中公新書 - アツい作品一覧

  • イラン現代史 イスラーム革命から核問題、対イスラエル戦争まで
    3.0
    1979年にホメイニ―師を中心とした革命で発足したイラン・イスラーム共和国。シーア派の理論に基づいた体制を敷き、中東でも反アメリカ、反イスラエルの急先鋒として存在感を示す。国際的に孤立しようとも核開発を進めて独自の道を歩むが、ここに至るには東西冷戦や中東での覇権争いなど複雑な歴史があった。本書は革命以後の軌跡を政治・経済・社会の側面から迫る。混迷する国際情勢の中、イランはどこへ向かうのか。 ■目 次■ はじめに 序 章 近代国家建設と東西冷戦構造 1 パフラヴィー朝の成立と近代国家への道 2 モハンマド=レザー・シャーの専制政治と白色革命 3 反王政運動と王の国外退去   コラム① 在外イラン人学生の運動 第1章 ホメイニー体制と革命勢力の角逐 1 ホメイニー師の帰還と革命の達成 2 バーザルガーン暫定政府と憲法制定 3 イスラーム共和国体制と大統領選挙   コラム② 反西洋とファストフード 第2章 イラン・イラク戦争とイスラーム共和体制 1 押しつけられた戦争と「法学者の統治」 2 広がる戦火と「コントラ事件」 3 戦争の終結と新たな体制の模索    コラム③ 亡命者とテヘランゼルス 第3章 ハーメネイー体制と政治的自由 1 新体制と戦後復興 ラフサンジャーニー政権(一九八九~九七) 2 体制の変容と政治的自由 ハータミー政権(一九九七~二〇〇五) 3 体制の問い直しと宗教実践の多義性   コラム④ レスリングとサッカー 第4章 新保守派の台頭と「緑の運動」 1 国際関係の緊張とアフマディーネジャード政権(二〇〇五~一三) 2 国際的孤立と「緑の運動」 3 市民生活の変容と核開発問題   コラム⑤ 科学者と頭脳流出 第5章 防衛戦略と核問題 1 革命防衛隊の社会への浸透 2 革命防衛隊とロウハーニー政権(二〇一三~二一) 3 核問題の解決と中東情勢の変化   コラム⑥ 日本とイランの国交一〇〇年 終 章 暗雲垂れ込めるイスラーム共和体制の未来 1 ライースィー政権(二〇二一~二四年)への期待と終焉 2 急変する国際情勢とペゼシュキヤーン政権の発足 3 イスラーム共和体制の未来 あとがき 主要参考文献 関連年表
  • 戦後史1945-2025 敗戦からコロナ後まで
    5.0
    アジア・太平洋戦争による壊滅から経済大国化し、不動の国際的地位を築いたものの、「失われた30年」で低迷する日本。豊かにはなったが、所得や地域間の格差、世界の〝最先端〞を行く高齢化、少子化など「課題先進国」とも呼ばれる。本書は、この戦後日本の軌跡を描く。特に東アジアとの関係、都市と農村、家族とジェンダーといった、大きく変貌した関係性に着目。マクロとミクロの両面から激動の80年を描いた日本現代史。
  • 筋肉はすごい 健康長寿を支えるマイオカイン
    4.0
    1巻1,078円 (税込)
    健康意識の高まりとともに筋肉への注目が集まっている。 本書は人間にとって筋肉がいかに重要か、医学、栄養学、スポーツ科学の見地から解説する。 そもそも運動がなぜ健康に良いのか?  人はなぜ疲れるのか?  歳を取るとなぜ痩せるのか?  筋肉の謎に迫る。 そして今研究が進む「マイオカイン」を紐解く。筋肉が分泌するこの物質は臓器や脳に作用し、健康を守りがんの発生を抑制する。 筋肉を鍛え、健康長寿を目指そう。
  • 豊臣秀長 「天下人の賢弟」の実像
    3.3
    兄秀吉を天下人に押し上げた豊臣秀長。 補佐役にとどまらず、一時は後継候補と目された実力者だった。 大河ドラマ主人公の実像に迫る。
  • サッチャー 「鉄の女」の実像
    3.7
    マーガレット・サッチャーは、20世紀後半を代表する政治家の一人だ。 1975年に保守党党首となり、79年には英国史上初の女性首相に就任。 「鉄の女」の異名をとり、90年まで在任した。 サッチャリズムと呼ばれた政策は、今なお賛否を集めている。 本書は、波乱に富んだ生涯を照らし、その実像を描き出す試みである。
  • 英作文の技術 “3世界・24文型”で伝える
    4.3
    英作文は難しい。学校ではあまり習わず、大学入試や各種試験での出題も多くはない。そのため、訳してみてもそれが正しい答えなのか、よく分からない。しかし、メールでも会話でも、相手の言っていることを理解できても、返事ができなければ困る。和文英訳も必須の能力なのだ。本書は英作文の型を「3世界・24文型」に分類、どれに当てはまるかを見抜いて英訳する方法を伝授する。自在に英語で表現する確実なメソッドとは? □ ■ □ 目次 □ ■ □ はじめに 澤井康佑 オリエンテーション  講義 第1部 名詞と動詞の世界[項の世界] 第1講 1項動詞と2項動詞 第2講 3項動詞 第3講 2つ目の項,3つ目の項の動詞内容への拡がり  講義 第2部 イコールの世界 第4講 be動詞を用いたもの 第5講 一般動詞を用いたもの  講義 第3部 「SV+文内容」の世界 第6講 6つの型 第7講 6つの型の文型,伝達相手の付加,7つ目の型 第8講 その他の型 本書を読んでできるようになった5つのこと 問題演習 あとがき 澤井康佑 あとがき マーク・ピーターセン
  • クーデター―
    4.0
    クーデターとは非合法的な政権奪取である。 国際秩序の変動期に「避けられない悪」として頻発するが、昨今またその兆候が著しい。 本書は昭和の動乱期から21世紀のグローバルサウスまで、未遂や失敗例も含め幅広く検証。行動原理や成功要因を解明し、民主主義vs.権威主義vs.イスラム主義、SNSの影響、資源争奪、ワグネルの暗躍など現代の特徴に切り込む。 当事国の民政移管や治安部門改革への支援など、日本の役割も問う。 はじめに 第1章 クーデターとは何か――一撃による非合法の権力奪取 革命との違い/内戦との違い/暴動との違い/テロとの違い/世直しクーデター/第二次世界大戦前――歴史を動かしたクーデター/第二次世界大戦後――クーデター多発の時代/米ソ冷戦後――民主化の遠い道のり/第1章のまとめ 第2章 発生要因と成功条件――成功の見込みと軍の決意 現政権への不満/一般民衆からの支持/権力奪取の見込み/成功条件/軍全体が関与する場合/軍の一派が主導する場合/決起を成功させるための手配/ロシア――鍵を握る諜報機関/北朝鮮――軍の分割統治と二元指揮制度/中国――ポスト習近平をめぐる権力闘争/第2章のまとめ 第3章 21世紀の権力奪取――五つの特徴 民主化運動の軍による横取り/新しいイデオロギー対立の萌芽/携帯電話とSNSの発達/新たな資源争奪戦/民間軍事会社の暗躍/第3章のまとめ 第4章 クーデター抑止策――多角的アプローチの必要性 エリートへ利益を分配する/民衆の不満を抑制する/民主的な政権交代を実現する/政権交代を制度化する/紳士協定を法制化する/軍を分割統治し相互に牽制させる/文民統制を確立する/人事を通じて軍を掌握する/外国軍・平和維持軍の存在を活かす/国際承認と制裁を活用する/新しい抑止策/第4章のまとめ 第5章 決起後の課題――暫定政権の樹立から民政移管へ 秩序回復時の権力の濫用/暫定政権の危うさ/民政移管の失敗例/民政移管の成功例/タイ政治における軍の役割/政軍関係の諸理論/軍に対する文民統制/インドネシアにおける文民統制/フィリピンにおける文民統制/ミャンマーにおける文民統制/民主化における軍の役割/東アジアの事例――韓国と台湾/東南アジアの事例――インドネシアとフィリピン/第5章のまとめ 第6章 治安部門改革――クーデター抑止のメカニズム 治安部門改革の成功例と失敗例/主要な取り組み/クーデター抑止策との関連性/軍の分割統治と相互牽制/法制度整備による文民統制の確立/軍の非政治化/人事権の行使/台湾における文民統制確立の歩み/改革の限界と課題/第6章のまとめ 第7章 2・26事件――歴史から学ぶ教訓 2・26事件とは何か――世界最大規模のクーデター未遂/決起の背景――なぜ事件は起きたのか/決起成功の見込み/敗因①――昭和天皇の決意/敗因②――木戸幸一の輔弼/敗因③――要人拘束の失敗/敗因④――帷幄上奏の失敗/敗因⑤――天皇型政治文化の存在/敗因⑥――政治工作の失敗/敗因⑦――報道・情報操作の失敗/カウンター・クーデターの動き/人事を通じた抑止策/戒厳令の二面性――クーデター抑止か誘発か/現代における戒厳令と緊急事態宣言/21世紀の戒厳令――韓国「12・3」非常戒厳との比較/日本への教訓/第7章のまとめ 第8章 日本外交の支援策――クーデターをなくすために 治安部門改革支援の実績/民主化支援の実績/東アジア人的交流と育成の重要性/東南アジア――軍事交流と民主化支援の強化/アフリカ――技術支援に留まる現状/インド太平洋――クーデター抑止も価値観外交の一つ/グローバルサウス――気がかりなBRICSの動向/第8章のまとめ 終 章 ク ーデターの可能性と限界――民主化への道か混乱か クーデターのパラドックス(二面性)/世直しクーデター/アフリカのジレンマ――断ち切られぬクーデターの連鎖/日本への示唆現代の私たちへの教訓
  • 植物の〈見かけ〉はどう決まる
    3.0
    花の色、葉の形、茎の長さなど植物の「見かけ」はどのように作られているのか。種の多様性はどうして生まれるのか。 「遺伝子による制御」という視点から、疑問が解明されつつある。 その鍵を握るのが、突然変異体の研究である。 栽培品種作出にも重要なこの研究は、新材料アラビドプシス(和名シロイヌナズナ)を得て世界的ネットワークへと拡大した。 野外研究とバイオテクノロジーの融合が生んだ遺伝子解析最前線の息吹を生き生きと伝える。
  • ベルリン・フィル 栄光と苦闘の150年史
    3.8
    巨匠フルトヴェングラーや帝王カラヤンが歴代指揮者に名を連ね、世界最高峰のオーケストラと称されるベルリン・フィルハーモニー。 1882年に創設され、ナチ政権下で地位を確立。敗戦後はソ連・アメリカに「利用」されつつも、幅広い柔軟な音楽性を築き、数々の名演を生んできた。 なぜ世界中の人々を魅了し、権力中枢をも惹きつけたのか。150年の「裏面」ドイツ史に耳をすまし、社会にとって音楽とは何かを問う。 【目次】 第1章 誕生期――市民のためのオーケストラとして べルリンの音楽環境  「音楽の国ドイツ」  ベルリンのビルゼ楽団  ビルゼ楽団の危機  ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団の誕生  ヨーゼフ・ヨアヒムの尽力  財政危機  ビルゼ楽団のその後  初代常任指揮者ハンス・フォン・ビューロー  芸術家としての指揮者  ホールの改築  ビューローの晩年  ビューローの死 第2章 拡大期――財政危機から国際化へ 後継者問題  ニキシュの就任  積極的な国外演奏  オーケストラ・マネジメントの進展  世紀の「大演奏家」  オーケストラ演奏会ブーム  新しい音楽活動としてのレコーディング  財政難  第一次世界大戦  戦時中の活動  ドイツの敗戦  ニキシュの死  ニキシュの追悼とフルトヴェングラー 第3章 爛熟期――ナチとベルリン・フィル フルトヴェングラーの就任  財政的苦境  戦後の平和と国外演奏  「新しい音楽」への取り組み  ワルターとメニューイン  新しいメディアへの挑戦  ベルリン・フィルと「現代音楽」  音楽とナショナリズムの交差  世界恐慌とドイツの変容  創立50周年とナチの影  ナチ政権の発足  「帝国のオーケストラ」  政権との距離  政権による圧力と「自律」の確保  音楽家の亡命  ドイツの対外イメージ悪化の中で  演奏史と文化政策  カラヤンのベルリン・フィルデビュー  対外宣伝装置として  「兵士に準ずる存在」として  同盟国や占領国での演奏  戦時下の演奏  空襲におびえながらの演奏会  フルトヴェングラーの亡命  ドイツの破滅 第4章 再建期――戦後の「再出発」 破壊され尽くしたベルリン  ソ連占領軍政府によるボルヒャルトの指名  戦後最初のリハーサル  ソ連占領軍政府の思惑  戦後最初の演奏会  英米によるベルリン・フィル獲得競争  本拠地決定 ボルヒャルトの死 チェリビダッケの指名 チェリビダッケの暫定指揮者就任  オーケストラの「非ナチ化」  フルトヴェングラーの復帰  団員の士気の低下  ベルリン封鎖中の訪英  フルトヴェングラーの意欲低下  カイロ遠征  主権回復後の新運営体制  創設70周年  訪米計画と国際政治  西ベルリン初の音楽専用ホール  フルトヴェングラーの死 第5章 成熟期――冷戦と商業主義の中で チェリビダッケとオケの不和  カラヤンの指名  カラヤンの来歴  常任指揮者契約  アメリカツアー  積極的レコーディング活動  シュトレーゼマンの支配人就任  フィルハーモニー・ホールの建設  オーケストラの公共性  ドイツの「和解外交」とベルリン・フィル  ザルツブルク復活祭音楽祭  音楽の「映像化」  カラヤン財団創設  ソヴィエト遠征  権威化するカラヤンとその横顔  カラヤン・アカデミー  ザルツブルク聖霊降臨祭音楽祭  団員との軋轢  支配人をめぐる軋轢  冷戦をまたいだ演奏活動  オーケストラ以外での団員の音楽活動  ザビーネ・マイヤー事件  カラヤン離れの模索  若干の歩み寄り シュトレーゼマン、二度目の引退  カラヤンの衰弱  CAMIスキャンダル  日本ツアーとカラヤンの「終わり」の予感  最後の演奏会  カラヤンの死 第6章 変革期――「独裁制」から「民主制」へ 「民主化」と指揮者選び  アバドの生い立ち  ベルリンの壁崩 壊  ホールの大規模改修  ヨーロッパ・コンサートシリーズ  チェリビダッケの再登場  「カラヤン後」のゆくえ  古典復興、現代音楽  アバドの辞任予告  「ドイツの民主主義の50年」  アバドの闘病と9.11テロ  アバドの退任  アバドの評価 第7章 模索期――新しい時代のオーケストラとは何か ラトルの選出  ラトルとベルリン・フィルの最初の出会い  財団法人化  支配人をめぐる混乱  ラトルの音楽作り  音楽芸術の新しい位置づけ  「レジデンス」制度の拡充  新支配人の新しい試み  映像活動  歴史認識の確認作業  デジタル・コンサートホール  ラトルの退任  ラトルの評価  パンデミックと  再び「政治」に直面 あとがき 参考文献  図版出典  ベルリン・フィル関連年表
  • 政治哲学講義 悪さ加減をどう選ぶか
    4.5
    正しさとは何かを探究してきた政治哲学。向き合う現実の世界は進むも退くも地獄、「よりマシな悪」を選んでなんぼの側面をもつ。 命の重さに違いはあるのか。汚い手段は許されるか。大義のために家族や友情を犠牲にできるか。 本書はサンデルの正義論やトロッコ問題のような思考実験に加え、小説や戯曲の名場面を道しるべに、「正しさ」ではなく「悪さ」というネガから政治哲学へいざなう。混迷の時代に灯火をともす一書。 【目次】 はじめに 正義論に残された問い  作品で読み解く 第1章 「悪さ加減の選択」―—ビリー・バッドの運命 1 選択のジレンマ性 ジレンマとは何か  損失の不可避性  損失の不可逆性 2 政治のジレンマ性 政治とは何か  公共の利益  利害の対立 3 マシな悪の倫理 マシな悪とは何か  三つの特徴  行為と結果の組み合わせ 4 まとめ――政治の悲劇性 第2章 国家と個人――アンティゴネーとクレオーンの対立 1 偏向的観点と不偏的観点 偏向的観点  不偏的観点 2 不偏的観点と政治 法の下の平等  具体例① 政治腐敗  具体例② 国連活動 3 不偏的観点と個人 インテグリティと政治  国家と個人・再考 4 まとめ――クレオーンの苦悩と悲嘆 第3章 多数と少数――邸宅の火事でフェヌロンを救う理由 1 数の問題 規範理論① 功利主義  特徴① 総和主義  特徴② 帰結主義 2 総和主義の是非 人格の別個性  権利論  権利は絶対的か 3 帰結主義の是非 規範理論② 義務論  マシな悪の倫理・再考  義務論的制約 4 まとめ――ゴドウィンの変化 第4章 無危害と善行――ハイジャック機を違法に撃墜する 1 トロリーの思考実験 具体例ドイツ航空安全法  「問題」前史 2 消極的義務と積極的義務 義務の対照性  優先テーゼ 3 トロリー問題 「問題」の発見  手段原理  航空安全法判決 4 まとめ――制約をあえて乗り越える 第5章 目的と手段――サルトルと「汚れた手」の問題 1 汚れた手という問題 理解①マキァヴェリの場合  理解② ウォルツァーの場合 2 いつ手は汚れるか 印としての罪悪感  罪の内実 3 いつ手を汚すか 指針①絶対主義  指針② 規則功利主義  指針③ 閾値義務論  制度化の問題 4 まとめ――サルトルと現実政治 第6章 自国と世界――ジェリビー夫人の望遠鏡的博愛 1 一般義務と特別義務 不偏的観点・再考  偏向的観点・再考  偏向テーゼ 2 特別義務の理由 理由①道具的議論  理由② 制度的議論  理由③ 関係的議論 3 特別義務の限界 不偏テーゼ  消極的義務・再考  積極的義務・再考 4 まとめ――慈悲は家からはじまり…… 第7章 戦争と犠牲――ローン・サバイバーの葛藤 1 民間人と戦闘員 民間人の保護  戦闘員の保護 2 民間人への付随的損害 二重結果説  民間人か自国民か  具体例 ガザ紛争 3 民間人への意図的加害 個人が陥る緊急事態  国家が陥る緊急事態  偏向的観点・再再考 4 まとめ――戦闘員の信念と部族の決意 第8章 選択と責任――カミュが描く「正義の人びと」 1 選択を引き受ける 規範理論③ 徳倫理学  インテグリティと政治・再考  心情倫理と責任倫理 2 責任を引き受ける 指針①メルロ=ポンティの場合  指針② カミュの場合 3 「悪さ加減の選択」と私たち 民主的な汚れた手  責任を政治的に引き受ける  具体例 アルジェリア問題 4 まとめ――サルトル=カミュ論争 終 章 政治哲学の行方 AIと「悪さ加減の選択」  AI時代の政治哲学 あとがき 読書・作品案内 引用・参考文献
  • 集団はなぜ残酷にまた慈悲深くなるのか 理不尽な服従と自発的人助けの心理学
    3.8
    組織の不祥事が報道されると「自分なら絶対にやらない」と思う。だが、いざ当事者になると、個人ならしない悪事でも多くの人は不承不承、あるいは平気でしてしまう。 なぜ集団になると、簡単に同調・迎合し、服従してしまうのか。 著者は同調や服従に関する有名な実験の日本版を実施し、その心理を探る。 一方でタイタニック遭難など、緊急時に助け合い、力を発揮するのも集団の特性である。 集団の光と闇を解明する試み。 ■□■ 目 次 ■□■ はじめに――集団心理の光と影 序章 集団とは何か 第1章 わが国で行われた服従実験で明らかになったことは何か 1 責任を「人」に押し付ける 2 服従実験と悪の凡庸性 3 筆者が行った服従実験 4 日本での服従実験の結果は? 第2章 服従の理由は? 第三者の感想は? 実験の問題点は? 1 なぜ参加しようと思ったのか 2 服従を促進する要因は何か 3 なぜ離脱できないのか 4 服従実験の観察者は実験をどのように見るのか 5 服従実験の問題点①――生態学的妥当性の問題 6 服従実験の問題点②――方法論と倫理の問題 第3章 同調行動はなぜ起きるのか 1 同調とは何か 2 同調の分類 3 無意識に影響を受ける 4 緊急事態で大きくなる影響 5 集団規範による影響 第4章 現代日本人の同調の特色は何か 1 同調行動に影響する要因 2 筆者が実施した同調実験 第5章 同調行動はどのように拡散するのか 1 ロジスティック・モデル 2 同調の広がりに関する実験 3 大集団での同調は? 第6章 緊急事態では人は理性的に振る舞うのか 1 集団のネガティブな側面の研究 2 緊急事態では人は理性を失うのか? 3 実際の緊急事態の行動と意思決定の研究 4 9・11同時多発テロ時の世界貿易センタービルからの避難 第7章 航空機事故発生時の機内で人々はどのように行動したのか 1 ガルーダ・インドネシア航空機福岡空港離陸失敗事故 2 事故発生時の客室内 3 乗客の認識 4 脱出時の行動 5 調査のまとめ 終章 集団の光と影に何が影響するか 1 社会の価値観 2 加害者と被害者の視点の違い 3 内集団と外集団 4 行為者と観察者の認識の食い違い 5 光と影の非対称性(影が光より強いのか) あとがき
  • よみがえる文字と呪術の帝国 古代殷周王朝の素顔
    3.0
    いまから120年程前、ふとした偶然から甲骨文が発見された。 これを機に研究が劇的に進み、殷・周の国の姿がうっすらと立ち現れてきた。 ところが解読の過程で、重大な誤りがまぎれこんでしまった。 正されたと信じられた古代史像にも歪みが生じた。 古代中国の年代矛盾を全面的・系統的に解決した著者は、天文学や数学的手法をも駆使して、厚いヴェールに覆われた殷周王朝の素顔に迫る。 いま明かされる真実とは――。 目次 はしがき 第1章 文字と呪術の時代 夏・殷・周三代 殷王朝の国家構造 周代の暦 散氏盤の年代と製作の経緯 第2章 殷滅亡の年代  周が殷を滅ぼした年代  前1023年克殷の史料  伐殷から克殷へ  『国語』の木星記事  再度『竹書紀年』を考える 第3章 霊的威圧による支配から官僚による支配へ  周の東遷  春秋時代の覇権  盟書の出現  律の登場と中央意識  文字と呪術の帝国 余話 あとがき
  • コミンテルン 国際共産主義運動とは何だったのか
    4.2
    ロシア革命後の一九一九年、コミンテルン(共産主義インターナショナル)は、世界革命のために誕生。 各国共産主義政党の国際統一組織として、欧州のみならずアジアなど各地に影響を及ぼすべく、様々な介入や工作を行った。 本書は、レーニンやスターリンら指導者の思想も踏まえ、知られざる活動に光をあてる。 一九四三年の解体にいたるまで、人々を煽動する一方、自らも歴史に翻弄され続けた組織の軌跡を描き出す。 目次 まえがき 序 章 誕生まで――マルクスからレーニンへ 第1章 孤立のなかで――「ロシア化」するインターナショナル 第2章 東方へのまなざし――アジア革命の黎明 第3章 革命の終わりと始まり――ボリシェヴィズムの深層 第4章 大衆へ――労働者統一戦線の季節 第5章 スターリンのインターナショナル――独裁者の革命戦略 第6章 「大きな家」の黄昏――赤い時代のコミンテルン 第7章 夢の名残り――第二次世界大戦とその後 あとがき 主要参考文献 コミンテルン 関連年表 主要人名索引
  • 司馬遷の旅 『史記』の古跡をたどる
    4.0
    電子版は本文中の写真を多数カラー写真に差し替えて掲載。 司馬遷は、少なくとも七回にわたって中国大陸を広く旅行した。 なかでも二十歳の第一回目の旅は、長江流域の史跡をたどり、曲阜で孔子の礼を学び、彼の人生に多大な影響を与えた。 司馬遷はどこを訪れ、何を見聞したのか。 そして、その経験は『史記』の叙述にどう活かされたのか。 著者は、司馬遷の旅行ルートをみずから踏査し、その史跡を訪ねた。 二千年の時をさかのぼり、私たちも司馬遷を追う旅に出よう。
  • アッシリア全史 都市国家から世界帝国までの1400年
    4.3
    電子版は本文中の写真を多数カラー写真に差し替えて掲載。 アッシリアは、イスラエルの民を虜囚にし、敵対民族を残酷に処刑したとして、『旧約聖書』では悪役に描かれる。 だがその実像はバビロニアの先進文明に学び、長きにわたって栄えた個性的な国だ。 紀元前2000年に誕生した小さな都市国家が他国に隷従しつつも、シャルマネセル3世、サルゴン2世らの治世に勢力を拡大、世界帝国となるが、急速に衰微し、前609年に瓦解する。 その盛衰を軍事・宗教・交易など多角的に描く。
  • 最後の審判 終末思想で読み解くキリスト教
    5.0
    電子版は本文中の写真を多数カラー写真に差し替えて掲載。 世界の終末に神が人類を裁く「最後の審判」。 キリストが再臨して、天国で永遠の命をあずかる者と地獄へ堕ちて永遠の苦しみを課される者を振り分けるとされる。 西洋の人々にとって、希望の光であると同時に恐怖の源でもあった。 本書は、このキリスト教の重要主題をわかりやすく解説する。 死後の世界はどうイメージされたか。 罪は誰が裁き、どんな罰が与えられたか。 裁きに正義はあったか――。 多くの図版とともに読み解く。
  • 言論統制 増補版 情報官・鈴木庫三と教育の国防国家
    4.3
    戦後のジャーナリズム研究で、鈴木庫三は最も悪名高い軍人である。戦時中、非協力的な出版社を恫喝し、用紙配給を盾に言論統制を行った張本人とされる。超人的な勉励の末、陸軍から東京帝国大学に派遣された鈴木は、戦争指導の柱となる国防国家の理論を生み出した教育将校でもあった。「悪名」成立のプロセスを追うと、通説を覆す事実が続出。言論弾圧史に大きな変更を迫った旧版に、その後発掘された新事実・新資料を増補。
  • 忘れられた哲学者 土田杏村と文化への問い
    4.0
    西田幾多郎門下の哲学者、近代の可能性を追求した文明批評家、日本画家・土田麦僊の弟、自由大学運動の主導者……、土田杏村(一八九一~一九三四)。「文化とは何か」を問い、大正から昭和初期にかけて旺盛な著作活動を展開したにもかかわらず、戦後、人々の記憶から消えた。この〈忘れられた哲学者〉に光を当て、現象学と華厳思想に定位する「象徴主義」の哲学を読み解き、独自の「文化主義」の意義を問いなおす。
  • 軍神 近代日本が生んだ「英雄」たちの軌跡
    4.0
    かつて「軍神」と呼ばれる存在があった。彼らは軍国主義的思潮の権化として意図的に生み出されたわけではない。日露戦争における廣瀬武夫少佐の例をみればわかる通り、戦争によって強まった日本人の一体感の中から、期せずして生み出されたのである。だが、昭和に入ると、日本人が共感できる軍神像は変化し、それは特攻作戦を精神的に支えるものとなる。本書は、軍神を鏡として戦前の日本社会の意識を照射する試みである。
  • オスカー・ワイルド 「犯罪者」にして芸術家
    3.7
    『サロメ』『幸福な王子』『ドリアン・グレイの画像』など多くの著作と数々の警句で知られる「世紀末芸術の旗手」オスカー・ワイルド。アイルランドに生まれ、オックスフォード大学在学中から頭角を現した青年期に始まり、同性愛裁判に敗北し、保守的なイギリス社会から追放される晩年まで。「私は人生にこそ精魂をつぎ込んだが、作品には才能しか注がなかった」――どの作品よりも起伏と魅力に富んだ彼の生涯をたどる。
  • 日ソ戦争 帝国日本最後の戦い
    4.3
    日ソ戦争とは、1945年8月8日から9月上旬まで満洲・朝鮮半島・南樺太・千島列島で行われた第2次世界大戦最後の全面戦争である。短期間ながら両軍の参加兵力は200万人を超え、玉音放送後に戦闘が始まる地域もあり、戦後を見据えた戦争だった。これまでソ連の中立条約破棄、非人道的な戦闘など断片的には知られてきたが、本書は新史料を駆使し、米国のソ連への参戦要請から各地での戦闘の実態、終戦までの全貌を描く。
  • カラー版 地図と愉しむ東京歴史散歩 都心の謎篇
    4.2
    戦前の地図では、皇居はほとんど空白地として描かれてきた。戦後の地図にも、不可解な地形が表示されている。わずかに残された地図と空中写真を手がかりに、皇居の建物・地形の変遷を追う。さらに、二三区内にたくさんあった飛行場、開通しなかった新幹線の痕跡、東京駅の場所にかつて存在した刑務所、テニス・コートや学校に生まれ変わった射撃場など、東京に残る近代化の名残を新旧の地図とカラー写真で訪ねる好評第二弾。
  • 堤康次郎 西武グループと20世紀日本の開発事業
    4.3
    電子版は本文中の写真を多数カラー写真に差し替えて掲載。 早稲田大学在学中に起業、卒業するや別荘地や住宅地を精力的に開発した堤康次郎。その軌跡は、公務員・会社員などの新中間層(サラリーマン)の誕生や都市人口の増大と重なる。軽井沢や箱根では別荘地や自動車道を、東京では目白文化村や大泉・国立などの学園都市を開発した。さらに私鉄の経営権を握り、百貨店や化学工業も含めた西武コンツェルンを一代で築くが、事業の本分はまぎれもなく「土地」にあった。厖大な資料から生涯を読み解く。
  • ウマは走る ヒトはコケる 歩く・飛ぶ・泳ぐ生物学
    3.8
    背骨と手足を得て、脊椎動物は速く長距離を移動できるようになった。走る、泳ぐ、飛ぶと方法は異なるが、動物それぞれが素早い動きを可能にする体のデザインを持っている。ヒトはコケつつ歩くが、これがめっぽう効率が良くて速い。なぜ? 鶏の胸肉はササミよりも3倍も大きい。なぜ? 渡り鳥が無着陸で何千㎞も飛べる。なぜ? 魚やイルカには顎がない。なぜ? 皆、納得のいく理由がある。動くための驚きの仕組みが満載!
  • 寺田寅彦 漱石、レイリー卿と和魂洋才の物理学
    3.8
    文理に異才を発揮した寺田寅彦には、二人の“師”がいた。夏目漱石とイギリスのノーベル賞科学者レイリー卿である。「空はなぜ青いか」の謎を解いたレイリー卿は、私邸の実験室で研究に耽る「道楽科学者」であった。寅彦もまた、随筆や俳句を発表し、音楽や絵画を愉しむ一方で、「尺八の音響学」「椿の落下運動」など、意表をつくテーマの研究にあけくれた。寺田物理学の真髄に迫り、その和魂洋才の精神をさぐる。
  • 在日米軍基地 米軍と国連軍、「2つの顔」の80年史
    4.0
    世界で最も多くの米兵が駐留し、米軍施設を抱える日本。米軍のみならず、終戦後一貫して外国軍の「国連軍」も駐留する。なぜ、いつから基地大国になったのか。米軍の裏の顔である国連軍とは。本書は日米の史料をふまえ、占領期から朝鮮戦争、安保改定、沖縄返還、冷戦後、現代の普天間移設問題まで、基地と日米関係の軌跡を追う。「日本は基地を提供し、米国は防衛する」という通説を覆し、特異な実態を解明。戦後史を描き直す。
  • 財政・金融政策の転換点 日本経済の再生プラン
    4.8
    世界の経済政策が大きく転換しようとしている。これまで財政政策は抑制的に、金融政策は独立して行うことを常識としてきたが、昨今、その実効性が疑問視されるようになったのだ。巨額の政府債務と長期の低金利政策で財政破綻さえ囁かれる日本。この苦境はどのように打開すべきなのか。本書は財政・金融政策の理解を整理し、両政策の現代的な意義と機能を考察。日本再生の第一歩として必要な新たな経済政策を提言する。
  • 冷戦史(上) 第二次世界大戦終結からキューバ危機まで
    4.3
    1~2巻968~990円 (税込)
    1945年頃から1990年頃にかけて、アメリカ中心の西側陣営とソ連中心の東側陣営が対立した「冷戦」。その影響は21世紀の今日にも色濃く残っている。本書は米ソ超大国やヨーロッパの対立のみならず日本を含む東アジアの展開にも力点を置いた通史である。上巻では、1945年に第二次世界大戦が終わり、大国の協調が崩壊して冷戦が始まる経緯から、朝鮮戦争、脱植民地化の進展、さらに62年のキューバ・ミサイル危機までを描く。
  • 蒙古襲来と神風 中世の対外戦争の真実
    3.6
    電子版は本文中の写真をすべてカラー写真に差し替えて掲載。 鎌倉中期、日本は対外戦争を経験する。二度にわたる蒙古襲来(元寇)である。台風が吹き、文永の役では敵軍が一日で退散し、弘安の役では集結していた敵船が沈み、全滅したとされる。だが、それは事実なのか。本書では、通説の根拠となった諸史料の解釈を批判的に検証。戦闘に参加した御家人・竹崎季長が描かせた『蒙古襲来絵詞』ほか、良質な同時代史料から真相に迫る。根強い「神風史観」をくつがえす、刺激に満ちた一冊。
  • 日蓮 「闘う仏教者」の実像
    4.3
    電子版は本文中の写真をすべてカラー写真に差し替えて掲載。 地震や疫病、蒙古襲来など、激動の鎌倉時代を生きた日蓮。天台宗ほか諸宗を学び、三二歳で日蓮宗を開いて法華経の信仰を説いた。鎌倉を本拠に辻説法で他宗を攻撃して圧迫を受け、建白書『立正安国論』の筆禍で伊豆に、のちには佐渡に配流された。死をも恐れぬ「闘う仏教者」のイメージがある一方、民衆の苦しみに寄り添う姿も垣間見られる日蓮。自筆の書簡、数多くの著作をはじめ、史料を博捜して、その思想と人物像に迫る。
  • 自動車の世界史 T型フォードからEV、自動運転まで
    3.8
    1巻1,056円 (税込)
    19世紀末、欧州で誕生した自動車。1908年にT型フォードがアメリカで爆発的に普及したのを機に、各国による開発競争が激化する。フォルクスワーゲン、トヨタ、日産、ルノー、GM、現代、テスラ、上海汽車――トップメーカーの栄枯盛衰には、国際政治の動向が色濃く反映している。本書は、自動車産業の黎明期から、日本車の躍進、低燃費・EV・自動運転の時代における中国の台頭まで、100年の激闘を活写する。
  • 山県有朋 明治国家と権力
    4.8
    明治国家で圧倒的な政治権力を振るった山県有朋。陸軍卿・内相として徴兵制・地方自治制を導入し、体制安定に尽力。首相として民党と対峙し、時に提携し、日清戦争では第一軍司令官として、日露戦争では参謀総長として陸軍を指揮した。その間に、枢密院議長を務め、長州閥陸軍や山県系官僚閥を背景に、最有力の元老として長期にわたり日本政治を動かした。本書は、山県の生涯を通して、興隆する近代日本の光と影を描く。
  • フランス文学講義 言葉とイメージをめぐる12章
    4.0
    近代小説は19世紀以来、「(かけがえのない)個人」に焦点を当てて発達してきた。物語の主人公が、神や王から、ありふれた個人に替わる時、イメージこそが物語の書き手と読み手をつなぐために必須のものとなったのだ。本書では、文学とイメージのかかわりを意識的に追求してきたフランス近代文学を素材に、私たちが物語を通して「見ている」ものは何か、そして書かれているものは何かを考えていく。
  • 隋―「流星王朝」の光芒
    4.0
    五八一年に誕生した隋王朝。五八九年には文帝楊堅が南朝の陳を滅ぼし、長き分裂の時代に終止符を打った。草原、華北、江南に君臨する帝国の誕生である。二代目の煬帝は大運河を築き親征を行い、帝国を拡大したが、高句麗遠征に失敗して動乱を招き、六一八年には唐に滅ぼされた。南朝、高句麗、突厥といったライバルが割拠したユーラシア大陸東部の変動を視野に、北方から興隆し、流星のように消えた軌跡を描く。
  • 信長の天下所司代 筆頭吏僚村井貞勝
    3.6
    元亀四年に足利義昭を追放した後、信長は「天下所司代」を置き、京都支配を行った。本能寺の変までの九年間、一貫してその任にあったのは村井貞勝である。彼は信長の絶大な信頼を得て、市政から朝廷・公家との折衝までを一手に担い、ルイス=フロイスからは「尊敬すべき異教徒」と呼ばれた。武功とは無縁の吏僚でありながら有能を認められて「天下」=京都を仕切り、織田政権の要となった村井貞勝の活躍に光を当てる。
  • 足利将軍たちの戦国乱世 応仁の乱後、七代の奮闘
    4.1
    足利将軍家を支える重臣たちの争いに端を発した応仁の乱。その終結後、将軍家は弱体化し、群雄割拠の戦国時代に突入する。だが、幕府はすぐに滅亡したわけではない。九代義尚から十五代義昭まで、将軍は百年にわたり権威を保持し、影響力を行使したが、その理由は何か――。歴代将軍の生涯と事績を丹念にたどり、各地の戦国大名との関係を解明。「無力」「傀儡」というイメージを裏切る、将軍たちの生き残りをかけた戦いを描く。
  • オットー大帝―辺境の戦士から「神聖ローマ帝国」樹立者へ
    3.5
    カール大帝の死後、フランク帝国は3分割される。そのひとつ、東フランク王国の貴族の子として912年に生まれたオットーは、父による東フランク王位獲得の後、936年、国王に即位する。東方異民族による度重なる侵攻、兄弟や息子たちの叛乱、3度のイタリア遠征と、その生涯は戦役の連続だった。カール大帝の伝統を引く皇帝戴冠を受け、のちに神聖ローマ帝国と称される大国の基盤を築いた王者の不屈の生涯を描く。
  • 御成敗式目 鎌倉武士の法と生活
    4.0
    武士社会の先例や道理に基づくとされる御成敗式目。初の武家法はどのように生まれ、どう受容され、なぜ有名になったのか。
  • 動物に魂はあるのか 生命を見つめる哲学
    4.2
    動物に霊魂はあるのか、それとも動物は感じることのない機械なのか――。アリストテレスに始まり、モンテーニュを経て、デカルトの登場によってヨーロッパ哲学界で動物をめぐる論争は頂点に達した。古代ギリシャ・ローマ時代から二〇世紀のハイデッガー、デリダまで、哲学者たちによる動物論の系譜を丹念に跡づける。動物/生命へのまなざしの精緻な読解によって「人間とは何か」を照らし出す、スリリングな思想史の試み。
  • 武士道の名著 日本人の精神史
    3.5
    武士道とは何か。武士はいかに生き、死すべきなのか――。戦乱の世が生み出した軍学書『甲陽軍鑑』『五輪書』から、泰平の時代の倫理書『山鹿語類』『葉隠』へ。そして、幕末維新期の吉田松陰、西郷隆盛へと連なるサムライの思想水脈を経て、武士道を世界に知らしめた新渡戸稲造まで。日本人必読の名著12冊で知る、高潔にして強靭な武士の倫理と美学。章末には、各書から選りすぐった人生指南の「名言」を付す。 【目次】 《総論》 武士道、その精神と系譜 《著作解説》 1 小幡景憲『甲陽軍鑑』江戸時代初期 軍学第一の書 2 柳生宗矩『兵法家伝書』寛永九年(1632) 柳生新陰流の奥義 3 宮本武蔵『五輪書』寛永二十年(1643) 必勝の思想 4 山鹿素行『山鹿語類』寛文五年(1665) 武士の職分とは何か 5 堀部武庸『堀部武庸筆記』元禄十五年(1702) 武士の一分を貫く 6 山本常朝『葉隠』宝永七年~享保元年(1710~16) 「死狂い」の美学 7 新井白石『折りたく柴の記』享保元年(1716) 古武士の風格 8 恩田木工『日暮硯』宝暦十一年(1761) 為政者の理想の姿 9 佐藤一斎『言志四録』文政七年~嘉永六年(1824~53) 朱子学と陽明学の合体 10 吉田松陰『留魂録』安政六年(1859) 至誠にして動かざる者なし 11 西郷隆盛『西郷南洲遺訓』明治二十三年(1890) 義に生きる 12 新渡戸稲造『武士道』明治三十三年(1900) 理想の日本人論
  • 関東軍―満洲支配への独走と崩壊
    3.6
    関東軍は、一九一九年に中国・関東州と南満洲鉄道附属地の保護を目的に成立した。しかし、一九二八年の張作霖爆殺事件や三一年の満洲事変など、日本政府・陸軍中央の統制から外れて行動し、多くの謀略に関与した。「独走」の代名詞として悪名高い組織は、どのようにして生まれたのか。軍事・外交史研究の蓄積に、中国側の史料も踏まえ、組織制度、軍人たちの個人的特性、満洲の現地勢力との関係から解き明かす。
  • 古代マヤ文明 栄華と衰亡の3000年
    4.2
    かつて中米に栄えた古代マヤ。前一〇〇〇年頃に興り、一六世紀にスペインに征服された。密林に眠る大神殿、高度に発達した天文学や暦など、かつては神秘的なイメージが強かったが、最新の研究で「謎」の多くは明かされている。解読が進んだマヤ文字は王たちの事績を語り、出土した人骨は人びとの移動や食生活、戦争の実態まで浮き彫りにする。現地での調査に長年携わった著者が、新知見をもとに、その実像を描く。
  • バレエの世界史 美を追求する舞踊の600年
    4.0
    バレエはルネサンス期イタリアで誕生し、今なお進化を続けるダンスの一種だ。当初、王侯貴族が自ら踊り楽しんだが、舞台芸術へと転換。観客も貴族からブルジョワジー、市民へと拡大する。十九世紀の西欧とロシアで成熟し、世界へ広がった。ダ・ヴィンチ制作の舞台装置、ルイ十四世が舞った「太陽」役、チャイコフスキーの三大バレエ、シャネルやピカソが参加したバレエ・リュス、そして日本へ――六百年の歴史を通観する。
  • 統一教会 性・カネ・恨から実像に迫る
    4.0
    一九五四年、文鮮明によって創設された統一教会。戦後韓国で勃興したキリスト教系新宗教の中でも小規模な教団だったが、日本に渡ったのち教勢を拡大、巨額の献金を原資に財閥としても存在感を強めた。「合同結婚式」と呼ばれる特異な婚姻儀礼、日本政治への関与、霊感商法や高額献金、二世信者――。異形の宗教団体はいかに生まれ、なぜ社会問題と化したのか。歴史的背景、教義、組織構造、法的観点などから多角的に論じる。
  • 古代オリエント全史 エジプト、メソポタミアからペルシアまで4000年の興亡
    3.8
    西はナイル河、北は黒海、東はインダス河、南はアラビア海に囲まれた地域がオリエントである。この地には人類初の文明が誕生し、諸民族が行き来し、数多の王国が栄え滅びていった。シュメルやバビロンを擁したメソポタミア、象形文字や太陽神信仰など独自の文明が発達したエジプト、鉄器を生んだアナトリア、これらに興った国々が激突したシリア、そして東の大国ペルシア……。4000年に及ぶ時代を巨細に解説する。
  • マスメディアとは何か 「影響力」の正体
    4.2
    「マスコミの偏向を信じるな」。インターネットの接触が増えるにつれて、高まる既存メディアへの不信。これまで不動の地位を築いてきた新聞、ラジオ、テレビに、近年は不要論まで語られる。視聴者に大きな影響を及ぼし、偏向報道で世論を操るという「負のイメージ」は、果たして真実なのか。本書では、マスメディアの「影響力」を科学的に分析。問題視される偏向報道、世論操作などの実態を解明し、SNS時代のメディアのあり方の検討を試みる。
  • ブラックホール 宇宙最大の謎はどこまで解明されたか
    3.0
    ブラックホールとは、重力がきわめて強く光すら脱出できない天体だ。原理は18世紀には考え出されたが、長く存在証明は困難だった。本書は前半で、存在が確認されるまでの歴史をたどりながら基礎をわかりやすく解説。後半では、最先端の物理学からブラックホールの内側に迫る。「別の宇宙」と、そこへの抜け道である「ワームホール」、さらには熱力学との関係など、さまざまな謎を解き明かす。面白く不思議な、最新の宇宙論。
  • モチべーションの心理学 「やる気」と「意欲」のメカニズム
    4.2
    「やる気が出ない……」。職場で、学校で、家庭で、悩んでいる人は多い。自分だけでなく、他者のやる気も気がかりである。口でほめるのか、報酬を与えるのか、罰をちらつかせるのか。自らの経験と素朴な理論に基づいて対処しても、なかなかうまくいかない。そもそもモチベーションはどのように生じ、何に影響を受け、変化していくのか。目標説、自信説、成長説、環境説など、モチベーション心理学の代表的理論を整理、紹介する。
  • アジアの国民感情 データが明かす人々の対外認識
    3.5
    政治体制や文化が異なるアジア各国は、歴史問題や経済競争も絡み近隣諸国への思いは複雑だ。本書は、10年以上にわたる日中韓・台湾・香港・東南アジア諸国などへの初の継続調査から、各国民の他国・地域への感情・心理を明らかにする。台頭する中国への意識、日本への感情、米中関係への思い、ASEAN内での稀薄な気持ち、日韓に限らず隣国への敵対意識など様々な事実を提示。データと新しい視点から国際関係を描き出す。
  • 本能―遺伝子に刻まれた驚異の知恵
    3.5
    鳥のヒナは親に教わらなくても飛ぶことができる。人間の赤ちゃんも、口を密閉し、口の中を陰圧にしたうえで乳を吸うという、複雑な行動を誰にも習わずに行う。これらは全て本能のおかげである。単純な行動だけでなく、あちこちの筋肉や感覚器を総動員する、まるでオーケストラの演奏のような高度な行動も、実は本能が指揮しているのだ。これら驚くべき行動の数々を紹介し、どのような仕組みで形作られるかをも解説する
  • 三好一族―戦国最初の「天下人」
    3.8
    阿波の守護細川氏に仕え、主家に従い畿内に進出した三好氏。全盛期の当主長慶は有能な弟たちや重臣松永久秀と覇業に邁進し、主家を凌ぐ勢力となる。やがて足利将軍家の権威に拠らない政権を樹立し、最初の「天下人」と目された。政権が短命で終わった後も、織田信長の子や羽柴秀吉の甥を養子に迎えるなど名門の存在感は保たれ、その血脈は江戸時代になっても旗本として存続する。信長に先駆けて天下に号令した一族の軌跡。
  • ガリバルディ イタリア建国の英雄
    3.6
    イタリアの英雄、ガリバルディ(1807~82)。亡命先ウルグアイの独立運動で戦功をあげ、名声はヨーロッパにまで轟いた。帰国後、千人隊を組織し、シチリア・南イタリアを解放した、イタリア統一の立役者である。その活躍は神話化され、明治日本でも西郷隆盛になぞらえられ、中国・韓国では、独立運動の理想像とされるなど、世界中を熱狂させた。イタリア建国に生涯をかけた男の実像に迫る。
  • 南北朝時代―五胡十六国から隋の統一まで
    4.5
    中国の南北朝時代とは、五胡十六国後の北魏による華北統一(439年)から隋の中華再統一(589年)までの150年を指す。北方遊牧民による北朝(北魏・東魏・西魏・北斉・北周)と漢人の貴族社会による南朝(宋・斉・梁・陳)の諸王朝が興っては滅んだ。南北間の戦争に加え、六鎮の乱や侯景の乱など反乱が続いた一方、漢人と遊牧民の交流から、後世につながる制度・文化が花開いた。激動の時代を生きた人々を活写する。
  • サラ金の歴史 消費者金融と日本社会
    4.3
    個人への少額の融資を行ってきたサラ金や消費者金融は、多くのテレビCMや屋外看板で広く知られる。戦前の素人高利貸から質屋、団地金融などを経て変化した業界は、経済成長や金融技術の革新で躍進した。だが、バブル崩壊後、多重債務者や苛烈な取り立てによる社会問題化に追い詰められていく。本書は、この一世紀に及ぶ軌跡を追う。家計やジェンダーなど多様な視点から、知られざる日本経済史を描く意欲作。
  • 天正伊賀の乱 信長を本気にさせた伊賀衆の意地
    3.8
    三重県西部の伊賀市・名張市エリアはかつて伊賀国と呼ばれた。戦国時代、この小国は統治者がおらず、在地領主たちが割拠していた。一五七九年、織田信長の次男信雄は独断でこの地に侵攻。挙国体制で迎え撃った伊賀衆は地の利を生かして巧みに抗戦し、信雄は惨敗を喫した。信長から厳しく叱責された信雄は翌々年、大軍勢を率いて再び襲いかかる――。文献を博捜した著者が、強大な外敵と伊賀衆が繰り広げた攻防を描く。
  • フランクリン・ローズヴェルト 大恐慌と大戦に挑んだ指導者
    4.4
    フランクリン・D・ローズヴェルトはアメリカ史上唯一4選された大統領である。在任中、大恐慌と第二次世界大戦という未曾有の危機に直面した。内政では大胆なニューディール政策を採用、外交ではチャーチルやスターリンと協力してドイツ・日本など枢軸国と戦い、勝利に導いた。ポリオの後遺症による不自由な身体を抱えつつ、いかにして20世紀を代表する指導者となったか。妻エレノアらとの人間模様も交え、生涯を活写する。
  • ショパン・コンクール 最高峰の舞台を読み解く
    3.9
    ポーランドのワルシャワで五年に一度開催されるショパン・コンクール。一九二七年の創設以来、紆余曲折を経ながらも多くのスターを生み出してきた。ピアニストをめざす若者の憧れの舞台であり、その結果は人生を大きく左右する。本書では、その歴史を俯瞰しつつ、二〇一五年大会の模様を現地からレポート。客観的な審査基準がない芸術をどう評価するか、日本人優勝者は現れるのか。コンクールを通して音楽界の未来を占う。
  • 明智光秀 織田政権の司令塔
    4.7
    織田信長は版図拡大に伴い、柴田勝家、羽柴秀吉ら有力部将に大幅な権限を与え、前線に送り出した。だが明智光秀の地位はそれらとは一線を画す。一貫して京都とその周辺を任されて安土城の信長から近く、政権の司令塔ともいえる役割を果たした。検地による領国掌握、軍法の制定などの先進的な施策は、後年の秀吉が発展的に継承している。織田家随一と称されながら、本能寺の変で主君を討ち、山崎合戦で敗れ去った名将の軌跡。
  • 音楽の危機 《第九》が歌えなくなった日
    4.0
    二〇二〇年、世界的なコロナ禍でライブやコンサートが次々と中止になり、「音楽が消える」事態に陥った。集うことすらできない――。交響曲からオペラ、ジャズ、ロックに至るまで、近代市民社会と共に発展してきた文化がかつてない窮地を迎えている。一方で、利便性を極めたストリーミングや録音メディアが「音楽の不在」を覆い隠し、私たちの危機感は麻痺している。文化の終焉か、それとも変化の契機か。音楽のゆくえを探る。
  • 公家源氏―王権を支えた名族
    4.2
    源氏と聞いてイメージするのは頼朝や義経に代表される武士だろう。だが古代から近世にかけ、源朝臣の姓を賜わった天皇の子孫たちが貴族として活躍する。光源氏のモデルとされる源融、安和の変で失脚した源高明、即位前に源定省と名乗った宇多天皇など、家系は二十一流に及ぶ。久我家、岩倉家、千種家、大原家など中世や幕末維新期に活躍した末裔も数多い。藤原氏とともに王権を支え続けた名族の全貌。
  • 日本政治とメディア テレビの登場からネット時代まで
    3.6
    1巻1,012円 (税込)
    1953年のテレビ放送開始は、政治家とメディアの関係を大きく変えた。政治家たちは出演してPRに努める一方、時に圧力をかけ、報道に影響を与えようとする。佐藤栄作政権で相次いだ放送介入、田中角栄が利用した放送免許、「ニュースステーション」の革命、小泉フィーバー、尖閣ビデオ流出事件、そして橋下徹のツイッター活用術まで、戦後政治史をたどり、政治家と国民とのコミュニケーションのあり方を問い直す。
  • インドネシア大虐殺 二つのクーデターと史上最大級の惨劇
    4.2
    一九六○年代後半、インドネシアで二度のクーデターが起こった。事件発生の日付から、前者は九・三○事件、後者は三・一一政変と呼ばれる。この一連の事件が原因となって、独立の英雄スカルノは失脚し、反共の軍人スハルトが全権を掌握する。権力闘争の裏で、二○○万人とも言われる市民が巻き添えとなり、残酷な手口で殺戮された。本書は、いまだ多くの謎が残る虐殺の真相に、長年に及ぶ現地調査と最新資料から迫る。
  • 戦国武将の叡智 人事・教養・リーダーシップ
    3.5
    群雄割拠の戦国時代、数多の武将が激しい合戦を繰り広げながら、独自の領国経営を行っていた。下剋上・弱肉強食・合従連衡による淘汰が進む実力主義のなかで、リーダーたる武将たちは何を考え、どう行動したのか。部下の諫言を重視した武田信玄、「戦わずして勝つ」を極めた豊臣秀吉、歴史書に学んだ徳川家康など、名将たちの〝乱世を生き抜く叡智〟とは。現代にも生かせる教養、人材活用術、リーダーシップの本質を凝縮。
  • マックス・ウェーバー 近代と格闘した思想家
    4.0
    『プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神』『仕事としての政治』などで知られるマックス・ウェーバー(一八六四〜一九二〇)。合理性や官僚制というキーワードを元に、資本主義の発展や近代社会の特質を明らかにした。彼は政治学、経済学、社会学にとどまらず活躍し、幅広い学問分野に多大な影響を及ぼした。本書は、56年の生涯を辿りつつ、その思想を解説する。日本の知識人に与えたインパクトについても論じた入門書。
  • 源頼朝 武家政治の創始者
    4.1
    一一八〇年、源頼朝は平氏追討の兵を挙げた。平治の乱で清盛に敗れて、父義朝を失い、京から伊豆に流されて二十年が過ぎていた。苦難を経て仇敵平氏を滅ぼし、源氏一門内の対抗者たる義仲と義経を退け、最後の強敵平泉藤原氏を倒し、武門の頂点を極めた頼朝。流人の挙兵はなぜ成功し、鎌倉幕府はいかなる成立過程を辿ったのか。何度も死線をくぐり抜けた末に武士政権樹立を成し遂げ、五十三歳で急逝した波瀾の生涯。
  • 無気力の心理学 改版 やりがいの条件
    4.1
    「どうせダメだ」――現代社会に蔓延する無気力。衣食住が満たされた豊かな環境というだけでは、「効力感」、つまり意欲的に環境に働きかける態度は生まれない。本書は、心理学の研究成果を広く紹介し、自律性の感覚、他者との交流、熟達のもつ意義など、さまざまな角度から効力感を発達させる条件を掘りさげる。さらに子どもも大人も、やりがいを持って生きられる教育や社会のあり方についてヒントを示す。
  • 菅原道真 学者政治家の栄光と没落
    4.0
    学者ながら右大臣に昇進するが、無実の罪で大宰府に左遷された菅原道真(845~903)。藤原氏の専横が目立ち始めたこの時期、学問を家業とした道真は、英邁で名高く、宇多天皇に見出され異例の出世を果たす。天皇による過大な評価・重用に苦悩しつつも、遣唐使派遣など重大な国政に関与。だが藤原氏の策謀により失脚する。本書は、学者、官僚、政治家、漢詩人として、多才がゆえに悲劇の道を辿った平安貴族を描き出す。
  • 太閤検地 秀吉が目指した国のかたち
    5.0
    豊臣(羽柴)秀吉が実施した政策、太閤検地。その革新性はどこにあるのか――。秀吉は、各地を征服するたび奉行を派遣し、検地を断行。全国の石高を数値で把握し、加増や減封、国替えを容易にすることで、統治権力を天下人に集約した。中央集権の成果は、のちに江戸幕府の支配基盤ともなる。本書は、太閤検地の実態を描き、単なる土地制度上の政策にとどまらず、日本の社会構造を大きく変えた意義を示す。
  • 月はすごい 資源・開発・移住
    4.3
    一番身近な天体、月。約38万㎞上空を回る地球唯一の衛星だ。アポロ計画から約半世紀を経て、中国やインド、民間ベンチャーも参入し、開発競争が過熱している。本書では、大きさや成り立ちといった基礎、探査で新たに確認された地下空間などの新発見を解説。人類は月に住めるか、水や鉱物資源は採掘できるか、エネルギーや食糧をどう確保するかなども詳述する。最前線の月探査プロジェクトに携わる著者が月面へと誘う。
  • 日本の選挙 何を変えれば政治が変わるのか
    4.5
    選挙制度が政治全般に及ぼす影響力はきわめて大きい。「選挙制度が適切なら何もかもうまくいく」という哲学者オルテガの言をまつまでもなく、選挙は民主主義をいかなる形態にも変えうる力を秘めている。本書は、小選挙区制や比例代表制の思想的バックボーンをわかりやすく紹介し、「選挙制度のデパート」とも揶揄される日本的システムを改善する道筋を示すものである。巻末に、近年の議論をふまえた補足解説を付す。
  • 戦国大名の正体 家中粛清と権威志向
    3.6
    応仁・文明の大乱を経て、群雄割拠の時代が幕を開ける。戦国大名たちは、家中粛清を断行して権力基盤を固め、分国法の制定や城下町の整備により自らの領国を発展させた。やがて北条・毛利・島津らのように、版図を拡大し、地域に覇を唱える大大名も現れる。生き残りをかけて戦い続けた彼らは、ただ力のみを信奉し、伝統的権威を否定する専制君主だったのか。大名たちの行動規範を探究し、戦国時代への新たな視座を提示する。
  • 日本近代文学入門 12人の文豪と名作の真実
    4.3
    「円朝の落語通りに書いて見たらどうか」と助言された二葉亭四迷は日本初の言文一致小説『浮雲』を生んだ。初の女流作家田辺花圃と同門だった樋口一葉は、最晩年に「奇跡の14ヵ月」と呼ばれるほどの作品を遺した。翻案を芸術に変えた泉鏡花と尾崎紅葉の師弟。新聞小説で国民的人気を得た黒岩涙香と夏目漱石。自然主義の田山花袋と反自然主義の森鴎外。「生活か芸術か」を巡る菊池寛と芥川龍之介。12人でたどる近代文学史。
  • 保守主義とは何か 反フランス革命から現代日本まで
    4.1
    21世紀以降、保守主義者を自称する人が増えている。フランス革命による急激な進歩主義への違和感から、エドマンド・バークに端を発した保守主義は、今では新自由主義、伝統主義、復古主義など多くのイズムを包み、都合よく使われている感がある。本書は、18世紀から現代日本に至るまでの軌跡を辿り、思想的・歴史的に保守主義を明らかにする。さらには、驕りや迷走が見られる今、再定義を行い、そのあり方を問い直す。
  • 宇宙はどこまで行けるか ロケットエンジンの実力と未来
    4.4
    かつて、宇宙ロケットの打ち上げといえば、国家や国際機関が手がける一大プロジェクトだった。だが、宇宙開発の主役は大学や新興企業に替わりつつある。ロケットの超小型化・量産化が進んだことで、低コスト・高頻度の打ち上げが可能になったからだ。ロケット開発や宇宙探査は現在どこまで進んでいるのか、月や火星まで人を運ぶにはどのような技術が必要なのか、人類は太陽系を飛び出せるか――宇宙の今と未来に迫る。
  • 日本型資本主義 その精神の源
    4.5
    長期にわたって停滞を続ける日本経済。混迷から抜け出せないのはなぜなのか。本書では、その解明を歴史に求め、経済システムを支える日本人の「資本主義の精神」を探究する。強欲な金儲け主義への嫌悪感、ものづくりへの敬意や高品質の追求、個人主義ではなく集団行動の重視など、欧米はもとより、中韓など東アジア諸国とも異なる特質を明らかにする。そのうえで現代日本の経済システム改革への指針を示す。
  • カラー版 イースター島を行く―モアイの謎と未踏の聖地
    4.6
    南太平洋に浮かぶ孤島イースター島。そこには千体ものモアイ像が眠っている。かつては緑溢れる豊かな島だったが、「モアイ倒し戦争」や西洋人の来航によって、一万人以上いた島民は約百人にまで激減、文明は失われてしまった。しかし、いまではモアイが再建され、文化復興の動きもめざましい。本書は島内に立つすべてのモアイ像を紹介し、文明滅亡の謎に迫る。さらに島民にも知られていない、隠された聖地へ読者を誘う。
  • 経済学に何ができるか 文明社会の制度的枠組み
    4.0
    さまざまな「価値」がぶつかり合う、現代の自由社会。その結果、数々の難問が私たちの前に立ちはだかっている。金融危機、中央銀行のあり方、格差と貧困、知的独占の功罪、自由と平等のバランス、そして人間にとって正義とは、幸福とは――。本書は、経済学の基本的な論理を解説しながら、問題の本質に迫る。鍵を握るのは「制度」の役割である。デモクラシーのもとにおける経済学の可能性と限界を問い直す試み。
  • 火付盗賊改 鬼と呼ばれた江戸の「特別捜査官」
    3.8
    江戸の放火犯・盗賊・博徒を取り締まった火付盗賊改。時代小説では颯爽たるイメージだが、江戸庶民の評判は必ずしも芳しくなかった。不透明な捜査手法、苛酷な取調べには幕閣も眉をひそめた。捕物名人と呼ばれて人気を博し、無宿人対策の人足寄場創設に尽力した長谷川平蔵などは例外的であった。当時の随筆や世相風聞録をも博捜し、時の権力者や大盗賊たちとの関わりも絡め、功罪相半ばした火付盗賊改の活動の実態に迫る。
  • フィリピン―急成長する若き「大国」
    4.0
    かつて「アジアの病人」と呼ばれたフィリピン。近年、サービス業主導で急成長し、経済規模は10年強で3倍となった。人口は1億人を突破し、国民の平均年齢は25歳。「アジアの希望の星」との声さえ聞かれる。一方、貧富の格差はなお深刻で、インフラも不十分。ドゥテルテ大統領の暴言や強権的手法は世界から危惧されている。経済成長著しい島国の魅力と課題に、IMFでフィリピン担当を務めたエコノミストが迫る。
  • 毛沢東の対日戦犯裁判 中国共産党の思惑と1526名の日本人
    3.7
    1950年代、満洲国や日中戦争などに関与した日本人1526名が、建国直後の中国で戦争犯罪人とされた。戦犯管理所では5年間に3段階の思想改造が行われた結果、裁判での死刑はなく、東京裁判やBC級戦犯裁判と比べ、極めて寛大な判決が下される。その背後には何があったのか。新たに公開された史料から、戦犯らの犯罪行為、思想改造、日本人への怨嗟が渦巻く中、毛沢東や周恩来ら指導者が抱いた思想と戦略を明らかにする。
  • シンクタンクとは何か 政策起業力の時代
    4.3
    世界大戦や恐慌など、歴史上の危機から生まれたシンクタンク。革新的なアイデアをもとに政策を提言し、社会を動かしてきた。ポピュリズムの台頭や中国とロシアが仕掛ける「情報戦争」に直面する今、シンクタンクの「政策起業家」たちはどう応えるのか。「シンクタンク小国」日本の課題は何か。米国の現場を知り尽くし、現在は自らシンクタンクを率いるジャーナリストが、実体験を踏まえ、国際政治の最前線を描く。
  • ヴィルヘルム2世 ドイツ帝国と命運を共にした「国民皇帝」
    4.0
    1888年にドイツ皇帝として即位したヴィルヘルム2世(1859~1941)。統一の英雄「鉄血宰相」ビスマルクを罷免し、自ら国を率いた皇帝は、海軍力を増強し英仏露と対立、第一次世界大戦勃発の主要因をつくった。1918年、敗戦とともにドイツ革命が起きるとオランダへ亡命、その地で没する。統一国民国家の草創期、ふたつの世界大戦という激動の時代とともに歩んだ、最後のドイツ皇帝の実像。
  • 自民党―「一強」の実像
    4.5
    自民党は結党以来38年間にわたり政権を担い、2度「下野」したが、2012年に政権に復帰。一強状態にある。その間、自民党は大きな変貌を遂げた。本書は、関係者へのインタビューや数量的なデータなどを駆使し、派閥、総裁選挙、ポスト配分、政策決定プロセス、国政選挙、友好団体、地方組織、個人後援会、理念といった多様な視角から、包括的に分析。政権復帰後の自民党の特異な強さと脆さを徹底的に明らかにする。
  • 古代オリエントの神々 文明の興亡と宗教の起源
    4.0
    ティグリス・ユーフラテス河の間に広がるメソポタミアの平野、ナイルの恵みに育まれたエジプト。ここで人類は古代文明を築き、数多くの神をつくり出した。エジプトの豊饒神オシリス、天候を司るバアル、冥界神ギルガメシュ、都市バビロニアを守るマルドゥク、アジアからヨーロッパまで遠征したキュベレ女神、死後に復活するドゥムジ神――さまざまな文明が興り、消えゆくなか、人がいかに神々とともに生きたかを描く。
  • 現代経済学 ゲーム理論・行動経済学・制度論
    4.0
    二〇世紀半ば以降、経済学は急速に多様化していき、学問としてはわかりにくさを増した。本書は、ミクロ及びマクロ経済学はもとより、ゲーム理論、行動経済学や神経経済学などの大きな潮流を捉え、実験や制度、経済史といった重要な領域についても解説。多様化した経済学の見取り図を示す。かつて“社会科学の女王”と呼ばれた経済学の現在地を提示し、その未来と果たすべき役割を明らかにする。入門にも最適。
  • 観応の擾乱 室町幕府を二つに裂いた足利尊氏・直義兄弟の戦い
    4.1
    観応の擾乱は、征夷大将軍・足利尊氏と、幕政を主導していた弟の直義との対立から起きた全国規模の内乱である。室町幕府中枢が分裂したため、諸将の立場も真っ二つに分かれた。さらに権力奪取を目論む南朝も蠢き、情勢は二転三転する。本書は、戦乱前夜の動きも踏まえて一三五〇年から五二年にかけての内乱を読み解く。一族、執事をも巻き込んだ争いは、日本の中世に何をもたらしたのか。その全貌を描き出す。
  • 定年準備 人生後半戦の助走と実践
    3.7
    シニア向けライフプラン研修でお金・健康・趣味などが重要と説かれる。だがそれだけでは物足りない。長い定年後を充実させるには、やりたいことを見極めて行動に移す準備が必要だ。『定年後』に続く本書は、シニア社員や定年退職者への取材を重ねるなかで著者が新たに見聞した、個別的で多彩な実例を一挙公開。自分らしい第二の人生を踏み出す上で役立つ具体的ヒントを明かす。巻末に「定年準備のための行動六か条」を掲載。
  • スポーツ国家アメリカ 民主主義と巨大ビジネスのはざまで
    4.2
    野球、アメフト、バスケなどの母国アメリカ。国民が熱狂するこれらの競技は、民主主義とビジネスの両立への挑戦を体現している。人種、性の格差解消を先導する一方で、巨大化したプロスポーツでは、薬物汚染に加え、経営側の倫理が揺らぐ場面もある。大リーグの外国人選手獲得や、トランプ大統領とプロレスの関係は、現代アメリカの何を象徴するのか。スポーツで読む、超大国の成り立ちと現在。
  • 海賊の世界史 古代ギリシアから大航海時代、現代ソマリアまで
    4.0
    古代ギリシアのヘロドトスは海賊たちを英雄とみなし、ローマのキケロは「人類の敵」と罵倒した。スペインとオスマン帝国が激突したレパントの海戦の主役は海賊であり、大英帝国を裏面から支えたのもカリブ海に跋扈するバッカニア海賊だった。19世紀、欧米の覇権主義で海賊は滅びたが、現代のソマリア海賊として甦る。キリスト教とイスラームの対立、力と正義の相克など、多様な視座で読み解く、もう一つの世界史。
  • 定年後 50歳からの生き方、終わり方
    3.5
    【目次】 ●プロローグ 人生は後半戦が勝負  経済的な余裕だけでは足りない/終わりよければすべてよし……ほか ●第1章 全員が合格点  定年退職日は一大イベント/定年退職か、雇用延長か/隠居と定年の相違点……ほか ●第2章 イキイキした人は2割未満?  名前を呼ばれるのは病院だけ/クレーマーは元管理職が多い?/米国の定年退職者も大変……ほか ●第3章 亭主元気で留守がいい  日本人男性は世界一孤独?/名刺の重み/主人在宅ストレス症候群……ほか ●第4章 「黄金の15年」を輝かせるために  会社員人生の2つの通過儀礼/8万時間の自由、不自由/一区切りつくまで3年……ほか ●第5章 社会とどうつながるか  ハローワークで相談すると/得意なことに軸足を移す/100歳を越えても現役……ほか ●第6章 居場所を探す  自ら会合を立ち上げる/同窓会の効用/家族はつらいよ?……ほか ●第7章 「死」から逆算してみる  お金だけでは解決できない/死者を想うエネルギー/「良い顔」で死ぬために生きている……ほか
  • 通勤電車のはなし 東京・大阪、快適通勤のために
    4.0
    東京や大阪の鉄道整備は「おおむね完了」したという。東京では副都心線以来、新たな地下鉄建設はなく、大阪でもモノレール延伸計画が中止になった。しかし、本当に現在の通勤状況は満足すべきものなのか。混雑率200%に達する東西線や田園都市線をはじめとして、問題の大きな路線をピックアップし、問題点と対策を解説。さらに輸送改善の歴史をふりかえり、将来必要な新線はなにか、その費用はだれが負担すべきかを展望する。
  • 宇宙飛行士という仕事 選抜試験からミッションの全容まで
    3.3
    人類史上いまだ550人ほどしかいない宇宙飛行の経験者。この特別な職業の実態とは――。選抜試験の中身と求められる資質、ユニークかつ厳しい地上での訓練、搭乗待ちの焦燥感、そして船外活動や実験など宇宙での活躍まで。JAXA宇宙飛行士室長などを歴任し、その奮闘と素顔を間近に見てきた著者が、細部から全体像まで描きだす。日本人初の国際宇宙ステーション(ISS)船長・若田光一氏への特別インタビューも収録。
  • 食の人類史 ユーラシアの狩猟・採集、農耕、遊牧
    3.5
    人は食べなければ生きていくことはできない。人類の歴史は、糖質とタンパク質のセットをどうやって確保するかという闘いだった。今では、西洋では「小麦とミルク」、東洋では「コメと魚」のセットとして摂取されることが多いが、山菜を多食し、採集文化が色濃く残る日本のように、食の営みは多様である。本書は、ユーラシア全土で繰り広げられてきた、さまざまな生業の変遷と集団間の駆け引きを巨細に解読する。
  • 物語 シンガポールの歴史 エリート開発主義国家の200年
    4.2
    1人当たりのGDPで日本を抜きアジアで最も豊かな国とされるシンガポール。1965年にマレーシアから分離独立した華人中心の都市国家は、英語教育エリートによる一党支配の下、国際加工基地・金融センターとして発展した。それは、表現・言論の自由を抑圧し、徹底的な能力別教育を行うなど、経済至上主義を貫いた“成果”でもあった。本書は、英国植民地時代から、日本占領、そして独立し現在に至る200年の軌跡を描く。
  • 欧州複合危機 苦悶するEU、揺れる世界
    4.1
    1993年に誕生し、単一通貨ユーロの導入などヨーロッパ統合への壮大な試行錯誤を続けてきたEU(欧州連合)。だが、たび重なるユーロ危機、大量の難民流入、続発するテロ事件、イギリスの離脱決定と、厳しい試練が続いている。なぜこのような危機に陥ったのか、EUは本当に崩壊するのか、その引き金は何か、日本や世界への影響は……。欧州が直面する複合的な危機の本質を解き明かし、世界の今後を占う。
  • ビッグデータと人工知能 可能性と罠を見極める
    4.0
    ビッグデータ時代の到来、第三次AI(人工知能)ブームとディープラーニングの登場、さらに進化したAIが2045年に人間の知性を凌駕するというシンギュラリティ予測……。人間とAIはこれからどこへ向かっていくのか。本書は基礎情報学にもとづいて現在の動向と論点を明快に整理し分析。技術万能主義に警鐘を鳴らし、知識増幅と集合知を駆使することによって拓かれる未来の可能性を提示する。
  • 四国遍路 八八ヶ所巡礼の歴史と文化
    4.0
    八八の寺院を巡る四国遍路の姿を決定づけた、ある僧の案内記。貧困、病気、差別に苦しめられた巡礼者たちの記録。評判を呼んだ新聞記者による遍路道中記。バスや鉄道の登場がもたらした遍路道の変革――。本書では、近世以降の史料を博捜し、伝説と史実がないまぜになった四国遍路の実態を再現する。千数百キロの遍路道を歩く巡礼者と、彼らと相対した地域住民。これまで語られてこなかった彼らの実像に光を当てる。
  • 特別支援教育 多様なニーズへの挑戦
    3.8
    小中学校の通常学級で六%、全国で六〇万人を超えると思われる「知的障害のない発達障害児」。彼らを含む、すべての障害のある幼児・児童・生徒の自立や社会参加に向けた取り組みが、教育の場で始まっている。一人ひとりの教育上のニーズを把握し、学習面や生活面の問題を解決するための指導と支援を行う。これが特別支援教育だ。すべての親や教師、そして子どもたち自身が知っておくべきことを収めた現代の新基準の書。
  • 鉄道技術の日本史 SLから、電車、超電導リニアまで
    4.3
    イギリスの指導のもと、明治の初めに産声を上げた日本の鉄道。山がちな国土に狭軌という悪条件を克服する過程で、高速性、快適性、安全性を向上させ、1964年の東海道新幹線開業によってついに世界トップの水準に躍り出た。日本は現在、超電導リニアの技術で諸外国をリードし、かつて指導を受けたイギリスに高速電車網を構築している。本書では、明治から平成まで、多岐にわたる鉄道技術の進歩に光を当てる。
  • 力学入門 コマから宇宙船の姿勢制御まで
    3.8
    20世紀後半、宇宙開発が進むにつれ、回転運動や姿勢制御に関する力学の理論は長足の進歩を遂げた。この回転運動と中学・高校で学ぶ並進運動(直線運動)を組み合わせると、すべての物体の運動が説明できる。ロボット制御など、日常生活を支える技術にも役立てられている。本書は、「おおすみ」から「はやぶさ」まで、日本のロケットの姿勢制御に関わったエンジニアによる宇宙開発と新しい力学の入門書である。

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