滝川幸司の作品一覧
「滝川幸司」の「菅原道真 学者政治家の栄光と没落」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
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ビジネス・実用
Posted by ブクログ
阿衡の紛議が詳しい。先に読んだ本では「道真が基経に宛てて書いた文書が紛議解決につながったことから、宇多天皇は恩義を感じ、道真を重用した」とあったが本書はその説を否定する。道真が書を書いた時点で紛議は解決に向かっていたと。
そうなると宇多天皇による道真重用の理由はなんであったのか、ここは今ひとつわからなかった。ただ、後世は物事の起因にあからさまなロジックを求めてしまうが、当人達にしてみれば、単純に優秀だからとか人柄が好いたとか、率直な理由なのかもしれない。
ともかく、譲位した後も宇多上皇が道真と親密であったことが、醍醐天皇・時平と宇多上皇・道真との間に溝を深めてしまった…と本書は言う。
「色々宇多上皇のせいでは…」と思いながら読み進めていたら本書ではっきりと「後年の道真は宇多上皇に振り回された」と書いてあってもう。
儒家として異例の出世を遂げた道真。はやくから、周囲の妬み嫉みによる嫌がらせを受けていたらしい。
そして、再三、「家柄が分不相応」などの理由で大臣職の辞退を申し出るも却下される。そこから急転直下の左遷。
曰く「寒門出身なのに調子に乗って醍醐天皇を廃する目論見を立てた(意訳)」
さすがにひどい。
ただ本書は左遷前後の背景は詳しくなく、醍醐天皇や時平の思惑などはさっぱりわからなかった。
「時平がライバルである道真を追い落とした」「時平は悪役」というのが従来の一般的なイメージなのかなと思っていたが本書はあまりそのイメージに与しない。