ブックライブでは、JavaScriptがOFFになっているとご利用いただけない機能があります。JavaScriptを有効にしてご利用ください。
無料マンガ・ラノベなど、豊富なラインナップで100万冊以上配信中!
来店pt
閲覧履歴
My本棚
カート
フォロー
クーポン
Myページ
4pt
1人当たりのGDPで日本を抜きアジアで最も豊かな国とされるシンガポール。1965年にマレーシアから分離独立した華人中心の都市国家は、英語教育エリートによる一党支配の下、国際加工基地・金融センターとして発展した。それは、表現・言論の自由を抑圧し、徹底的な能力別教育を行うなど、経済至上主義を貫いた“成果”でもあった。本書は、英国植民地時代から、日本占領、そして独立し現在に至る200年の軌跡を描く。
アプリ試し読みはこちら
※アプリの閲覧環境は最新バージョンのものです。
Posted by ブクログ
シンガポールの歴史に関する入門書として、シンガポールの起源から現代までの流れの大枠ができるだけ第三者の目線から記されており、理解が進んだ。 国家が社会を作った珍しい国であり、悪魔と貿易してでも経済発展させなければならないというプラグマティズムに寄せた国家運営をするに至る過程などが興味深い。 ここ...続きを読むからリークワンユーの自伝等を読んでみたくなった。
物語 シンガポールの歴史 エリート開発主義国家の200年 著:岩崎 育夫 中公新書 2208 おもしろかった。不思議な国家、シンガポールの成立と、その特徴を解説する本です かって、マレーシアにコンピュータを出荷した際に、中継港であるシンガポールで戦略物資と勘違いされて、税関で捕まってしまい、1週...続きを読む間以上も納品に遅れたことを思い出しました。そのときも、マレーシアとシンガポールとの微妙な距離感を感じたものでした。 歴史 ■シンガポールの誕生 もともと、マレー半島の南端にある島であり、海賊の棲みかであった、他には少数の漁民と、農民がいた シンガポールとは、ライオンの街と言う意味である インドを植民地化したイギリスは、中国をめざしたが、途中に中継ポイントが必要であった。 マラッカがポルトガル、オランダの手に落ちると、イギリスは、シンガポールに目をつけた。 1824年、イギリスは、シンガポールを植民地として契約した イギリスは、地域交易拠点として自由貿易港とすると、世界中から交易船があつまるようになった。 そうすると、シンガポールには、中国人、インド人、ヨーロッパ人が移民してくるようになる ■イギリス時代(1824-1942) ・シンガポールには、日本人の遊女、からゆきさんも、585人もいた ・1824年には、1万人、81年には、14万人、1901年には、23万人と増加していく ・1901年には、中国人72%、マレー人16%、インド人が8%となる。これは、現在の民族比率に近い ■日本占領時代(1942-1945) ・シンガポールでは、1942年2月から1945年8月までの日本占領時代は、「3年8カ月」と呼ばれる ・日本はシンガポールを昭南島と呼び、恐怖の日本化政策を推し進めた 憲兵隊による横暴、高インフレ、密告、そして、住民の監視・管理、体罰が、日本占領時代である ・シンガポールでは、これまでは、それぞれの民族がそれぞれに生活をしていたのであるが、日本占領を機会に、国民という意識を持ち始めるのである ・終戦後、イギリスは、日本に対して、損害賠償を放棄したため、日本へは請求ができなくなってしまう。これを、血債問題という ■自立国家の模索時代(1945-1963) ・イギリスは、マレーシアから、シンガポールを切り出して、単独の直轄植民地とした。 それは、シンガポールが軍事的に極めて重要な地点であったこと、マレー人が華人の政治的影響を懸念したことにある ・シンガポールに住む、華人、マレー人、インド人、ユーラシア人を結び付けていたものは、現地でうまれたということ、そして、英語を話すということであった ・1949年、中華人民共和国が成立すると、対立するイギリスは、華人に中国とシンガポールとの往来を禁止した。それは、共産主義思想をシンガポールに持ち込まれて困るからである。 ・華人の少数は、中国に引き上げ、残りの大多数は、シンガポールに残ることを決意する ・シンガポールには、華人グループ(中国的国家)、英語教育集団(イギリス的国家)の2グループが対立する この2つのグループを、仲介し、シンガポールをまとめようとしたのが、リー・クアンユーであった。 ・リー・クアンユーは、人民行動党を結党し、シンガポールを統一していく。1959年、英連邦自治州となり、完全内政自治権が付与され、人民行動党が政権を掌握した。 ・1963年マレーシア連邦が結成されると、シンガポールもマレーシア連邦に加盟する ・しかしながら、華人とマレー人との民族暴動が発生すると、その原因は、リー・クワンユーであるとして、マレーシアは、シンガポールを1965年に追放、分離する ・こうして、シンガポールは単独都市国家として、誕生することになる。 ■シンガポール国家(1965-2024) 【1】リー・クワンユー時代(1965-1990) ・経済活動で国家を運用する方針を定め、そのためには、公民が一糸乱れず実行する体制が不可欠であるとした。 ・共産系労働組合、学生運動、メディアなどを解散させて、政府に協力するものに入れ換えた。市民社会運動にも、容赦はしなかった。 ・議院内閣制、一院とし、首相が最高指導者となる。大統領は対外的に国を代表する象徴であり、実権はほとんどない。 ・5年任期で、集団選挙区と、小選挙区との組み合わせ。被選挙権は、21歳で、投票義務を課し、正当な理由なくして、投票を行わない場合は、次回以降の選挙権を喪うなど、社会的な不利益を被る。 ・シンガポールは、国民皆兵であり、徴兵制、50歳までは、予備役に編入され、定期的な軍事訓練にも参加する義務がある ・英国連邦は、シンガポールを防衛する義務があったが、遠隔地のため、シンガポールはアメリカに庇護を求めるようになる。 ・ASEANとは、ベトナム戦争時に結成された、反共5か国の軍事同盟としてスタートしたのであった。 ・教育制度は、選抜制である。優秀な学生は、奨学金を得て、政府の重要機関に登用されるが、学力のないものは、最悪、大学を受験する資格もない。こうして、優秀な人材の囲い込みに成功する。成績の悪いものは、これ以上の教育は無駄という考え方である。 ・なぜ、シンガポールが、東南アジアの経済的拠点になり得たのか。 それは、経済開発庁(EDB)を設立したおかげである。 シンガポールに進出したい外資企業は、政府の様々な役所と個別に交渉を行うのではなく、EDB、1か所だけと交渉ができるだけとした。以後の各省庁との調整は、全て、EDBが行う仕組みである。 そしてもう1つ、100%の外資を認めたことによる。 こうして、シンガポールは、製造と、金融の二大産業を育成した。 ・シンガポールの政府系機関は、3つ。中央官庁、開発公社などの準政府機関、そして開発銀行や、航空会社などの、政府系企業である。 ・四大華人企業 リー・コンチェン一族 華僑銀行(OCB) ウィー・チョウヤオ一族 大華銀行(UOB) オー・一族 華連銀行(OUB) 移民四兄弟 ホンリョングループ 【2】ゴー・チョクトン時代(1991-2004) ・ハンチントンの第三の波の時代、リー・クアンユーの権威統治に辟易していた民衆は、当初政治自由化に期待した。 ・国民の4つのグループ ①批判行動グループ 数% ②政治活動はしないが、批判票を投じるグループ 20% ③政治的無関心 50% ④人民行動党を評価するグループ 30% ・外国人労働者の受け入れ ①建設業・製造業・サービス業 未熟練労働者 ②中間管理職、専門技術者、研究者、弁護士、医師、会計士 ③その中間、労働許可書と雇用許可書の中間のS許可書をもつもの ・外国人労働者を無制限に受け入れると問題が生じるため ①外国人労働者の比率は、30%を上限とする ②民族バランスを壊さないために、外国人労働者はアジア系民族に限定する 【3】リー・シェンロン時代(2004-2024) ・リー・シェンロンは、リー・クアンユーの長男、エリート中のエリート ・英語、華語、マレー語に堪能 ・人民には、リー王朝の後継者として嫌われた ・問題 ①水問題 マレーシアから水を輸入しているが、自給化できていない。淡水化プロジェクトなどの対応中 ②少子高齢化 急速に高齢化するのは、シンガポールも同じ ③移民 移民の流入により、国民生活に影響がでている ・シンガポールの特徴 ①経済発展が国是である ②近隣諸国よりも常に1歩でも、2歩でも先んじて、経済発展を心がけたこと ③経済発展は国家主導であったこと ④政治、民族文化が、経済発展の手段と考えられたこと ⑤シンガポールには、独自の文化が育たなかった ⑥欧米諸国には、政治と経済を使い分けていた ⑦国民の価値軸(アイデンティティ)が模索段階にある ・シンガポールとは、リー・クアンユーが手掛けてきた人工国家であり、芸術や文学などの文化がそだたなかったこと、近隣諸国からは、普通の歴史ある国家とはみなされていないこと、これがシンガポールの限界である。 目次 序章 シンガポールの曙―一九世紀初頭 第1章 イギリス植民地時代―一八一九~一九四一年 第2章 日本による占領時代―一九四二~四五年 第3章 自立国家の模索―一九四五~六五年 第4章 リークアンユー時代―一九六五~九〇年 第5章 ゴーチョクトン時代―一九九一~二〇〇四年 第6章 リーシェンロン時代―二〇〇四年~ 終章 シンガポールとは何か ISBN:9784121022080 出版社:中央公論新社 判型:新書 ページ数:280ページ 定価:860円(本体) 2013年03月25日初版 2022年07月30日8版
シンガポールに留学、移住するなら絶対に持って行きたい1冊。シンガポールの歴史、経済、政治、全てが学べます。 シンガポールに来る前、この国の歴史について全くわからず、なんかゆるっと「安全だけど厳しい国」という認識でしたが、この本を読む中でなぜそのシステムが必要だったのか、ということが論理的にかつ簡潔...続きを読むに学べます。 良くも悪くもシンガポールはリー・クアンユーによって作られたのだなと再認識できる本であり、彼の目指す社会的な方向性、政治指針が今もシンガポールに根強く残っていることがわかるはず。この本のおかげでシンガポールという世界をよりクリアに知覚できたので、とても感謝しています。
中公新書の「物語」シリーズ、いくつか手にとって読んだことはあったのですが、今まで読んだ「物語」シリーズの中では一番面白かったと思います。まずその理由は、シンガポールの歴史が浅いので、1冊の本の中でかなり密度の濃い記述がなされていることでしょうか。例えば同じ「物語」シリーズのアメリカ版などは(アメリカ...続きを読むもフランス、イギリスと比べれば歴史が浅いのですが)、歴史本に良くありがちな「浅く広く」語っていて、あまり感銘を受けませんでした。その点、シンガポールの歴史は新書250ページくらいあればかなり密度の濃いものが読めると感じます。 次に良かった点として、シンガポールの独立後の経済成長については政治を軸として極めて明快な論理展開がなされていて、ものすごくわかりやすかったことです。これはシンガポール自体がある意味極めて明快な戦略を打ち立てていたからという面もありますし、それを著者がしっかり明快に記述しているからだと思います。シンガポールの生い立ち、経済成長の仕組みなど、初心者にはとても良い本と思いました。
シンガポール赴任者に特におすすめ。経済的観点でもある意味芸術やサブカルチャーの観点でも特異な国シンガポールの成り立ちがざっとよくわかる。著者の意見がちゃんと混ざっているのも良い。
リークワンユーまでの時代を読み込んだ。開発独裁国として成功を収めたシンガポールの成り立ちを簡潔かつ的確にまとめられている。中国、特に深センにおいても、シンガポールの政策を真似ている所なので、その意味でも参考になった。 面白かったのはリークワンユーといった母国語英語グループ(英国留学経験者)と母国語中...続きを読む国語グループ(中国からの出稼ぎ労働者)との政治的対立と克服の過程、香港もそうだが、西側の制度をアジアに的確に適応することで、日本をも凌ぐ競争力を持つ都市を設計できることだ。
シンガポールという国について理解を深めるために最適な一冊。 特殊な教育制度に国の本質が現れていると思う。
[昇り竜解剖図]羨望を集めるほどの急激な経済成長で、東南アジア諸国の経済や投資を牽引してきたシンガポール。ほとんど顧みる人すらいなかった19世紀初頭の「発見」から、急速な経済成長を経た21世紀初頭までの歴史を概観した作品です。著者は、シンガポールをはじめとした東南アジア諸国の研究で知られる岩崎育夫。...続きを読む 非常にコンパクトにシンガポールの経済、政治、そして社会についてまとめられているため、同国に関心を持つようであればとりあえずオススメしたい一冊。現実主義に徹したシンガポールの世界観がどのように形作られ、成功を収めることになったかがよくわかるかと思います。シンガポールと東南アジア諸国の関わりについても頁が割かれているため、広く同地域に興味を持つ人にもオススメです。 〜比喩的に言えば、シンガポール株式会社の社長が創業者オーナーのリー・クアンユー、副社長がリーの片腕のゴー・ケンスィー、第一線の営業部長がエリート開発官僚、一般国民が事務職や現業の社員に相当する。そして、株式会社である以上、シンガポール株式会社は利益獲得に経営原理が置かれ、社長の大号令以下、社員全員が一丸となって会社の発展に励んだのである。〜 いつかあの不思議な形のホテルに足を運んでみたい☆5つ
上司がいるので最低年一回は出張するシンガポール(笑)実はそれまで行った事なくて、その歴史って知ってるようで知りませんでした。 占領下での残忍な行動にもかかわらず親日が多いので謎でしたが、これ読んでプラグマティズムゆえだなとハラオチしました。 英国、日本、中国、マレーシア、インドネシア、米国など関係諸...続きを読む国と様々なバランスで成り立っており、 政治的自由を制約してまで経済成長を追求するのはともかくとして、日本も学ぶべき所は多いですね。 この都市国家が経済戦略、政治面、文化芸術面など含めて今後どう変わっていくか注目したくなる一冊です。
シンガポールに旅行に行くにあたり、シンガポールの歴史って意外と知らないなと思い読んでみた。 イギリス植民地時代、日本統治下時代、リークアンユー時代あたりまででシンガポールの国としての成立ちや特性を大方知ることができ、実際に現地でその名残を感じることができて良かった。 ※中華街、リトル・インディア、ア...続きを読むラブ街がどういう経緯で出来ていったのか。 どのように経済成長を遂げたのか。 その後の政権での政治や経済の話は旅行目的であればあまり読まなくても良いと思った。
レビューをもっと見る
新刊やセール情報をお知らせします。
物語 シンガポールの歴史 エリート開発主義国家の200年
新刊情報をお知らせします。
岩崎育夫
フォロー機能について
「中公新書」の最新刊一覧へ
「社会・政治」無料一覧へ
「社会・政治」ランキングの一覧へ
アジア近現代史 「世界史の誕生」以後の800年
アジア政治とは何か 開発・民主化・民主主義再考
アジア政治を見る眼 開発独裁から市民社会へ
近代アジアの啓蒙思想家
現代アジア政治経済学入門
現代アジアの「民主主義」
現代アジアの民主と独裁 なぜ民主主義国で二世指導者が生まれるのか
女性総理という選択
「岩崎育夫」のこれもおすすめ一覧へ
一覧 >>
▲物語 シンガポールの歴史 エリート開発主義国家の200年 ページトップヘ