滝川幸司のレビュー一覧
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阿衡の紛議が詳しい。先に読んだ本では「道真が基経に宛てて書いた文書が紛議解決につながったことから、宇多天皇は恩義を感じ、道真を重用した」とあったが本書はその説を否定する。道真が書を書いた時点で紛議は解決に向かっていたと。
そうなると宇多天皇による道真重用の理由はなんであったのか、ここは今ひとつわからなかった。ただ、後世は物事の起因にあからさまなロジックを求めてしまうが、当人達にしてみれば、単純に優秀だからとか人柄が好いたとか、率直な理由なのかもしれない。
ともかく、譲位した後も宇多上皇が道真と親密であったことが、醍醐天皇・時平と宇多上皇・道真との間に溝を深めてしまった…と本書は言う。
「色々 -
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菅原道真。
あの学問の神様で、ゴロゴロ雷を従えて都を恐怖の渦に叩き落としたあの、菅原道真。
わたしは九州という菅原道真のお膝元(?)に住みながらあまりその生涯を知らなかった。
興味を持ったのは「応天の門」というコミック。
まだ文章得業生という学生の時代の菅原道真が、都で起こる事件を在原業平に協力しつつ解決する作品です。この菅原道真がまたすこぶる賢い。
確かに学問の神様だし、まあそうだよな、とは思いつつ、実際のところを知りたくなった。そんなとき、この「菅原道真」という本が目に入った。
菅原道真がなぜ左遷させられるに至ったのか。
そして、さらに菅原道真とは「詩人」なのか、「政治家」なのか、「官