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日ソ戦争とは、1945年8月8日から9月上旬まで満洲・朝鮮半島・南樺太・千島列島で行われた第2次世界大戦最後の全面戦争である。短期間ながら両軍の参加兵力は200万人を超え、玉音放送後に戦闘が始まる地域もあり、戦後を見据えた戦争だった。これまでソ連の中立条約破棄、非人道的な戦闘など断片的には知られてきたが、本書は新史料を駆使し、米国のソ連への参戦要請から各地での戦闘の実態、終戦までの全貌を描く。
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Posted by ブクログ
1945年8月15日、日本はポツダム宣言を受諾し、敗戦を認め、日本の戦争は終わった。という、常識は正確ではない。日本はまだ戦争中だった。なぜなら、ソ連が8月8日に日本へ宣戦布告し、満州や北方では日ソ戦争が続いていたからだ。戦争は半月で終わったとはいえ、これはこれで間違いなく戦争だ。しかも、その結果と...続きを読むして日本は多くの国民をシベリアで抑留され、北方領土を失う。 なぜ、ソ連は敗戦濃厚な日本へ宣戦布告したのか。なぜ、敗戦を受け入れた日本へさらに戦争を続けたのか。そして、日ソ戦争を経て、日ソ両国とアメリカ、中国が得たもの、失ったものを本書は分析する。 突然のソ連参戦で油断していた日本は無抵抗に、蹂躙されたという印象を持っていたのだが、意外に抵抗し、反撃したようだ。戦死者の数も両国拮抗している。ソ連側としても対ドイツ戦で戦力を使い果たし、ソ連国民の日本参戦モチベーションが上がっていなかったのがその理由。 とはいえ、この戦争におけるソ連、つまりロシアの情報提供が少なく、加えて北方領土問題という現在進行中の政治が絡んでいるため、歴史家にとって研究しにくい分野らしい。
元々終戦間際の調整役としての役回りを期待していたソ連の侵攻、それに続く奪取や蛮行。 今の日露関係の起点のみならず、中国とロシアとの蜜月の関係、ウクライナ戦争に通ずるロシア人に蔓延るDNA等、示唆がひたすら多い良書だった。
八月十五日正午の玉音放送で、戦争が終わり、日本が負けた。これでもう空襲に怯えないで済む。ところが、満洲、朝鮮半島、樺太、千島列島にとってはそうではなかったことが初めて分かった。本当に、ソ連が八月八日に対日参戦したことは歴史で習った。しかし、八月十五日を過ぎても戦闘が行われ、住民が奪われ、強姦されたこ...続きを読むとは習わなかったのではないだろうか。 本書の最後に年表があり、最後の項目は九月十七日、ソ連軍、北緯38度線以上の朝鮮半島の占領を完了。 このあと、武装解除された関東軍は、もう日本人住民を守ることができず、満洲や樺太などに住んでいた日本人は(今まで圧政を敷かれていた)朝鮮の人やソ連兵の暴力にさらされたらしい。 また、冬が近づく中、日本に帰ることもさせてもらえず、多くの人が飢えたと。 これまで聞いていた他の地域に負けず劣らず、悲惨な状況が目に浮かんだ。 この本は、南方戦線に比べて目立たないし期間も短い日ソ戦争に焦点を当てて書かれたものだ。 アメリカとソ連のパワーバランスや、ヤルタ密約などのやりとりから、会戦の様子、将校一人一人の対応など細かなところまで、聞きなれない樺太や朝鮮とソ連の国境付近の地名を丹念に追いながら詳述してある。 現在でも北方領土問題が残っており、決して過ぎ去った過去の出来事ではないと思う。 大量の日本語、英語、ロシア語の文献をもとにして書かれたこの本は、現代の日ソ(日露)関係を考える上で必読なのではないだろうか。
自分の歴史観が揺さぶられる一冊。1945年の8月、9月に満州、朝鮮半島で何が起きていたのかを知る。今まさにロシアとウクライナが戦っていることを踏まえても、第2次世界大戦から刻々と歴史は続いており、国同士の争いは終わっていないことを感じられる。
第二次世界大戦終結間際に起きた日ソ戦争の全貌を描く本。あとがきに「日ソ戦争で流された血や涙はまだ乾いていない」とあるように、悲惨な実態であったにもかかわらず、その詳細はまだ明らかでない。結論から言うと、終戦間際の日本が弱ったところにソ連がハイエナのように食いつき、領土や資源、あげくに抑留という形で労...続きを読む働力まで奪っていった悪辣な戦争と言える。まあ日本もとやかく言えるような戦い方をしていないが、強姦や虐殺が当たり前だったソ連軍の非道はそれを上回る。著者の指摘するように、日ソ戦争は日本だけでなく、朝鮮半島の分断や中華人民共和国の誕生など東アジアの戦後史に大きな影響を与えた。その意味でも、日ソ戦争の全体像を知ることが出来たのは意義あることであった。
太平洋戦争の最末期、突然開かれたソ連との戦端。参戦のタイミングを測るソ連。一方でアメリカの原爆投下で戦争は終結に向かう。終戦後の日本統治、北海道統治は慌ただしく決められ,北方領土四島の領有もきちんと話し合われた形跡がない。 この日ソ戦争に関してソ連側の軍規の緩さ、軍の残虐さ、横暴さは今も変わらない...続きを読むと思う。略奪品を一旦ソ連軍に集めはするが、安く兵士に払い下げるなど,常識が通用しない行動をとる。その最たるものがシベリア抑留。ソ連側のロジックとしては、独ソ戦で多数の死傷者を出したため、復興に必要な人手を捕虜にやらせた、ということだろうが、国際法上は全く根拠のない違反行為である。 本書は、「全体の情勢」「満州における関東軍との戦闘」「南樺太における戦闘」「北方領土を含む千島列島における戦闘」を詳述する労作。 父がシベリア抑留者、母が終戦時国後島に暮らしていた私にとって、待望の一書だった。
・「8月15日で戦争は終わった」って、ずっとそういうふうに思ってた。でもこの本を読むと、終わったどころか、むしろそこから始まった戦いもあったんだなと。 ・ソ連が満洲とか樺太とか千島に一気に攻めてきたのは知識としては知ってたけど、ここまで本格的だったとは思ってなかった。 しかも、民間人がすごく巻き込...続きを読むまれていたということにびっくりした。開拓団の話はきつい。 ・8月15日以降の日本って「平和になった」っていうイメージだったけど、実際には現地では停戦がうまく伝わらず、むしろ攻撃が激しくなってたりする。 終わるはずの戦争が、別のかたちで続いてる感じ。 ・シベリア抑留につながる話も出てくる。捕虜として扱われるのか、戦犯としてなのか、そのあたりもあいまいなまま連れていかれてたらしい。 ・全体的に、すごく丁寧に資料を出して書いてある。 読みながら、高校のときに知ってたら、日本史の印象だいぶ違ったかも思った。
かなり前に占守島の戦闘を描いた浅田次郎さんの「終わらざる夏」を読みました。あの時も苦い思いが残りました。昭和天皇の無責任さと日本政府、日本軍の底抜けのバカさ加減は既に十分認識していましたが、ロシアという国の陰湿、非道さとロシア人の程度の低さはやっぱりそうだったかと改めて思わされました。プーチンはまさ...続きを読むにそのロシアを象徴する悪人。そんなロシアと仲良くする必要などないですね。北方領土返還まで国交断絶しても良いんじゃないですか。ロシアで儲けようとしている日本企業には不買運動を起こすべきだと思いました。
圧巻でした。 『シベリア出兵』に続けて本書を読み、今まで知らなかったソ連と日本の出来事や、アメリカとの関係性を認識することができました。 戦争を終わらせることの難しさ。 武装解除によって起こること。 民間人が取り残されたときに起きること。 集団自決を選ぶに至った女性たちが置かれた環境の厳しさ。 ...続きを読む戦争は起こしてはならないと、改めて胸に刻みました。
むがー! どうする?どうしたらいい? はい、『独ソ戦』に続いて今度は、その反対側で行われた『日ソ戦』について学びます しかも今回は日本が絡んできますので、より身近 それにしてもソ連軍非道いわ いや日本軍だってまぁまぁ非道いんだが、あいつらほんまにエグい 無条件降伏しとるのにがんがん攻めてく...続きを読むるし 民間人殺しまくりだし 女性は強姦されまくりだし あるものみんなとってくし どさくさに紛れて千島列島占領しちゃうし どんどんシベリアとか送るし スターリンが非道いのか ソ連軍が非道いのか ロシア人て基本そんな奴なのか 戦争でおかしくなってたのか その全部なのか わかりません 分かりませんけど この本を読んでね どうしても思っちゃう 「お前ら、いつかやったるかんな!」って わいなんかほら武闘派やないですか だからもうソ連軍の非道は許せんのよ! だからどうしても思っちゃう ちょっとだけど思っちゃう いつか仕返ししたるわ!って それがいかんのよ! 絶対ダメなのよ! だけどやっぱり思っちゃう だってほんと非道いんだって この気持ちをさらっと乗り越える方法を見出して、地球のみんなで共有できたら、きっと恒久的な平和ってやつが実現するのかもしれんな〜なんて思ったけど、なんかすごく難しそうだな〜 まぁ、でも今回はぐっと耐えよう 良かったなプーの字 わいが温厚な武闘派で(自己矛盾)
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日ソ戦争 帝国日本最後の戦い
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麻田雅文
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