さみしくてごめん

さみしくてごめん

1,760円 (税込)

8pt

「わたしはいつまでも驚いていたい。こわがっていたい。絶望して、希望を持ちたい。この世界から遊離せずに、それをしつづけたい。世界にはまだまだ奥行きがあるのだから。」

今、もっとも注目される書き手、永井玲衣の最新刊!


哲学は心細い。さみしい。だがわたしは、さみしいからこそ哲学をしているような気がする。生まれてきたことがさみしい。わからないことがさみしい。問いをもつことがさみしい。問いと共に生きることがさみしい。(本文より)

ことばが馬鹿にされ、ことばが無視され、ことばが届かないと思わされているこの世界で、それでもことばを書く理由は何だろう。わたしの日記は、戦争がはじまって終わっている。あの瞬間から、日記は戦時中のものとなった。
だが、ほんとうにそうなのだろうか。戦争はずっとあったし、いまもある。わたしが絶望したあの戦争は、いまもつづいている。だからあの日記はすでに戦時中のものだったし、この本も、やはり戦時中のものである。
とはいえ、わたしたちの生活に先立って、戦争があるわけではない。生活の中に戦争が入り込むのだ。どうしたって消すことのできない、無数の生の断片があるのだ。たとえ「対話」ができず、あなたのことばを直接きくことができなかったとしても、決して「ない」のではない。(「あとがき」より)



目次

やっぱりハリーポッタリ
わたしが飲むとこ見ててよ
タイツを履き忘れてすみませんでした
ばかものよとかうざいんだけど
シーサーには怖い顔をしていてほしい
箸、ごめんなさいね
夜に手紙を書くな
思ったより小さい
あたらしい犬を提案する


念入りな散歩
1月1日の日記
思い出せないことが絶えず思い出される街、渋谷
見られずに見る
試みる


さみしくてごめん
それ、宇宙では通用しないよ
iPadを叩き割れ
後ろの風景を置き去りにすれば見える
そうなのか これが そうなのか
身に覚えのない場合はご対応ください
なんだかさみしい気がするときに読む本
考えるための場


この本はもう読めない
枕辺の足
きみの足を洗ってあげる
穴だらけの幸福
ただ存在するたけ運動
徹夜のための徹夜
ないがある
今は、知っている
ただ、考えたい

あとがき

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さみしくてごめん のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ

    永井さんが実際に哲学対話でお話されているところを聞くと、いつも「こんなにはっきりと自分の考えを表現できてすごいな。強いな」と思ってしまう。

    初めて永井さんのエッセイを読んだ。彼女から生まれる言葉は哲学対話を聞く時のような印象はむしろ感じさせなかった。彼女が生きて、哲学に考えさせられている日々をより

    1
    2025年09月07日

    Posted by ブクログ

    自分をありのままに、そしてそれ自体をなんとも思っていない。清さとも自然体とも違うなにかがこの本にはある。永井さんは日常のあらゆるものを怖がりながらどこか面白がっている。彼女のアンテナに引っかかる言葉。それ自体が取るに足らないものでも、平凡なものでも彼女にかかるとたちまち特別な意味を持った言葉になる。

    0
    2025年11月24日

    Posted by ブクログ

    作家ではない人が書いているのが良い。
    だからこそ、何度も同じ話が出てきたり、とりとめもない話が続いていて、著者と対話しているようで読んでいて楽しかった。

    0
    2025年11月12日

    Posted by ブクログ

    ただ考えたい、って!!おぉ。世間では時間の無駄とか、生産性とか将来とか、そればかり言われるから、どうでもよいことばかり考え気味な私おかしいんかなって心配だったのでなんていうか気が楽になった。有名な哲学者さんがいいっていうなら、きっと許されるでしょ…って。ちょっと気が大きくなってる。
    日記のパートはほ

    0
    2025年11月05日

    Posted by ブクログ

    よかった、とってもよかった…一気に読んでしまいました。前半、1の日記文を呈したところは、クスッと笑える視点がたくさんあって、いままでの書籍より(若い時ということも含めながら)永井さんの人としての面が見えた気がする。永井さんみたいに、世界の一つ一つを怖いと思ったことはないけれど、あれ?なんで?と思うこ

    0
    2025年11月01日

    Posted by ブクログ

    TBSラジオ荻上チキのセッションに突然「哲学者」として登場し、
    軽妙な、親しみのある語りで哲学対話を繰り広げる永井玲衣。
    この本で、その正体が少しわかった気がする。

    小さな、虚弱体質の、ちょっと難しい女の子だったようだ。

    1に描かれている文章は、まるで詩のような、短歌のような、
    とてもいい感じの

    0
    2025年10月30日

    Posted by ブクログ

    永井さんのエッセイを読むのは3冊目ですが、どれを読んでも面白いです。着眼点のユニークさ、絶妙なワードチョイス、テンポよく引き込まれる文体、文章の背後に見え隠れする底知れない知性は翻訳家の岸本佐知子さんのエッセイに通じるものがあるように思います。

    本書後半に出てくる永井さんがサッカー観戦に行くまでの

    0
    2025年10月20日

    Posted by ブクログ

    哲学がなんなのかをよくわかっていなくえも、永井さんの文章は大変読みやすいし、何か正解を求める学問ではなくなぜ?を探求するようなイメージなんだと感じた
    考えること、言葉に出してみること、それは一人でやらずに友人や誰かと一緒にやっていいこと、など敷居が下がる感覚があって嬉しかった
    永井さんの文章、もっと

    0
    2025年10月18日

    Posted by ブクログ

    誰かと一緒に考えることでそれぞれが平凡ではない考えを持っていることに気づく。ふとした瞬間浮かんだ疑問について考える。疑問が疑問を呼んで頭の中をころころ転がっていく感覚。その時間や感覚を大切にして、いつか誰かとそれを共にできれば良いなと思った。
    哲学を少し身近に感じることができる一冊。

    0
    2025年10月15日

    Posted by ブクログ

    【若き哲学者が考えるさみしさの正体とは】長年、わたしにはわからないものがある。それは、さみしさだ。さみしさとはなんだろう。友達とごはんに行った帰り、大きなプレゼンをやっと終えた瞬間、あてもなく街を歩いている時。わたしはきまって"さみしく"なる。しかしその正体が何者なのか、ずっとわ

    0
    2025年10月15日

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