【感想・ネタバレ】さみしくてごめんのレビュー

あらすじ

「わたしはいつまでも驚いていたい。こわがっていたい。絶望して、希望を持ちたい。この世界から遊離せずに、それをしつづけたい。世界にはまだまだ奥行きがあるのだから。」

今、もっとも注目される書き手、永井玲衣の最新刊!


哲学は心細い。さみしい。だがわたしは、さみしいからこそ哲学をしているような気がする。生まれてきたことがさみしい。わからないことがさみしい。問いをもつことがさみしい。問いと共に生きることがさみしい。(本文より)

ことばが馬鹿にされ、ことばが無視され、ことばが届かないと思わされているこの世界で、それでもことばを書く理由は何だろう。わたしの日記は、戦争がはじまって終わっている。あの瞬間から、日記は戦時中のものとなった。
だが、ほんとうにそうなのだろうか。戦争はずっとあったし、いまもある。わたしが絶望したあの戦争は、いまもつづいている。だからあの日記はすでに戦時中のものだったし、この本も、やはり戦時中のものである。
とはいえ、わたしたちの生活に先立って、戦争があるわけではない。生活の中に戦争が入り込むのだ。どうしたって消すことのできない、無数の生の断片があるのだ。たとえ「対話」ができず、あなたのことばを直接きくことができなかったとしても、決して「ない」のではない。(「あとがき」より)



目次

やっぱりハリーポッタリ
わたしが飲むとこ見ててよ
タイツを履き忘れてすみませんでした
ばかものよとかうざいんだけど
シーサーには怖い顔をしていてほしい
箸、ごめんなさいね
夜に手紙を書くな
思ったより小さい
あたらしい犬を提案する


念入りな散歩
1月1日の日記
思い出せないことが絶えず思い出される街、渋谷
見られずに見る
試みる


さみしくてごめん
それ、宇宙では通用しないよ
iPadを叩き割れ
後ろの風景を置き去りにすれば見える
そうなのか これが そうなのか
身に覚えのない場合はご対応ください
なんだかさみしい気がするときに読む本
考えるための場


この本はもう読めない
枕辺の足
きみの足を洗ってあげる
穴だらけの幸福
ただ存在するたけ運動
徹夜のための徹夜
ないがある
今は、知っている
ただ、考えたい

あとがき

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Posted by ブクログ

日記は成した事を書くが、なんだかいちばん忘れてしまいそうな事を書かなくてはと思った。から始まるこの本は、ずっと自分の頭の中の思考や些細な気づきをこぼれ落ちる前に掬い上げる、実際に思った事を忘れてなかったものにせず「ある」という既成事実を残そうとしている。それらの中には問いがある、問うことは哲学なのか。著者は哲学者ながらも、堅くなく柔和で親近感をもてる人だ、今日の面白かったことをくすりと笑える内容もある。
念入りな散歩をする。私も散歩が好きで何があるわけでもなくモクモクと歩くけれどその時ずっと自分と対話している気がする、何か発見したりもするしふと何故だろうと思い出した事を深めて考えたりもする。
それを世界の奥行きを確かめるために散歩をすると書かれていて、この本は自分の本にしたいと思った。
哲学は常に誰もがしてるのではないか、否哲学はした事はなくさせられている。
タイトルにもある「さみしくてごめん」は130頁の
さみしさだけは誰とも共有できない、だから、わたしだけのもの。
と答えるこの一節を読めただけでも価値のある1冊。

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2026年02月04日

Posted by ブクログ

『水中の哲学者』がすごく良くて、新刊が出るのを楽しみにしていたが期待に違わずとても良い!
何気ない日常や哲学対話で出会うおもしろいことや意味不明なことにくすりとさせられながら、「いいじゃん」と思える。私が日々ぐるぐると、考えてしまう/考えさせられている「考え」の支えになってくれる。私も私のさみしさは共有できないのだけれど。

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2026年02月04日

Posted by ブクログ

著者がコロナ前、コロナ最中に書き溜めたエッセイ。
エッセイは、ことばがひとりぼっちで、出版を躊躇していたという著者。

それでも読みたいと言ってくれるひとがいて、手渡したいと思うわたしがいた。
ひとりでに語り手になることはできない。必ずきくひとがいて、わたしたちはようやく表現をすることができる。ただ考えていることがある。それもまた、きくひとがいて、ようやくことばになってくれることがある。

哲学者・作家である永井さんが、あるトークセッションで、「わたしたちは日常で哲学はよくしているが、対話はしていない。」と言っていたことがあった。
あの人と話すと元気がもらえるのは?、コーヒーはなんで黒いのか?、パンとバターが合うのは?ほかに合うものは?など、日々の小さな問いをひとりでに考えていて、これは立派な哲学である。一方で、倫理観や社会的立場、タイパやわかりやすさなど、強い文脈に支配された議論や対話以外の、心から思った素朴でか弱い個人の問いをきき合う場が少ないという指摘だったかと思う。

きく、きいてもらうことから、始まる対話の場をアメーバーのように色んな場所に増殖させていきたい。

この本は、めちゃくちゃな世界や翻弄される自分や友人に、ツッコミを入れ続けるようなエッセイだ。テクノロジーと古の融合した、ごPDF化、おデバイス、生まれ変わったら何になりたい「めかぶ!」、空港の検査でペットボトルを一口飲むように言ったのに、飲むところを見ない空港職員、料理に入った虫よりも箸を渡しそびれたことを謝罪する食堂の店員、すぐにお皿を下げようとする店員さんとの戦いなど、ある場所だけに存在する価値観や自他の価値観のズレをことばにし、ツッコミ(問い)を入れていく。

読むと世界のめちゃくちゃさにあらためて、驚かされる。自分も心の動きをエッセイとして、残したくなる本だ。

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2026年01月10日

Posted by ブクログ

やっぱりこの人の本は面白い。色んな魅力がある人だけど私的には「懐が深い人」という印象が強いです。その一つとしてのエピソードとして「無限大から見れば同じですよ」と言われたいと思うこと、まちなかで何もしない人「ただ存在している人になる」という活動など、どこか本質的であり、でもこの資本主義では許せない行為をやってみることなど意外な発見をもたらしてくれます。

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2025年12月21日

Posted by ブクログ

コロナ禍で書かれた日記(第1章)とエッセイ集。作者は哲学者さんであるらしく、文章をこねくり回して結論らしきものや、問いらしきものを捻り出していく。ほむほむ(詩人、穂村弘)さんに文章が似ているなと思っていたら、ほむほむの読者さんであった。出だしで北海道の地名が出てきたので、北海道在住かと思いきや、渋谷の人とのことで大変な都会人であった。引用されている「空席がすばやく埋まる東京で誰が消えたか思い出せない」という感覚はわかる気がする。そんな都会人ではないのだけれど。

あとがきに

この本を手にとってくださったあなたにも、ありがとうございます。あなたの、ただ考えてしまったことを、ぜひ押し込めないで、教えてください。
わたしはあなたの話がききたいです。

とある。優しい肯定感が素敵だ。

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2025年12月15日

Posted by ブクログ

spotifyの夜更かしの読み明かしで初めて永井さんの事、哲学対話の事を知って、どハマりして配信が終わってしまってからもいまだにリピートして聴いている。この人の物事を深く探求していく姿勢も、ありふれたものや人でも決めつけをせずに対峙する姿勢も好きだな。
もっと永井さんの哲学対話を知りたいと思って本を読んでみた。

前半は短めの日記、ユーモアがあってなんか人生楽しんでるなぁって笑ってしまうところがたくさん。

後半は抽象的で難しい所もあったけど面白く読ませてもらった。哲学モメントが印象的だった。

見慣れていたものやわかったつもりで漠然とみていることが突然よくわからないものになってしまう体験。世界が異化される体験。
世界は絶えず私たちに道のサインを送っている。それをいかに見逃さないかということだけが問題だ
いつまでも驚いていたい、怖がって絶望して、希望を持ちたい。そのための手立てはいくらでもある。世界にはまだ奥行きがある

世界に根ざしながら世界をよく見ること、それはいかに可能なのか?
何かをよく見ること。そのために距離を取ること。その際に免れ得ない問いがある。どこから見るのか、という問い。見つめるわたしはどこから見ているのか?誰として見ているのか?
批評や哲学はまず自己の吟味から離れることができない。


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以下備忘録

作中に出てきた永井さんが読んでいた本や作品のリスト
⚪︎寺山修司 戦後詩
⚪︎中村佳穂 そのいのち
GEZAN
⚪︎岸政彦 マンゴーと手榴弾
⚪︎久保勇貴 宇宙工学研究
⚪︎山戸結希
⚪︎茨木のり子 自分の感受性くらい
⚪︎藤原辰史 戦争と農業
⚪︎アイテイシア 離婚しそうなわたしが結婚を続けている29の理由
⚪︎小島庸平 サラ金の歴史
⚪︎リルケ マルテの日記
⚪︎三島由紀夫
⚪︎キムソクジン
⚪︎大江健三郎
⚪︎ モーム 人間の絆
⚪︎太宰治 短編集
⚪︎井伏鱒二 山椒魚
⚪︎イカロスの墜落のある風景


町田康 しらふで生きる
ケイトマン ひれふせ、女たち
濱野ちひろ 聖なるズー
藤岡ゆう太郎 たぷの里
すゑひろがりず 動画
斉藤倫 ぼくがゆびをぱちんとならして、きみがおとなになるまえの詩集
岡野八代 フェミニズムの政治学
バーンスタイン 暴力
荒川裕樹 車椅子の横に立つ人
ジョナサンハイト 社会はなぜ左と右にわかれるのか
ダイアンj グットマン 真のダイバーシティをめざして
岩崎航 震えたのは
神谷悠一 松岡宗嗣 LGBTとハラスメント
シモーヌ ヴェイユ アンソロジー 
バフチン 群像
夜回り先生 水谷修 夜に手紙を書くな
木村敏
阿部公房 カンガルーノート
温又柔 真ん中の子供たち
穂村弘 短歌ください 君の抜け殻編 何もない街での誰かの聖域だろう雨のマクドナルドは
稲葉剛 貧困パンデミック


この度は大変申し訳ありませんでした。引き続き宜しくお願い致します。これでええ?

山田航 たぶん親の年収超せない僕たちがペットボトルを補充してゆく
空港の手荷物検査場でのわたしが飲むところ見ててよ!がうけた
ホルモンの奴隷 永井玲衣 記事
はい哲学科研究室です

特技は運命を受容するスピードの速さ
不安な時ほど硬質な名作を読めばいい

伊藤桂一 微風 掌に受ける早春の日差しほどの生き甲斐でもひとは生きられる
人は脆いけどしぶとい
友達にいいじゃんと言ってもらえるとそれで良かった。あなたがここにいていいじゃん、生きててもいいじゃん。

哲学対話テーマ
知らない人の方が話しやすいのはなぜ
人を応援するとは?
なぜ人に愛されたいのか?
よく聞くってなんで難しい?
なぜ人に評価されたい?

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2025年12月06日

Posted by ブクログ

自分をありのままに、そしてそれ自体をなんとも思っていない。清さとも自然体とも違うなにかがこの本にはある。永井さんは日常のあらゆるものを怖がりながらどこか面白がっている。彼女のアンテナに引っかかる言葉。それ自体が取るに足らないものでも、平凡なものでも彼女にかかるとたちまち特別な意味を持った言葉になる。不思議だ。その切り口がとても面白い。

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2025年11月24日

Posted by ブクログ

作家ではない人が書いているのが良い。
だからこそ、何度も同じ話が出てきたり、とりとめもない話が続いていて、著者と対話しているようで読んでいて楽しかった。

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2025年11月12日

Posted by ブクログ

ただ考えたい、って!!おぉ。世間では時間の無駄とか、生産性とか将来とか、そればかり言われるから、どうでもよいことばかり考え気味な私おかしいんかなって心配だったのでなんていうか気が楽になった。有名な哲学者さんがいいっていうなら、きっと許されるでしょ…って。ちょっと気が大きくなってる。
日記のパートはほんとに親近感湧きまくりで日常をすてきに文章にできるってうらやましいなーって思った。2から難しい言葉が出てきて、やっぱり賢い人が書いてるんやなーと我にかえる。
昨日、職場で私ともう一人だけディズニーのお土産クッキーがもらえなかった。さみしい。さみしくてごめん!これじゃないか…でも。何をどう思っても、正解がなくても、考えが変わってもいいって強いな。誰かと分かち合えたらもっと最強か。

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2025年11月05日

Posted by ブクログ

よかった、とってもよかった…一気に読んでしまいました。前半、1の日記文を呈したところは、クスッと笑える視点がたくさんあって、いままでの書籍より(若い時ということも含めながら)永井さんの人としての面が見えた気がする。永井さんみたいに、世界の一つ一つを怖いと思ったことはないけれど、あれ?なんで?と思うことはあって、永井さんの視点を得られるとそれがどういうことかを考える道具を手に入れられるような感覚になりました。後半の文章たちも好きです。これからもこの人の文章を読んでいたい。

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2025年11月01日

Posted by ブクログ

TBSラジオ荻上チキのセッションに突然「哲学者」として登場し、
軽妙な、親しみのある語りで哲学対話を繰り広げる永井玲衣。
この本で、その正体が少しわかった気がする。

小さな、虚弱体質の、ちょっと難しい女の子だったようだ。

1に描かれている文章は、まるで詩のような、短歌のような、
とてもいい感じの短い文章。
哲学者っぽくない。エッセイストのよう。

2からちょっと真面目な?文章になる。
でもやはり等身大。永井玲衣の頭の中を素直に、率直に吐き出している。

彼女に限らず、誰の頭の中にもある思考、もやもや、悩み、迷い、
そうしたものをわかりやすく表現している。

哲学、って、難しいものじゃないんだな、となんとなく思える。
といいながらいまだに「哲学」がなんだかわからないけど。

「問い」を立てることが哲学なのか、、

人生すべて哲学のような。
でも考えるのをやめちゃってる思考停止の人もいるような。

面白い本。

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やっぱりハリーポッタリ
わたしが飲むとこ見ててよ
タイツを履き忘れてすみませんでした
ばかものよとかうざいんだけど
シーサーには怖い顔をしていてほしい
箸、ごめんなさいね
夜に手紙を書くな
思ったより小さい
あたらしい犬を提案する


念入りな散歩
1月1日の日記
思い出せないことが絶えず思い出される街、渋谷
見られずに見る
試みる


さみしくてごめん
それ、宇宙では通用しないよ
iPadを叩き割れ
後ろの風景を置き去りにすれば見える
そうなのか これが そうなのか
身に覚えのない場合はご対応ください
なんだかさみしい気がするときに読む本
考えるための場


この本はもう読めない
枕辺の足
きみの足を洗ってあげる
穴だらけの幸福
ただ存在するたけ運動
徹夜のための徹夜
ないがある
今は、知っている
ただ、考えたい

あとがき

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2025年10月30日

Posted by ブクログ

永井さんの言葉は断片的で、ふわふわと不安定な世界に漂いながらも、いつも光を伴って帰ってくる。

不安やストレスに立ち向かう方法や、考え方を変えましょうって内容の本は数多くあるけれど、
この本は一緒に向き合おうよ、みんなで奥底まで潜って考えようよって言ってくれている感覚で、
自分の思考や感情を否定せず両手で掬い上げて向き合える感じがした。

私も普段、駅で足を踏まれてイラっとしたこと、アイスの美味しさに感動したことなど日々ちょっとした事で感情が動くけれど、
そんな一つ一つの感情の機微を何だろう?何で自分はこんな風に思ったんだろう?って心の奥底を覗きにいくような感覚、すごく好きだった。心の奥行を広げられる気がした。

特に刺さったのはP188のやさしさと親切のお話。
「とびきりやさしい人は何だかちょっと怖い。」の部分、何となく自分の中にあった恐怖心を言語化してくれたようでハッとした。

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2025年07月20日

Posted by ブクログ

哲学研究者である永井玲衣さんのエッセイ集。難しいことを一緒にぐるぐる思考するものもあれば、つい声をあげて笑ってしまうものもある。多くの話は哲学対話の場面をきっかけに著者が気になったこと、興味を持ったことについて書かれている。

前にも哲学対話の本を読んだことがあるが、哲学ってつくづく面白いと思う。生産性ばかり追い求める資本主義社会に疲弊する現代人はかなり多いだろうし、その大多数が気晴らしを求めて消費に走っているように思う。服、食事、映画、音楽、、、読書でさえもその内側にあるかもしれない(その人の心持ちに依る?)。新しい物、新しい体験、新しい知識。それでも人は満たされない。欲の先にはさらなる欲しかないからだ。もちろんそれらは悪ではないけれど、もし満たされない自分を肯定できないなら、一度立ち止まって哲学してはどうか?

哲学はモノを必要としない。ふと浮かんだ問いを立てて自分や他者と対話する。問いに良いも悪いもなく、ただただ深く思考する。必ずしも正解を求める必要はない。難しいよね、わからないよねと共有することが哲学の喜びの根幹でもある。


お気に入り
「さみしくてごめん」
「突然の雨にみんなで降られることが好き」という言葉に感動した。とてもわかる。けどそれを言葉にした人を初めて見たし、その理由も頷ける。また、女子校での哲学対話で、「さみしさだけは、誰とも共有できない」と言った生徒、そしてサルトルの「恭しき娼婦」のラストシーン、それらを通して、さみしさの中にある温かさに触れることができる。人はそれぞればらばらで孤独であること。その状況を「分有」している点においてのみ人と人は繋がれるのだ。

「きみの足を洗ってあげる」
やさしいと親切は違うこと。やさしすぎることは危うさを孕んでいること。学ばせてもらった。私は他者を見つめたやさしさを持ちたい。

「穴だらけの幸福」
幸福とは何か。その答えを全員が押し並べて似たイメージで持っていることに違和感を持つ。あたたかくて、やわらかくて、充足しているイメージ。きれいすぎる。なるほどプルリブスってドラマはまさにこういうところを皮肉っている、というか警鐘を鳴らしているのか。自分の、自分だけの幸福についての言葉を探したい。

「ただ存在するだけ運動」
上でも言及した通り、生産性のないものは弾かれる社会で、ただそこに「ある」、つまり「存在する」ことを意図的にしてみようという試みの話。北海道で見たサクラマスを思い出した。大きな流れの中に無謀にも飛び込み、滝登りに何度も挑む彼らに感動し、ただ立ち尽くして見ていた。忙しなく形を変えていく社会の中でその流れに逆らってでも自由に、自分の好きなように表現して生きることができるかな。あのサクラマスのように、挑み続けたい。

「ただ、考えたい」
「哲学はどんな時に役に立つか」と問われた著者の話。この話は本編最後に置かれていて、ここまで読んでいたなら、この問いのくだらなさというか、ナンセンスさがわかると思う。役に立つという発想がまさに生産的な質問をしようということの表れである。考えることや生きていくこと、そんな途方もなく大きなテーマから些細なことまで、とにかく問い続けることを大切にしたい。役に立つとかよりも、ただそんな生き方がしたいのである。

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2026年02月22日

Posted by ブクログ

永井怜さん、初めまして。

哲学ってまだまだ私の中ではよく分からなくて掴みどころがないものだけど、なぜか惹かれる。
どこまでも考えていいって楽しい。

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2026年02月14日

Posted by ブクログ

最初の章の日記形式の文章がおもしろかった。吹き出しそうになるところもあったので電車で読む際には要注意です。

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2026年02月11日

Posted by ブクログ

また読みたくなって再読。
前作「水中の哲学者たち」「世界の適切な保存」へと繋がるところもあり、「さみしくてごめん」を読み終わったあとにこの二つを読み直すと新たに面白さを発見できるかも。

印象的だったのはわたしたちは哲学を「させられている」ということ。哲学を手中に収めるように、まるでツールかのように取り扱っているイメージだったけど、周りを見渡すと小さなところに哲学(著者は哲学モメントと称していた)が隠されているということをこの本から気づきを得た。
哲学モメントから広がる世界を見ていきたい。

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2026年02月07日

Posted by ブクログ

世界の断片やカケラを見つけることができて、それに対して感動したり絶望したりする著者の視点や感性が良いなと思う
夜は一人きりな気がしてさみしくなるのではなく自分とふたりきりになるから、自分と向き合うしかなくて寂しくなるのではないかという視点とか、日常のちょっとした気付きによって世界の奥行きに触れることができるんだなとハッとした

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2026年01月18日

Posted by ブクログ

ネタバレ

コロナ過の中で書かれたという、日記とエッセイ。日記の部分がたんたんとしてシュールですごく面白かった。他人の何気ないひと言、ちょっとした出来事から広がるイメージや余韻がなんとも言えず可笑しいのだ。終わるジェノベーゼ、適当に作られたレモネード、いちごジャムの中の鮭の瓶、小生のパワーポイント、ニーチェになるカント。「これでええ?」はつい声を出して笑ってしまった。日常の瞬間瞬間への感性の鋭さが感じられるというか、疑問への瞬発力が高い。
後半はエッセイになっているが、言葉になる前の感覚をできる限り丁寧にすくい取ろうとしているような文章で、結論のようなものにはあえてたどり着かず、ただ漂っていくようなエッセイである。もどかしくもあり、優しい気持ちにもなりという感じ。日常って私が思うより不定形でぐにゃぐにゃしてるものなのかも、と思った。それを楽しんで暮らしてみたい。

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2026年01月07日

Posted by ブクログ

日々の暮らしの中で見ているようで見ていないことに気づくことができる。他者の視点と感じ方に新しさやおもしろさがある。単調で退屈だとつい思ってしまう日常生活にも、よく見れば深さがあるものだ。『念入りな散歩』を読んで思う。

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2025年12月27日

Posted by ブクログ

考えた方がいいから考えるというのではなく、考えなければならない状態に追い込まれて考えている。人それぞれ、理解できないような、説明のつかないような問いを考えている。1人では抱えきれないこの考えるという行動をだれかと共にする。問いという形で共有することで、自分を探したり、新しい可能性に気付いたり、答えがまた分からなくなったりする。これが哲学なのかと思った。

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2025年12月12日

Posted by ブクログ

さみしいから手に取った
読めば読むほど哲学が分からなくなる
哲学モメントを読みながら初体験した
じわっと心があったかくなった
なんか、いいなぁ さみしくてよかったな

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2025年12月12日

Posted by ブクログ

思わず、くすくすと笑ってしまうユーモラスで肩肘張らない文章で楽しい。ほんのちょっと哲学の入口というか「考えずにはいられないこと」を受け入れる?投げやらない?共に有る?生活をしても良いのかもしれないと思わせられる。

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2025年11月18日

Posted by ブクログ

哲学というものがなんなのかわからない人にとっても、とっかかりになる作品(エッセイ)でした。
考えすぎてしまうきらいがある私にとっては、同じように問い自体に対して頭を悩ませている方の存在は心強いです。
ひとつひとつの事柄の心もとなさ、さみしさに真摯に向き合っている姿は素敵だと思います。わかりあえないとしても、どうしてそうなのか、そうなっているのはなぜなのか、他人の言葉を借りずに自分自身の言葉で表現していきたいです。

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2025年10月26日

Posted by ブクログ

問いに問いかける。どうしたってことない日常も悪くはない。むしろ面白い。問い方一つで、観ている世界が変わる。
くすっと笑える、想像できるシーン。
あるある。
ことばが届かない世界もそれは存在している。どうして届かないんだろう。
また、それも考えたくなる。

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2025年10月21日

Posted by ブクログ

この本は哲学書?エッセイ?
その境目はなく、永井玲衣さんという人の言葉がただそこにあるという感じ。
そもそも哲学というものは、改めてかしこまって考えるものではなくて、日常の中にふっと沸き起こる問いなのかもしれない。
永井さんの文章はとにかく読みやすい。
プッと笑ったり、問いに頭を悩ませたり…まるで対話しているような気分になりながら読んだ。
一人で読んでいても、なぜか一人のような気がしなくて、さみしくない時間だった。

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2025年10月21日

Posted by ブクログ

哲学者は詩人……いや詩人が哲学者になるのかな。
感じたこと、考えていることが、たくさんたくさんあって、それを言葉にしてあふれさせる時、それを削ぎ落として作品にするのが詩人、言葉を尽くして伝えようとするのが哲学者なのかなという気がした。
私も、ものすごく細かいことをいろいろ考えるタイプなので、著者の主催する哲学対話の場に行ったら、たくさん喋れるような気がする。
くだらない、とか、めんどくさい、とか思われそうで、いつもは言葉を押し込めているけれど。

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2026年02月14日

Posted by ブクログ

鈴木保奈美の本の番組にみうらじゅんが出てて、その中のランキングコーナーの売れてる本にあったので読んでみた。
コロナ禍の日記と雑誌などから集めたエッセイ。
LINEの打ち間違い、散歩、サッカー、やさしさ、色んなものを哲学者の目から見つめ直します。

哲学者というと、「昔の偉い人がこう言っていた」的な引用がたくさんあるのかと思ったら、そうでもなくて読みやすかった。それでいて、埴谷雄高や井伏鱒二、寺山修司、まだ読んだことない昭和の文化人の本に興味を持てたりもした。

「会社名」のところに「哲学研究者」と書かれた関係者パスを首に下げてサッカーを観戦すると、サッカー観戦記に一人の選手名も出てこないのが興味深い。

なので、笑えたり勉強になるところも多かったのだけど、「この人は何をグダグダ書いているのだ?」というところも結構あった。特にタイトルになってる「さみしさ」の下りとか。この辺は僕があまり「エモさ」とかわからないからかもしれない。

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2026年01月31日

Posted by ブクログ

初・永井玲衣さん。読み始めてすぐ「くどうれいんさんや穂村弘さんと親交がありそうだな」と感じたくらい、世界の捉え方がどこか歌人的。

ご本人も「哲学モメント」は「詩的な表現」になると捉えておられて、なるほどなと思った。

ただ、やはり哲学者の性か自ら袋小路に迷い込んでいくようなところがあり、個人的には歌人の方のエッセイの方が風通しが良く読みやすいと感じた。

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2025年12月21日

Posted by ブクログ

日記のところはとりとめなさ過ぎてどうしよう…読めるかな…と思っているうちに本棚に逆戻りしていた。
数ヶ月後、ゆっくり読めるとき、とりとめなさと付き合いながら読み終わった。
誤変換とかたまに出てくる面白ワードとかを読んでると、この人は大真面目な顔して面白いことをそのまま受け入れてそうだなって思うと、その姿におかしみがあった。

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2025年12月02日

Posted by ブクログ

日記のところが特に好き。
哲学っていつまで経っても掴めないから哲学。
当たり前に生きているこの世界には哲学が、不思議が、不可解がたくさん。おもしろい。

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2025年11月06日

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