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発展を続けるニューヨークに孤絶して建つ、古色蒼然たるグリーン屋敷(マンション)。そこに暮らす名門グリーン一族を惨劇が襲った。ある雪の夜、一族の長女が射殺され、三女が銃創を負った状態で発見されたのだ。物取りの犯行とも思われたが、事件はそれにとどまらなかった――。姿なき殺人者は、怒りと恨みが渦巻くグリーン一族を皆殺しにしようとしているのか? 不可解な謎が横溢するこの難事件に、さしもの探偵ファイロ・ヴァンスの推理も行き詰まり……。鬼気迫るストーリーと尋常ならざる真相で、『僧正殺人事件』と並び称される不朽の名作が、新訳で登場。
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Posted by ブクログ
古典海外ミステリーにハマった最初の作品。
旧訳は持っているけど、新訳も読み比べのために一緒に本棚へ。
11.12月が設定時期なので、ホリデーシーズンの前に読めるとよりうきうきする。
改めて読み返すと、裏の主人公は「グリーン家の館」そのものであると言える。ヴァンスも繰り返し言っているように、空間自体と流れている空気、堆積した想いや感情が人に作用して事件を起こしていくかのよう。
雪の降り積もる静かな夜の館、誰も立ち入れない開かずの間、車で駆けるニューヨークの街並み。
印象的な場面が多く、浮世離れした登場人物も相まって、100年前の時代の空気を感じられるのが楽しい。
トリックの妙を追求するのとはまた違う、物語の世界を享受する方向での魅力を再確認した。
新訳も最初は人物名の変更に困惑したけれど、するする読み易くて良かった。
読み終えるとエラリークイーンの「Yの悲劇」が読みたくなるまでがセット、解説でそちらも言及されているのを見て嬉しかったです。
Posted by ブクログ
ニューヨークの一角に建つ旧世代の名残のようなグリーン屋敷で起きた連続殺人事件を探偵役のファイロ・ヴァンスが解き明かす。
消えた犯人、消えた凶器、怪しい足跡、限られた関係者、過去の出来事から現代の事件へのつながり、隠し部屋、古い名門に隠された内情…。
由緒正しい探偵小説だあ(^○^)
探偵役のファイロ・ヴァンスは貴族階級で、著者であるヴァン・ダインがファイロ・ヴァンスの学友で法律代理人で探偵記録者となっています。
警察ものだと情報を共有して容疑者逮捕を急ぎますが、素人探偵ものだと「今は言えない」が通じるので小説として盛り上がりを作れますね・笑
グリーン家屋敷は三世代前に作られ、前当主のトバイハスは膨大な財産をなしたがかなり悪どい事をしたという噂がある。13年前に遺言で「家族はこの先25年はこの屋敷を維持すること。家を出たら財産相続権を失う」と残しているためグリーン家家族はお互いを嫌い合いながらも屋敷から出られない。
屋敷に住むのは、未亡人で下半身不随のミセス・グリーン、実子として息子と娘が二人ずつ、養女(ほぼ未亡人の看護人)が一人。執事、料理人、メイドたち。そして事件の関係者にはよく出入りする主治医が追加される。
このグリーン家で連続殺人が起きます。
お屋敷内での連続事件なんだから通常だったら家を離れればいいのですが、グリーン家は「遺産相続権を失う。家族はお互い嫌い合っていて助け合わない」ということで殺人現場から出られない納得の理由になっているわけですね。
さらにこのグリーン家の人々の異常性もあります。みんなそれぞれが高慢だったり攻撃的だったりして嫌な奴。家族が殺されても「そんなことで騒がしくなって迷惑」くらいの反応のため、連続殺人が起きても読者としても「この人たちじゃなあ…」という気持ちに(^_^;)
推理小説としてもまさに読者に正しく情報を提示してきて実にフェアだ・笑
由緒正しい探偵小説は頭の切り替えとか頭の休憩になって楽しいです(^^)
Posted by ブクログ
『十角館の殺人』登場人物フェア開催中(※1人で勝手にやってます)
アガサ→ポウ→カー→エラリイに続いて、5人目ヴァン・ダイン初読み。
ニューヨークに孤絶して建つグリーン屋敷。
名門グリーン一族に次々と惨劇が起こる…
『十角館』フェアをやるくらいなんで、何しろ「館」が大好きな自分には大当たり!!
綾辻行人さんの館シリーズを読んでいる時と同じドキドキ感でめちゃくちゃ面白い。
グリーン屋敷の見取り図も部屋の平面図もあって、館好きはテンションが上がる。
この家族は互いに憎み合っていて、誰が犯人でもおかしくない。
閉鎖的空間でみんなが疑心暗鬼になるこの感じがもう大好きな展開。
アマチュア探偵のヴァンスは、他の名探偵と違って自信家でもないし、早い段階で犯人を当てるような洞察力もない。
個性もあまりない探偵だけど、だからこそ探偵と読者が同じ目線で一緒に犯人探しができて楽しかった。
作者ごとに様々なタイプの探偵がいて、それぞれ良さがあるなぁ。
海を渡って100年近く多くの人に読まれている不朽の名作は、どれを読んでも超絶面白い。
そして新訳版だからとても読みやすい!!
海外古典ミステリーはもっと難しいものだと思っていて、こんなに面白いとは知らず、恥ずかしながら若い頃に全く読んでこなかった。
そんな私に海外古典ミステリーへの入口をつくってくれた『十角館』が与えてくれた影響は本当に大きい。
遅くなったけど読みはじめて本当に良かった。
解説によると、この作品とエラリー・クイーンの『Yの悲劇』は、〈閉鎖的空間の連続殺人〉などが共通しているとのこと。
クイーンの違うシリーズに進もうと思ってたのに、『Yの悲劇』も読みたくなってしまった。
『僧正殺人事件』も『火刑法廷』 も国名シリーズも読みたいし、フェアはまだまだ続きそう♪
Posted by ブクログ
初ヴァン・ダイン。
他の方も仰ってますが、読者にとてもフェアな本格ミステリーだと思いました。
勝手なイメージでしたが、ヴァンの作品なら叙述トリックではなかろうと思って読めたから犯人は絞りやすかったかなと。
ただ、被害者が増えていくにつれ自動的に容疑者が限られてくるので後半になればなるほど犯人は見えやすい。
ミステリーにおいて、ありとあらゆるトリックが使われてきた現代において他の手法はもうない、と言われていますが、これは今読んだとしても楽しめる作品で凄いなと思いました。
ミスリードに導く手法がさすが…。
ヴァンスの講釈だったり、注釈が入ったりと初めはとっつきにくさを感じましたが、読むに連れ慣れていきました。
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