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ことばと出会い、ことばと育ち、
ことばを疑い、ことばを信じた。
『水中の哲学者たち』で一躍話題となった著者は、
ことばに支えられながら、世界を見つめ続ける――。
過去から現在までの著者自身を縦断し、
読者とともにこの社会を考える珠玉のエッセイ集。
【第一部 問いはかくれている】
日々生まれる「新語」。
新語は、現代社会が必要とするから生まれるはず――。
けれど、なぜ私たちはそのことばを作ることにしたのだろう?
新語の裏に潜む問いを探り出し、私たちの「いま」を再考する12篇。
【第二部 これがそうなのか】
幼少期を本とともに過ごしてきた著者。
これまでに読んできた数々の本の中から大切な言葉を選び抜き、争いの絶えないこの世界との対話を試みる。
過去に書き残されてきた幾つもの言葉から、私たちの未来を惟る12篇。
【著者略歴】
永井玲衣(ながい・れい)
1991年東京都生まれ。人びとと考えあい、ききあう場を各地でひらいている。問いを深める哲学対話や、政治社会について語り出してみる「おずおずダイアログ」、せんそうについて表現を通して対話する写真家・八木咲とのユニット「せんそうってプロジェクト」、Gotch主催のムーブメント「D2021」などでも活動。
著書に『水中の哲学者たち』『世界の適切な保存』『これがそうなのか』がある。第17回「わたくし、つまりNobody賞」受賞。詩と植物園と念入りな散歩が好き。
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そうか永井さんも、読書家だったのか、クラスにひとりぐらいなのかな、こうやって熱心に読書してる人は。自分は小説が何かとかも分からんかったからなあ、誰か身近に読書家がいれば良かったなあ。いつか再読したい。「あーね」は知らなかったわ。。
気になったのは、
P203『重度障害のお子さんを持つ母親は自身の子育てを振り返り「不幸じゃないけど、大変だった、それをわかって欲しい」と伝えてくれたという。そう、大変と不幸は、似ているようでまったく違うのだ。相模原障害施設殺傷事件を起こした植松聖は、それがわかっていなかったと奥田さんは言った。』のくだり。
これは障害児育児してるわたくし自身の当事者目線で言うと、結構悩ましい。障害児育児は、振り返れば大変だったとなる可能性もあることは否定しないが、育児真っ只中は不幸だと感じる瞬間がないはずはない。障害もグラデーションでかなり幅あるし、「障害」がビッグワードすぎて一括りにしないでほしいと思う。
不幸であることを否定しちゃうと、それはそれで無理あるので、そこは飲み込んだ上で色々成り立ってる。不幸な時期を乗り越えた上で、大変だったと振り返れる日が来る人は幸せだわ。知的障害で身体が大きく成長して介護する必要ある場合は、一生ケアが必要で、これはある程度不幸であることは間違いない。
最悪地獄に落ちないように周りのサポートが必要で、配偶者の助けさえなく、追い込まれて我が子にそ手をかけざるを得ない心境に陥るニュースをたまに耳にするが、状況がわかるだけに泣けてくる。
Posted by ブクログ
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ことばと出会い、
ことばと育ち、
ことばを疑い、
ことばを信じた。
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日常に欠かせないことばたち。
だけど、割と意味なんて後回しでその場のノリで使ってることの方が多い気がする。
反射的に、息をするように何気なく言葉を消費している気がする。
永井玲衣さんのことばの解釈を読んで、ああ言葉って生もので生きてるんだよなって。
誰かが、周りが使ってるからその言葉を使う。これって結構危険なのかも。
ことばから、今の世界について哲学的に考える面白い一冊。
"「哲学」というのは厄介な言葉だ。哲学、それは学問でありながら営みである。行為である。世界の不可解さに立ち止まり、考えること、もしくは思わず考えてしまうこと、それが哲学である。"
"言葉と言葉がぶつかり合い、それによって世界がまたひらいていくこと。もう行き止まりに思えた世界に、また新たな奥行きが生じること。詩や短歌が好きなのは、世界の奥行きを感じさせるからだ。"
"普通」を超える言葉はこの先出てくるだろうか。最も地味で、目立たず、小さな言葉だろうか。"
"書くときは、何かを引用する。言葉と言葉のあいだに、とろりと他者が垂らされて、濃密になる。身体を通して、本の言葉をノートに書き連ねていたとき、わたしは誰かになることができた。"
Posted by ブクログ
哲学という学問は切実な現実から発生したものなのに、
学問としての哲学はあまりにも多くの人の現実から遠いなあと思っていた。
著者はこの二つを軽やかにつなぐのがホントに凄いと思う。
“一本締め”のことを「なんて感動的なのか。」という感想が出てくるセンス好き。
場って確かに締まりにくい。
“純粋理性批判”のことを「詩のような響きを持っている。」というセンスも好き。
その視点は無かった。
生を受けたことを“望まずに巻き込まれた”側面を強調して「生活」というセンスすごすぎ!
さすが哲学者!ちょっと笑っちゃった!
それにしてもタイトル、ヨシタケシンスケさん的なゆるい印象だったけど、本文でその一言が最初に出た所の事態の重さに衝撃!ギャップ!
2026/5/16に大磯コネクトという施設で実施された哲学対話と読書会に行ってきた。
著者も参加するPodcast『ペーパードライブ』のリアルイベント。
著者に会うから本買ってみよと思って本書を購入した。
永井さんがいかに本屋さんが好きか、本屋に入るとどうなちゃうのかがおっかしくて会場沸いた!
Posted by ブクログ
無機物に動詞をつける感じがとてもいい。
いきなり、ただの単語がゆるキャラみたいに見えるからおもしろい。
明朝体が立ったり、歩いたりしている。
普段言いたいと思っていることが大切に、大切に書いてあって感動の意味で泣ける。
「そういうものだから」で片付けちゃうこと、多すぎるね?
永井さんが「これがそうなのか」と思ったことを読んでいるうちに、自分なりのこれがそうなのかに出会う。
哲学は、あーでもない、こーでもないと話しながら
なんとか自分の納得できる場所を見つけるってことかも。
言葉について。
みんなが使っていて、
同じニュアンスで相手に伝わることが前提で、
それがいかに奇跡なのか…
普段使っている言葉を分解して、
その奥を考えるのが読んでいて楽しかった。
まさに"世界にはまだ奥行きがある"。
ずっと根底に、本の感想を上手に言い表すことが
苦手だなって思う気持ちがあって言葉の使い方をたくさん知って自分の気持ちに1番近い表現を見つけられたら嬉しい。
そして私が本を読むことが好きな理由が、
"人の言葉の使い方を見れるから"ってことに気がついた。
そしてまた、最高のあとがきに出会ってしまった。
Posted by ブクログ
読書というより、脳みそを眺めているに近い感覚。
エッセイでもなく新書でもない。
永井玲衣さんは哲学者であるけど、小難しい論文を書いている訳でもなく、そう思いました日記でもない。
でも、確かにふと私達も色んな事を思いふけり脳みその中の宇宙に飛び込んだりするような事を
取りこぼさず文章にしてくれている。
そしてくすっと笑える。取るにたらない言葉の事をはたと立ち止り改めて何故と思う時、それは「問い」だと言うけれどよくよく突き詰めて考えても面白い、これも一種の哲学なのかと身近に感じる道筋もできている。目次の「普通に」から「圧倒的に」が楽しく読めた。後半は戦争についての思い巡りもあり
それを読むのは読書というより、本文と私が対話してる感覚にも似ている気がする。
他にはない読み応えのある1冊
Posted by ブクログ
本や言葉を通じて世界との繋がりを築いてきた著者が、社会に出て他者と出会い、「これがそうなのか」と開眼する瞬間が描かれる。
しかし、その出会いは単なる確認作業ではない。
何度も繰り返される「世界の奥行き」という言葉に象徴されるように、平面だった世界が立体として立ち現れたとき、その深淵さに圧倒される。
子育てをしている人が口をそろえて「大変とは聞いていたが、ここまでとは聞いていなかった……」とやつれた表情で語る姿。まさに「これがそうなのか」という瞬間である。
「現実をそのまま肯定しないように注意深くあることは、繊細な集中力を要する」という一節は言い得て妙だ。白にも寄らず、黒にも寄らない、平均台を渡るような絶妙なバランスで思考を進めていく。何も解決されないまま結末へと向かう読書体験が得られる、著者の真骨頂が詰まった一冊だ。
個人的には、ケアの倫理に関心があったため、そのテーマに触れられていたことがとりわけ印象に残った。深掘りするきっかけにしていきたい。
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