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ぬひんさまの塔
成功の象徴として都心のタワマンに住むことに憧れていた独身30歳の清那。格安でヴィンテージタワマンの低層階を購入し入居するがマンションの総会に出席すると、理事は高層階住人のみで、管理組合規約にない奇妙なルールの遵守を言い渡される。リフォーム禁止、来客禁止、勝手な売買禁止などに加えて、聞いたことのない神を祀った祠の管理まで。とんでもない物件を買ってしまったと後悔する彼女だが、しだいにマンションでは夜中に下駄の音が廊下に響き渡り、さらには〈何か〉につけられている気配が――。「今、自分は本物の〈因習〉が生まれる瞬間に立ち会っているのかもしれない。都心のタワーマンションの中で」 -
小説
我々は、なぜ小説を読むのか。 五歳で読んだ『走れメロス』をきっかけに、内海集司の人生は小説にささげられることになった。 複雑な人間の昇華体であり、人の心を掴んで離さない、人の心が作り出した物語の結晶。 そこには望むもののすべてがあった。 十二歳になると、内海集司は小説の魅力を共有できる生涯の友・外崎真と出会う。二人は小説家が住んでいるというモジャ屋敷に潜り込む。 そこでは好きなだけ本を読んでいても怒られることはなく、小説家・髭先生は二人の小説世界をさらに豊かにしていく。 しかし、その屋敷にはある秘密があった。 小説を書くことで失われる世界の均衡、読むことで広がる無限の心。 宇宙最高の愉悦のすべてが、今明らかになる。 -
飽くなき地景
土地開発と不動産事業で成り上がった昭和の旧華族、烏丸家。その嫡男として生まれた治道は、多数のビルを建て、東京の景観を変えていく家業に興味が持てず、祖父の誠一郎が所有する宝刀、一族の守り神でもある粟田口久国の「無銘」の美しさに幼いころから魅せられていた。家に伝わる宝を守り、文化に関わる仕事をしたいと志す治道だったが、祖父の死後、事業を推し進める父・道隆により、「無銘」が渋谷を根城にする愚連隊の手に渡ってしまう。治道は刀を取り戻すため、ある無謀な計画を実行に移すのだが……。やがて、オリンピック、高度経済成長と時代が進み、東京の景色が変貌するなか、その裏側で「無銘」にまつわる事件が巻き起こる。刀に隠された一族の秘密と愛憎を描く美と血のノワール。 -
飄々と堂々と 田上明自伝
語らなかった男が今こそ明かす「四天王プロレス」「ノア」の真実! “ダイナミックT” 田上明がプロレス人生を語り尽くす初の自伝本登場。 -
ケースで学ぶ議会・議員対応のきほん
自治体の管理職の多くは、異口同音にこう言います。「議会がなければ、私の役所生活のストレスはもっと少なくて済んだはずだ」と。 市民要望に応え、地域の課題を解決する政策を実現していくためには、議会・議員対応は必ず乗り越えていかなくてはならない壁。 そのため、これまでに多くの解説書が刊行され、議会答弁をうまく行うための手引き書は世にあふれています。 しかし、よい答弁の書き方がわかったところで、議会対応が円滑に進められるわけではないというのが実態であり、自治体職員の悩みではないでしょうか。 本書は、編著者が体験した数々の実例を基に(そのままでは差しさわりのあるものについては内容を調整しながら)、議会・議員対応をどのように進めていくべきかを示す実務書です。 議会・議員対応をつつがなく執り行うためには、議員とはどのような存在か知っておかなくてはなりません。 また、首長がどのような人物かによって政策実現への道のりも変わってくるため、その理解も必要となります。 そこで、本書はまず議員による議会・議員の基礎知識の解説や、議員や首長のタイプ別分析を行います。 次いで、多様な実例を基に議会・議員対応の手法を示していき、それを様々な視点で解説します。 読者は、部長・課長・係長・係として、担当する政策を実現するために、どのように庁内で議論を重ね、議会・議員対応の現場でやりくり・工夫していくかを追体験し、その手法を身につけることになります。 自治体ごとに異なる議会質問答弁の「作法」と答弁調整の実態が、アンケートで明らかにされるのも関心を誘うでしょう。 一方で、本書は、単に議会・議員対応の手法を学ぶだけのものではありません。 議会・議員対応に視点を置き、職員がその時々でどのように職務を進めていくべきかを論じながら、職員の意識改革、市民との関係づくりを含めて政策形成や行政運営改革のエッセンスを明らかにしていくのです。 -
甦る昭和脇役名画館
東映ヤクザ映画、日活ロマンポルノ、新東宝怪奇映画……、3000本以上のプログラム・ピクチャーから厳選36本! あの懐かしの個性派俳優たちが帰って来た! ◎プログラム・ピクチャーにおいては、主役は代われど、脇役陣は常に同じである。一例をあげると、悪親分役の脇役は、多少のバリエーションを伴いつつ、ほとんど同じ役を演じ続ける。その結果、劇中の様々なキャラクターが俳優その人のパーソナリティーに重なって、一種独特の人格が形成されることになる。 ◎それはいってみれば、モンタージュ写真のようなもので、劇中のそれぞれのキャラクターとも、俳優の素顔とも異なる第三の人格である。 ◎私は、脇役特有のこの第三人格の形成にとりわけ興味をもった。というのも、これこそは、映画の製作側と受容者側とのコラボレーションによって初めて生まれる、文字通りのインタラクティブ(相互干渉)芸術にほかならないからである。――<「開館の辞」より> -
霧のむこうのふしぎな町 地下室からのふしぎな旅 天井うらのふしぎな友だち 復刻合本版
大切に持っていたい、そして、大切な人に贈りたい特別な1冊です。根強い人気のタケカワこう氏の挿絵を再録した、柏葉幸子「ふしぎな」物語3部作の愛蔵版です。●「霧のむこうのふしぎな町」夏休み、電車をのりつぎ一人旅に出たリナ。おとうさんのいった「霧の谷」はどこ? 森の中で泣きそうになっていると、霧の中から風変わりなかわいい町があらわれて--。めちゃくちゃ通りに住んでいる、へんてこりんでやさしい人たちと、リナのひと夏の物語。映画『千と千尋の神隠し』にも影響を与えた物語。はじめてのファンタジーにもおすすめ。●「地下室からのふしぎな旅」アカネが薬をもらいにきたチィおばさんの薬局の地下室に、ふしぎなお客さんが。「木の芽時の国」の錬金術師だというその人につれられて、アカネとチィおばさんは、となりの世界へーー。さあ、ふしぎな旅のはじまりです! 映画『バースデー・ワンダーランド』原作。●「天井うらのふしぎな友だち」紅と了が引っ越してきたのは、日だまり村の古い大きな家。その夜、二人はふしぎな四人組に出会います。メリィさんとゴフジョとジュピとユリアンは、自分たちの部屋を作って、勝手に住みついてしまいーー。<小学中級から すべての漢字にふりがなつき> -
ほんのかすかな光でも
『ショウコの微笑』『わたしに無害なひと』などで人気を博し、数々の賞を受賞してきた実力派作家の最新短編集! 手をのばし、すれ違う、 二人に差しこむひとすじの光。 人間関係の感情の機微を卓抜した力で描くチェ・ウニョン。 〈書くこと〉を使命とする強い意志。問い直される女性への差別。 【収録作】 大学で研究者を目指す私と女性講師を描く、表題作/基地村での女性殺害問題と校内誌編集部を描く、「役割」/雇用形態の異なる二人の車中での会話を描いた、「一年」/DV問題を扱った、「返信」/「夫と妻と子ども」という「一般家族」を超えた繋がりを描く、「種まき」「伯母さんへ」「消える、消えない」 2018年から2023年までに書かれた中短編全7編。 -
神田神保町書肆街考
世界に冠たる古書店街「神田神保町」はいかにして出来上がったか。幕末から現代にまで至る一世紀半余、そこに蝟集した書店、出版社、取次、大学、語学学校、専門学校、予備校、映画館etc.の栄枯盛衰をさまざまな記憶と記録を召喚して描き出し、日本近代を育んだ“特異点”の全貌を明らかにした大著が、未来の“本の街”への扉を開く「文庫版あとがき」を増補して遂に文庫化! -
不平等と再分配の経済学――格差縮小に向けた財政政策
『21世紀の資本』の原点―― ピケティ経済学の核心が早くも示されたロングセラー 「『21世紀の資本』に関する大きなアイデアとキーとなるテーマが、この書物にすでに指示されていたのである」(アイリッシュ・タイムズ紙書評より) 本書の最大の目的は、経済的不平等の根本問題は何であり、それを解消するにはどうすればよいかという点に関する理論的な分析枠組を提示することにある。(「訳者解題」より) 大著『21世紀の資本』で世界的なブームを巻き起こしたピケティが、不平等にかんする経済理論の骨格を簡潔にまとめた書。経済的不平等の原因を資本と労働の関係から理論的に分析するとともに、その解消のために最も重要な方法として、租税と資金移転による財政的再分配の役割を説く。 『21世紀の資本』では論じられていない人的資本や教育の問題も分析しており、併せて読まれるべき書である。大学生や専門家を中心ターゲットとした教養新書・Reperesシリーズの一冊として刊行され、この20余年のうちに版を重ねている。 原著: Thomas Piketty, L'économie des inégalités(Le Decouverte社、1997年第1版→2015年第7版を翻訳) -
are you listening? アー・ユー・リスニング
家出してあてもなく彷徨っていた少女ビーは、親戚の家へと向かう途中の自動車修理工 ルーに出会う。偶然みつけた迷子の子猫も加わり〈ウエスト〉という町を目指し一緒に旅することになった二人。しかしそこに奇妙な出来事が次々と起こりはじめ、謎の男たちに追われることに。それぞれにトラウマを抱えながら独り苦しんできたビーとルー。お互いの痛みを知った二人は、寄り添いながら、辛い過去そして自分自身と向き合っていく。 -
文系でも仕事に使える データ分析はじめの一歩
データ分析と統計学のジャンルで、一番やさしい本を書きました。 ★仕事において、「データ分析」の重要性は飛躍的に高まっています。といっても、その手法は実にさまざま。データの選び方や見方、データ間の相関関係・因果関係の見極め方など、アプローチ次第で、結論は大きく変わります。 ★本書は、「データ分析」の基本がサクッと身につく入門書。全編にわたって、データ分析で成功した事例・失敗した事例をたくさん用意しました。それらをじっくり読みながら、データ分析で一番大切な、「ファクト(事実)をとらえて次の一手を打つ」着眼点の見つけ方を学んでください。 ★ちなみに、本書でおススメするデータ分析のプロセスは、とてもシンプル。 ①まず「アバウト」に予測する ②俗説による「バイアス」を消し去る ③「見える化」して比べる ④「相関関係」や「因果関係」を見つけ出す もちろん、すべてのデータ分析にこのパターンが当てはまるわけではありませんが、最短で最適解を導く道筋の一つとして、ぜひ参考にしてください。 ★タイトルに<文系でも仕事に使える>とあるように、本書は専門的な部分には立ち入らず、むずかしい数式は極力使わないように配慮しました。 ★一方で、データ分析を「見える化」するためのグラフの技術や、データの関連性をもとにして次の一手を考える際に必要な統計学の知識についても、文系にもわかるレベルで解説しています。 -
大泥棒
元警察庁長官・國松孝次氏推薦!「もうこんな本は2冊と出ない」―― 闇夜を駆け、密かに忍び込み、大金をせしめて逃げる。「賊」とは、日本がまだ江戸と呼ばれた次代の暗闇を蝙蝠のごとく飛翔した大泥棒であり、いまはもう小説やテレビの中でしか存在しえない滅亡した人物たちだと思われてきた。自らを「賊」と呼び、「泥棒」「こそ泥」とは一線を画し、孤高の自尊心と賊として生涯を終える固い信念を抱き、江戸時代から伝承された技を磨き続けた賊が昭和から平成の時代にも実在していた。 自らを「賊」と呼び、ベテランの警察関係者からは「最後の賊ではないか」といわれ、「首相官邸でもやっただろう」とされる実在した伝説の大泥棒が、1988年から1993年の6年間の獄中で書き遺し、自ら「賊」とサインした6冊の「獄中日記」があった。 日記を譲り受けた犯罪学の権威がもう1人の大泥棒とともに読み解いた、「犯罪行動生態学」の研究にして「日本の裏の文化史」。誰も真摯に書き留めようとはしなかった、裏の世界に生きた者たちから表の世界に住む私たちへのメッセージ集。 -
月曜のこない部屋
もう消えたい。 でも出たい。 就職難・8050・家族クライシス 孤独と焦りを抱え続ける146万人のひきこもり。 ひきこもり支援施設RS(リアルステップ)で 交錯する、家族の闇と再生の物語。 ベストセラー『看守の流儀』の著者が、 家庭の内側に迫る社会派ドラマ! 【著者からのコメント】 「ひきこもりが長く続く原因は家族にある」 ひきこもりの取材と膨大な資料から 何度も感じたことです。 「ひきこもりというのは、 ひきこもる当人だけをいうのでなく その家族も含む」 「家族の心も当人と同じように ひきこもっているのではないか」 いろいろな方の話を聞いてそう感じました。 本人と家族をがんじがらめにしつづける 固定化した関係とは、 いったいどういうものなのか? これを溶かして、もう一度時間を動かすには、 どうしたらいいのか? 希望の物語だからこそ、きれいごとを抜きにして、 あえてザラザラした世界を描きました。 そうでなければ、現状を変える本当のヒントは 見えてこないと思ったから。 この物語が「出口のない穴でもがいている人々」の 何かのきっかけになってくれたらと 心から願っています。 【あらすじ】 ひきこもり支援施設「リアルステップ」で 働く矢島宇宙は、新人の栗本日菜子とともに、 依頼された家を訪ね、当事者を説得し、 社会復帰への道を探る仕事をしている。 ある日、疲れ果てた様子の女性が 施設を訪れる。 総合病院に勤めていた息子・敦司が、 5年前からひきこもっていて、 母親の服を切り刻む行動まで始まったという。 矢島は手紙や電話で敦司との接触を試みるが、 応答はない。 栗本とともに自宅を訪ねると――。 プロローグ 第一話 即興役者 第二話 ロスジェネの落武者 第三話 どこまでも王子 第四話 生き埋め二十年 エピローグ -
無音 忌み語を紡ぐ町
那月がD県十櫃町に帰ってくるのは、14年ぶりのことだった。電車から降りた瞬間、背がひやりとした。この町には忌み語が多い。たがい違い、アカンボ、くっつく・・・・・・そしてタカシマサキ。那月が中学時代の同級生の名、鷹島咲も忌み語のひとつだった。彼女の死を皮切りに原因不明の自殺が続いた事実と、その葬儀で聞いたおかしな声を今でも忘れられない。「ひーい」・・・・・・この世のものとは思えない、その声を。いちばんの気がかりは再婚相手の名字になり、娘の名前が「タカシマサキ」になったことだ。忌み語なんて迷信。そう思おうとしても、あの声が今でも聞こえてくる。「ひーい」・・・・・・。 娘の異様な言動が増え、いつしか笑顔が消えた。夫の不在、母の呪詛、元夫のモラハラの記憶、どんどん大きくなるお腹・・・・・・この町は私を追い詰める。「ひーい」・・・・・・。 呪いは、暴走する――。 【著者プロフィール】 櫛木理宇(くしき・りう) 1972年新潟県生まれ。2012年『ホーンテッド・キャンパス』で第19回日本ホラー小説大賞・読者賞を、 同年、『赤と白』で第25回小説すばる新人賞を受賞しデビュー。他の著作に依存症シリーズ、『死刑にいたる病』『氷の致死量』『虜囚の犬』『鵜頭川村事件』『少年籠城』『死蝋の匣』『ふたり腐れ』『七月の鋭利な破片』『鬼門の村』『氷河期のゴミ』など多数。 -
愛する男
いつしか孤独を抱きしめていた―― 誰にも知られず、思い出されることもない。 真に孤独なそのひとは、けれども愛を知っていた。 「俺が好きになった人は、みんな死ぬんじゃないか」 数奇な運命を背負った青年が絶望の果てに見出した、究極の「愛」とは。 魂をゆさぶる衝撃作! そのひとの孤独を、誰も知らない。 愛らしい顔立ちの赤ん坊は、生まれてすぐに母を喪った。立て続けに祖父母を亡くし、父も死んだ。養護施設で育ったその少年・中川宙希は、聡明な友人や心優しい大人たちに囲まれ、愛情を注がれ、大きくなる。だがひとたび宙希が好意を抱くと、彼らは死んでしまうのだった。 やがて愛することを恐れるようになる宙希。それでも数々の出会いが宙希に訪れ、その愛はただならぬ気配を帯びていく――。 -
営繕かるかや怪異譚
「家に興味がない、ということは、自分を守ってくれる場所に興味がない、必要ない、ということと同義です」建物にまつわる超自然的な現象を解決するため、営繕屋・尾端は死者に想いを巡らせ、彼らを鎮めるための方法を導き出す。恐怖と郷愁を精緻に描く、建築怪談シリーズ第4弾!単身者用の集合住宅に住む拓史は、工事現場でスマホを見つける。呼び出しに応じると、雑音に交じり男の声が。以来、耳障りな雑音が聞こえ、人影を見るように。(「忍びよる」)文美は上司から覚えのない嫌がらせを受ける。家では「内神様」が祀られ、亡き祖母と文美だけが暗がりに蹲る黒い「猿」を視ていた。やがて猿は職場にも現れる。(「迦陵頻伽」)仲川はギャラリー用に幽霊屋敷と呼ばれる廃屋を買う。リフォームを依頼された稲葉が、柱に打ち付けられた藁人形を大量に発見すると、仲川は人形を残そうとする。(「鉄輪」)他、全6篇を収録。 -
LOVE 30
木原音瀬作家生活30周年記念――。 深く記憶と心に刻まれる木原音瀬の幻の雑誌掲載作品「青春狂走曲。」をはじめ、未書籍化の作品を厳選し収録した珠玉の作品集。 それぞれ各作品ごとに単行本書き下ろし小説を収録、全3巻構成の第3巻。 大人気豪華漫画家陣が、卓越した文章力と確固たる作家性が生み出す 木原ワールドをイラストで描く。 【期間限定特典 2026年4月17日~2027年4月16日まで】 3冊購入してパスワードを集めると書き下ろし小説が読める★ 「HUG 30」「KISS 30」「LOVE 30」3巻購入特典「木原音瀬作家生活30周年記念書き下ろし小説」 ※紙書籍と電子書籍の特典は同じです。 -
日本人が移民だったころ
音楽家であり文筆家の著者が、 植民地パラオに渡った移民たちの「戦後」をたどる、 聞き書きルポルタージュの決定版! 日本はかつて国策として移民を推奨する「移民送り出し国」だった。 そして戦後、日本に戻ってきた移民たちのなかには、故郷に居場所がなく、荒地の開拓を強いられたり、再び南米などに再移住を余儀なくされる者も多かった。 札幌、沖縄、パラグアイ。移民たちが戦後にたどり着いた場所を著者が自らの足で訪ね、それぞれの家族の激動の旅路を追う。 【本文より】 “現在ニュースで語られる「移民」は、一番にアジアやアフリカ、中東などから日本へやってくる人々がイメージされ、日本社会への移民受け入れの是非をめぐる意見や、いかに共生が可能か、といった議論が交わされている。時に無知や差別意識に満ちた意見もみられるが、こうした日本人の「移民」イメージをのぞいてみると、移民はどこまでも「他者」であり、まるで日本人は移民になることなどないような錯覚にとらわれる。しかし、明治から戦後のある時期まで、日本は確かに国策として移民を推奨する「移民送り出し国」であった。” 【目次】 まえがき 父のいない戦後 札幌・平尾富士子さん 台風と格闘した開拓 種子島・中川博司さん 遊水地に拓いた未来 我孫子・玉根康徳さん PTSDを呼び起こされる戦後 那覇・上原和彦さん 死亡も補償も認められない 一六歳の兄の戦死 那覇・阿良光雄さん 靖国に祀られた母 札幌・野村武さん パラグアイからアルゼンチンへ 埼玉・鈴木光さん 除草剤入らなかったらつぶれてた パラグアイ・フラム 溝際孝市さん 二つの大和村を生きた夫 パラグアイ・エンカルナシオン 中村博子さん 移民の子が大使になった パラグアイ・フラム イサオ・タオカさん あとがき -
多類婚姻譚
一緒に生きる。わかりあえないあなたと。 一番近くにいる他人-こいびと-。どうして結婚はこんなに難しくなってしまったのだろう。 『流浪の月』『汝、星のごとく』で二度の本屋大賞を受賞した著者が描く、今そこにある愛のかたち。 セクシュアリティ/ジェンダー、金銭感覚、世代間格差、成育環境…… あらゆる価値観の対立の中で現代を生きるわたしたちの祈りと叫び。 【凪良ゆう コメント】 「文芸書としては『星を編む』から2年半、ようやく新刊をお届けできます。 今作は結婚について。 婚姻譚と銘打ちながらも、婚姻への道のりがはてしなく遠い!! これは果たして婚姻譚と言えるのか、と担当さん達と首をかしげる場面もありました。 読んでくださった方たちと”現代の結婚”について語り合ってみたいです。」 【収録作 紹介】 「Thank you for your understanding」 家族の期待に応え、ついに恋人と帰省する決意を固めた華。 「Beautiful Dreamer」 結婚したい。ありふれた夢のはずなのに、東京ではこんなにも遠い。 「小鳥たち」 離婚して、実家の書店を継いだ一葉。そこに偶然、初恋の人がやって来て--。 「Position Talk」 入籍を目前にした男女。性差を越え、個としてわかり合える日は来るのか。 「C'est la vie」 仕事も恋も、魂を分けあった二人。だが、夢のような時間にはいつか終わりが来る。 -
相続ゲーム
いわれなき莫大な遺産の 相続人になった少女が、その謎を追う。 母は亡くなり、父親は蒸発してどこにいるか分からない。女子高生エイブリーのたった一つの希望は、残りの高校生活を消化し、奨学金を獲得して独り立ちすることだった。ところが見ず知らずの億万長者の遺言状で自身が莫大な遺産の相続人に指名されたことから、エイブリーの人生は風雲急を告げる。その相続条件とは「秘密の通路や仕掛けだらけの大豪邸で1年間過ごすこと」だった! 大富豪一族を巡る陰謀、相続人候補となるはずだった個性豊かな4人の御曹司たちとのスリリングかつときめく駆け引きなど、いきなりセレブとなったエイブリーの周りで起こる大騒動が、スピード感あふれる筆致で描かれる。そして、億万長者が遺した暗号が解読されるにつれ、驚くべき新事実が明らかになる……!? 世界累計500万部を突破したロマンス×謎解きミステリー超大作の第1巻(全3巻予定)! ページをめくるたびに、深まる謎と秘密が折り重なっていく、レガシー・ゲーム・ミステリー! -紀伊國屋書店福岡本店 宗岡敦子さん 求める答えを探すように気が逸り、ページをめくる手が止まらなかった。 -未来屋書店大日店 石坂華月さん 恋模様も含め人間関係に目が離せないシンデレラロマンスミステリー -元 明林堂書店南宮崎店 河野邦広さん -
その手は明日を紡ぐために
★『ぼくが生きてる、ふたつの世界』映画化 ★『「コーダ」のぼくが見る世界』が「第71回 青少年読書感想文全国コンクール課題図書」(高等学校の部)に選出 今注目の著者・五十嵐大による、初の半自伝的お仕事小説! 「え? ちょろっと文章書いてもらうだけなのに、そんな金取んの?」 耳が聴こえない両親のもとで育った聴こえる子ども・コーダである伊賀紡(いが・つむぐ)は、自分のことを“ふつう”に見てもらえない環境に嫌気がさし、親元を離れ、東京でライターとして活動することに。ところが、そのライター業でも無力感に苛まれる出来事ばかり。両親を地元に残したまま“逃げてきた”自分への罪悪感が募る一方だ。こんな状態ならば、親のために生きるべきなのではないか……。そんな紡にとっての心の支えは、紡と同じように地元を出てきた共に暮らす親友、柏樹優平。ともに苦労を分かち合うことでなんとか日々を過ごしてきた。 ある日、ヤングケアラーとして育った過去を持つ実業家・蓮音美羽の取材で、彼女の様子がおかしいことに気がついた紡はある質問を投げかける。このことがきっかけとなり、紡は少しずつ自分が進むべき道を見出し、自信をつけていく。しかしそんなとき、優平から思いもよらない言葉を投げかけられ……。 居場所を探す全ての人に贈る、まっすぐ心に届く感動作 -
花ざかりの方程式
方程式の末端に咲く花。宇宙の全思考を重ねる究極理論。孤独な父子とチェス。無名数学者の発見。未来を過去で迎え撃つ天文台。驚異的な着想とリリカルな叙情で綴られた、大注目の新鋭による初SF傑作集。 『その謎を解いてはいけない』『理系の読み方』で、ミステリ・SF・純文学の三界から注目を集める大新鋭による、待望の初SF作品集! 「はじめから わたしたちは みんなここにいる。」 空から降り注ぐ未来を撃ち落とす天文台から放たれた過去、 無名数学者が発表したカフカの『変身』をめぐる異常論文、 全宇宙の可能性を統合する究極理論と東京オリンピックテロ事件、 方程式の末端に咲く花を発見した博士とその家族の数奇な人生…… 論理と切なさがまじわる、SFと文学のあいだをひらく9つの物語。 【池澤春菜さん・齋藤明里さん推薦!】 世界は、気づかれないまま何度も再計算されている この物語もまた、そのひとつだ ――池澤春菜(作家・声優) 全ての物事は、どこかの時間で、 どこかの世界で、繫がっているのかもしれない ――齋藤明里(女優・読書系YouTube「ほんタメ」MC) 【全9編 内容紹介】 「未来までまだ遠い」 天文台から過去を打ち上げ未来を撃ち落とす世界の「未来」で生きる、ふたりのおさななじみの夢と希望を描いた物語。 「騎士たちの可能なすべての沈黙」 異貌の数学者の父とその子がチェスで不器用な対話を交わす、数学の中の孤独をめぐる物語。 「ソナタ・ルナティカOp.69」 退屈すぎるがゆえに「究極」となったソナタとその作者、音楽と不可能性をめぐる逸話。 「誘い笑い」 就活がうまく行かない大学生がある特異な芸風の夫婦漫才師にのめり込む、読点のないお笑い小説。 「ザムザの羽」 無名の数学者が発表したカフカ『変身』にまつわる「異常論文」風メタ数学/文学ミステリ小説。 「演算信仰」 2021年、究極の思考理論に目覚めた男が起こした東京オリンピック自爆テロ事件の顚末を暴く、思考実験SF。 「コロニアルタイム」 とおい未来に占領され、世界が不可知の塊となった時空間での多元性を叙情的に描く物語。 「白い壁、緑の扉」 H・G・ウェルズの同題の短編1本丸ごと作中に織り込み一人の男の哀切な人生を描き切った超絶技巧の怪作。 「花ざかりの方程式」 2次項の末端に花が咲く方程式を発見した数学者とその家族たちの、美しく切ないファミリーヒストリー。 〇イラスト:北村みなみ 〇デザイン:アルビレオ -
まつとおね
吉岡里帆 蓮佛美沙子 主演。能登演劇堂の震災後初の公演で約1万人を動員。 被災地・能登で生まれた伝説の舞台が待望の小説化。 前田利家の妻「まつ」と豊臣秀吉の妻「おね」が戦乱の世で築いた平和と友情の物語 「秀吉が亡くなったら、すぐにでも天下に号令をかけさせなさい。次の天下人は、前田利家だと」 ――京の醍醐寺で、天下人・秀吉の死が近いことを悟ったおねは、こう告げた。乱世に生きる武将の妻として、次の花を咲かせるのはまつだと。おねの言葉を聞き、菩薩と言われながらも自らの心のうちに真っ赤な炎が燃えていることを知るまつが下した決断とは!? 能登演劇堂復興祈念公演で被災地を勇気づけた物語が、小説としてさらに感動的になり蘇る!! -
たったひとつの雪のかけら
大学入試のためにソウルに転居した女子高生のアンナ。古びた下宿で暮らしながら、大人になる前の通過儀礼ともよべる、切ないクリスマスを体験する――「ほかのすべての雪片ととてもよく似た、たったひとつの雪片」 ユリとマリは、美しいながらも性格が真逆な姉妹だった。波瀾万丈の人生を送ってきたマリは、完璧で順風満帆に見えたユリが76歳で自殺したことを知る。2014年黄順元文学賞受賞作――「金星女(クムソンニョ)」 小さな星々はみな宇宙でたったひとりだけれど、その光は星座となって夜空に瞬きあう。韓国を代表する作家のひとりウン・ヒギョンが、生きる孤独と哀しみ、そして人と人の一瞬の邂逅を描く、6篇の珠玉の短編集。 【著者プロフィール】 ウン・ヒギョン(殷煕耕)1995年に中編「二重奏」でデビューする。同年発表した初の長編小説『鳥のおくりもの』で第1回文学トンネ小説賞、1998年に短編「妻の箱」で第22回李箱文学賞を受賞。その後韓国小説文学賞、韓国日報文学賞、怡山文学賞、東仁文学賞など多くの賞を受けた。本書収録の短編「金星女」は2014年に黄順元文学賞を受賞。既訳に『美しさが僕をさげすむ』(呉永雅訳/クオン)、『鳥のおくりもの』(橋本智保訳/段々社)など。 【訳者プロフィール】 オ・ヨンア(呉永雅)2007年に第7回韓国文学翻訳新人賞、2023年にチョ・ヘジン著『かけがえのない心』(亜紀書房)で韓国文学翻訳大賞を受賞。訳書にウン・ヒギョン著『美しさが僕をさげすむ』、キム・ヨンス著『世界の果て、彼女』(以上クオン)、イ・ラン著『悲しくてかっこいい人』(リトルモア)、パク・サンヨン著『大都会の愛し方』(亜紀書房)、ファン・ジョンウン著『続けてみます』(晶文社)、『百の影』(亜紀書房)などがある。 -
罪人に死を
帰郷した男を待ち受ける、脅迫、失踪、殺人事件 幼馴染と不倫中の男に届いた不倫を咎める手紙。相手の夫の仕業と疑うも、夫は殺され、幼馴染も失踪してしまう。エドガー賞受賞作 -
わたしの服はどこからきてどこへいくの?
ファッションとサステナビリティについてのモヤモヤ、 まとめて掘り下げます! 素材についての知識から、愛着ある服を長く着るコツまで、 服と人との良い関係をめぐる7章の報告書。 服にもサステナビリティが大事なことはわかっているけれど、いざ自分の消費行動になるとそれから外れた選択をしてしまい、なんとなくモヤモヤしている……。そんなひとに向けて、服にまつわるさまざまな問題について考えてみました。 著者は「多様で、健康的なファッション産業をつくる」をミッションに、サステナブルファッションに関する教育やコンサルティングを行う一般社団法人の理事2人。 手放した服はどんな運命に? リサイクルされる割合はどのくらい? オーガニック素材はほんとうによいの? 服の値段はどのくらいだと妥当? サステナブルを企業は謳うけれどどこまで信用できる?……そんなあなたの疑問に答えます。ほんとうに心地よい服との付き合い方、いっしょに考えてみませんか? 【目次】 第1章 わたしが着ている服は「大丈夫」なの?──服にまつわるさまざまなモヤモヤ 第2章 わたしが手放した服はどうなるんだろう?──廃棄?リサイクル?それとも? 第3章 わたしは何を着ればいいんだろう?──素材と生産について考える 第4章 わたしは服にいくら払えばいいんだろう?──服の適正価格とは 第5章 わたしはどうすれば服を大切にし、心地よく服と付き合えるんだろう?──愛着のある服を飽きずに長く着るコツ 第6章 わたしは服を売る企業とどう関わっていけばいいんだろう?──グリーン・ウォッシュを見極める 第7章 最後に──わたしたちが描く、ファッションの未来 -
青青といく
直木賞受賞作『木挽町のあだ討ち』が実写映画化! 「自由」に生きることの真実を描く歴史長編。 弥兵衛が弟子入りをして間もなく、師の海保青陵は亡くなった。当代きっての儒学者で、経済にも精通し、江戸の世に「自由ナル」生き方を説いた青陵。京弓師の跡取りでありながら職人としては未熟で、算盤勘定や商いにばかり惹かれる16歳の弥兵衛に、その「商い」こそが世を変えると教え、「自由自在」に生きる道を示してくれた先生だった。最後の弟子となった弥兵衛は「遺灰は空に撒け」という師の遺言を胸に、兄弟子と連れ立って青陵ゆかりの人々を訪ね歩く。江戸の実弟、変わり者の絵師、川越の商人、秩父の家老、金沢の隠居、そして京――。青陵に人生を変えられた者たちが語り出す、亡き師の思いがけない過去、人知れぬ後悔とは。 -
風を織る
おちえ、危うし―― 人気時代シリーズ第4弾! 深川の縫箔(刺繍)屋・丸仙の娘、おちえが、不吉な模様の小袖を大店「出雲屋」別邸に届けると、邸内で突然五人の男に襲撃される。 同行した丸仙の職人・一居となんとか応戦するが、ふたりの前に老女が現れて――。 「出雲屋」の過去と、おちえにはどんなかかわりがあるのか。剣を愛するおちえと、武家の家を捨て刺繍の道を志す一居が真相に迫る。 『風を繍う』『風を結う』『風を紡ぐ』に続く、大好評〈針と剣 縫箔屋事件帖〉シリーズ、緊迫の第4弾! 〈目次〉 一 風花飛鳥模様 二 紅牡丹火車模様 三 白菊残陽模様 四 再びの花折枝模様 五 白無地 六 井桁模様 七 藤花下飛燕模様 八 青海波模様 装画/田尻真弓 -
アメリカ 崩壊の地をゆく
カローラを駆って365日、 トータル2万6000キロ。 素顔のMAGAに会ってきた! 2024年11月のアメリカ大統領選で共和党のトランプが再選された。 選挙前後のアメリカには何が起きていたのか? いまだやまぬ、20年大統領選の選挙不正論、とめどなく拡散する偽情報や陰謀論、 容赦なき移民狩り、そして求心力を失ったレガシーメディア......。 アメリカの民主主義は崩壊の一途をたどっている。 それでも、アメリカはトランプを選んだ。 トランプ信者・MAGAの本音とは? なぜ、民主党は負けたのか? アメリカにはいかなる未来が待っているのか。 大統領選を境に365日、アメリカ各地を巡った著者による渾身のリポート。 -
レシタティフ
彼女が「レシタティフ」を「実験」だと言うなら、本気でそれを意図しているのだ。その実験の被験者は読者である―― 施設で同室になったトワイラとロバータは、白人と黒人の二人組で「塩と胡椒」と呼ばれていた。 月日が経ち、二人はダイナー、スーパー、デモ集会、レストランで四度再会する。 二人が共有する記憶と彼女たちについて、何が正しいのだろうか? ノーベル文学賞作家、トニ・モリスンが唯一書き残した実験小説。 大好評「I am I am I am」シリーズ第五弾。解説:ゼイディー・スミス 二人の少女はこの世の誰も知らないことを知ってた――質問をしないこと。信じなきゃいけないことは信じること。 ずけずけと訊かずに広い心で接するのは、気遣いでもあった。 あなたのお母さんも病気? ううん、一晩中踊ってるの。 ふうん――そして、わかった、といううなずき。(本文より) -
ここにいるよ
中日新聞、東京新聞など連載で感動を呼んだ話題作! 痛みよ、希望よ、届け 「能登は遅れている」――いわれなき非難に押し込められる小さな声。 「比べたら、あかん」教師・小野寺は、被災地の小学校で子どもたちやその親たちが抱える、苦悩と希望に向き合い続ける。 2024年1月1日16時10分――。巨大地震が能登半島を襲った。 その時、元教師・小野寺徹平は、かつての教え子が女将をつとめる旅館に滞在していた。おとそ気分は吹き飛び、恐怖と不安の中で迎えた「最初の夜」、小野寺はこれから始まる被災地の日々を思い、心が沈んだ。 阪神・淡路大震災で家族を失い、東日本大震災で応援教師として被災地の子どもたちを励ましてきた小野寺には、能登半島で被災した人々の長い苦悩の道が痛いほど分かったからだ。 つらく苦しい非日常との闘いが始まる一方で、社会からの関心は徐々に希薄になり、過去の震災の被災地と比べられ、「復興が遅い」「無気力」と責める声すら上がる。 小野寺は再び被災地で、子どもたちと向き合う決意をする。 -
名画で読む「音楽の秘密」
絵画から溢れる音に耳を澄ます 絵画は「見る」芸術、音楽は「聴く」芸術――しかし両者は、思考の奥で密かに響き合っている。 ラヴェルやムソルグスキーが名画から音を掬い上げたように、画家たちもまた、筆で音楽を奏でようとしてきた。 本書は、絵画がどのように「音」や「旋律」を描いてきたのかを、時代と作品を横断して読み解く試みである。 静止した絵の中に流れる時間、沈黙の中に聴こえる響き――視覚と聴覚のあいだに潜む、 美の秘密に触れたい人に贈る珠玉のアートエッセイ。 オールカラー! 図版45点収録 【目次】 第1章 絵画で音を出す 第2章 鳥女の歌声 第3章 神話の産物 第4章 音楽のエロス 第5章 死の音楽 第6章 楽器の象徴性 第7章 庶民の楽器 第8章 描かれた楽譜 第9章 オペラ歌手 第10章 ダンス音楽 第11章 音楽の拷問 第12章 富裕層のサロンコンサート 第13章 王の音楽事情 第14章 中産階級の家族コンサート 第15章 野外コンサート 第16章 フェルメールと音楽 第17章 子どもと音楽 -
昭和 絶滅危惧職業の人々
飴細工師・俗曲師・銭湯絵師・幇間・見世物師・イタコ・蝋人形師・チンドン屋。 時代の流れとともに「職業」も変遷と興亡を繰り返してきた。昭和から平成、そして令和へと移ろうなかで、今や風前の灯となった職業もある。そんな消えつつある職業とそれに従事する人々(職人たち)。今に至るまで生き延びてきた理由、それでも続ける意味はどこにあるのか。 絶滅寸前の職業に携わる人に取材し、生きること、働くこと、職業観を問うルポルタージュ。昭和100年、戦後80年の機会に、あらためて、これらの職業(人)の記録をとどめておきたい。 本書は、『職業外伝』(正続)から、8の職業(人)を選り抜き、後日談、追加取材を盛り込んで再編集したものです。 -
こだま標本箱
【『思い出のとき修理します』の著者が贈る、珠玉の伝承ミステリー】 古くからの言い伝えを調べる伝説収集家との出会いが、 大切な人を失った百絵の未来を変えていく――。 ****************************************** 人にしかできない癒しと再生の物語が優しく胸に響きます。 マルサン書店サントムーン店 原田里子さん ****************************************** 【著者より】 「こだま」は「木霊」と書きます。森の中に反響する音に、昔の人は木々の魂を感じたのでしょうか。 現代でも、御神木や謂れのある木など、大切に守られています。 日常のそばに、伝説は意外とあふれているのではないでしょうか。 伝説収集家の賀見社と、現実的な感覚の百絵、二人のやりとりも読みどころです。 どうして賀見社が伝説を集めるのか、身近な伝説に触れ百絵が何を得るのか、ぜひお楽しみください。 【あらすじ】 路地裏にひっそりとたたずむ「喫茶こだま」で働き始めた百絵。 雇い主の賀見社は、古くからの言い伝えを調べる「伝説収集家」なのだという。 姉の魂を連れていった井戸の神さま、 切ってはいけない呪われた木の秘密――。 賀見社のもとに舞い込むのはこの世の理では解くことのできない謎ばかり。 思いがけず彼を手伝うことになった百絵だが、 すべては、自らの切ない過去につながっていき――。 奇跡に満ちた救いの物語が、あなたの心にこだまする。 【目次】 1 幸せの香 2 水を染める色は 3 木々の声音 4 柳の下に眠る 5 神隠しの山 -
時の家
第174回芥川賞&第47回野間文芸新人賞受賞作! ここで暮らしていた人々の存在の証を、ただ、描きとめておきたい。 三田文學新人賞でデビューした注目の小説家が、傑出した完成度で紡いだあたらしい建築文学。 ********************** いしいしんじ氏&松永K三蔵氏、推薦! 「大切に建てられた一軒の家に、ひとの気配がやどる。流れる時のすきまから、あまたの声がもれだしてくる。いつかまた、この本のなかに帰ってこようと思った。」 ――いしいしんじ 「紐解かれていく「時の家」の記憶は、語られなかった想いに繋がる。物質(モノ)がこれほど繊細に語り得る小説を私は知らない。」 ――松永K三蔵 ********************** 青年は描く。その家の床を、柱を、天井を、タイルを、壁を、そこに刻まれた記憶を。 目を凝らせば無数の細部が浮かび、手をかざせば塗り重ねられた厚みが胸を突く。 幾層にも重なる存在の名残りを愛おしむように編み上げた、新鋭による飛躍作。 【装幀】水戸部 功 -
私たちに残されたわずかな永遠
人類は、もしかしたら一度滅んでいるのかもしれない。 月面の居住施設「ルナアーク」。 奇妙な社会性生物と人間が共存する町「ドゥマレ」。 2つの世界が交差する、スチームパンク×SF小説! 生き延びて欲しいの。 今のあなたとは違う形になったとしても。 時は2131年。13歳のアリサは「ルナアーク」と呼ばれる、月面の居住施設に住んでいた。アリサが5歳の頃、両親とともに地球から移住してきたのだ。地球からの転校生、ケンジと仲良くなるが、その矢先、とんでもない事件が起こり――。 一方、教会暦918年。ドゥマレの町では「アッザ」と呼ばれる、奇妙な社会性生物と人間が共存していた。この町に住む13歳の少女メルはアッザの捨てたゴミの山から発見された捨て子だった。 アリサとメル、ルナアークとドゥマレ――交わるはずのない2人と2つの世界が交錯したとき、戦慄する事実が明らかに……。 -
命の横どり
【これは、他人事ではない。緊迫の医療サスペンス小説】 心臓病の専門病院で、適切な臓器の斡旋を行う臓器移植コーディネーターとして働く立花真知。 彼女は、五輪金メダリスト候補として注目を集めるフィギュアスケーター・池端麗を担当することになる。 麗はスケートの練習中に倒れ、拡張型心筋症と診断されていた。 副院長の一ノ瀬や主治医の市田の治療を受けながらドナーの心臓を待っているが、麗の血液は珍しく、大多数の心臓を移植することができない。 しかし、くも膜下出血で倒れ脳死判定を受けた男性ドナーの心臓が、麗に奇跡的に合致すると連絡が入る。 真知らは早速臓器の提供に向けて動き出すが、ドナーの母親が臓器提供に納得していないことが判明。真知は「禁断の方法」に手を出そうとする――。 ドナーとレシピエント、互いの思いが複雑に混じり合ってできた大きな渦は、とある男の登場によって社会問題へと発展し始める。 医師であり、これまでにも医療の現状にメスを入れてきた著者が描く「日本の心臓移植」の現実と未来。 【著者略歴】 久坂部 羊(くさかべ・よう) 1955年大阪府生まれ。医師・作家。大阪大学医学部卒業。 2003年『廃用身』で作家デビュー。2014年『悪医』で第3回日本医療小説大賞、2015年「移植屋さん」で第8回上方落語台本優秀賞を受賞。ドラマ化されベストセラーとなった『破裂』『無痛』『神の手』の他、小説に『テロリストの処方』『介護士K』『芥川症』『悪い患者』『絵馬と脅迫状』など、新書に『日本人の死に時』『人間の死に方』『寿命が尽きる2年前』『人はどう死ぬのか』『人はどう老いるのか』『人はどう悩むのか』など、著書多数。 -
天馬の子
『貸本屋おせん』で日本歴史時代作家協会賞新人賞受賞、 『梅の実るまで』で山本周五郎賞候補となった注目の新鋭が満を持して放つ感涙の長編時代小説! 南部藩の村に生まれたリュウは馬と心を通わせる10歳の少女。厳しい自然のなかで名馬「奥馬」を育てる村では、時に人よりも馬が大切にされていた。リュウの家にも母馬が一頭いるが、毛並みの良い馬ではない。優れた馬乗りだった兄が二年前に亡くなり、家族は失意のなかにあった。祖父は孫娘に厳しく、母は小言ばかり。行き場のない言葉を抱えたリュウが馬の世話の合間に通うのは「柳の穴」と呼ばれる隠れ家だった。姉のようにリュウを見守る隣村の美少女セツ。村の有力者の優しくてドジな次男坊チカラ。「穴」に住む家無しのスミ。そこでは藩境を隔てて隣り合う村の子どもが集まり、自由な時を過ごしていた。 ある日、片腕のない見知らぬ男が「穴」に現れる。「仔は天下の御召馬になる」。馬喰(馬の目利き)の与一を名乗る男はリュウの育てる母馬を見て囁いた。将軍様の乗る御馬、即ち「天馬」。しかし天馬は天馬から生まれるのが世の道理。生まれにとらわれず、違う何かになることなどできるのだろうか? リュウは「育たない」と見捨てられた貧弱な仔馬を育て始める。 村を襲う獣、飢饉、「穴」の仲間や馬たちとの惜別。次第に明らかになる村の大人たちの隠しごと。与一との出会いから大きくうねり始めるリュウと仔馬、仲間たちの運命。なぜ人の命も馬の命も、その重さがこんなにも違うのか。馬も人も、生まれや見た目がすべてなんだろうか。いつか大人になったら、すべてわかる日が来るのだろうか? 生きることの痛みも悔しさも皆、その小さな体に引き受けながら、兄の遺したたくさんの言葉を胸に、少女と仔馬は生きる道を切り拓いていく。 -
世界のほうがおもしろすぎた
正体不明という生き方。 「ぼくが目指したことは、すべて編集です」 異能の編集工学者が謎に包まれたその生涯と秘策を一気に語り明かす。 ロングインタビューによる、最初で最後の「自伝」。 「若者の教祖」「知の巨人」「博覧強記」──。 あらゆるレッテルを嫌い、「生涯一編集者」であることに徹した松岡正剛。 その歩みは理科少年の時代[ころ]に抱いた自己同一性への疑問に始まっていた。 十数時間におよぶ、生前最後にして初の自伝インタビューを完全再録。 また付録として、未発表稿及び年譜を掲載。 ──────────────────────── 【本文より】 「遅ればせ」ということを、わりに早くから自覚していたんです。 あえて遅滞する、遅延するということです。 ふつう遅れるというのは、とろいこと、才能が発揮しにくいとか、 コミュニケーション能力がないということです。 でもぼくは「遅ればせ」がいいんだと思ってやってきた。 こういう感覚は若いころからありました。 おそらくぼくが編集に関心をもったことにも関係していたんだろうと思います。── ──────────────────────── 【目次】 第1章……正体不明のゴースト ■自己同一性がわからない ■科学のデーモンと精神のゴースト ■「粗より」という方法 ──断章[フラグメント]1:「きのふの空」(『擬』第一撤) 第2章……「世界」のおもしろみとメディアへの憧れ ■その奥に何が見えるか ■理科少年の目覚めと抵抗 ■「自分」の確立から遠のくということ ■新聞づくりと印刷技術に夢中になる ■革命的マルクス主義の前線で ──断章2:極上の迷宮(『概念工事』より) 第3章……アルス・コンビナトリア事始め ■「ハイスクール・ライフ」編集長になる ■稲垣足穂に翻弄される ■オブジェマガジン「遊」の誕生 ■杉浦康平からの宿題 ■すべての「可能性」を逃がさない。誤植とか、誤配とか ■超絶アルス・コンビナトリアとそのコツ ──断章3:歳視記2 第4章……すべてはアナロジーのために ■人が人を、噂が噂を連れてくる ■なぜ本に孔を空けたのか ■科学と精神と機械はまぜこぜに ■中断こそ決断、中断万歳 ──断章4:振舞の場所(『フラジャイル』より) 第5章……編集工学の胎動と脈動 ■万博とNTT民営化と『情報の歴史』 ■複雑系・割れ目・ノンリニア ■編集工学は「知」を自由にする技術 ■企業人たちとの交流 ■トークは「装置」から考える ■高気圧先生の大学奮闘記 ──断章5:頭の中で電話が鳴っている(「ハイパーリヴ」) 第6章……編集の国から生まれた学校 ■早すぎた「編集の国」構想 ■「たくさんの自分」から始まる学校 ■イメージメントとマネージメント ──断章6:埒外案内 2000年12月(一到半巡通信) 第7章……歴史の網目のなかで千夜千冊を紡ぐ ■千夜千冊は書評ではない ■千夜千冊達成と胃癌の顛末 ■他者と自己の問題を再編集する ■千夜千冊を新たなエディションにする ■本棚の文脈が読める空間 ──断章7: 編集工学的読書論(『學鐙』2024年9月) 第8章……虚に居て実を行う ■写真家たちのアート・ジャパネスク ■方法日本を奮い立たせる ■近江に思考の拠点を移してみると ──断章8:主客の遊び(『日本数寄』より) ◆松岡正剛年譜 ──────────────────────── 松岡正剛(まつおか・せいごう) 編集工学研究所所長、イシス編集学校校長。生命・歴史・文化にひそむ仕組みを「編集」の観点でとらえ、方法的に用いて新たな仮説や問いを創造する「編集工学」を確立。おもな著書は『知の編集工学』『知の編集術』『花鳥風月の科学』『17歳のための世界と日本の見方』『日本流』『日本文化の核心』ほか多数。2000年よりインターネット上でブックナビゲーションサイト「千夜千冊」を連載、2018年より文庫シリーズ「千夜千冊エディション」30冊刊行。2024年8月逝去。 -
給水塔から見た虹は
あなたと私は違う。だから、一緒にいよう――。 『ふがいない僕は空を見た』『夜に星を放つ』の著者が、今を生きる人々に贈る感動作。 【各界からの反響続々!】 なんて誠実な小説なのだろう。今、この時代に、この本と出会えてよかった。――武田綾乃(作家) 白か黒かでしか断じない、この時代に絶対に有効な“あわい”の物語。――早見和真(作家) 何度も胸が潰されそうに痛かった。彼らの日々に、どうか幾重にも虹がかかりますように。――町田そのこ(作家) その人の涙のわけを知らない。分からない。けど私たちは何かを思うことが出来るから見つめながら目を逸らさずに、あなたの話を聞きたい。――山本奈衣瑠(俳優) 【あらすじ】 中学二年生の桐乃は、団地での暮らしに憂いていた。 郊外にある古い団地群には、様々な国にルーツを持つ人が生活している。そのせいか桐乃のクラスは衝突が絶えず、ベトナム人のクラスメイト・ヒュウがいじめの標的になっていたのだ。 家に帰っても、母の里穂は団地に住む人々を国籍問わず日夜助けており、「娘の私より、他人を優先するんだ」という思いがどうしても消えない。この場所で生活することに対する桐乃の嫌悪感は、日々強まっていく。 そんな中、中学校で起きたとある出来事をきっかけに、桐乃はヒュウと話すようになる。ヒュウは、理由は違えども、桐乃と全く同じことを望んでいた。 「この団地から出て、遠くに行きたい」と。 はじめてできた友達、母とのすれ違い――。 桐乃・ヒュウ・里穂のそれぞれの視点から、社会に蔓延る様々な分断に翻弄される2人の“こども”が少しずつ“おとな”になるひと夏を描いた、ほろ苦くも大きな感動を呼ぶ、ある青春の逃避行。 【著者略歴】 窪 美澄(くぼ・みすみ) 1965年東京都生まれ。2009年「ミクマリ」で女による女のためのR-18文学賞大賞を受賞。受賞作を収録した『ふがいない僕は空を見た』が、本の雑誌が選ぶ2010年度ベスト10第1位、2011年本屋大賞第2位に選ばれる。また、同年に同作で山本周五郎賞を受賞。12年『晴天の迷いクジラ』で山田風太郎賞を受賞、19年『トリニティ』で織田作之助賞、22年『夜に星を放つ』で直木賞を受賞。他の著書に『夏日狂想』『タイム・オブ・デス、デート・オブ・バース』『夜空に浮かぶ欠けた月たち』『ルミネッセンス』『ぼくは青くて透明で』などがある。 -
強い組織は違いを楽しむ CQが切り拓く組織文化
【本書の内容】 ビジネスパーソンの必須教養 “CQ/⽂化の知能指数”の実践的バイブル 近年、組織⽂化の重要性がますます⾼まっています。 BANI(※)という不確実性の時代において、組織の成⻑や競争優位性を確⽴するためには、組織⽂化を意図的に醸成し⽂化を戦略の“良きパートナー”とすることが必要不可⽋だからです(どんなに素晴らしい戦略を立てても、組織文化と相反すれば、実行のスピードは鈍ってしまいます!)。 本書 『強い組織は違いを楽しむ CQが切り拓く組織⽂化』 では、組織⽂化を戦略の推進⼒として捉えています。そして、強い組織を築くために必要になるのはパーパスだけでなく、個⼈の価値観と⼀⼈ひとりの違いを活かすことだと提唱します。 そのために必要なのが、リーダーの CQ(⽂化の知能指数)です。 これからの時代は、CQを⾼めて⽂化を使いこなすことが重要になっていきます。CQは多様な⼈々を尊重し、共創する組織⽂化を育むブースターとなり得るのです。 では、いかにCQを使いこなすか――本書では、⽂化と経営の⽗、ヘールト・ホフステードに師事し、カルチャーの専⾨家として多くの組織⽂化変⾰を実現した著者の体験や、組織⽂化変⾰を実現した企業の実例を交えながら、その具体的手法を紹介します。 BANI(※1):BANIのBはBrittle(もろい)、AはAnxious(不安)、NはNon-Linear(⾮線形)、IはIncomprehensible(不可解)を指す。 【目次】 第1章 組織文化とは何か 第2章 不安定な現代への対処 第3章 組織と個人の関係性 第4章 多様性のつまずき 第5章 どこで誰とでも効果的に働くためのCQ 第6章 組織とCQ 第7章 共創の組織文化を醸成する 第8章 分極化の時代に 第9章 組織文化を語る -
黒いイギリス人の歴史 忘れられた2000年
「黒いイギリス人」とは、Black Britishの訳語である。「黒人のイギリス人」である彼らは、歴史に翻弄されながらも、「白いイギリス人と女王様の国」では忘れられた存在だった。 「黒人史」といえば真っ先に思い浮かぶのは「アメリカ黒人史」だが、アメリカ黒人史の多くは「アメリカの国内史」として語られるのに対し、イギリスの場合、その黒人史はブリテン島内だけでなく、海を越えて東西にわたる帝国に視野を広げて見る必要がある。ここに「イギリス黒人(在英黒人)」にとどまらない「黒いイギリス人」という語を用いる意図がある。 イギリス史には古くから黒人が姿を見せる。イングランドに最初の黒人女性が現れたのはローマ時代。16世紀チューダー朝の絵巻には王室付き黒人ラッパ手が描かれている。17世紀初頭、エリザベス女王は黒人追放令を発し、シェイクスピアは『オセロー』でムーア人の軍人を主人公にした。さらに、18世紀の新聞の「逃亡奴隷」の広告データベース分析や、アメリカ独立戦争で王党派についた「黒人ロイヤリスト」たちの命運、ロンドンの黒人貧民をアフリカに移送する「シエラレオネ植民計画」の顛末など、「黒いイギリス人」の歴史は「イギリス帝国」の光と影を映し出す。 長期的かつグローバルな視点で、その移動と混合の歴史をたどり、社会的マイノリティの共生の道をさぐっていく。 目次 はじめに:「白いイギリス人」と女王様の国で 序章 「黒いイギリス人」とは誰か 第1章 最初の来訪者たち:ローマ帝国期から近世まで 第2章 逃亡奴隷のプロファイル:18世紀前半 第3章 シエラレオネ計画の夢と失望:18世紀後半 第4章 奴隷解放と「黒人消滅」:19世紀 第5章 世界大戦下の黒人臣民と黒人米兵:20世紀前半 第6章 戦勝国の旧弊:20世紀後半 終章 「イギリスらしさ」を担うのは誰か あとがき -
ノー・アニマルズ
【俗世というジャングルをサバイブする男女はアニマルか。グランドホテルならぬグランド古マンション形式の物語は、混沌として続いてゆく。――桐野夏生氏】2025年に取り壊しが決まっている期限つきの“棲み処”。自ら鎖のない生活を選んだはずが、「しがらみ」となる犬を飼いたい気持ちが抑えきれない鮎美。与えられた「長男の権力」を放棄したい小学生の李一。母の恋人のことが心底気にくわず、二人を別れさせたい女子高生の羽衣。40歳目前、人生の選択を先送りする最良の方法だと考え卵子凍結を始めた有希子・・・・・・。さまざまな「欲望」を抱える7人の物語を収録。 -
中原中也のことばと人生
※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 「汚れつちまつた悲しみに 今日も小雪の降りかかる 汚れつちまつた悲しみに 今日も風さへ吹きすぎる」 30年の短い生涯で、悲しみや喪失感をまっすぐにうたった詩を数多くのこした中原中也。詩をつくることは生きること。そう定めて生きた中原中也のことばを、美しいイラストともに紹介します。理解に役立つクイズや資料も充実。ビジュアル伝記シリーズ、第11弾! -
飯舘村の母ちゃんたち 福島・女性たちの選択
原発事故後、全村避難を強いられた飯舘村は、もともと「日本で最も美しい村」に認定され、ブランド牛の産地としても名高い、畜産や酪農も盛んな村。原発事故のために手塩にかけて育てた牛を屠畜に出し、家族も暮らしも突然奪われた。絶望的な状況のなかで、悩み、苦しみ、それでも明るくたくましく生きる女性たち――この春公開のドキュメンタリー映画『飯舘村 べこやの母ちゃん それぞれの選択』の監督による最新刊。 伝統の食や素朴で豊かな暮らし、戦争や開拓についての貴重な聞き書きなど、映画では表せない内容も豊富に描かれている。 「ここで全部やめたら、なんか悔しいんだよね。負けるような気がするの、東電と国に。 殺されるような、ほんとにおめら死ねって言われてるような気がする」 -
下垣内教授の江戸
ほんとうに人を斬ったのか──幕末から戦前までを駆け抜けた、日本美術家の生涯。近代美術のすごみが横たわる圧巻の長篇時代小説! 東京美術学校の発足に携わり、帝国博物館でも要職を務めるなど、「日本美術」の目利きと称された下垣内邦雄が、関東大震災、金融恐慌、世界恐慌に襲われたあとの1931年、歴史の大きなうねりの中で亡くなった。思い起こされるのは、ある新聞記者による4年前の単独取材だった。美術に関する意図とおりの質問のあと、下垣内教授は自らの半生について語り始める。「俺は人を斬ろうとしたことがあるんだよ」。凡百の出世物語とは似ても似つかぬ、幕末活劇とはまったくちがう話に、記者はかっさらわれたのだった……。 -
翳りゆく午後
「人を轢いたかもしれない」 厳格な父親からの一本の電話。それが悪夢の始まりだった―― 80歳目前の武は、教職退任後、市民講座で教える地元の名士。父の武と同じ教職に就く敏明は、妻の香苗と反抗期の息子・幹人との平凡な生活を送っていた。 このところ父の愛車に傷が増え、危険運転が目に余るようになってきたため、敏明は免許返納を勧めるが武は固く拒絶する。 さらに、市民講座の生徒である西尾千代子と武との親密な関係を怪しむ噂が広がり、敏明は悩みを深めていた。 そんなある日、近隣で悪質な轢き逃げ事件が発生。 「あれって――まさか」 疑念に駆られ、事件の真相を探る敏明が辿り着いた“おぞましい真実”とは? 『悪寒』『不審者』『朽ちゆく庭』に続く、不穏で危険な家族崩壊サスペンス! -
箱庭クロニクル
『嘘つき姫』で鮮烈デビュー、2作目『海岸通り』で芥川賞候補。 ファンタジックな世界観と異国情緒ただよう文体で読者を魅了する、2024年最大の新人が、文芸界に風穴を開ける。 次世代の「本物」を探すみなさま、この「才能」を、見つけてください。 ~~~~~~ 手のひらのミクロコスモス。地獄の口に何度でも出くわす人生、でも私だけの天国に続く糸も確かに光り、ここにある。この物語の中に。 ーー 一穂ミチ とびきり美しい物語群の中に暗さや裏切りがあって、人間の光と影を同時に見せてくる…才能って“これ”のことね!? ーー佐伯ポインティ 孤立と連帯のあわいを揺れる不器用な人間の心。その迷宮の出口は、意外なところに開いている。 ーー千街晶之 注目作家の変幻自在っぷりが炸裂。一編一編異なる魂を持つ、驚異的な短編集。 ーー瀧井朝世 坂崎さんの紡ぐ、宝石箱がきらめくような言葉づかいに、もう、夢中です!!! ーー三宅香帆 ~~~~~~ ★収録作品★ 「ベルを鳴らして」(日本推理作家協会賞短編部門受賞作) そこにひとつの戯画がある。家一軒ほどの大きさのタイプライターだ。 「イン・ザ・ヘブン」 地獄はどこにでもある。内とか外とか関係ない。 「名前をつけてやる」 これは「バッグ・クロージャ―」これは「ランチャーム」これは「ポイ」 「あしながおばさん」 拝啓 盛夏の候、時下ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。 「あたたかくもやわらかくもないそれ」 ゾンビは治る。マツモトキヨシに薬が売ってる。 「渦とコリオリ」 水流は左に渦を巻いている。 邦文タイピストの少女がついた歴史を変える嘘や、禁書運動家の母親を持つ少女の始祖サンドで繋がれた絆、流行り病「ゾンビ」で親友を亡くした女性の不思議な一晩etc. 人生ベストの一編が、ここに。 -
コモングッド―暴走する資本主義社会で倫理を語る
著者のライシュがこれまで展開してきた「新しい資本主義」(政府か市場かの二者択一ではなく、市場メカニズムの根幹となる市場のルールそのものを見直してサテナブルな資本主義を構築する)から一歩進んで、「よき市民社会をつくるためには、何が必要か」に焦点を当てた本。 50年ほど前から、富と権力をもつ一握りの人々が、さらに多くの富と権力を手中に得ようと、社会に広がる「信頼」を搾取し始め、かつてはコモングッドと定義され、履行されてきた暗黙のルールが浸食されることになった。「私はどんな手段を使ってでも可能な限りの富と権力を手中に集める。慎み深く責任を持つなんていうのは負け犬がすることだ」と。 本書は、同じ社会を生きる一員として、人々はそもそもお互いにどんな義務を負っているのかについて再考し、どんな「理想」を共有すべきかについて考える。今よりもはるかに機能する社会、よい社会を取り戻したいのであれば、今は失われてしまった人々の間にあった共通の善、つまりコモングッド(良識)を取り戻さなければならない。 本書はアメリカ社会の話をしているが、アメリカに限定した話ではない。互いにつながっているという感覚を失い、お互いの共通認識としての「理想」をも失っている現代のすべての市民社会において、共通して考えなければならない問題である。そしてコモングッドを取り戻すため、市民として互いに負う義務を学ぶ市民教育を徹底できるか、と著者は訴える。われわれのよりよい社会の将来は、自分の実入りをよくするための「私的投資」としての教育に終わらず、よりよい市民社会を支える公的投資、「みんなのための市民教育」ができるか、にかかっているのである。 -
親密な異邦人
7年間小説を書けずにいる小説家――「私」は、目にとめた新聞広告に衝撃を受ける。そこには、「この本を書いた人を探しています」というフレーズと小説の一部が掲載されていた。その小説は、「私」がデビューする前に、誰にも知らせずに投稿していた作品だったのだ。事情を調べ始めた「私」は、謎の多い女性「イ・ユミ」に辿り着き、彼女の人生を追うことになる。 ある時は、キラキラした女子大生。ある時は、評判のいいピアノ教師。ある時は、センスのある大学講師。ある時は、優しい医師。またある時は、ーー。 虚像で塗り固めた幾重もの仮面の裏から徐々に表れる真実の素顔。 -
イグアナの花園
動物の言葉が分かる美苑は、植物学者で大学教授の父と、厳格な華道師範である母親と住む家の中庭やアトリエで、生き物たちの言葉に耳を傾けるのが日課だった。一方、学校では人付き合いが苦手で「空気が読めない」子として回りから距離を取られていた。ある日、目覚めると、前日まで元気だった父が急逝した事実を知らされる。そんな美苑に声を掛けたのは、父の同僚である児玉先生。大学の植物園で飼育されている子供のグリーンイグアナを育てないかと美苑に提案する。そして14年間、「ソノ」と名付けられたイグアナと共にアトリエで暮らし、充分満たされた生活を送っていたのだが、突然母から呼び出され、驚愕の通告を受ける。母の体に癌が見つかり余命は恐らく半年。その半年の間に結婚せよと言われ……。 -
総務部員の基礎知識
【内容紹介】 総務部は、日本の企業・団体のほとんどに設置されている部署です。それにもかかわらず、「総務部とはどんな役割や仕事があるのか?」と問われると、実際に総務部に在籍している人ですら満足に説明できないことが多いと感じます。それは、総務部の業務分掌があまりに広範囲に及んでいるからであり、「他に属さない事項」すべてがその分掌に含まれているのが一般的だからだと思うのです。 そこで本書では、総務部員として最低限知っておきたい基本項目(役割、機能、業務、必要な知識)を抽出し、新しく総務部に配属された人はもちろん、現在総務部に在籍している人の業務の再確認をも視野に入れて、日常的な総務部の実務に対応するための行動指針を解説します。 それと同時に、一般に総務部の役割ともいえる、「他部門のサービススタッフ」「全社的コミュニケーションの管理」「トップの参謀役」「全社的活動の推進」等々の要件を実務に絡めて解説し、これ1冊を読めば、総務部の全体像が把握できるようになります。 【目次】 第1章 総務部の役割・機能 第2章 総務部の年間活動スケジュール 第3章 対社内・対社外の総務の仕事 第4章 総務部に必要な業務知識と法的知識 第5章 総務部員としての心構え -
季節のない街 シナリオ
山本周五郎が素材ノートを総ざらいして書いたという 『季節のない街』を原作に、黒澤明監督が初のオールカラー『どですかでん』として映画化。 それから30年――宮藤官九郎がいちばんやりたかった企画が連続ドラマ「季節のない街」となってよみがえる! その街には”ナニ”で被災した人々が身を寄せる仮設住宅があった。 ”ナニ”から12年 ―― 今なお暮らしているのはワケありの住人ばかり。 田中新助こと半助はその街の実態を報告することでお金を得ていく。 青年部のタツヤ、コンビニ店員のオカベと知り合い、 ギリギリの生活の中で逞しく生きるワケあり住人らを観察するうちに、 半助はいつしか彼らに心を寄せるようになる。 シナリオ全10話分を完全収録!! また、各話に充実の監督解説付き! -
ユニクロ
これぞ決定版! 圧倒的な筆力で描き出す、迫真のノンフィクション!! さびれた商店街でくすぶってた青年が「ユニクロ」という金の鉱脈をつかむまでの苦闘。 SPAへの挑戦。東京進出とフリースブームの到来。 集まる仲間たちと、古参社員との別れ。 苦戦する海外展開。ブラック企業批判。 そして、情報製造小売業への進化。 柳井正と、その夢に惹かれた同志たちの長き戦いをリアルに描き出す。 「ユニクロはどうやってここから生まれたのか。 地方のさびれた商店街の紳士服店は、なぜ世界的なアパレル企業になりえたのか。 本書では、その謎をひもといていくことを目的とする。 では、その歩みから何が見えてくるのだろうか。 現代を生きる我々に何を教えてくれるのか。 私が見つけたのは『希望』である。 この国に存在する名もなき企業や、そこで働く人たちにとって希望になるであろう物語である。」 ――本文より -
無間の鐘
修験者のなりをして国々を放浪する謎の「十三童子」。 役者と見まがうこの色男は、錫杖を鳴らし銀のキセルをふかしながら、欲にまみれた人間たちをこう誘う。 ーー来世で地獄に堕ちてもよいなら、ひとつだけ願ってこの鐘を撞け。 ただし、撞いた者は来世に底なしの無間地獄に堕ち、子も今生で地獄に堕ちる。 撞くか撞かぬは、本人次第。さあ、あなたならどうする? 人の欲をためす不思議の鐘、鳴らすか、やめるか? 今が人生の分かれ道。 ストーリーテリングの凄さ際立つ新星が放つ傑作時代小説! 心の奥底に響く物語。深い、深すぎる。ー細谷正充(文芸評論家) 読むと、心のひだをじゃらんと撫でる音が聞こえる。ー三宅あみ(ジャパネスク・ナビゲーター/江戸文化研究家) -
親切で世界を救えるか ぼんやり者のケア・カルチャー入門
なぜ一鬼の頸(くび)が斬れない剣士・胡蝶しのぶは子どもたちの人気者になったのか? 『エモい古語辞典』『不道徳お母さん講座』『女の子は本当にピンクが好きなのか』の著者、注目の最新作。 『鬼滅の刃』から『ウ・ヨンウ弁護士は天才肌』『すずめの戸締まり』『ミッドサマー』『コンビニ人間』『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』――現代のポップカルチャーを支えるキーワードは、「ケア」。 流行りの「ケア」ってちょっと難しそう……? でも、私たち大人だって、人に優しく、思いやって生きていきたい。 「ケア」=抑圧的で退屈でつまらない 虚無と冷笑の時代を終わらせ、 「ケア」できる人=かっこいい! の時代へ。 ●愛される「学級委員的」キャラクター、竈門炭治郎と胡蝶しのぶ(アニメ『鬼滅の刃』)●「経済人」予備軍として扱われる大学生、責任主体とみなされない主婦(『アダム・スミスの夕食を作ったのは誰か?』)●ヒロインは家父長制にとらわれた退屈なお母さん(映画『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』)●家父長制の国のハロウィン 暴動からボン・ジョヴィへ(統一教会との関連が取りざたされる「家庭教育支援条例」と岸政彦『断片的なものの社会学』)●コントロールできない人生とナラティブ・セラピー(アニメ『平家物語』)●親切≠道徳 絆ではなく親切で繫がるには(映画『すずめの戸締り』) ネットで話題の連載が待望の書籍化。
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