクして読んだ。 四つの作品全てがとんでもなく珍味な作品でした。 一話目と三話目は、平気で息をするように”嘘”をつく人物の恐ろしさが詰まった作品。 二話目は歪んだ弟への感情を持った兄の、細やかな感情が感じ取れて、狂気すら感じた。 四話目に関し...続きを読むては、もうぶっ飛びすぎて、理解不能であった。 虫を食べたり、ここには書けないようなとんでもない性癖が、下手したら吐き気を感じるほど強烈で、衝撃的だった。 自分がまだこの作家さんのインパクトについていけていない。 それだけ個性に溢れた素晴らしい作品であった。
人怖の短編4作 ◼︎罪と罰 不憫な男性患者に同情しながら、その回復経過を見守る担当医のお話。徐々に化けの皮が剥がされていくような展開で怖かった…、人は見かけによらない。 ◼︎消える 美しく生まれた「弟」のことを誰よりも愛していた「兄」が遺した手紙から始まるお話。(まるで愛したことを懺悔するか...続きを読むのような内容が太宰治の『駆け込み訴え』のよう。)偶然その手紙を読んでしまった他人が、好奇心から「弟」のもとを訪れる。「兄」から「弟」への伝わることのない愛情も、第三者の介入・好奇の目も痛々しい。 ◼︎ミーナ 転校して間もない女子高校生と、転校して最初に親しくなった後ろの席の女の子とのお話。息をするかのように吐く嘘に、さらに嘘を重ね、妄想と現実の区別さえ不鮮明な感じが病的で怖い。 ◼︎虫食い ある男子高校生の特殊な性癖についてのお話。タイトルのまま、もう、読みながら想像して色んな意味でぞわぞわが止まらず…。どんどんエスカレートしていくのも、中盤からの猫の話もショッキングで、とにかく強烈…。
いろんなサイコパス。心と体の奥の方がなんだかゾワゾワするような、でもそれがなんとなく耽美で快感でもあるような…不思議な感覚の短編集。個人的に怖くて好きなのは罪と罰かな。あとは虫食いがめっちゃキモくて強烈だった。理解できないけど…そういう人もいるよね…。
人間が持つ闇や裏の顔を特集したような短編集。一見フレンドリーで「いい子」がいかに人を手玉にとり、化けの皮が剥がされていく姿が見応えあり。
「小説現代」に掲載された短編4編。 もはや木原作品といえど、カテゴリーはわからない。気持ちよく、気持ち悪くしてくれる作品集。 木原さんが描く、嘘によって生きる人物達が、彼らの正しさの中で歪んでいる。その歪みが周囲を巻き込み、底気味悪い。 谷崎潤一郎の「異端者の悲しみ」の男の気持ち悪さと、「罪の名前」...続きを読む「ミーナ」の不快さが似ている。存在が許せない感じを読ませてくれる。 「虫食い」は、少し古く2013年。虫を食することに快感を得る少年。それ以外は、いたって普通で品行方正。そのことを知るただ一人の友人は、おっとりとした愚鈍タイプ。いつも助けられている友人だけれど、実は少年の精神バランスの支えでもある。これ好き。
ラブセメタリーの著者の短編集ということで覚悟して読んだ。 本作は認知の歪みを自覚していない人物に振り回される主人公たち、という構図。ラブセメタリーのように、自身の嗜癖を自覚し苦悩したり、開き直ったりという精神的に悶える人物は出てこない。嫌な奴に苦しめられる常識人の話という印象。ヒューマンホラーという...続きを読む感じ。 共同体に留まりたい異端者の苦悩、みたいな物語を読みたいので、少し期待していたものとは違った。 「罪と罰」 「消える」 「ミーナ」 「虫喰い」
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