小林道彦の作品一覧
「小林道彦」の「近代日本と軍部 1868-1945」「山県有朋 明治国家と権力」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
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「小林道彦」の「近代日本と軍部 1868-1945」「山県有朋 明治国家と権力」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
Posted by ブクログ
小林道彦「山県有朋 明治国家と権力」中公新書
山県有朋という矛盾に満ちた政治家の評伝。軍人政治家として徴兵制などに尽力したが、地方自治などの設計にも関与し、内務官僚と縁が深まった。帝国大学を卒業して官僚として奉職した人達が政党政治家の猟官・政治任用を嫌って山県に頼るようになったというのは人間心理として理解できる。彼は日清戦争では自ら出征、日露戦争では元老として振る舞う。ただし日露戦後は子飼いのはずの児玉源太郎や桂太郎らが山県の棚上げに走るなど権力基盤は空洞化していた。大正時代に入ると国際情勢の現実と彼の認識の齟齬は隠せなくなってきた。最終的に、裕仁親王、後の昭和天皇の婚姻への干渉で事実上失脚し
Posted by ブクログ
山県有朋
明治国家と権力
著:小林道彦
中公新書 2777
おもしろかった、明治期の日本は、今日のような米国の核の傘に守ってもらっているような日本ではない
まさに、明治維新によって、独立したばかりの小国である日本は、ロシアという超大国の脅威にさらされていた。
明治という時代は、仮想敵国であるロシアからの防衛戦争を行うための時代であった。
それを可能としたのは、明治天皇のカリスマ性、伊藤博文の内政的手腕、そして、山県有朋の陸軍創設とその拡張性であった
山県有朋の構想した防衛計画とは、主権線という日本領内のラインとともに、利益線という日本国土を防衛するためのバッファとして設けられるラインを設
Posted by ブクログ
巻末に付いている山縣有朋の伝記のほぼを読んでいるが、伊藤之雄『山県有朋』(2009年)から山県評がどうも民主派によりすぎになってきている気がする…。昔は元老の中でも最右派、なんなら太平洋戦争の遠因などと言われたものだが。右からは左、左からは右と言われる、という人は意外に多くいるものだが、まさか山縣有朋がそういうポジションにおさまる日がこようとは。
新書なのでより深い内容は引用元(『山縣公のおもかげ』からの引用が妙に多い気がするが、この著者は入江貫一という山県の秘書なので、この本からの引用が多くなされるほど山県って実はいい人だよね、と思わされる罠がある…と個人的には思う)の本を読んだ方が良い。最