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クロイドン発12時30分
チャールズは切羽詰まっていた。父から受け継いだ会社は不況のあおりで左前、恋しいユナは落ちぶれた男の許へ来てはくれまい。母の弟アンドルーに援助を乞うも、駄目な甥の烙印を押されるばかり。チャールズは考えた。叔父の命か、自分と従業員全員の命か。これは「無用な一つの命」対「有用な多くの命」の問題だ。我が身の安全を図りつつ遺産を受け取るには――念入りに計画を立て、実行に移すチャールズ。快哉を叫んだのも束の間、フレンチ警部という名の暗雲が漂い始める。計画はどこから破綻したのか。『樽』と並ぶクロフツの代表作、新訳決定版。/解説=神命明 -
黒い夏
高校生のレイは、かつて興味半分に人を殺したことがあった。証拠不十分でレイの容疑は立証されなかったが、四年後、レイを怪しむ元刑事エドはレイを罠にかける。ドラッグの売人でコンプレックスの塊であるレイは追い詰められ、ついに暴発する。人間の狂気を描いて比類なきケッチャムの問題作! -
黒い瞳のブロンド
マーロウのオフィスを訪れた女は、消えた愛人の捜索を依頼する。だが、彼はすでに死んだはずで……『ロング・グッドバイ』公認続篇 -
黒き荒野の果て
2021年アンソニー賞、マカヴィティ賞、バリー賞、3冠! 「クライム文学の新星」デニス・ルヘイン 裏社会の元凄腕ドライバーが 家族のために引き受けた最後の仕事―― 米国南部の町で自動車修理工場を営むボーレガード。 裏社会で語り継がれる伝説のドライバーだった彼は、足を洗い家族とまっとうに暮らしていた。 だが工場の経営が傾きだしたことで運命の歯車は再び狂い始める。 金策に奔走するボーレガードに昔の仲間が持ちかけてきたのは宝石店強盗の運転役。 それは家族を守るための最後の仕事になるはずだった。 ギャングの抗争に巻き込まれるまでは――。 -
クロス・ボーダー
小さな仕事をさばきながら、何とか糊口をしのいでいる探偵ヴィクのもとに、一本の電話がかかってくる。それは親友ロティの又甥が殺人容疑をかけられているというものだった。彼を助けるために調査を始めた彼女だったが、そこにまた別の事件が持ち込まれる。ヴィクの姪リノが失踪したというのだ。期せずして彼女はふたつの事件を同時に追うことになるが……弱きを助け強きを挫く、V・I・ウォーショースキー堂々の帰還! -
黒猫ルーイ、名探偵になる
あらゆる裏路地に通じ 夜の街を忍び歩く緑目の黒猫探偵、現る。 愛され続けるロングセラーシリーズ 猫コージーの代表格が、ついに邦訳! いかがわしい裏路地すらも、勝手知った自分の庭。 ラスベガスの裏社会ではちょっとした顔の黒猫ミッドナイト・ルーイは、 ひょんなことからブックフェアの会場で出版社社長の他殺体を嗅ぎつけた。 同じく死体につまずいて第一発見者となったのは、美人広報のテンプル・バー。 身体は小さいが頑張り屋の彼女を相棒(飼い主)に、黒猫探偵ルーイが犯人に迫る! 猫と本が事件の鍵を握る、コージーミステリ、シリーズ、第1弾。 -
黒のクイーン
ウィーンに住むフリーランスの保険調査専門探偵ホガートは、大手国際保険会社支社長からある依頼を受けた。ウィーンの美術館がプラハの展覧会に貸し出した絵画が焼失、調査に派遣した絵画専門の調査員は、焼失した絵画はすり替えられた偽物だったとの報告を残し行方不明になった。その調査員を見つけだしてほしいというのだ。プラハに飛んだホガートは、ひとりの女探偵に出会う。彼女が調査しているプラハの連続殺人事件の話を聞くうち、ホガートはとんでもない事実に気づく。『夏を殺す少女』で衝撃的なデビューを飾った、オーストリア・ミステリの名手が仕掛ける巧妙な罠とは? -
クーポンマダムの事件メモ
クーポンを使えばとってもとっても節約ができる! 夫がお金持ちから一転、破産寸前になるが、妻のマディは慌てない。クーポンを活用した倹約術を極めてブログにアップし、たちまち人気者に。が、ある日、買物先の店員に万引き犯と間違われ口論になる。やがてその店員が不審な突然死を遂げ、マディが容疑者に! -
グッゲンハイムの謎
ロンドンで暮らす12歳のテッドは、夏休み、家族とともにニューヨークを訪れた。おばのグロリアの案内で、休館中のグッゲンハイム美術館を見学できることに。しかしまもなく、館内に煙が漂い始める。火事だ! テッドたちは館外へ逃れたものの、驚愕の事実が判明した。騒動のさなか、カンディンスキーの名画が盗まれたのだ。疑いをかけられたおばを救うため、テッドは「ほかの人とはちがう」頭脳によって、犯行が可能だった人物を絞りこんでいくが……。少年たちの推理が爽やかに胸を打つ、『ロンドン・アイの謎』続編の傑作謎解きミステリ!/解説=川出正樹 -
グッド・バッド・ガール
ロンドンのケアホームで暮らす80歳のエディス。ここにエディスを押し込んだ娘クリオとは、当然ながらうまくいっていないものの、介護スタッフで18歳のペイシェンスとは、世代はちがえど友情を築いている。そして、ペイシェンスも、一緒に暮らしていた母親と喧嘩して家出してきた身であった。そんなある日、エディスがホームから失踪。時を同じくして施設の所長の奇妙な死体が発見されて……。冒頭から企みが始まる、母と娘をめぐる傑作サスペンス! 『彼と彼女の衝撃の瞬間』『彼は彼女の顔が見えない』のどんでん返しの女王が見せる新境地!/解説=古山裕樹 -
グリーン家殺人事件
発展を続けるニューヨークに孤絶して建つ、古色蒼然たるグリーン屋敷(マンション)。そこに暮らす名門グリーン一族を惨劇が襲った。ある雪の夜、一族の長女が射殺され、三女が銃創を負った状態で発見されたのだ。物取りの犯行とも思われたが、事件はそれにとどまらなかった――。姿なき殺人者は、怒りと恨みが渦巻くグリーン一族を皆殺しにしようとしているのか? 不可解な謎が横溢するこの難事件に、さしもの探偵ファイロ・ヴァンスの推理も行き詰まり……。鬼気迫るストーリーと尋常ならざる真相で、『僧正殺人事件』と並び称される不朽の名作が、新訳で登場。 -
群狼
猟区管理官ジョー・ピケットは、隣の地区の猟区管理官から、ドローンがミュールジカの群れを追い立てている件で協力を要請される。ドローンを使う狩猟は違法だ。情報を集めていくうちに、ドローンの所有者が2年前に東部から来た男で、ジョーの三女ルーシーのボーイフレンドの父親らしいとわかるが、なぜか捜査にFBIが絡んでくる。一方、鷹匠のネイトは、アリゾナ州ナンバーの車に乗ったガン・ケースを持つ男女を目撃し、不穏な予感を抱くが……。ジョー・ピケットVS.冷酷非情な暗殺者チーム! 大人気冒険サスペンス・シリーズ待望の最新作。/解説=吉野仁 -
警官嫌い
夏の夜の大都会――まばゆい灯のかげに街があり、夜空の下でうごめく暗い生活があった……。闇を引き裂く何者かの兇弾が、87分署の刑事たちを次々と倒していった。果して警官嫌いの狂人のなせる業か? 同僚刑事たちの胸は憤激で燃え上った。探偵小説に新生面を開いたシリーズ第一作! -
警視庁殺人課 悪漢(ワル)
殺人現場から逃走した男は刑事!? 次々と証拠があがってきて容疑は固まったかに思えたが… 一人暮らしの看護婦が両手足を捕縄で縛られた上に、鉈で額を割られて殺された。現場から逃走する男の姿が目撃されており、その男とは、被害者の婚約者である林羽刑事だった。捕縄は警官に支給される特殊な紐であることから、彼の容疑は固まったかに思えたが…。やがて、複雑に入り組んだ人間関係、そして金の流れを追ううちに、意外な人物が容疑者として浮上してくる。緊迫感が漂う警察小説の傑作。 ●龍一京(りゅう・いっきょう) 1941年大分県生まれ。元兵庫県警察、司法警察官として主に公安を担当する。退職後、コンサルタント業等を経て、作家に転身。著者の実体験をふんだんに織り込んだ、リアルな刑事の実態を描く警察小説を得意とする。『偽装捜査』(光文社文庫)、『鬼刑事(デカ)謀殺痕』(祥伝社文庫)など著書多数。 -
刑事ザック 夜の顎
タイ人の売春婦が四人、自分たちの住む部屋で無残に射殺された。街の売春をめぐる犯罪組織の抗争か、人種差別主義者の暴走か、あるいは単独のシリアルキラーが跋扈しているのか? 事件を追う特捜部の若き刑事ザックの焦燥は深まる。ストックホルムの裏側にひろがる闇を追う刑事たちを描く、新シリーズ第1弾! -
刑事失格
刑事マーシュは知人に頼まれ、ある男を殴って警告した。翌朝、殺人の報を受けたマーシュは驚く。被害者は自分が殴った男だったのだ。死亡推定時刻は彼が訪ねた時間とも重なり、記憶も曖昧だ。そのうえ彼はもう一つの事件も追うことに。逮捕される可能性に怯えながらも自らの正義を貫こうとする男を描く刑事小説 -
刑事たちの三日間
1889年、切り裂きジャックの恐怖がいまだ残るヴィクトリア朝ロンドン。地に落ちた警察への信頼を回復するため、警視総監サー・エドワードは、ロンドン警視庁(スコツトランド・ヤード)に殺人捜査課を創設する。だが、刑事の数はわずか12人。日々捜査に忙殺される中、あろうことか仲間のひとりが無残な死体となって発見される。新米刑事のディは、警視総監からこの事件の捜査を命じられるが――。巨大都市にはびこる犯罪の闇、正義を信じてそれに立ち向かう刑事の光。斬新なスタイルで刑事たちの三日間を描く、鮮烈なデビュー作。バリー賞、〈ストランド・マガジン〉批評家賞ノミネート。 -
刑事たちの四十八時間
不気味なわらべ歌が残る英国中西部の炭鉱の村で、夫婦と幼児が突如失踪した。ロンドン警視庁のディ警部補とハマースミス巡査部長が捜索に派遣されたが、与えられたのはわずか二日間。採掘による坑道のため沈みつづけ、やがて滅びゆく運命にある村を襲う春の吹雪。原因不明の奇病が蔓延し、不気味な目玉が発見される中、正義を固く信じるディ警部補、我が身の危険を顧みないハマースミス巡査部長、愁いを帯びた法医学検査官キングスリーの苦闘が始まる……。迷信と因習に満ちた村の犯罪の闇と、刑事たちの光がせめぎ合う、ノンストップ警察小説。シリーズ第2弾! -
〈刑事トム・バビロン〉シリーズ
ロックスター、ブラッド・ギャロウェイのライブがベルリンで開催された。2万人以上の観客が熱狂するなか、女性がステージでブラッドに謎の封筒を手渡した。その中のアルミケースには、凝固した血の上に載せた白い羽根が入っていた……。翌日、警察のゲストハウスで、ブラッドの血だらけの死体が発見される。死体は損壊され、胸には黒いペンで“愛する者の命は大事か?”というメッセージが残されていた。刑事トム・バビロンは、臨床心理士のジータ・ヨハンスと共に捜査を始めるが……。トップスピードで駆け抜ける、ドイツミステリ4部作第3弾!/解説=村上貴史 -
〈刑事トム・バビロン〉シリーズ
2019年2月。ベルリン国際映画祭の開会式場に悲鳴が響き渡った。オープニングで、女性が殺害される瞬間を撮った予定外の映像が上映されたのだ。金髪の女性が何者かに襲われ、大きな釘で心臓をひと突きされていた。しかも、彼女は市長の娘で女優の卵だと判明。映像はあまりにもリアルで、目出し帽の人物が上映を強要したという。トム・バビロン刑事は捜査を始めるが、相棒の臨床心理士のジータは、映像内の壁に残されていた「19」に自分との共通点を見つけて戦慄する。そして新たな惨劇が!『17の鍵』につづく、疾走感抜群のシリーズ第2弾。/解説=吉野仁 -
〈刑事ハービンダー・カー〉シリーズ
ロンドンのマナーパーク校の同窓会で、下院議員が殺害された。彼の友人たちは女優や人気バンドのリードシンガーなど個性的な有名人ばかり。だが、現場に到着した刑事ハービンダー・カーは、部下のキャシーも友人のひとりだったと知る。下院議員の死因はインスリン中毒で、糖尿病患者であるキャシーは注射器を持ち歩いていた。捜査が始まると、被害者は「血を流す心臓(ブリーディング・ハート)」と書かれた手紙を何通も受け取っており、21年前に起きたある生徒の死亡事故の目撃者だったと判明する──。巧みな伏線の妙を味わえる『見知らぬ人』の著者の傑作謎解き長編。/解説=若林踏 -
〈刑事ハービンダー・カー〉シリーズ
これは怪奇短編小説の見立て殺人なのか?──イギリスの中等学校タルガース校の旧館は、かつてヴィクトリア朝時代の作家ホランドの邸宅だった。クレアは同校の英語教師をしながら、ホランドを研究している。10 月のある日、クレアの親友である同僚が殺害されてしまう。遺体のそばには“地獄はからだ”という謎のメモが。それはホランドの怪奇短編に繰り返し出てくる文章だった。事件を解決する鍵は作中作に? 英国推理作家協会賞受賞のベテラン作家が満を持して発表し、アメリカ探偵作家クラブ賞最優秀長編賞受賞へと至った傑作ミステリ!/解説=大矢博子 -
ケイトが恐れるすべて
ロンドンに住むケイトは、又従兄のコービンと住まいを交換し、半年間ボストンで暮らすことにする。だが、到着した翌日に、アパートメントの隣室の女性オードリーの死体が発見される。オードリーの友人と名乗る男や、アパートメントの向かいの棟の住人の話では、彼女とコービンは恋人同士だが、まわりには秘密にしていたという。そしてコービンはケイトに、オードリーとの関係を否定する。嘘をついているのは誰なのか? 見知らぬ他人に囲まれた、ケイトの悪夢の四日間が始まる。ミステリ界を席巻した『そしてミランダを殺す』の著者の衝撃作!/解説=川出正樹 -
〈ケイト・リンヴィル〉シリーズ
ロンドン警視庁の孤独な刑事、ケイト・リンヴィルは、敏腕警部だった父の惨殺現場となった生家を貸し家にしていたが、家の処分を決意。宿を取った近くのB&Bの14歳の娘アメリーが行方不明になる。捜査にあたるのは、ケイトの父の事件の時と同じ地元警察のケイレブ・ヘイル警部だった。その頃、1年前に失踪した少女の遺体が発見された。これは同一犯による誘拐なのか? しかし、アメリーは奇妙な状況下で発見される。防波堤から海に落ちかけていたところを男たちに助けられたのだ! 何があったのか? ケイトは管轄外の事件に再び巻き込まれる。 -
〈ケイト・リンヴィル〉シリーズ
スコットランド・ヤードの女性刑事ケイト・リンヴィルが休暇を取り、生家のあるヨークシャーに戻ってきたのは、父親でヨークシャー警察元警部・リチャードが何者かに自宅で惨殺されたためだった。伝説的な名警部だった彼は、刑務所送りにした人間も数知れず、彼らの復讐の手にかかったのだろうというのが地元警察の読みだった。すさまじい暴行を受け、殺されていた父。ケイトが愛し尊敬してやまなかった父は、なぜ殺されなければならなかったのか? ケイトにかかってきた父について話があるという謎の女性の電話……。ドイツ本国で160万部超の大ベストセラーとなった傑作ミステリ! -
刑罰
黒いダイバースーツに身を包み、浴室で首をくくっていた男。赤ん坊を死なせた夫の罪を肩代わりし、3年後に出所の日を迎えた母親。静寂の中で余生を暮らし、夏の終わりに小銃に弾を込めた湖畔の住人。犯罪組織のボスとして人身売買の罪で起訴された男と、彼を弁護することになった新人弁護士。──唐突に訪れる犯罪の瞬間には、彼ら彼女らの人生が異様な迫力をもってあふれだす。刑事専門の弁護士として法廷に立つ傍ら、デビュー作『犯罪』で本屋大賞「翻訳小説部門」第1位に輝いた当代随一の短篇の名手が、罪と罰の在り方を鮮烈に問う12の物語。/【目次】参審員/逆さ/青く晴れた日/リュディア/隣人/小男/ダイバー/臭い魚/湖畔邸/奉仕活動(スボートニク)/テニス/友人/訳者あとがき/解説=千街晶之 -
警部ヴィスティング
2019年北欧ベスト・ミステリー受賞作! 「ガラスの鍵」賞、マルティン・ベック賞、ゴールデン・リボルバー賞の三冠に輝いた『猟犬』の警部ヴィスティングが帰って来た! 2015年の『猟犬』以来、久々の邦訳となった本作は、2019年英国ペトローナ賞(英訳北欧ミステリ・オブ・ザ・イヤー)受賞作である。 著者のヨルン・リーエル・ホルストは、自身が警察官出身。ノルウェーの警察小説の第一人者として、本国ノルウェーのみならず、北欧各国、英語圏で人気を博している。 ノルウェー南部の小都市、ラルヴィク警察犯罪捜査部の警部ヴィリアム・ヴィスティングが、謎の失踪を遂げたカタリーナ・ハウゲンの行方を追い始めて24年がたっていた。ヴィスティングは毎年、事件が起きた十月十日になると、夫のマッティン・ハウゲンを訪ねていた。24年目の十月十日も同じように訪ねたが、マッティンは不在だった。異例のことだった。 明くる日、オスロの国家犯罪捜査局(クリポス)未解決事件班の捜査官アドリアン・スティレルが来訪する。スティレルは、カタリーナ事件の2年前に起きたナディア・クローグ誘拐事件の再捜査を始めていた。事件は殺人事件と見なされ、その最重要被疑者として名前が挙がったのがマッティン・ハウゲンだった。 スティレルがヴィスティングに言う。「力を貸していただきたい。ハウゲンと親しいあなたに」 ヴィスティングは了承のしるしに短くうなずき、こう続けた。「一点だけ問題がある。マッティン・ハウゲンが消えた」 -
穢れた風
風力発電施設建設会社のビルの中で、夜警の死体が発見された。一見、階段を踏み外したための事故死に思われたが、監視カメラに侵入者が写っていたことで、にわかに殺人の様相を呈する。奇妙なことに、社長室のデスクの上になぜかハムスターの死骸が残されていた。これは一体何を意味しているのか? 風力発電の利権をめぐって次々に容疑者が浮かびあがり、さらに第二の殺人が。再生可能エネルギーにかかわる国家的犯罪なのか? 人々の欲望と、巨大な陰謀に呑み込まれる刑事オリヴァーとピア。〈ドイツミステリの女王〉による新たな傑作が誕生!/解説=大矢博子 -
ケチャップ・シンドローム
「今からちょうど三か月前に、彼を殺したんです」両親と妹二人に囲まれて暮らすイギリスの女子高校生ゾーイは、サイトで知ったアメリカの死刑囚スチュアートに宛て、秘かに手紙を書いた。家族のこと、アルバイトのこと、私が二人の男の子にしたひどいこと――罪を犯したあなたなら、わかってくれるはず……ゆっくり紐解かれる、ゾーイが綴る〈ほんとうのこと〉とは――アメリカ探偵作家クラブ賞ヤングアダルト部門受賞作 -
血痕の記憶
実話に想を得た歴史ミステリ 19世紀パリ。記憶を失い精神病院に収容された少女と付添人の愛は、やがて恐るべき真実を暴く。エドガー賞最終候補の歴史ミステリ -
決着
建築家のモリスのもとを、突然、競馬場の支配人が訪ねてきた。経営者の男爵家の一族が老朽化した競馬場の売却をめぐって対立しているため、彼に株主総会に出席して売却に反対してほしいというのだ。モリスは、男爵家に嫁いだ過去のある亡き母から競馬場の株を受け継いでいた。彼は、男爵家との関わりを避けてきたが、支配人に懇願され、母の忠告を無視して総会に出席する。が、総会は紛糾し、やがて競馬場が爆破された。 -
血統
〔競馬シリーズ〕休暇中の諜報部員ジーンを引っぱり出したのは、輸送中の名馬が米国で忽然と行方を絶ったという事件だった。彼は気乗りがしなかった。休暇はまだ始まったばかり……だが敵の黒い魔手は、早くも彼をつけねらっていた。名馬盗難の謎を追い単身米国に乗り込む英国諜報部員ジーン、捨身の奪回作戦!/掲出の書影は底本のものです -
獣狩り
◆バースデー。それは少女たちが殺される記念日。バリー賞、CWA賞受賞の実力派が放つ衝撃のノワール!刑事アッシュ・ヘンダーソン シリーズ第1弾◆BLOODY BRILLIANT MACBRIDE ――才能が血のごとく溢れ出す、マクブライド英国TIMES紙ベストセラーリストNo.1作家による、待望の新刊!◆“殺人的な暴力を描かせたら右に出るものはいないマクブライドが、今回もまた本領発揮だ……” ――SUN紙◆“前半の緻密で丹念な描写、事件が大きく動きだしてからの手に汗握る急展開、あっと驚くどんでん返しに、きっと、ページをめくる手が止まらなくなるだろう” ――翻訳者 山本やよい◆13歳の少女を誕生日直前に誘拐し殺害する連続殺人犯、バースデー・ボーイ。惨たらしく拷問した姿を撮影し、誕生日カードにして毎年両親に送るその手口は、英国中を震撼させている。最初の事件から9年、担当刑事のアッシュはある事実を握っていた。それは、犠牲者がもう一人いること。5年前に家出したとされる彼の娘もまた犯人の手に落ちたのを、彼は隠していた――我が手で仇を討つために。 -
獣たちの葬列
CWA賞受賞作家が放つ全英No.1ベストセラー! 衝撃のクライム・サスペンス。 腹部を切り裂き、人形を埋める猟奇殺人鬼“インサイド・マン”。 8年ぶりの凶行を掟破りの元刑事が追う―― 全英No.1 ベストセラー作家 スチュアート・マクブライドへの賛辞 「類い希な才能」タイムズ紙 「巧みな語り口、強烈なキャラクター。そのすべてにそそられ、夢中になる」ガーディアン紙 「必読。最高のストーリーテリング」サン紙 「心をつかんで離さない。圧巻のスリラー」サンデー・ミラー紙 スコットランド東部で、切り裂かれた腹に人形を埋められた遺体が見つかった。 猟奇殺人鬼“インサイド・マン”が、8年ぶりに凶行を再開したのだ。 犯人検挙のため協力を要請されたのは、殺人罪で服役中の元刑事アッシュ。 かつて犯人を逮捕目前まで追いつめたアッシュは、仮釈放を条件に捜査を引き受ける。 だが彼にはある別の計画があり―― 毒をもって毒を制す! CWA受賞作家が放つ、掟破りの警察小説。 -
獣たちの庭園
現代最高のミステリー作家が初めて歴史サスペンスに挑んだ! 1936年、オリンピック開催に沸き立つベルリン。アメリカ選手団にまぎれてニューヨークの殺し屋が潜入する。米国海軍情報部からナチス・ドイツ高官暗殺の使命を帯びたその男は、現地工作員との接触の際に誤って人を殺してしまい、刑事警察(クリポ)から追われる身となる……。リンカーン・ライムシリーズで人気の著者が初めて挑む歴史サスペンスは、懐旧的雰囲気のなか、タフな主人公(ヒーロー)が活躍するという新機軸。もちろんどんでん返しも盛りだくさんの上級エンタテインメントです。CWAイアン・フレミング・スティール・ダガー受賞作。 2005年週刊文春ミステリーベスト10第5位、このミステリーがすごい!第5位。 -
ケルト帝国の秘薬を追え
カッスラー追悼連続刊行第2弾! ダーク・ピット・シリーズ最新作! 各地で起きる水難事故と謎の疫病。その背後で蠢く巨大な陰謀とは? 中央アメリカのエルサルバドルにある発電用ダム周辺の村で、少年たちが次々と謎の死を遂げる。 そんな折、ダムが何者かによって爆破され、さらには国連から派遣された研究者たちのキャンプが襲撃を受け、全滅する。 偶然居合わせたNUMA(国立海中海洋機関)長官ダーク・ピットと相棒のジョルディーノは、事件に巻き込まれることに。 一方、デトロイトの水路では、故意と思われる貨物船によるタンカー衝突事故が発生。 NUMAは沈船引き揚げに協力するが、ダイーが不審な死を遂げて……。 -
ケルトの封印
ヴァチカンのサンピエトロ大聖堂での神父、アフリカ・マリ共和国の難民キャンプでのアメリカ人大学生、アメリカのプリンストン大学での大学教授――三つの大陸で起きた三つの殺人事件には、ある共通点があった。シグマフォースのグレイ・ピアースは、ヴァチカンでの事件でおじが巻き添えになった元恋人レイチェルの依頼でイタリアに飛び、渦巻模様と円環の謎を追う。一方、マリで犠牲になった大学生の父親である上院議員の要請で調査を進めるペインター・クロウは、遺伝子組み換え作物を手がけるノルウェーの企業が事件の裏に存在することを突き止めた。だが、調査を進めるグレイとペインターに、炎と氷の脅威と裏切りの罠が迫る。「ドゥームズデイ・ブックの鍵」を巡り、シグマとギルドとの争奪戦の火ぶたが切って落とされた。全世界で日本でベストセラーの歴史×宗教×科学のハイブリッド・エンターテインメント!!〈シグマフォース〉シリーズ第五弾! -
ケルトの封印【上下合本版】
ヴァチカンのサンピエトロ大聖堂での神父、アフリカ・マリ共和国の難民キャンプでのアメリカ人大学生、アメリカのプリンストン大学での大学教授――三つの大陸で起きた三つの殺人事件には、ある共通点があった。シグマフォースのグレイ・ピアースは、ヴァチカンでの事件でおじが巻き添えになった元恋人レイチェルの依頼でイタリアに飛び、渦巻模様と円環の謎を追う。一方、マリで犠牲になった大学生の父親である上院議員の要請で調査を進めるペインター・クロウは、遺伝子組み換え作物を手がけるノルウェーの企業が事件の裏に存在することを突き止めた。だが、調査を進めるグレイとペインターに、炎と氷の脅威と裏切りの罠が迫る。「ドゥームズデイ・ブックの鍵」を巡り、シグマとギルドとの争奪戦の火ぶたが切って落とされた。全世界で日本でベストセラーの歴史×宗教×科学のハイブリッド・エンターテインメント!!〈シグマフォース〉シリーズ第五弾! ※本電子書籍は「ケルトの封印 上」「ケルトの封印 下」を1冊にまとめた合本版です。 -
検察官の遺言
地下鉄で拘束された張弁護士のスーツケースには江検察官の遺体が入っていた。犯行を認めていた張は法廷で突如無罪を主張して……。 -
剣より強し クリフトン年代記 第5部
ハリー、密命を帯び極寒の地へ。 驚異の新展開! 11カ国で1位の世界絶賛シリーズ。 幻の短編新訳を特別収録! 豪華客船を狙った爆破事件を間一髪のところで切り抜けたハリーは、ソヴィエトの刑務所に強制収容された作家の釈放活動のため、モスクワに渡る。その作家は長年スターリンの専属通訳を務め、その真実の姿を暴露した本を出版したせいで逮捕されていた。一方エマはバリントン海運の経営危機にさらされながら、ヴァージニアに起こされた名誉毀損の裁判に対峙し――。東西冷戦下、激動の第5幕! -
月長石
1868年に出版された本書は、現代ミステリの最初の試みと見なされている。T・S・エリオットは「英国で最初に発表された最も優れたミステリ長編」と書き、ドロシー・セイヤーズは「おそらくこれまでに書かれた最もすばらしいミステリだ」と記した。黄色のダイヤといわれたインドの秘宝「月長石」は、不思議な経緯をへてイギリスへ。ある晩、「月長石」は持ち主ヴェリンダー家から忽然と消失する。同家の依頼を受けたロンドン警視庁のカフ部長刑事は万全な体制で捜査にあたったが、手がかりは乏しい。果たして犯人はどこに? 意外性とサスペンスあふれる展開で読者を飽きさせない不朽の名作。コリンズはディケンズと互いに影響を与えあった。 -
ゲリラ 国家崩壊への三日間
シャルリ・エブド事件やパリ同時多発テロ事件後のフランス。パリ郊外の低所得者層の住む団地で、若者たちに取り囲まれ威嚇された警官が恐怖のあまり発砲、青年が死亡するという事件に発展したことが始まりだった。「警官による移民の虐殺」というマスメディアの報道により、すべてが誇張され、移民たちに共感を寄せる市民たちの警察への抗議、被差別意識を抱いていた者たちの復讐心からの暴力行為、それに乗じるテロリストたちの活動……。激化した暴動やテロ行為はフランス全土に広がり、警察機構も公共サービスも機能しなくなり、すべては混沌のなかに。ミシェル・ウエルベックが「明日の論客」と評価している著者による、今、世界のどこにでも起こり得る国家崩壊の危機を描いた衝撃作。 -
原始の骨
ネアンデルタール人と現生人類の混血を示唆する太古の骨――この大発見の五周年記念行事に参加すべく、 骨の発掘されたジブラルタルを訪れたギデオン。だが、喜ばしい記念行事の影には発掘現場での死亡事故をはじめ、不審な気配が漂っていた。彼自身までもがあわや事故死しかけ、発見に貢献した富豪が自室で焼死するにおよんで、ギデオンはますます疑いを深めるのだが……。一片の骨から先史時代と現代にまたがる謎を解く、スケルトン探偵の名推理。 -
ゲー・ムーランの踊子/三文酒場
未成年シャボーとデルフォスはキャバレー「ゲー・ムーラン」で閉店まで遊び、売上金を盗もうと隠れていた。だが、二人は客の一人が死んでいるのを発見し、泡を食って逃げる。翌日の夕刊は、この男が柳行李詰めの死体として発見されたと報じた。ジャンは思いを寄せる踊子の部屋に行き、そこで昨夜の客が持っていたはずのシガレットケースを見つけて真っ青になる。外に出たジャンは大柄の男につけられていた…。「三文酒場」の舞台はパリとその郊外だ。メグレはサンテ監獄で、死刑が翌日に迫ったジャン・ルノワールという男と面会する。そしてまだ捕まっていない彼の共犯者が、三文酒場なるところの常連であると明かされる。メグレは《三文酒場》を探そうとするが…。 -
恋のスケッチはヴェネツィアで
大伯母の最期の言葉は「ヴェネツィア」だった。遺品のスケッチブックと3本の鍵の謎を解くため、キャロラインは水の都へ向かう。 -
こうしてぼくはスパイになった
1944年2月、ナチス・ドイツの空襲がつづいているロンドン。13歳のバーティは空襲警報を受け、民間防衛隊の伝令係としてはじめての任務のため、街へ飛びだしていった。自転車のかごにのっている相棒は、救助犬のリトル・ルーだ。大あわてで自転車をこいでいたバーティは、女の子にぶつかってふたりとも転んでしまった。女の子が立ち去ったあと、バーティは通りで一冊のノートを拾う。それは秘密諜報員になるための訓練を受けた女性のもので、文章の後半は暗号になっていた。ノートを道に落としていったアメリカ人の少女エレノアに再会したバーティは、ノートを書いたフランス人女性・ヴィオレットが行方不明になったと知る。彼女を探すため、エレノアと探偵志望の友だち・デイヴィッドといっしょに、ノートの暗号の解読に取り組むが……。数々の文学賞に輝いた児童文学作家が贈る、子どもたちの勇気と謎解きを描くミステリ! -
皇帝のかぎ煙草入れ
北仏のある避暑地で、英国人ローズ卿が深夜、秘蔵の煙草入れもろとも頭を打ち砕かれて殺されるという陰惨な事件が起った。いくつかの状況証拠から、殺人容疑は、ローズ家の向いに住み卿の息子と婚約中のイヴにかかった。ところが、事件当夜、彼女は前夫ネッドと窓越しに惨殺現場を見ていたのだ。婚約者の手前、無実の証に前夫を持ち出す訳にもいかないイヴは、抗弁できぬままにいよいよ追い詰められてゆく……綿密な筋書の下に演出された完璧とも思える殺人劇の全貌とは? アリバイ崩しを扱った本格ミステリの名篇として名高い著者の代表作! -
幸福手配師パーカー・パイン
「あなたは幸福ですか? 幸福でないかたは、 パーカー・パイン氏にご相談ください」と新聞に広告を出し、この通りの文句を入れた名刺を持ち歩くパーカー・パイン氏。だがこれは慈善事業ではなく、正真正銘のビジネスなのだ。さまざまな悩みを抱えた人物が訪れる。氏はたちどころに核心をつく質問をして、直ちに処方箋を見つけて提案する。これこれの金額でいついつまでにあなたを幸福にしてあげますと言い切るのである。むろん前金でいただく。だがもし失敗すれば返金しますと申し添える。氏は有能な専属スタッフを使って、直ちに「幸福を手配する」…氏は有能な素人探偵でもある。 -
興奮
〔競馬シリーズ〕最近イギリスの障害レースでは思いがけない大穴が十回以上も続出した。番狂わせを演じた馬には興奮剤投与の形跡が明白であったが、証拠が発見されなかった。そこにはどんなからくりがあるのか? 事件の解明を依頼された牧場経営者ロークは、厩務員に身をやつして、黒い霧の調査に乗り出した! -
凍った夏
12月、イーリーの公営アパートで、デクランという男が肘掛け椅子に座ったまま死んだ。閉所恐怖症の彼は扉を外し、窓を開け放したまま寝たために凍死したらしい。自殺の可能性が高いとされたが、取材に訪れた新聞記者のドライデンは疑問をおぼえる。デクランは金に困っていたが、部屋のコイン式電気メーターには硬貨がたっぷり補充されていた。自殺する人間がそんな行動をとるだろうか? 小さな謎は思いもかけない真相の手がかりだった。ドライデンの丹念な調査と明晰な推理によって少しずつ解かれていく人々の秘密。端正な英国本格ミステリ。/解説=若林踏 -
凍った街
最初は麻薬の売人、次はダンサー。同じ拳銃で射殺された二人の間にはどんなつながりが? さらに刑事たちを混乱させるかのように、今度はポケットにダイヤを詰め込んだ宝石商が同じ凶器で殺された! 寒波とともに街を震え上がらせた連続殺人に、人間味溢れる刑事たちの姿を絡めて描く大作。 -
氷の家
フレッド・フィリプスが走っている……その言葉は八月の静かな午後、さながら牧師のお茶会で誰かが発したおならのように鳴りひびいた。庭師を周章狼狽させたのは、邸の氷室に鎮座していた無惨な死骸――性別は男。だが、胴体を何ものかに食い荒らされたその死骸は、人々の嘔吐を誘うばかりで、いっこうに素姓を明示しようとしない。はたして彼は何者なのか? 迷走する推理と精妙な人物造形が読む者を八幡の藪知らずに彷徨わせ、伝統的な探偵小説に織りこまれた洞察の数々が清冽な感動を呼ぶ。新しい古典と言うにふさわしい、まさに斬新な物語。英国推理作家協会最優秀新人賞受賞作!/解説=巽昌章 -
氷の天使
キャシー・マロリー。ニューヨーク市警巡査部長。主にコンピュータ・ハッキングで発揮される天才的な頭脳と、張り込みや尾行ができないほどの鮮烈な美貌の持ち主。盗みと逃走に明け暮れ、孤独を友とした幼年時代ゆえに心に深い傷を持ち、感情を他人に見せることはない。彼女には善も悪もない。あるのは目的の遂行だけ。里親である刑事マーコヴィッツが捜査中に殺され、勝手に捜査を引き継いだ彼女は、裕福な老婦人ばかりを狙う連続殺人鬼を追いはじめる。怪しい霊媒、大魔術師の未亡人、自閉的なチェスの天才児……奇矯な人物の絡み合いに隠された真実は? ミステリ史上最もクールなヒロインの活躍を描くシリーズ第1弾!/解説=豊崎由美 -
氷の眠り
アラスカの氷河で発見された一片の人骨から、意外な事実が判明した。三十年前に遭難したとされていた調査隊員は、実は殺されていたのだ。ギデオンはFBI捜査官のジョン・ロウとともに事件の再調査を開始するが、その直後に新たな殺人が……厳寒の地で深まっていく謎にスケルトン探偵が挑む人気シリーズ第五弾 -
氷の闇を越えて〔新版〕
元警官の私立探偵マクナイトの身辺で起きた連続殺人は、彼自身の過去に関わっているのか? アメリカ探偵作家クラブ賞、アメリカ私立探偵作家クラブ賞を受賞するなど高く評価された、著者の記念すべきデビュー作。 -
黒衣の花嫁
ジュリーと呼ばれた女は、見送りの友人にシカゴへ行くと言いながら、途中で列車をおりてニューヨークへ舞い戻った。そして、ホテルに着くと自分の持ち物からイニシャルをすべて消していった。ジュリーはこの世から姿を消し、新しい女が生まれたのだ……やがて、彼女はつぎつぎと五人の男の花嫁となった――結婚式も挙げぬうちに喪服に身を包む冷酷な殺人鬼、黒衣の花嫁に。巨匠ウールリッチの黒のシリーズ劈頭を飾る名作。 -
国王陛下の新人スパイ
ベルリンのレジスタンスグループに無線機の部品を運び、ナチス高官の自宅に盗聴器を取りつけよ――。第二次世界大戦が勃発して約2年。チャーチル英国首相のタイピストから、エリザベス王女の警備役を経て、ついにスパイとしてベルリンへ送り込まれることとなったわたし、マギー・ホープ。そこで待ち受けていたのは、予想をはるかに上回る困難、そしてわたし自身の過去の問題だった――。読み手の予想を大胆に裏切り続ける、大展開に次ぐ大展開のストーリー! 赤毛の才媛マギーの活躍を描く、読み出したら止まらない、大好評シリーズ第3弾!/解説=大矢博子 -
古書店主
セーヌ河岸の古書店主が次々と消えていく。謎とたくらみに満ちた極上の小説 露天の古書店が並ぶパリのセーヌ河岸。そこでアメリカ大使館の外交保安部長ヒューゴーは、年配の店主マックスから古書を二冊買った。だが悪漢がマックスを船で連れ去ってしまう。ヒューゴーは警察に通報するが、担当の刑事は消極的だった。やむなく彼は調査を始め、マックスがナチ・ハンターだったことを知る。さらに別の古書店主たちにも次々と異変が起き、やがて驚愕の事実が! 有名な作品の古書を絡めて描く極上の小説。 -
古書の来歴
伝説の古書『サラエボ・ハガダー』が発見された――深夜のその電話が、数世紀を遡る謎解きの始まりだった。容赦ない焚書と戦火の時代にありながら、この本は誰に読まれ、守られ、現代まで生き延びてきたのか? 調査を依頼された古書鑑定家のハンナは、ページに挟まった蝶の羽や、羊皮紙に染み込んだワインの一滴を手がかりとして、美しい古書の歩んできた歴史をひも解いてゆく。その旅路には、激動の世を懸命に生きる人々の姿があった――科学調査に基づく謎解きの妙と、哀惜に満ちた人間ドラマが絡み合う、第2回翻訳ミステリー大賞受賞作!/解説=千街晶之 -
湖中の女
湖面に浮かび上がってきたのは、目もなく口もなく、ただ灰色のかたまりと化した女の死体だった--マーロウは一カ月前に姿を消した化粧品会社社長の妻の行方を追っていた。メキシコで結婚するとの電報があったが、情夫は否定した。そこで湖の別荘へやってきたのだが……独得の抒情と乾いた文体で描く異色大作。
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