トーマス・クヌーヴェアの作品一覧

「トーマス・クヌーヴェア」の「グデリアの死んだ家」ほか、ユーザーレビューをお届けします!

作品一覧

  • グデリアの死んだ家

    グデリアの死んだ家

    小説・文芸

    3.8
    1巻1,300円 (税込)
    二〇二四年六月、ドイツ全土を襲った暴風雨が、ウンターリンゲンの村に洪水となって押し寄せた。村人がこぞって避難する中、ひとり暮らしの自宅から出るのをかたくなに拒む八十一歳の老婦人グデリアは、深夜に見知らぬ男女の死体が家の前を流れ去るのを目撃する。四十年前、愛息のニコを喪って以来人が変わり、我が家に固執するようになったグデリア。小さな村に甚大な被害をもたらした洪水が引いたあと、孤独な老婦人を待ち受けていたものは……? 著者の実質的デビュー作にして、ミステリ文学賞二冠&ドイツ推理作家協会賞候補の衝撃作登場!

ユーザーレビュー

  • グデリアの死んだ家

    Posted by ブクログ

    重く苦しく、心に語りかけてくる本だった。
    アルコール依存の夫との日々。息子の死の真相と、その後の彼女の行い。むくい。どうにもやるせない気持ちになった。
    子豚のシュテファヌスに安らぎをおぼえたけれど、彼さえもどこかへ行ってしまった。

    0
    2026年10月03日
  • グデリアの死んだ家

    Posted by ブクログ

     冒頭から、81歳の老女グデリアが土の上に横たわり、追想している。現代において、どうしたらこんな状況になるというのか。不可解さ全開で始まる。しかし読み進めるうちに、ドイツ版『熟柿』ともいうべき、救いのない世界が広がっていく。
     グデリアは、それまで親子3人、仲睦まじく暮らしていた。ところが、突如ひとり息子を失い、その喪失のあまり、人生が大きく狂いはじめる。
     物語は、グデリアが81歳である2024年、息子を失うこととなった1984年、そして人生を見失っていく1998年が行き交い、読み進めるほどに絡まった糸が徐々に解けていく。だが、真相が明らかになればなるほど、事態は悪化していく。
     時代が交錯するからこそ、「グデリア、どこで間違えた? これ以外の選択肢はなかったの?」と、何度も問いかけたくなる。
     終盤、冒頭のグデリアが横たわる場面につながったときには、胸が締め付けられる思いがした。そして、不器用で頑ななグデリアには、こういう選択をするしかなかったのだろうなと、どこか納得してしまった。

    0
    2026年08月15日
  • グデリアの死んだ家

    Posted by ブクログ


    2024年6月、ウンターリンゲンの村に洪水が押し寄せる
    村人が必死に避難するなか、81歳のグデリアはただ一人家に残り、窓からその様子を見ている
    上流から流されてくる車や家畜…
    さらには男女の死体を…
    なぜ彼女は避難しようとせず、家に固執するのか?
    彼女は何を隠しているのか?

    ・洪水の起きた2024年
    ・彼女の息子が殺された1984年
    ・息子の死により深刻化していく夫との関係が語られる1998年

    この三つの時代をグデリア視点で行き来しながら、やがて彼女の秘密と罪が明かされていく
    中盤辺りでそれは想像はつくのだが、そもそも警察官の捜査や探偵の調査を描いている訳ではない
    あるのはグデリア、彼女自身!
    これはグデリアの物語なのだ
    女として妻として、そして母として異常なまでの強い意志
    しかし大洪水は、彼女が40年間守り続けた秘密と罪を容赦なく暴いていく
    罪は浮かびあがり、そしてまた次へと繋がれていく…

    自然災害の恐怖と人間の業が重なり合う見事な作品でした

    0
    2026年09月26日
  • グデリアの死んだ家

    Posted by ブクログ

    ひたすら重い話だけれど、グデリアがいったい何を隠しているのか気になってどんどんページが進む。

    洪水の生々しさ、湿気、酷い匂いが私にまで感じられるほどなのに何故、彼女は執拗に家に留まることにこだわるのか。
    81歳の、妄執ともいうべきこだわりの強さに驚くと同時に哀れみを感じた。

    0
    2026年09月07日
  • グデリアの死んだ家

    Posted by ブクログ

    グデリアに何が起きたのかが三つの年を視点として語られて行く。
    洪水の中でも家に留まるグデリア。息子を亡くしたグデリア。夫との関係が完全に壊れてしまったグデリア。
    異常さはあるものの、自分の目的の為には手段を選ばないグデリアに次第に肩入れしたくなってくる。どんなことが起きても乗り越えるという強い意志に惹きつけられる。
    正義では全くないが、ひたすらに突き進む様子は先日読んだ「暗黒の瞬間」にも通ずる気がする。
    自分の中のドイツ作品の見方が少し変わってきたと思う。

    0
    2026年09月02日

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