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ティグリス・ユーフラテス河の間に広がるメソポタミアの平野、ナイルの恵みに育まれたエジプト。ここで人類は古代文明を築き、数多くの神をつくり出した。エジプトの豊饒神オシリス、天候を司るバアル、冥界神ギルガメシュ、都市バビロニアを守るマルドゥク、アジアからヨーロッパまで遠征したキュベレ女神、死後に復活するドゥムジ神――さまざまな文明が興り、消えゆくなか、人がいかに神々とともに生きたかを描く。
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Posted by ブクログ
ギリシア、北欧などの神々やキリスト教やイスラム教、ヒンズー教の神などについては時々目にするが、古代オリエントの神々についてはよく知らなかったので、とても面白かった。 絵本で読んだギルガメッシュ王も実は、冥界の神だと知って驚いた。神仏習合は日本で顕著なのかと思っていたが、世界各地で行われていたことも知...続きを読むり、興味深かった。 昔の人々は大地や海を女神と考えることが多いと感じた。何かを生み出すという概念と、子どもを産む女性との連想が各地で共通であることも面白い。 古代オリエントについては、今では紛争地帯となってしまい、貴重な資料が次々となくなってしまっていることに暗澹たる思いがする。この状況を変えて少しでも人類の民俗的学問が進んでいくことをねがう。
単なる神々の紹介にとどまらず、オリエントの人々が神々とどのように関わっていたのか、後の宗教にどのような影響を与えたのなど多岐にわたる内容で非常に面白く、あっという間に読み終わってしまった。ところどころ横道にそれるが、全く無関係な話ではなく、むしろオリエント文化の奥行きを感じさせるものであった。特に...続きを読む「ブランコに乗る女性小像」から始まるブランコの話は面白かった。ブランコはもともと豊穣儀礼であり、インドからオリエント、日本を含めた多くの地域へ豊穣儀礼として伝播したとのこと。基本的に横道に逸れるのは好きではないが、このように主題の奥行きを感じさせたり、深い関連を示すものであれば歓迎である。
後に多数の宗教の祖となる古代オリエント(主にメソポタミア)について,神々の視点から解説した本である。主な分類:太陽神,地母神,冥界神,最高神
筆者の専門であるメソポタミアからギリシア、エジプト、まで古代オリエントの幅広い部分で神々の習合の流れや歴史を、日本の神々も参考に出しながら説明されていてとても分かりやすかった。 古代オリエントを見渡せる良書。
相関図を別に書き出さないと記憶に残らないほど多くのオリエントの神々がでてくる。 印象に残ったのは復活するドゥムジ神がイエスの話に影響を与えたこと。復活するドゥムジを嫌った旧約聖書とは違い、戦争で夫や息子を亡くした多くの女性が信じたキリストの新約聖書に生き返りを綴ったことは普及に意味を残したのでは。 ...続きを読むさらにウトゥ神などの太陽神、ナンナなどの月神、エレシュギガルやギルガメッシュなどの冥界神。これは日本のアマテラス、スサノウ、ツキヨミの三柱に似てないか。一説には彫りの深い縄文人はメソポタミアから流れ着いたと。彼らがオリエントの神々を日本に当てはめたのかもしれない。 世界中の神々は相互に影響しあって変化をしてきたようだ。
多少詰め込み過ぎの感はあるが、オリエントの神々につういて先史時代から古代ローマまで移り変わりが分かり、キリスト教やイスラム教のルーツが垣間見えた。
古代オリエントの時期から神々の発生?習合の流れがよくわかる。ただ 個人的には 神々があちらこちらで混じり合うので混乱した。一定知識ある人が見るのが良いのかな。
三大宗教も当然ながら、突然生まれたわけではなく土台があるってことがよく分かる。神は人間が作り出したもの、実は神々は人類最古の発明品かもしれない。多神教の神々は地域や時代を跨ぐ時、習合し多神教から一神教に収斂していく。それは国が定まっていく過程そのものだったりするわけだ。世界でもっとも神を必要としない...続きを読む日本はどうなっていっちゃうんだろう。
メソポタミア、エジプトの神々の話と文明との関係。神様も色んな事情で色んな神々と融合したり、成長したり。 戦争に勝利して都市の神像を奪うとか、現代よりも神々の存在が近く今の感覚とは全く違う話が面白い。
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古代オリエントの神々 文明の興亡と宗教の起源
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